研究開発のテーマ
- 「カイゼン キャッチ&プル」のドリルデザイン
- 新次元の加速は主にキャッチおよびプルの推進力によって得られる。 この技術を段階的にマスターするためのドリルを開発する。
考察
- これまでのTIスイムのクロールは、スピードの2番目のピークであるプッシュからフィニッシュのフェーズに焦点を当てて加速を加えていた。この理由は以下の通り。
- 伸ばした手を水面の浅い位置に置くと、前後のバランスが失われる。
- 初心者は水の抗力に負けて肘を引くため、1番目の速度のピークであるキャッチからプルにかけて加速を得ることが難しい。
- 水面の浅い位置から動かすと行程が長くなり、テンポに合わせづらくなる。
- プッシュは体幹の回転や入水した手を前に加速するタイミングと一緒にしやすく、反対の手や体幹を支えにして大きな力を得ることができる。
- バランスがとれ、プッシュからフィニッシュで十分な加速が得られるようになれば(25m12~14ストロークで泳げる)、次のスピードアップの道具としてキャッチとプルに取りかかるのがよい。
- ここでのポイントは以下の通り。
-速いテンポで泳ぐことを想定:遅いテンポならプッシュで十分加速が得られる
-長い距離を泳ぐことを想定:ストローク前後の加速バランスを向上させる
-我慢しない手:入水時に水中の手は動いている
-形を意識:スイッチ時の水中の手の形(垂直)が重要
-初動で抱えられる水の量が決まる:手首のスナップ、スカリングの応用
-肩甲骨の活用:キャッチ準備段階
-ラクな泳ぎは肩→肘→手首の順で下がるが、プルを最大化するためには肩=肘=手首
-手首は肩より上がらないようにする:肩への負荷が増大
ドリル・プログレッション
- 両手スカリング:スーパーマングライドから水面下15cm維持
- 両手ハイエルボープル:スーパーマングライドから水面下15cmを維持してプル動作
スカリングしながら手首を返す - 両手プル-プッシュ:前腕で押した水が手の腿の前を通り過ぎる感触を得る
- スケーティング-ハイエルボープル:水がひっかかるように繰り返し行う
肩-肘-手首がフラットになるようにする=水面下15cm - 片手プル-プッシュ:抱えた水を支点にして体幹が回転する
- 片手アンダースイッチ:ストロークの早い段階(手の平が肩より前)で加速して体幹を回転
- ポーズ&スイッチ:スイッチのときに、水の抗力を最大にしたときの水中の手の位置をまず決める。次にその手の位置、抗力を得るためにいつ動かし始めるかを決める。
- ゆっくりスイッチ:水中の手の深さ、 動かし始めのタイミング、スイッチのときの水の圧力、その圧力を支点した入水の手の加速を確認
ドリル撮影:プール公開が5月であれば撮影を行って6月にDVD作成
カイゼン・キャッチ&プル ワークショップ:9月23日に南町田で実施