2015年3月31日火曜日

100yd1分20秒ペースの作り方

バイク 37分 13km

スイム 64分 3000yds



  1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
  2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
  3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
  4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
  5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
  6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
  7. スカリング 2×100:肘前スカル25、肩下スカル25、腰前スカル25、スカリングの動きをストロークに取り入れてクロール25
  8. クロール 2×100
    2セット
    -1st 25:手首前スカルをキャッチに連動
    -2nd 25:肩下スカルをプッシュに連動
    -3rd 25:腰前スカルをフィニッシュに連動
    -4th 25:スカリングの動きをストローク全体に連動
  9. 10×100:ストローク数キープ(15,16,16,17)、約30秒休憩


バイクは吉野コーチのアドバイスに従い座り方を変えたところ、サドルに座骨が当たる痛みが激減した。次の目標は60分。

スイムは予定通り最後に1分20秒平均で10本を終えることができた。以下が有効であったアプローチである。
  • 前日より各ラップ1ストローク増やし、テンポを上げられるようにした。
  • テンポを上げやすくするため、キャッチを支点にしてリカバリーの手を素早く前に運んだ。
  • テンポを上げやすくするため、水中の手の軌跡をからだに近づけた(肩下スカルの肘の角度)。
  • 入水後に伸ばす手の動作と、水中にある手のフィニッシュを連動させた。
  • 5セット目まで2ビート+最後の25を6ビートで行っていた。6セット目から全て6ビートに変更した。
バイクもありかなり疲れていたので、力で速く泳ぐのではなく、正しい動作(手足の動きやタイミング)を行うことで結果として速くなるように意識した。

目標通りの結果が得られたので、次回は距離を伸ばす。


練習後の気分:8(結果が得られれば気分が良い)

2015年3月30日月曜日

スイッチのタイミングを変えてスピードアップする

スイム 64分 3000yds



  1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
  2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
  3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
  4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
  5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
  6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
  7. スカリング 2×100:肘前スカル25、肩下スカル25、腰前スカル25、スカリングの動きをストロークに取り入れてクロール25
  8. クロール 2×100
    2セット
    -1st 25:手首前スカルをキャッチに連動
    -2nd 25:肩下スカルをプッシュに連動
    -3rd 25:腰前スカルをフィニッシュに連動
    -4th 25:スカリングの動きをストローク全体に連動
  9. 10×100:ストローク数キープ(14,15,15,16)、約20秒休憩

持久力トレーニングを目的として、前日ロードレーサー型バイクを購入した。次男と一緒に30分走ったところ臀部が痛み出したため終了。慣れが必要と判断してしばらくは毎日30分程度走ることにした。

○スピードアップのプロセス化

4月中旬の大会まで2週間しかないため、次のようなプロセスを考えた。なお目標タイムは22分30秒、100ydのペースで1分20秒である。
  1. 100ydを単位として1分22秒~24秒のペースでの泳ぎ方を作る。
  2. 同1分18秒~20秒のペースでの泳ぎ方を作る。
  3. 200ydを単位として2分45秒のペースでの泳ぎ方を作る。
  4. 同2分38秒のペースでの泳ぎ方を作る。
  5. 400ydを単位として5分30秒のペースでの泳ぎ方を作る。
  6. 同5分20秒のペースでの泳ぎ方を作る。

運動強度を指標化すると、全力を10として上記奇数ステップで6~7、偶数ステップで8~9である。
強度として2段階、距離として3段階で合計6段階を1日ずつ合計6日実施する。

○スイッチのタイミングを変える

今回新たに取り入れたのが、スイッチのタイミングを変えることである。これまでは入水する手と水中の手を同期させていたが、今回より「水中の手を支えにして水上のリカバリーを加速する」タイミングに変更する。

水中の手の支えは、外向きのスカリングと親指を支点にした手のひらの回転による作る。水中の手をフィニッシュしながら、前にある手をスカリングして支えを作り、肩より後ろにある水上の手を素早く前に送る。このとき入水する手が水面を叩かないように、手のひらに角度をつける。

この素早いリカバリーは、テンポを速くするのに有効である。また両手が同じように動く(カヤッキング動作)ので、水中の手も素早く動かすことができる。

今日は100を10回行ったが、最初は1分24秒程度であったものの両手の動作のタイミングが合うと1分20秒まで上げることができた。

明日は
  • 2ビートキックと6ビートキックの違いがどこまでタイムや持続力に影響するか
  • 両手前スイッチと片手前片手後ろスイッチの違いがどこまでタイムや持続力に影響するか
について確認する。


練習後の気分:6(自転車の影響で泳ぐ時間が減ってしまった)

2015年3月28日土曜日

低温スイムの新技術

スイム 40分


今日はミネソタからワークショップの指導に来たDave Cameronコーチとサンフランシスコで泳いだ。気温21度と3月にしては暖かいが、水温は16度であった(ブイに備え付けの温度計で確認)。普段よりは3度程度高いらしい。

今回はシーズン初めてということもあり、ウェットスーツ(袖無し)+サーマルスリーブ(袖)+サーマルキャップで泳いだ。

○最初の5分

海に入った瞬間、冷たいと思う間もなく痛みが足を襲う。泳ぎ始めたが手のひらと足が痛くなってきた。

ウェットスーツやサーマルスリーブ、キャップに覆われている場所は何も感じないが、手のひら、足、顔、首が痛む。呼吸も浅くなったので2ストローク1回呼吸で換気を増やした。

6ビートキックを初めて海水で試したが、ウェットスーツによる浮力もあり空打ちが目立った。

○次の5分

冷たいと感じたら、水中の手の型を意識して、普段よりも「力強く」水の中で手を動かすようにDaveからアドバイスを受けた。試してみると手の冷たさが弱くなり、ストロークに集中できるようになった。

またテンポを上げて泳いでいたところ、左手が水面を叩いているとの指摘があった。スリーブを着けているので気がつかなかったが、入水角度を意識するようにした。

○次の10分

最初の10分間でパニック状態から落ち着いた状態まで変化した。それまではDaveに追いつけなかったが、水中の手の動きを意識するようになってからスピードで追いつくようになった。

またキックについても、ウェット装着時のひざの緩め方や腸腰筋の使い方がわかってきて、下半身を安定させ、推進力となる6ビートキックに変えることができた。

○次の10分

強烈な横からの流れで押し流される。手のかきに合わせるサイティングで視野を確保し、流される方向と逆の方向に向けて泳いだ。

ここでDaveから、「横からの潮があるときは、グライド時間を増やすと横に流される。テンポを上げてスケーティング姿勢の時間を短くする」アドバイスを受けた。このため水中の手とからだの間隔を狭め、6ビートキックのタイミングに合わせてテンポを上げたところ、流されないようになった。

○次の10分

良い感じで終わりかけたが、「もう1回行く?」と言われて思わず「行こう!」と言った自分がおかしい。ついにあちらの世界に入ってしまった。4月のレースのペースで10分泳いでみた。


Daveはドーバー海峡をソロで2回成功させ、往復にもチャレンジしている。経験豊富なコーチからいろいろ教えてもらえる自分の立場に感謝している。

クラブハウスは一般人でも入場できることがわかったので、これからは電動シャワーを持ち運ばずに毎週土曜日練習することにする。


練習後の気分:8(泳いだ後は震えがやっぱり止まらなかったが、すぐに熱いシャワーが浴びられてよかった)

2015年3月27日金曜日

水中の手の動作のまとめ

スイム 74分 3600yds


  1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
  2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
  3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
  4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
  5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
  6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
  7. スカリング 4×100:肘前スカル25、肩下スカル25、腰前スカル25、スカリングの動きをストロークに取り入れてクロール25
  8. クロール 8×200
    4セット
    -1st 50:手首前スカルをキャッチに連動
    -2nd 50:肩下スカルをプッシュに連動
    -3rd 50:腰前スカルをフィニッシュに連動
    -4th 50:スカリングの動きをストローク全体に連動
    4セット
    -1st 50:手首前スカルを入水動作に連動
    -2nd 50:肘下スカルを入水動作に連動
    -3rd 50:肩下スカルを入水後の加速に連動
    -4th 50:腰前スカルを入水後の加速に連動


水中の手の動きをスカリングに関連づけるプロセスはこれで終わり。最初の外側への動きは内側への返しの反動をつける意味もあることを思い出した。
  • 外側から内側への返しは素早く行う。
  • 伸ばした手の位置から外側への動きも素早く行う。
  • 従って外側に動き出すタイミングは、内側への返しを行う直前まで待つことになる。
手首スカルは手に水を当てることが主目的であり、長い距離動かすと揚力が増えてブレーキがかかる。親指を支点にした短い回転(90度)を意識し、肘の位置を上げることと外→内の返しの勢いを作ることを主目的とする。

次の外→内の動きは、手の角度を固定したまま肘を支点にした運動になる。実際は弧を描いているが、意識は直線の方が手をこねなくてよい。前腕と手の甲を直線に保ち、手首を曲げないようにする。

最後の内→外の動きでフィニッシュする。後ろに水を押す反動を使って手を出すのはこれまでの考え方と同じであるが、テンポアップするために後ろに押す意識は最小限に留め、スカリングの外向きの動きからそのまま手が水上に「抜ける」ようにする。

○スイッチタイミングによるコントロール

手の動きが確立されれば、タイミングをコントロールすることが容易になる。試して感じたのは、
  • 最初の外側への開始は入水の直前とする。入水時の加速において水中の手が支点になるように水を抱えておく。
  • 外→内に入水する手を合わせる場合、水上の手が肩の横を通り過ぎるあたりで水中の手の動作を始める。水中の手を支えにして入水自体を加速することになる。
  • フィニッシュを入水の手に合わせる場合、水中の深い位置で動作を始めると間に合わない。肩下スカルの肘の角度を鋭角にして、手の平がからだのすぐ前を通るようにすると水中動作を素早く行い、タイミングを合わせることができる。
水中の手とからだとの間隔を狭めることにより、スイッチのタイミングを早めにすることがわかった。


4月中旬に1650ydのレースがあるため、来週からペースづくりを始める。


練習後の気分:8(最近頭痛に悩まされているが、薬を飲んで治まっているうちに練習することにした)


2015年3月24日火曜日

スカリング練習と水中の手の動かし方の関係

スイム 72分 3600yds



  1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
  2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
  3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
  4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
  5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
  6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
  7. スカリング 4×100:肘前スカル25、肩下スカル25、腰前スカル25、スカリングの動きをストロークに取り入れてクロール25
  8. クロール 8×200
    4セット
    -1st 50:手首前スカルをキャッチに連動
    -2nd 50:肩下スカルをプッシュに連動
    -3rd 50:腰前スカルをフィニッシュに連動
    -4th 50:スカリングの動きをストローク全体に連動
    4セット
    -1st 50:手首前スカルを入水動作に連動
    -2nd 50:肘下スカルを入水動作に連動
    -3rd 50:肩下スカルを入水後の加速に連動
    -4th 50:腰前スカルを入水後の加速に連動


今日のスカリング練習で、ようやく水中の手の動きが理解できた。
  1. キャッチ:手のひらを外側に向けて開く動きを最初に行うことで、水の当たりが強くなる。これは手を前に伸ばしたスカリング動作と同じである。親指を支点にして手のひらの回転動作を加えることで、肘の位置が高くなる。水の当たりを強くし、肘を高くした型を作ってから素早く内側に返すことでキャッチが完結する。
  2. プル-プッシュ:肩の下で行うスカリング動作の始点をキャッチの位置、終点をフィニッシュの位置に移動するとプル-プッシュになる。肩の下で行うスカリング動作は「姿勢の安定」と「推進力」の両方の機能を持つ。両足を閉じたまま肩の下でスカリングしたときに、足が浮いたまま前に進むようになればこの2つが機能していることになる。現時点では推進力はあるものの足が沈むので姿勢は安定していない。キャッチの位置から手を内側に動かして腰の前に到達する。
  3. フィニッシュ:腰の前で行うスカリング動作のうち、手を外側に動かす部分がフィニッシュになる。手を後ろに押さず、外側にはじくように動かすことで押された水を感じることができる。

これまでキャッチの部分にスカリングの動きを取り入れる考えが理解できなかったが、オーストラリアのTIコーチであるピーターのアドバイスを取り入れたことにより外向きの手の動きがキャッチの前半部分になることがわかった。後半は素早く手を返す部分である。

非常に重要な感覚が得られたので、クロール200のセットでは4セットをこの手の動かし方に費やし、次の4セットで両手のタイミングを変えてみた。入水する手の加速のタイミングをどこにするかで、水中の手のどの動きを強調することになるのかが決まる。なおタイミングを見極めるときは、入水する瞬間については意識せず、入水する手を加速するタイミングを観察した。これはCROSモードでは水面の傾きが絶えず変化するので、水面を基準にすることができないためである。手を前に素早く伸ばす動作をタイミングの基準とすることで、水面がどのような向きになっていても対応できる。1~3までは問題なくできたが、フィニッシュと手を前に伸ばす動作の連動はドリルでの練習が必要である。


これまでとそれほど変わらない時間で3600を泳げるようになった。スピードも確実に上がっている。


練習後の気分:8(見えなかったものが見えるようになった)

2015年3月23日月曜日

水中での手の動かし方

スイム 70分 3000yds



  1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
  2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
  3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
  4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
  5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
  6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
  7. スカリング 4×100:肘前スカル25、肩前スカル25、腰下スカル25、肘の形状を意識したクロール25
  8. クロール 5×200:6ビートキッククロール(道具箱練習)
    -1st 50:アクセントキックのタイミング(入水する手に合わせる)+手と肘の軌跡
    -2nd 50:足をゆるめて膝を引き上げる+手と肘の軌跡
    -3rd 50:入水する手を伸ばす動作に合わせてエッジをかける+手と肘の軌跡
    -4th 50:足のリズムを連続にして手の動作を合わせる+手と肘の軌跡


キック練習は技術を染み込ませる段階として、これまでの半分の練習量にする。

新たに水中での手の動かし方を磨くためにスカリングドリルを入れた。シュノーケル装着。スカリングに伴う揚力発生を目的にするのではなく、キャッチ、プル、プッシュ、フィニッシュにおける手の向きと肘の角度を推進力が得られるように調整する。

肘前スカル(スケーティング姿勢で伸ばした手の肘の位置より前でスカリング)では水を下に押しているだけで、なかなか前に進まない。キックを止めたかったが足が沈むので軽いバタ足を入れた。

肩前スカルで前に進むようになったが、それでも推進力は弱く、キックをしないと足が沈む。腰の下のスカリングでようやく水を後ろに押す感覚が得られ、前後のバランスもとれるようになった。

Finisのアジリティパドルを使ったがスカル動作よりも後ろに押す動作が優先されてしまう。肘の角度がロックされてしまうので不適であった。もう一つの新しいパドル(インスティンクトパドル)を入手して試すことにする。

長距離で6ビートを泳げるようにするために、200のセットを今回より取り入れる。1回あたりの距離を次第に伸ばしながら、セット数を増やして泳ぐ距離全体を増やす。またキックの4つの道具は確立できたので、50の後半はスカリングドリルのときの肘の動きを意識して手を動かした。肩の下あたりで肘の角度が大きいことがわかったので、手の位置を変えながら行うスカリング練習の動作を次回はなめらかにする。


・練習後の気分:6(スカリング練習の効果が小さかった)


2015年3月20日金曜日

CROSモード対応のキック練習で得られたこと

スイム 70分 3000yds



  1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
  2. キック 8×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットを交互に2回ずつ
  3. 2to6ビートキッククロール 4×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
  4. 6ビートキッククロール 4×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
  5. アンクルストラップクロール 4×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
  6. クロール 4×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
  7. クロール 400:6ビートキッククロール
    1st 50:アクセントキックのタイミング(入水する手に合わせる)
    2nd 50:足をゆるめて膝を引き上げる
    3rd 50:入水する手を伸ばす動作に合わせてエッジをかける
    4th 50:足のリズムを連続にして手の動作を合わせる
    5から8:1~4の繰り返し

冷たい荒い海で泳ぐ泳ぎ方をCROS(Cold Rough Open water Swimming)モードと定義して、要素技術の一つである「下半身の安定した6ビートキック」の練習を集中的に行い、身につけることができた。以下は今回の練習を通じて得られた知見である。
  • キックは足で水を下に押すことを意識しない。ゆるめたひざを素早く引き上げて伸ばすことを意識する。
  • 最初はひざの裏を緊張させることになるが、緩める部分を増やすとハムストリング→骨盤の回転(上下動)→腸腰筋+骨盤の前後動と使用部位が変わる。腸腰筋と骨盤の前後動を使うときは、足はほとんど緊張せずリラックスした状態になる。
  • 足の動きをからだの動きと連動させるため、2ビートキックのタイミングを6ビートに取り入れる。これを「アクセントキック」と呼び、入水する手(斜め姿勢の切り替え)に合わせて打つ(=ひざを伸ばす)。
  • 入水する手に合わせてアクセントキックを入れると、3ビート毎に若干の間が空く。この間を使って斜め姿勢を安定させる。
  • テンポを上げたいときは、3ビートの間を取り除き、それに合わせるように手の軌跡を短くする。こうすることで確実にテンポが上がる。
  • 足の位置を高く保つために、キックではなく入水した手を伸ばす勢いを使う。手を伸ばすときに前に体重を乗せることで、足が浮いてくる。両足を閉じたままにして泳いでも、キックしたときに比べて100ydsで2秒程度の違いしかない。
上記のような知見に基づいて本日の練習の最後に400を6ビートで泳いだ。特に問題もなく、足も疲れず6ビートで泳ぐことができた。おそらく人生で初めてである。

キック練習についてはこれで一段落として、今後は関連練習の時間を3分の1程度にして続ける。次週よりスカリングを用いたプルの軌跡とスイッチのタイミングに取り組む。


練習後の気分:9(400を泳いで達成感がある)

2015年3月19日木曜日

エッジのかけ方

スイム 70分 2850yds

  1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
  2. キック 8×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25
  3. 2to6ビートキッククロール 4×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
  4. 6ビートキッククロール 4×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
  5. アンクルストラップクロール 4×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
  6. クロール 4×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
  7. クロール 400(250でリタイア):6ビートキッククロール
    1st 50:アクセントキックのタイミング(入水する手に合わせる)
    2nd 50:足をゆるめて膝を引き上げる
    3rd 50:入水する手を伸ばす動作に合わせてエッジをかける
    4th 50:足のリズムを連続にして手の動作を合わせる
    5から8:1~4の繰り返し(5でリタイア)


○前回までとの相違点

  • 2のキックドリルでフィン装着→外すの順番にした:3ラップ目に足がつった。足が温まらない段階でフィンを装着すると足がつることがわかった。次回から以前のようにフィンなし→装着の順番に戻す。
  • 5のアンクルストラップクロールで、足の左右の動きを抑える意識と足を持ち上げる意識を入れたときのタイムの違いを考察→左右の動きを抑えるだけでは1分43秒、入水した手を伸ばすときに足を持ち上げる意識を入れると1分33秒。4の平均タイムは1分28秒なのでキック有りと無しとの差が大きく縮まったことになる。
  • 6ではキックなしとキックありを25ずつ交互に行う→フルキックと同じタイムの1分28秒まで上げることができた。

○新しい発見

  • 左右揺れしにくい斜め姿勢を「エッジのかかった状態」と呼ぶ。これまではスケーティングの姿勢でからだを締めることでエッジをかけていた。この方法はゆっくり泳ぐ2ビートでは有効であるが、回転角が浅くなり、テンポが速くなる6ビートでは難しい。
  • アンクルストラップで両足を閉じて動かないようにしたときに、左右のぶれを抑えようとするときと、入水した手を伸ばしたときに足を持ち上げようとしたときとでは100ヤードで10秒タイムが変わった。手を前に伸ばすときに体幹と足を締めることでエッジがかかることがわかった。
  • エッジがかかるとスピードが上がる。キックをしなくてもタイムを維持することができる。
  • 手を前に伸ばすときにからだの下側を締めることができると、足はゆるめたままでもエッジはかかったままになる。ゆるめた足を使って素早い6ビートを行えば、スピードをさらに上げることができる。このときは下半身全体がゆるんでいる(いわゆる「イカ」の状態)のではなく、体幹から腰までは締まっている。腰が締まるとゆるんだ足を腸腰筋で引っ張ることができる。

最後は6ビートの道具を確定するために50ずつ道具を変えて泳いだが、250で土踏まずがつった(最初のフィン装着でつった場所と同じ)ので無理をせずリタイアした。明日は道具を変えながら長距離をラクに6ビートで泳ぐ土台を作る。

・練習後の気分:9(プールから上がったときに前より上達したことを確信した)


2015年3月17日火曜日

マラソンスイム分割案

OWSに詳しいコーチから聞いた内容について、備忘録代わりに今後本ブログ上にまとめる。

メルボルン在住のTIコーチであるピーター・ヘンドリックスは、オープンウォータースイムの実戦経験および指導経験豊富なスペシャリストである。

2月のロットネスト海峡横断はシステム上の問題でソロスイムに登録できず、ソロスイムのパドラーとして参加、悪環境のなか海酔いしたスイマーをコーチングしながら完泳させた。また自身は個人イベントとしてロットネスト大会の2週間後にソロスイムに挑戦し、クラゲに刺されながらも見事完泳した。
(ついでに言えば初のロットネストはパドラーに会えずに30分ロス、2回目の挑戦では17km地点で船が故障しテクニカルリタイアであった)

クラゲの痛みに耐えながらも20kmを完泳することができた理由として、ピーターは以下のような考え方で泳いだことを一番に挙げた。

1)最初の10km:1km×10本

補給の間隔を20分として、ボトルドリンクを飲んだらすぐに泳ぐ。休憩時間は長くて20秒。10回休憩すれば10kmに達する。

2)1km間隔できつくなってきたと感じたら:500m×2本

余裕のあるうちに1kmをさらに分割して500m×2本にする。1回に泳ぐ時間は約10分。休憩時間は1kmのときより短く15秒とする。疲れているが距離は短くなるのでペースを上げる意識を持つ。

3)さらにきつくなったと感じたら:200m×5本

15~18km地点の山場ではさらに分割して200m×5本にする。1回に泳ぐ時間は4~5分。休憩時間はさらに短く10秒とする。さらにつらい状況ではあるが5分で休憩が待っているので頑張ってペースを上げる。


ドーバー海峡横断を4回チャレンジした大貫さんやピーターが異口同音に話すのは、マラソンスイムはメンタルが6~7割だということである。ただし実際に泳いでわかったが、単なる精神論ではなく、このメンタルは「通常の泳ぎができる再現力」と捉えた方がよい。

20km、10kmと考えてうんざりすると、その時点で普段の泳ぎが再現できなくなる。まず1kmで区切り、普段の練習のように、500m×2本や200m×5本を1セットずつ積み重ねると、いつのまにか10km、20kmになるということである。

ポイントは疲れるに従い1回に泳ぐ距離が短くなるものの、普段の練習を考えればその分スピードアップする意識を持たなければならないということである。さらに休み時間を短くすることで、気持ちをスピードアップにつなげようとしていると考えることもできる。

従って普段の練習においても、400mや500m、1000mをブロック化してスピードと休憩時間をコントロールすることが必要になる。長い距離をブロック化する感覚を練習で身につけ、本番でもフォームの再現力を高めることが、マラソンスイムには必要である。

チームスイムでも同じような考え方が使えるかもしれない。ウルトラ速いチームは5分交替で全員がダッシュしているそうである。5分ダッシュ、13分休憩、2分準備の繰り返しである。

キックの強化2

スイム 60分 2600yds

  1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
  2. キック 8×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、ビニルフィン無し2セット、フィン有り2セットを交互に行う
  3. 2to6ビートキッククロール 4×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
  4. 6ビートキッククロール 4×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
  5. アンクルストラップクロール 4×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
  6. クロール 200:前半100は足の動きを止める。後半100は6ビート。


これまでキックは、
  1. ひざをゆるめる(ひざが曲がる)
  2. くるぶしをゆるめる
  3. ひざの裏を素早く伸ばす
としていたが、ビニルフィンを使うと、
  1. 水を足に当てる
  2. ひざをゆるめると同時に、足の甲を支点にしてハムストリングスで素早くももを引き上げる
という動作に短縮化できる。これまでのキックでは3のステップでひざ裏が緊張することがあるが、ビニルフィンによるキックの2では、意識をするのはハムストリングスでありひざではない。従ってひざが緊張することもなくなる。

またハムストリングスで上に引っ張るイメージではももが緊張しがちになるが、腸腰筋を引き上げる(進行方向に引く)イメージに変えるともももゆるめることができる。なお腸腰筋が使えるのは
  • 骨盤がフラット(ChiRunningのチルト状態)
  • 手を前に伸ばし、わきの下が軽く張った状態
のときである。ビニルフィンで軽く水の圧を感じ、足の甲全体をてこの支点にするだけで素早いリズムのキックが可能になる。足の甲やひざ、もものいずれも力点ではなく、腸腰筋(または骨盤)が力点になって「てこ」として機能する。足のほとんどの部分をリラックスさせながら、素早いキックが可能になる。

厳密には3番目のステップとして、足の甲で水を押すことで安定性と推進力が生まれる。しかしこの作用点は腸腰筋や骨盤の動きの結果もたらされたものであり、足の甲で水を押し下げることではない。押し下げたら持ち上げる必要があり(ダウンキックとアップキック)、そうすると疲れるキックになってしまうのであろう。支点であり作用点ではあるが、力点ではない点がこれまで認識していたキックとの違いである。

キックの動きが素早いので、キックに合わせようとすると必然的にテンポが速くなる。今日は空回りを気にせず、キックのタイミングに合わせることだけを意識した。結果としてはストロークに合わせてキックをしていたとき(3ビート毎に小さな間隔が空く)に比べて100ydsで6~12秒速くなった。

このキックにより2ビートも股関節を締めやすくなり、2→6ビートキックへの移行がラクになった。
またキックなしの泳ぎでも下半身が安定するようになった。

・プッシュオフ後のキックの始め方

・これまで:ドルフィンして、バタ足して浮き上がったらひとかき
・CROSモード:ひとかきして、入水する手と反対の足でアクセントを入れてから3ビート、反対側で3ビートを打ち、入水する手がアクセントキックをリードして6ビートを始める。スピードアップするときはアクセントキックが入水する手のタイミングをリードすることで、より速いテンポで泳げるようにする。

2日で5km近い距離をバタ足したが、全く疲れなかった。またグライドキックもスケーティングキックも前に進むようになった。大きな進歩である。週末には20分程度6ビートで泳いでみる。



サーフィンのパドリングを視点にしたうねり対応の泳ぎ方

 ロットネストのうねりは1mを越えることもあるので、オープンウォータースイムというよりサーフィンの世界に近い。そこで興味深いビデオを見つけた。

サーフィン ビギナーズバイブル ゲット編

 波に対して変化させるパドリングの考え方は、スイムにも適用できるのはないかと考え、TIコーチでオープンウォータースイム・スペシャリストの吉田智江さんに聞いてみた。吉田さんは日本人としても決して体格が良いわけではなく、力でなく知恵と経験で波に対処している。

○上記ビデオを見て

ボードが有る無いで体の横の傾きの有る無いの違いはありますが、波をクリアする方法は基本的に同じです。大きな波は潜った方が良いし、小さな波は少し体のポジションを下げて上を通す程度です。
 違う所は、サーフィンでは足の着く場所で小さな波は上を越えるという所です。スイムの場合、体の大きな人なら上を越える事は可能ですが、波の力が一番強いのは一番上ですから、越え損ったら間違いなく戻されます。ボードがあるよりも、体だけなら沈めやすいので、わざわざ危険を冒して上をいく必要も無く、潜ってクリアすることになります。


 上記ビデオに対応する形で、スイムのコントロールを

  • スイッチのタイミング(入水の手が入るときの水中の手の位置)
  • リカバリーの手の形や速度
  • テンポ
  • キック
  • 姿勢
  • 息継ぎなど

のポイントでまとめてもらった。


○足の着くところで小さな波をクリアする

  • 腰くらいまでなら、泳がずに進む。勢いの無い波ならば、波に当たる時に横向きでかわし、ドンドン前進する。力のある押し戻されそうな波は、立ち止まって、しっかり前後に足を開き横向きで踏ん張り、波を腰で切る。
  • 腰以上になったら、小さい波なら少しポジションを低くして頭をツッコミ気味で泳ぐ。大きな波なら、勢いをつけてドルフィンダイブで波の下をスルーする。続けて大きな波が来るようなら、もう一度立って、同じ様にドルフィンスルー。大きな波が来ないなら、そのまま泳ぎ出す。

○足の着かないところで小さな波をクリアする

  • 規則正しく正面から押し寄せるウェーブの場合も、ぶつかって出来る不規則な三角波も、サイズが小さければ、いつもよりも体を下げて、水面下10センチくらいの所を泳ぐような感覚。ノーズを少し下げる様に、頭を下げ、入水も少し深めにして、背中の上を水が覆う様なポジション。重心は肩~肩
  • スイッチのタイミングは、指先が充分入水してからが良い。その方がスムーズに体を沈め易い。何故かと言うと、波によって水面の高さも角度も変わるから。なるべく水面を叩かない様にスムーズな入水が良い。体が平らにならない様に、指先が入水するまでは側を残す。グライド側の手をしっかり残し、スイッチ直前まで側を保つ。入水側の肩の高さを保ったままスイッチすることで、肩の落下で深く入れる。
  • リカバリーの形、速度はいつもと変わらないが、入水ポイントが少し近くなる。それは、確実にスイッチの時に指先をディップした状態にしたいから。いつもの位置で指先を沈めると肘が伸びてしまい、腕の入水角度が足らなくなり、落下の力が活かせない事、そして不規則な水面を腕全体で捕らえてしまう。
  • テンポは普段とあまり変わらない。静かな水中をグライドして泳ぐ。
  • キックもいつもと変わらない。
  • 姿勢自体は変わらない。
  • 息継ぎは、頭がいつもより深くなるので、リカバリーの肩が上がった時に合わせると吸い易い。

○大きな波をクリアする-波が向かってくる場合

  • 波の麓でグライドの手をそのまま前に置いたまま、リカバリーの腕を深めに差し込み両手合わせて潜る。あまり深く潜らなくても、波が上を通り過ぎるので大丈夫。大切なのはタイミング。サイティングで目で確認する事と、体の浮き沈みで、波の波長を判断する。
  • 重心は指先。
  • スイッチはしない。両手合わせて潜り、浮き上がりの一掻きと同じ様に浮上する。
  • リカバリーは少し高い所を通り指先が空中で弧を描くようにすると、潜り易い。
  • キックは水中では打たずに揃えるか、ドルフィンキックを入れる。
  • テンポは波に合わせる。
  • 姿勢は潜る時は少し体を丸めて、浮上は少し前を見る。
  • 息継ぎは潜る前にリカバリーに合わせて入れる。 

○大きな波をクリアする-波が後ろから来る場合

  • この時ばかりは、側を使わない。体全体で後ろから来る波を捕まえる。
  • 重心は前重心、ノーズを下げて波を受ける。
  • スイッチのタイミングは、グライドせずに後ろからの波が腕全体に当たる様に肘を曲げて腕を下げた所でスイッチ。
  • リカバリーは、側を作らない様に横から回す。リカバリー自体の速度は上げなくて良い。
  • テンポはグライドしない分、速くなる。
  • キックはドンドン入れる。
  • 姿勢は左右の傾きを作らず、胸骨をしまって胸を反らない。平泳ぎのスタート、一掻きの姿勢で水を受ける。
  • 息継ぎは特別変わらない。 

○大きな波をクリアする-波が横から来る場合

  • 横波の泳ぎ方は、向い波の泳ぎ方の応用、下げて潜る場所が頭ではなく肩から潜る。
  • 重心は沖側の肩・肩甲骨。
  • スイッチのタイミングは変則になる。沖側のグライドは深め長めに、浜側のグライドは浅め短めに。これは、体が波で浜に押されない様にする為。浜を右に見て泳ぐ場合、左から来る波に左開きの側を作ると波に押されるので、右手(浜側)グライドは短めか、強さによってはグライドしない。
  • リカバリーは、沖側は肘を高くして少し手前で入水。浜側は横から回す。
  • テンポは、変則。沖側はリカバリーの滞空時間は短いがグライドは長い。浜側はリカバリーは大きく横から、グライド時間は短い。
  • キックは左右のストロークテンポに合わせるので変則。
  • 姿勢は、沖側の肩・肩甲骨が前下がりになる。
  • 息継ぎは浜側が良い。 

○不規則な大きなウネリの対応

  • 今年のロットネストの様な、不規則で大きな波(うねり)の場合は波のひとつひとつを予測し対応する事は困難なので、強めの前重心を作り、上半身が浮かない様にする事と、波の力をかわす為に、体を平らにしない事。
  • 常にどちらかの側を作った状態で、下側にしっかり体重をかけて安定させる必要がある。その為は上半身と下半身をひとつにし、エッジを直線に保ち、体に受けるウネリの動きを少しでも減らす。
  • 重心は強めの前重心
  • スイッチのタイミングは波が読めないので基本はいつも通りだが波によって体が動かされる場合は、それに合わせる。
  • リカバリーは少し横から勢い良く、親指から入水する。肘の角度が鋭角になるほど、二の腕の動く速度が遅くなるので、肘の角度は低めにして素早く二の腕を前に振り、その勢いでスイッチする。肘が低い分、腕は外から回ってくるので、入水はいつもより手前外側から親指を先頭に入る。滞空時間は短く、肘が鋭角で無い分、横からの一点入水で、腕の全面で海面を捕らえない様に気を付ける。素早くリカバリーする事で、前重心を強め、ウネリに負けない力強い入水になる。
  • テンポも波のリズムに合わせるので不規則。
  • キック幅は小さくしていつもよりは多めに軽快に打ち、ウネリに足が流されない様に。
  • 姿勢は、絶対に平らにならずに、しっかりとした側を作る。
  • 息継ぎは波で口が出にくい様だったら、空を見上げて確実に。真上ではなく、少し後方の空を見た方が顎を引く事が出来るので誤飲を防ぎやすい。
  • 向い波にしても、大きなウネリにしても、下を通った方が良いが、乗ってしまった場合は上を越えるしかない。また、サイティングを目的とすれば、波の上の方が見通しが良いので進んで乗る。波の頂上に来たら、大きく勢いをつけて前重心で滑り下りる。体が持ち上げられるので頂上は解るから、そこからまた後ろに下がらない様に、片手バタフライの要領で思いっきり突っ込む。スイッチのタイミングや、リカバリー速度と形、テンポ、キック、姿勢、息継ぎ・・・どれをとっても波が一定で無い限り、臨機応変に対応する柔軟性が必要。それも基本が出来ていればこそ。 

    2015年3月16日月曜日

    キックの強化

    スイム:60分 2400yds

    3月はCROS用6ビートを形成することに集中する。テンポトレーナーは使わず、全て100ydsを単位にしたセットにより構成する。
    1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
    2. キック 8×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、ビニルフィン無し2セット、フィン有り2セットを交互に行う
    3. 2to6ビートキッククロール 4×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
    4. 6ビートキッククロール 4×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
    5. アンクルストラップクロール 4×100:キックなしアンクルストラップつき2セット、残り2セットはストラップを外して前半50を2ビートシザーズ、後半50を6ビート。

    この10年間分と同じぐらいキックをした感じ。ビニルフィンは見た目はとてもしょぼいが、軽く、穴が開いているので水の感覚をほとんど失わずにフィンのメリットを受けることができる。

    このフィンにより、キックは「足の甲やすねで水を下に押す」のではなく、「足の甲で水を安定させて、ハムストリングと腸腰筋を使って膝裏をすばやく引き上げて伸ばす」ということが理解できた。その結果キック動作自体がとてもラクになり、呼吸の問題を除けばいつまでもキックできる状態になった。(スイマーズスノーケルで息継ぎなしキックをしようとしたが、古くてパージすると下から水が入ってきたので使うのをやめて息継ぎを入れた)

    6ビートの2つの問題(体がフラットになる、斜め姿勢と連動しにくくなる)を解決するために、スケーティング姿勢からのキックや、2ビートキックから6ビートへの切り替え、アクセントキックの挿入を過渡期に入れるなど試みた。アクセントキックを入れようとすると3ビートずつで待ちの時間が生まれたので、最初は手の動き中心にしてアクセントのタイミングを合わせ、次にキックのタイミングを中心にしてストロークの所要時間を短縮したところ、カンタンにテンポアップできた。テンポを急に上げることは難しいが、キックを2ビートから6ビートに変え、ストロークのタイミングをアクセントキックに合わせることで対応できそうである。

    6ビートキックの連続で体がぶれるのを避けるため、最後にアンクルストラップを装着してノーキックで泳いだ。これまでよりも下半身が安定している感じが得られた。エッジが効いてきたのであろう。

    練習後の気分:9(きらいなバタ足が好きになったのは非常に大きい)


    2017年ロットネスト海峡横断完泳までのデザイン

    以下のようにデザインした。

    1)CROS(Cold Rough Open water Swimming)モードの開発

    ○イメージ:冷たく荒れた海でもうねりを貫いて進む
    ○具体的技術
    • うねりに流されない安定した下半身:エッジの効いた6ビートキック、足がつるリスクのあるフリック動作のない、はさみ込む2ビートキック
    • 自分軸:動作の基準を水面ではなく自分のからだにする
    • 入水とプッシュの連動:リカバリー後半動作を加速する
    • 空回りしないテンポ1.0秒:水中動作を速くしてフィニッシュの位置をテンポ1.2秒と同じにする
    • 可変テンポ:うねりの状況に合わせてテンポを変える
    • 可変スイッチタイミング:うねりの状況や潮の流れに合わせてスイッチのタイミングを変える
    • うねりへの対応:向かって来るとき、後ろから来るとき、横から来るとき、波頭の位置により泳ぎを変える
    • パドラーと平行に泳ぐ:息継ぎをしながら距離を保って同じ方向を泳ぐ

    2)9時間の運動に耐える持久力

    ○想定時間:コンディションの良いときで7時間、悪いときには9時間半の運動
    ○イメージ:心拍数120程度で最低7.5時間は実際に運動する。残り1.5時間は気力で延長する。
    (2015年2月は6時間を想定し、7時間まで気力で延長できた)
    ○具体的なアプローチ
    1. 水泳のみ1時間
    2. ランニング1時間+水泳1時間
    3. ランニング1時間+水泳90分(→前回はここまで実施)
    4. ウォーキング2時間
    5. ウォーキング2時間+水泳90分
    6. 3時間以上のウォーキング(またはバイク)
    7. 3時間以上のウォーキング(またはバイク)と水泳120分
    8. 2時間以上のウォーキング(またはバイク)と水泳150分
    9. 3時間以上のウォーキング(またはバイク)と水泳120分、食事をはさんで水泳90分
    10. 3時間以上のウォーキング(またはバイク)と水泳120分、食事をはさんで水泳120分

    3)水温21度への耐性強化

    ○低温症を避けるために低温スイムの持続時間を伸ばす
    ○イメージ:サンフランシスコ(夏で水温16度)で2時間泳ぐ→3時間泳ぐ
    ○具体的なアプローチ
    1. ウェットスーツ(袖無し)、サーマルキャップで1時間
    2. ウェットスーツ(袖無し)、サーマルキャップで2時間
    3. ノンウェット、サーマルキャップで1時間
    4. ノンウェット、サーマルキャップで2時間
    5. ノンウェット、シリコンキャップで1時間
    6. ノンウェット、シリコンキャップで2時間

    ■スケジュール

    • 3月:1)キックおよび下半身、2)連続2時間運動
    • 4月:1)キャッチタイミング、2)連続3時間運動、3)ウェット着用1時間
      →短水路1650ヤード出場
    • 5月:1)プッシュ強化、2)連続3.5時間運動。3)ウェット着用2時間
    • 6月:1)リカバリーコントロール、2)連続4時間運動
      →4km OWS大会出場(日本)、グアムキャンプ×2
    • 7月:1)可変テンポ、2)連続4.5時間運動、3)ノンウェット1時間
      →長水路1500m出場、Bridge to Bridge 10km
    • 8月:1)可変タイミング、2)連続5時間運動、3)ノンウェット2時間
      →サンタクルーズ1mi, 2mi、アルカトラズ片道、アルカトラズ往復、
    • 9月:1)CROS仕上げ、2)連続5.5時間運動、3)ノンウェット2時間
      →初島熱海12km、グアムキャンプ×1
    • 10月:1)スピードアップ、2)連続6時間運動
      →香港15kmリレー
    • 11月:1)スピードアップ
      →シンガポール8.3km
    • 2016年1月:オーストラリア10kmレースでこれまでの練習成果を確認


    2015年3月13日金曜日

    絶対音感から相対音感へ

    自分の泳ぎをゼロベースで見直し、1年をかけてCROS(Cold Rough Open water Swimming)モードを完成させる。CROSの要件は以下の通り。

    1. 下半身を安定させると同時に斜め姿勢を作るキック:6ビートまたは2ビート(はさみ込み型)
    2. うねりの状況に合わせてスイッチのタイミングを変える:Front Quadrantは維持しながらキャッチ主体、プル主体、プッシュ主体と推進力のソースを変える。
    3. 速いテンポでの空回り防止:海水では手の動きが軽くなるため慎重にコントロールしないと空回りする。前回のスイムでは完全に空回りしていた。0.90秒でも空回りしない泳ぎを身につける。
    4. リカバリーの手の軌跡を可変にする:うねりの状況に合わせて手の高さを変える。左右異なる軌跡にする必要もある。
    5. 水面基準から自分の体基準へ:次に述べる。
    これまで「効率が悪い」と避けてきたことについても試してみて、効果が感じられるものは積極的に取り入れる。

    「絶対音感」(客観的感覚)から「相対音感」(主観的感覚)へ

    ロットネストではうねりが大きくなるにつれて、自分の泳ぎができなかった。ビデオを見ながら振り返ってみて、普段の泳ぎで使っているコントロール力やセンサーが失われていることがわかった。

    これまで10年にわたって泳ぎを磨いてきたが、このときに基準になったのが「どのように見えるか」である。完璧に見える泳ぎを目指すため、自分の泳ぎを撮影し、デザインした泳ぎ方と比較して違いがあれば修正していった。このときの見え方の基準が「水面」である。水面に対してどの位置に、どのような角度で手や足を置き、動かすのか、私の動きは水面に対する位置関係に基づいている。そしてこのときの水面は水平であることが前提であり、私の体内の方向感覚も水平が基準になっている。

    ところがうねりの大きい海では、水面の角度は常に変化する。私の方向感覚は水平が基準であり、水面の角度の変化への適応能力はほとんどない。これが自分の泳ぎができなかった最大の要因であることがわかった。

    これは絶対音感と相対音感の関係に酷似している。私は学生時代、音楽を聴き取ってパート別にデータ化する「打ち込み」を趣味としていたことから、耳が絶対音感になっており、カラオケでもオリジナルキーでしか歌えない。半音でも違うと違和感を感じてメロディーについていけなくなる。音階は「周波数」という絶対的な基準に基づいているので、異なる周波数では適応できない。

    同様に水泳でも「水平」という絶対基準に基づいて全てをコントロールしていることから、その前提条件が変わることで一気にコントロール力を失うのである。

    相対音感があると、自分自身の中に音階の基準を作り、キーがどのように変わってもその音階に合わせて歌える。水泳で言えば自分自身を座標軸の中心におき、常に自分のからだに対して姿勢や動作を決める。これは客観的感覚から主観的感覚への大転換である。

    これまで磨いた客観的感覚で、自分の動作や姿勢を人に伝えることができるようになり、様々な上達手法を生み出すことができた。ただし水面が大きく変化するCROSに適応するためには主観的感覚を磨く必要がある。最適な練習法はうねりの中で泳ぐことであり、プール練習でどこまで基準が作れるかはわからないが、自分のからだを基準とする座標面の構成を目標にする。