2014年3月25日火曜日

スイム 1500mタイムトライアル

1500mタイムトライアルを実施した。

タイム:24分38秒
平均ペース:49秒/50m
平均テンポ:0.98秒
劣化率(対初回ラップ):13.7%
劣化率(対2ndラップ):8.2%

今回はシーズン最初ということもあり、最初に速く泳ぐとどのように劣化するのかを実験してみた。
最初は40ストロークで43秒というハイペースで泳ぎ、200mはディセンディングを意識して道具を使ってみたものの結果は45.6、47.1、48.3とダラ下がり状態になった。自分の意識とは逆の結果であった。

その後は49秒台をキープするものの半分を超えてから瞬間的に50秒となり、1000mを超えてからは50秒台が続くようになった。このタイムの劣化は意識の劣化(集中力の欠如)に直結していて、このあたりではひたすら押すだけであった(どっこい大作状態)。押しているだけではタイムが劣化することがわかったことは大きな収穫である。

残り250mでなでたりひっかけたりしたものの、疲れが発生して効率が悪くなっていることは泳ぎながら感じられた。

ランニングと一緒で、500m泳がないと表れてこない疲れがある。この疲れの発生をどこまで抑えることができるかが、劣化を防ぐために必要である。

もう少し速い状態を期待していたが、こんなものであろう。6月には23分30秒を切れるように調整する。

2014年3月24日月曜日

スイム 加速の道具箱の使い分け

スイム:2200m


12日間連続のキャンプ(2つのスピードアップキャンプと1つの英語キャンプ)を経て、ようやく自分の練習時間が持てるようになった。

香港で風邪をひいたが(異常気象で日本の冬並みの気温にもかかわらず、ホテルに暖房がなかったのが原因)、それが直らないままグアムに来てしまい、発熱したまま毎日泳いだり走ったりしてさすがにきつかった。お客様に接している間はアドレナリンが出てテンションを上げていたが、それも12日連続だと枯渇状態であった。

今日は初めて英語でChiRunningのセッションを行い、その後一人で5kmコースを走った。走り始めたのが7時半を過ぎていたので、これまでになくきつい状態で非常に疲れた。グアムでは7時までには走り始める必要がある。

今回のキャンプで教えた加速の道具箱に磨きをかけるため、4x500(@1.20, 1.15, 1.10, 1.05秒)のディスタンスピラミッドを行った。以下道具別のテンポ別評価である。

○押す

ゆっくりしたテンポではもっともラクに加速を得ることができる。入水位置を頭頂部先(実際には伸ばした肘の横延長線上)にして、中指をまっすぐ入水して伸ばす意識を持つ。

入水後はわきの下を伸ばすことで体重を乗せることができる。体軸がずれるので肩を前に動かそうとはしない。

1.10秒以上(速いテンポ)では回転角を20%程度小さくする。また伸ばす手の位置も浅くする。

今回はゆっくりテンポで16ストロークとして、速いテンポで20ストロークと増やしてみた。

○撫でる

ゆっくりしたテンポでは、プルの型と手のひらの軌跡を意識する。プルの型を作るときにわきの下を伸ばして肘と手のひらの位置を上げる。

初動時に肘や肩に負担がかからないように、あえてゆるめる勇気が必要である。肩や肘に力を入れると後で疲れる最大の原因になる。

テンポが上がってきたら軌跡を短くするとともに、軌跡を弧のようにしてからだの回転に合わせる。

速いテンポでは手首をさらにゆるめてテンポに手の動きを合わせる。力を入れるよりも軌跡を確保することを優先する。

今回はゆっくりテンポで14ストローク、速いテンポでも14ストロークとした。

○引っかける

撫でているときの手の位置はまだ深いので、引っかけ始めたら手の位置を水面近くにまで変えなければならない。引っかける反動で反対の手をどこからどこまで運ぶのかを明確にしておく必要がある。そうでないと引っかけ疲れする。

今回は残り5mで引っかけ始めたが、あと4ストロークは増やせた。


○最適な組合せ

・遅いテンポ:押す16、撫でる14、引っかける8
・速いテンポ:押す20、撫でる14、引っかける6-8


明日の午前は1500mTT前の最後の練習になるので、戦闘モードでどこまで組合せを変えられるかテストする。

練習後の気分:0(疲れと発熱で放心状態。ほとんど無意識で練習していた)

2014年3月19日水曜日

スイム 2200m

距離:2,200 m
プールの長さ:50.00 m
タイム:55:58
平均ペース:1:41 分/100メートル

○テンポピラミッド 10×100

・1.20秒~1.35秒~1.00秒:0.05秒刻み
・10本に満たなかったので速いテンポを繰り返した。

・ストローク数:36-38-40
・タイム:1分47秒→1分29秒(ほぼディセンディング)

最も遅いテンポのストローク数36を維持した。
加速の新しい3道具の配分を考えるためのセットである。押すはラクだがテンポが速くなると押しにくくなる。撫でるもテンポが速くなると水を押し切れなくなる。水を抱え始める場所を前にして対応した。

○ディスタンスピラミッド 2x500(50+100+150+200)@1.20秒、1.15秒


ストローク数一定を目標として、帰り=行き+1を許容範囲とした。
1
.15秒で「肩の痛み」が発生したので2セットで中止し、痛みの原因となる筋肉の緊張の特定を行った。その結果プルの軌跡に一瞬飛んでいるところを発見したので、ゆっくり動作で軌跡の連続性を確認後通常テンポで泳ぐ。

押す:16ストローク、撫でる:14ストローク、引っ掛ける:8ストローク
ただし押すと撫でるの比率を第2ラップ以降は逆転する。

上記の組合せをしばらくは使うことにする。


新しい加速の道具

以下は今回のキャンプで紹介した新しい加速の道具である。

1)押す

入水後に体重をかけて手を前に伸ばす。からだを使って押す意識である。
別名「どっこい大作」

2)撫でる

水中で手を動かすときに、筋肉の緊張を最小限にしながら、より長い距離を素早く動かすことで推進力を得る。「掻く」のではなく、「撫でる」である。

3)引っ掛ける

キャッチで感じる水圧をてこにして反対の手を素早くリカバリーする。テンポを上げやすくする。


技術習得レベルで示すと、押す=レベル1、撫でる=レベル3、引っ掛ける=レベル4である。
レベル2スイマーは撫でる代わりにフィニッシュで押してもよいが、エネルギー消耗が激しくなるので使う距離は短めにする。

50mラップにおける比率は、押す5,撫でる4、引っ掛ける1である。40ストロークであれば押す20ストローク、撫でる16ストローク、引っ掛ける4ストロークになる。



「脳」を追い込む

元々スイムのタイムを大幅に短縮することを目的として始めたランニングであるが、心肺機能の強化以外に様々な効果があることがわかった。特に「脳を追い込む」ことができるようになったことは、速度の劣化を防ぐ点で役に立つであろう。

○ランニングに比べて明らかに低い心拍数

安静時心拍数が80から90と高めであるのが理由かもしれないが、私の場合ランニングでは151がラクに走れる心拍数、155がきつめ、160がかなりきつめ(上り坂)である。

一方水泳では、海水でゆっくり泳いで40~50、スピードを意識して泳いで90程度、プールでは上がっても120である。水圧により心拍数は1割低くなる(ウェブサーフィンによる未確定知識)らしいが、それにしても陸上で運動をしている心拍数とはほど遠い。

今回のキャンプにおける実験では、下り坂でキロ5分15秒のスピードで走って心拍数は151、合計500m(50-100-150-200)のディスタンスピラミッドをテンポ1.20秒、ストローク数38(長水路)で行って心拍数は120に満たなかった。しかし、きつさの点では明らかに後者の方がきつく感じる。この差はなぜ生じるのだろうか。

○局所的なエネルギーの集中がもたらす「誤解」

ランニングの場合、重力に逆らってからだ全体を地面から空中に持ち上げることにエネルギーが使われる。一方水泳の場合、水の抵抗を受けながら動かしているのは主に手である。陸上と違ってからだ全体を持ち上げる必要がなく、また動いている部位も少ないので、使用する酸素も少なく、従って心拍数を上げる必要もない。

またランニングは前傾姿勢による重心の移動を使えば、足に力を入れる必要はない。一方水泳は、「手でかいて進む」という意識が強いので、手や肩に力を入れることになり疲れや痛みを誘発しやすい。

このように手や肩に力を入れるという行為は、筋肉的にはからだ全体や足の筋肉に比べて酸素を大量に必要としないので心拍数は上がらない。一方で力を入れ続けることにより、ランニングにおける足よりも早いタイミングで痛みや疲れが表れる。

つまり「体力」について心肺機能を中心に考えるのであれば、5km走ることができれば水泳で1500mを泳ぐことは体力的に全く問題ないのである。

○体力の限界はないと考える

今回のキャンプでは、いずれのクールでも2日目に心拍数を計測してもらった。各ラップを泳いだ直後に10秒間の心拍数を計測し、報告するのである。テンポピラミッド、ストロークピラミッド、ディスタンスピラミッドいずれにおいても、心拍数は平均して60%増程度でおさまっていた。安静時心拍数が80であれば128である。水中で心拍数が下がることを考慮しても、水泳では運動のきつさが感覚的に一段階上がると考えてよい。

そして最後に50mスプリントを行ったが、それでも80%までいかなかった。おそらく本人は「最高にきつい」状態だったのだろうが、体力的には「きつい」程度である。

つまり水泳は、体力=心肺機能により制限を受けるような運動にはならないのである。逆に考えれば水泳に体力の限界はない。

○唯一の障害:「筋肉の疲れ」

速く泳ぐにせよ、長く泳ぐにせよ、ランニングより心拍数が上がることがなければ水泳に体力の限界はない。しかし実際には筋肉が疲れて思うように動かなくなる。筋肉は使わなければ疲れることもないので、疲れる部位=使っている部位となる。

チェックポイントは2つ。1)その筋肉を使う必要があるのか。代替できないのか。2)その筋肉を使う時間を短くできないのか。

筋肉の疲れは根本的に取り除くことはできないので、疲れにより泳ぎに影響が出るタイミングをずらす方針で対応する。これまで300mで肩が動かなくなるのであれば、これを500m、1000mと伸ばす。

水泳ではほとんどの場合肩、肘、手首をとりまく筋肉なので、手の動かし方や力の入れ方を変えるだけで効果が出るはずである。

○最後に脳を追い込む

疲れの問題に対応策を施したら、あとは脳を追い込むだけである。心臓的には問題がない。疲れて動かなくなるタイミングも遅くなっている。あとはペースアップすると疲れるのではと尻込みする脳の尻を叩くのである(意味不明な表現であるが)。

今回のOWS1.4kmTTでは、このように脳を追い込むことで100mあたり1分55秒のベストペースを出すことができた。



2014年3月18日火曜日

ラン 筋肉痛を起こさない走り

グアムキャンプも2クールを終え、一段落したためキャンプで得られた知見やカリキュラムをまとめる。

○飛ばない工夫

これまでスピードアップキャンプでは筋肉痛による指導力低下の低下を避けること、次のオープンウォーターセッションのために体力を温存することを目的として、最初の下り2.5kmを走り、上りの2.5kmを歩いていた。

しかし最近は人生で最も走り込んでいるため、どの程度自分の走る力が向上したかを知るため、ほぼ一年振りに5kmを完走した。

筋肉痛が発生する主な理由は、普段使わない筋肉を使うか、普段使っている以上に使うかのいずれかである。キャンプでランニングのビデオ分析をしたところ、多くの方が地面から足を離すときに飛んでいた。このとき最も筋肉が緊張するとすれば、飛ばないようにすることが筋肉痛を避ける技術になる。

具体的には、
  • 爪先で地面をつかんだまま足を離さない。足を離す直前に爪先をゆるめる。
  • かかとが地面をなめながら後ろに動くようにする。バナナの皮の上を滑るイメージ。
  • 着地するときに踏みしめない。反動で飛ばないようにするため軽く着地する。
これらのことを意識することで、意識的に飛ばない走りに変えることができた。

2回5kmを走ったが、いずれも筋肉痛が発生することがなく、ランの影響を全く受けずに後のレッスンを行うことができた。これは初めての感覚である。

○心拍数ベースのトレーニング

これまでの経験から、心拍数152程度(運動強度88%)であればラクに1時間程度は走れることがわかっている。下りではラクに走ると140台に落ちるので、スピードを上げて152を維持した。
上りでは165(96%)を制限としてそれを上回ることのないようにした。

テンポ一定で走っていても、からだを起こしてストライドを短くすればラクに走れる。これはテンポスイムと同様である。テンポに合わせるだけでなく、加速感をいかに維持するかが重要であり、水泳ではストローク数を加速の指標として使っている。ランでは時計で平均速度が出るものの速度への反映は時間がかかる感じがするので、心拍数を基準にする方が素早く対応できてよさそうである。

今後は上り坂以外で心拍数を上げる=スピードを上げる練習も取り入れる。