2014年11月17日月曜日

1ストロークごとに加速する

スイム:4000yds


 前回の練習ではテンポに合わせて漫然と泳いで遅くなった。残り3本の段階からストローク数を一定にすることを意識した結果、ディセンディングして400ヤードで6分2秒まで短縮することができた。今回の練習では最初からストローク数を一定にすることを目標として泳いだ。


・テンポ・ピラミッド 9×400@1.15-1.30-1.05秒

最初のラップで泳いだストローク数から+1の状態を15ラップ続けることにした。これまでと同様に100ずつ意識するポイントを変えた。意識するポイントを変えると、ストローク長が変わるのがよくわかるようになった。1つの意識で泳ぐチャンスは4回あり、意識を変えた直後にうまくいかなかったとしても3回修正することができる。

 最初の1.15秒で気づいたのは、1ストロークごとに加速する意識を持たないとストローク数が維持できないということであった。気がゆるむと14が14.3や14.5(ターン前にグライドが長くなる)になってしまう。結果的にそれぞれの意識において加速するポイントを以下のように設定した。
  • 手を入水する位置と伸ばす方向:入水した手を伸ばすときに加速
  • キャッチの型:わきの下を伸ばして手の位置を10cm前にする
  • 肘てこ:からだの回転に合わせて抱えた水を後ろに押す
  • スイッチてこ:入水する手と水中の手のメリハリ
 このように加速を意識しながら泳ぐと、速く泳ごうと思わなくても速くなる。最初のセットで前回よりも12秒速くなり、5セット目には100ヤード1分29秒ペース(400ヤード5分58秒)となり、練習再開後の目標であった6分切りを達成した。

 さらにテンポを上げたが、ここではテンポが遅いときのストローク数を無理に維持するのではなく、各セット毎に最初のラップ+1を維持することだけに集中して泳いだ。その結果最後は5分44秒となり、この練習を始めて3回目で400ヤードで30秒短縮することができた。少ないストローク数を維持しようと力むよりも、一つ増えてもそれを維持する方がラクに速くすることができる。

 運動強度はランニング時の150を越えており、休憩時間もこれまでの倍(約45秒)必要ではあったが、加速を上げようとしてそれが泳ぎに反映している感覚を身につけることができた。

 今日は5000泳ぐ予定であったが、高い成果を伴う練習ができたのでこれで終わりにした。来週一週間は全く運動できないので、体力重視の練習をしても意味がないためである。


練習後の気分:10(仮説が正しいと気分がよい、けどプールから上がると更衣室までは寒い)

2014年11月15日土曜日

テンポ練習の罠

スイム 4050yds

気温が16度を下回ると泳ぎの間の休み時間でからだが冷える。このため休み時間が20秒程度に短縮され、ほとんど連続で泳ぐことになる。来月は雨期に入り10~12度程度まで下がるので、こんどはリカバリーするたびに手が痛くなるのであろう。

○テンポピラミッド 9×400@1.15-1.30-1.05秒

昨日はSwiMP3のバッテリーが途中で切れたが、今日は音楽を聴き続けることができた。その影響もあって後半のテンポを上げる局面でタイムが短縮できなかった。

 テンポピラミッドはまずテンポを遅くして前のめり感や安定感、加速感を増やす。次にテンポを速くしてなめらか感を加える。変化幅は0.20~0.30秒程度なので、ビープ音の間隔が変わったときに動作を合わせることはそれほど難しいことではない。以下はテンポを変化させるための道具である。
  • テンポを遅くする→伸びる時間を増やす、不安定さを感じたら加速を上げる(入水した手の肘を素早く伸ばす、素早く体幹を回転する)、リカバリー動作をゆっくりにする、水中の手の軌跡を長くする(特に後ろ方向)
  • テンポを速くする→リカバリー動作を速くする、水中の手の軌跡を短くする(特に後ろ方向)、入水位置を遠くする、伸ばす手の深さを浅くする
 テンポピラミッドの主目的は「速く泳ごうと思わずに」スピードを上げることであり、テンポに合わせて泳ぐことではない。この目的を意識していないと、テンポを速くする局面でストローク数が増えてしまい、結果として遅くなる。今日の練習では音楽に気を取られていてタイムが伸び悩んだ。

・空回りの対処方法:ストローク数を一定にする

 望ましくない結果だったので、音楽に気をとられていた以外の要因を考えた。日本滞在中はエンドレスプールの練習が中心で、音楽を聴きながらテンポトレーナーに合わせて泳ぎ、ストローク数を数え、フォーカルポイントも変えていた。しかし速度は一定であり、その速度に合わせるために無意識に加速していたのであろう。

 一方普通のプールでは自分の泳ぐ速度は自分が決める。音楽を聴いたりビープ音を聞いたりフォームを意識する以外に、加速し続けなければならない。意識するポイントは決めているので、そのポイントにおいて加速に貢献するような動作をしなければならない。

 テンポ1.20秒の結果が6分31秒でその前より4秒落ちたので、テンポ1.15秒から16ストロークを死守することにした。単純に加速しようとすると力んでしまうので、ストローク数を維持するという緩いタスクを設定して、そのために意識するポイントをどのように使うかというアプローチで泳いだ。

 入水する場所は手を伸ばす方向を意識するときは、ストローク数の維持が難しい。キャッチの型やてこなど加速に関連する意識では、16ストロークをラクに維持することができた。その結果テンポ1.15秒で6分28秒、1.10秒で6分15秒、テンポ1.05秒で6分4秒まで短縮することができた(計算上25ヤードあたり0.8秒、400ヤードで12.8秒短縮できる)。

 テンポが速くなるに従い、「加速している」という意識も強くなった。テンポ1.05秒で泳いでいるときは、適度な加速感を感じることができた一方、エネルギーを消費した感覚も強くなった。


・「ラクに長く」と「ラクに長く速く」の微妙な違い

 テンポを落とさずにラクに泳げれば、長く泳ぐことは可能である。ビープ音を聞きながら泳げば、1ストロークあたりの時間は伸びずに済むので劣化しにくくなり、その結果長く泳げるようになる。

 しかし速く泳ぐためには、加速を意識に加える必要がある。ラクに長く泳げる泳ぎ方に、どのように加速を入れることができるかを練習で身につけることになる。マラソンスイムにおいては「より速く」泳ぐ意識は必要なく、劣化を防ぐためにストローク数を一定にするだけの加速で十分であろう。

 今回の最後のセット(1.05秒)は、ランニングでの心拍数140~145の強度に相当した。実際の心拍数は110程度なので、これを6時間続けることは物理的には可能である。今後はストローク数を一定にするために必要な最小限の加速を加えることで、本番の泳ぎに近づける。


練習後の気分:8(スピードアップのアプローチが見えた)


2014年11月14日金曜日

しばらく泳がなかったときの勘の戻し方

スイム:4000yds


気温:16度、水温:27度、天候:晴れ

 10月9日にグアムから日本に戻り、その後は香港や韓国、福岡巡業があったのでほとんど泳ぐ時間を持つことができなかった。昨年までは「こんなもの」で済ますことができたが、2月に20kmを泳ぐことを考えると夏の練習ペースに早急に戻す必要がある。

 そこでいろいろ取り組む前に、水泳の練習勘を取り戻すための練習を行った。

ステップ1:何が劣化しているか確認する

○感覚スイム:400(7つの感覚)
 50ずつ1つの感覚に集中して、期待通りの感覚が得られているか確認した。
  • リラックス感:関節をゆるめることを意識して、得たい感覚が得られた。
  • 前のめり感:顔で水を押すことを意識して感覚が得られたが、リカバリーの肘の落下による前のめり感は弱かった。
  • 安定感:わきの下を伸ばすことで、得たい感覚が得られた。息継ぎのときの水中の手は不安定。
  • なめらか感:入水場所を手前にすることで、手をリラックスしたまま入水することができた。フィニッシュからリカバリーもなめらかにできた。
  • 滑り感:肘の落差による加速が弱いため、手の入水後の伸びが足らない。伸ばす手を深くしてみたが得たいレベルに達していない。
  • 加速感:水中で肘の伸ばす時間を短縮してみるが、からだの回転と連動しない。「キレの悪い」状態が続いた。
  • 水抱え感:水からの圧は感じるが、左右で泳ぐ人が作る水流でキャッチの型が不安定となり、この感覚も安定しなかった。
 久しぶりのコースシェア(1コースを半分に分けて使う)、隣の人がフィンを使って平泳ぎやバタフライを泳ぐなど水が荒れていたので入水場所やキャッチの型、リカバリーの肘の軌跡などを一定にすることが難しかった。この一ヶ月はエンドレスプールでの練習しか行っていないため、荒れた水の中で感覚を保つことが難しいと感じた。


ステップ2:劣化した感覚を取り戻す

○テンポピラミッド:9×400@1.15-1.30-1.05秒
 入水場所や水中の手の型、肘の軌跡などが不安定なことでそれぞれの感覚が劣化したことがわかったので、このピラミッド練習ではひたすら同じ場所に入水し、同じ場所に手を伸ばし、同じタイミングで手を動かし、同じ軌跡で手を動かした。

 400は100ずつに分解して1:入水位置と前のめり感、2:キャッチの型、3:肘てこと水抱え感、4:スイッチてこと加速感に集中した。この結果水が荒れていても得たい感覚が得られるようになってきて、16ストローク維持、ディセンディング(最終タイムは6分14秒)することができた。

 なお終盤足がつりそうになった。ランニングをしてないことが原因と思われる。来週よりランニングも始める。

 次回以降姿勢や動作が安定し、得られる感覚がこれまで通りになった段階で速度を上げることを意識して6分を切るようにする。


 コミュニティプールが営業を終了し、市営プールで練習を始めた。塩素がかなりきついのでビタミンCスプレーは必須。シャワーを浴びるときにシャンプーやボディソープを使うのをやめることができ、肌のガサガサも塩素臭もなくなった。


練習後の気分:7(運動をした後はやはり気持ちがよい)