2014年11月17日月曜日

1ストロークごとに加速する

スイム:4000yds


 前回の練習ではテンポに合わせて漫然と泳いで遅くなった。残り3本の段階からストローク数を一定にすることを意識した結果、ディセンディングして400ヤードで6分2秒まで短縮することができた。今回の練習では最初からストローク数を一定にすることを目標として泳いだ。


・テンポ・ピラミッド 9×400@1.15-1.30-1.05秒

最初のラップで泳いだストローク数から+1の状態を15ラップ続けることにした。これまでと同様に100ずつ意識するポイントを変えた。意識するポイントを変えると、ストローク長が変わるのがよくわかるようになった。1つの意識で泳ぐチャンスは4回あり、意識を変えた直後にうまくいかなかったとしても3回修正することができる。

 最初の1.15秒で気づいたのは、1ストロークごとに加速する意識を持たないとストローク数が維持できないということであった。気がゆるむと14が14.3や14.5(ターン前にグライドが長くなる)になってしまう。結果的にそれぞれの意識において加速するポイントを以下のように設定した。
  • 手を入水する位置と伸ばす方向:入水した手を伸ばすときに加速
  • キャッチの型:わきの下を伸ばして手の位置を10cm前にする
  • 肘てこ:からだの回転に合わせて抱えた水を後ろに押す
  • スイッチてこ:入水する手と水中の手のメリハリ
 このように加速を意識しながら泳ぐと、速く泳ごうと思わなくても速くなる。最初のセットで前回よりも12秒速くなり、5セット目には100ヤード1分29秒ペース(400ヤード5分58秒)となり、練習再開後の目標であった6分切りを達成した。

 さらにテンポを上げたが、ここではテンポが遅いときのストローク数を無理に維持するのではなく、各セット毎に最初のラップ+1を維持することだけに集中して泳いだ。その結果最後は5分44秒となり、この練習を始めて3回目で400ヤードで30秒短縮することができた。少ないストローク数を維持しようと力むよりも、一つ増えてもそれを維持する方がラクに速くすることができる。

 運動強度はランニング時の150を越えており、休憩時間もこれまでの倍(約45秒)必要ではあったが、加速を上げようとしてそれが泳ぎに反映している感覚を身につけることができた。

 今日は5000泳ぐ予定であったが、高い成果を伴う練習ができたのでこれで終わりにした。来週一週間は全く運動できないので、体力重視の練習をしても意味がないためである。


練習後の気分:10(仮説が正しいと気分がよい、けどプールから上がると更衣室までは寒い)

2014年11月15日土曜日

テンポ練習の罠

スイム 4050yds

気温が16度を下回ると泳ぎの間の休み時間でからだが冷える。このため休み時間が20秒程度に短縮され、ほとんど連続で泳ぐことになる。来月は雨期に入り10~12度程度まで下がるので、こんどはリカバリーするたびに手が痛くなるのであろう。

○テンポピラミッド 9×400@1.15-1.30-1.05秒

昨日はSwiMP3のバッテリーが途中で切れたが、今日は音楽を聴き続けることができた。その影響もあって後半のテンポを上げる局面でタイムが短縮できなかった。

 テンポピラミッドはまずテンポを遅くして前のめり感や安定感、加速感を増やす。次にテンポを速くしてなめらか感を加える。変化幅は0.20~0.30秒程度なので、ビープ音の間隔が変わったときに動作を合わせることはそれほど難しいことではない。以下はテンポを変化させるための道具である。
  • テンポを遅くする→伸びる時間を増やす、不安定さを感じたら加速を上げる(入水した手の肘を素早く伸ばす、素早く体幹を回転する)、リカバリー動作をゆっくりにする、水中の手の軌跡を長くする(特に後ろ方向)
  • テンポを速くする→リカバリー動作を速くする、水中の手の軌跡を短くする(特に後ろ方向)、入水位置を遠くする、伸ばす手の深さを浅くする
 テンポピラミッドの主目的は「速く泳ごうと思わずに」スピードを上げることであり、テンポに合わせて泳ぐことではない。この目的を意識していないと、テンポを速くする局面でストローク数が増えてしまい、結果として遅くなる。今日の練習では音楽に気を取られていてタイムが伸び悩んだ。

・空回りの対処方法:ストローク数を一定にする

 望ましくない結果だったので、音楽に気をとられていた以外の要因を考えた。日本滞在中はエンドレスプールの練習が中心で、音楽を聴きながらテンポトレーナーに合わせて泳ぎ、ストローク数を数え、フォーカルポイントも変えていた。しかし速度は一定であり、その速度に合わせるために無意識に加速していたのであろう。

 一方普通のプールでは自分の泳ぐ速度は自分が決める。音楽を聴いたりビープ音を聞いたりフォームを意識する以外に、加速し続けなければならない。意識するポイントは決めているので、そのポイントにおいて加速に貢献するような動作をしなければならない。

 テンポ1.20秒の結果が6分31秒でその前より4秒落ちたので、テンポ1.15秒から16ストロークを死守することにした。単純に加速しようとすると力んでしまうので、ストローク数を維持するという緩いタスクを設定して、そのために意識するポイントをどのように使うかというアプローチで泳いだ。

 入水する場所は手を伸ばす方向を意識するときは、ストローク数の維持が難しい。キャッチの型やてこなど加速に関連する意識では、16ストロークをラクに維持することができた。その結果テンポ1.15秒で6分28秒、1.10秒で6分15秒、テンポ1.05秒で6分4秒まで短縮することができた(計算上25ヤードあたり0.8秒、400ヤードで12.8秒短縮できる)。

 テンポが速くなるに従い、「加速している」という意識も強くなった。テンポ1.05秒で泳いでいるときは、適度な加速感を感じることができた一方、エネルギーを消費した感覚も強くなった。


・「ラクに長く」と「ラクに長く速く」の微妙な違い

 テンポを落とさずにラクに泳げれば、長く泳ぐことは可能である。ビープ音を聞きながら泳げば、1ストロークあたりの時間は伸びずに済むので劣化しにくくなり、その結果長く泳げるようになる。

 しかし速く泳ぐためには、加速を意識に加える必要がある。ラクに長く泳げる泳ぎ方に、どのように加速を入れることができるかを練習で身につけることになる。マラソンスイムにおいては「より速く」泳ぐ意識は必要なく、劣化を防ぐためにストローク数を一定にするだけの加速で十分であろう。

 今回の最後のセット(1.05秒)は、ランニングでの心拍数140~145の強度に相当した。実際の心拍数は110程度なので、これを6時間続けることは物理的には可能である。今後はストローク数を一定にするために必要な最小限の加速を加えることで、本番の泳ぎに近づける。


練習後の気分:8(スピードアップのアプローチが見えた)


2014年11月14日金曜日

しばらく泳がなかったときの勘の戻し方

スイム:4000yds


気温:16度、水温:27度、天候:晴れ

 10月9日にグアムから日本に戻り、その後は香港や韓国、福岡巡業があったのでほとんど泳ぐ時間を持つことができなかった。昨年までは「こんなもの」で済ますことができたが、2月に20kmを泳ぐことを考えると夏の練習ペースに早急に戻す必要がある。

 そこでいろいろ取り組む前に、水泳の練習勘を取り戻すための練習を行った。

ステップ1:何が劣化しているか確認する

○感覚スイム:400(7つの感覚)
 50ずつ1つの感覚に集中して、期待通りの感覚が得られているか確認した。
  • リラックス感:関節をゆるめることを意識して、得たい感覚が得られた。
  • 前のめり感:顔で水を押すことを意識して感覚が得られたが、リカバリーの肘の落下による前のめり感は弱かった。
  • 安定感:わきの下を伸ばすことで、得たい感覚が得られた。息継ぎのときの水中の手は不安定。
  • なめらか感:入水場所を手前にすることで、手をリラックスしたまま入水することができた。フィニッシュからリカバリーもなめらかにできた。
  • 滑り感:肘の落差による加速が弱いため、手の入水後の伸びが足らない。伸ばす手を深くしてみたが得たいレベルに達していない。
  • 加速感:水中で肘の伸ばす時間を短縮してみるが、からだの回転と連動しない。「キレの悪い」状態が続いた。
  • 水抱え感:水からの圧は感じるが、左右で泳ぐ人が作る水流でキャッチの型が不安定となり、この感覚も安定しなかった。
 久しぶりのコースシェア(1コースを半分に分けて使う)、隣の人がフィンを使って平泳ぎやバタフライを泳ぐなど水が荒れていたので入水場所やキャッチの型、リカバリーの肘の軌跡などを一定にすることが難しかった。この一ヶ月はエンドレスプールでの練習しか行っていないため、荒れた水の中で感覚を保つことが難しいと感じた。


ステップ2:劣化した感覚を取り戻す

○テンポピラミッド:9×400@1.15-1.30-1.05秒
 入水場所や水中の手の型、肘の軌跡などが不安定なことでそれぞれの感覚が劣化したことがわかったので、このピラミッド練習ではひたすら同じ場所に入水し、同じ場所に手を伸ばし、同じタイミングで手を動かし、同じ軌跡で手を動かした。

 400は100ずつに分解して1:入水位置と前のめり感、2:キャッチの型、3:肘てこと水抱え感、4:スイッチてこと加速感に集中した。この結果水が荒れていても得たい感覚が得られるようになってきて、16ストローク維持、ディセンディング(最終タイムは6分14秒)することができた。

 なお終盤足がつりそうになった。ランニングをしてないことが原因と思われる。来週よりランニングも始める。

 次回以降姿勢や動作が安定し、得られる感覚がこれまで通りになった段階で速度を上げることを意識して6分を切るようにする。


 コミュニティプールが営業を終了し、市営プールで練習を始めた。塩素がかなりきついのでビタミンCスプレーは必須。シャワーを浴びるときにシャンプーやボディソープを使うのをやめることができ、肌のガサガサも塩素臭もなくなった。


練習後の気分:7(運動をした後はやはり気持ちがよい)

2014年10月28日火曜日

速く長く泳ぐには前のめり感が7割

 香港、韓国巡業が終わり、残すところ週末の福岡場所となった。さらに気合いを入れて臨みたい。

 さて巡業の合間の稽古では、ランとエンドレスプールのスイムが基本である。今日は6km走りエンドレスプールで約4km泳いだ。エンドレスプールではテンポピラミッド8x400ストローク@1.15~1.30~1.05秒とした。

・1本目@1.15秒 

この3日間はほとんど泳いでいないにもかかわらず肘や肩がいきなり痛み出した。おそらくエコノミー症候群(のようなもの)であろう。行きも帰りも満席であった。エコノミー席は肘掛けの共有の仕方に隣席の方とのあうんの呼吸が要求されるので疲れる。ビジネスとの差額でグアムにビジネスクラスで行けるので仕方がない。スピードを落としてラクに泳ぐ。以下の順で意識した。

  • 100ストローク:入水位置を手前にして肘の伸びしろを確保
  • 100ストローク:キャッチの型を5cm遠くで作る
  • 100ストローク:ストロークの軌跡と肘てこ
  • 100ストローク:入水する手とキャッチをてこで連動(スイッチてこ)

・2本目~6本目@1.20秒~1.30秒~1.15秒 

エンドレスプールはダイヤルを回してスピードを調整するが、2本目以降は5mmずつ水流を速くした。10回でダイヤル180度分になる。

 これまでは気がつかなかったが、2番目のキャッチのところで自分のからだが下がり、スピードが遅くなった。これまで力を入れてキャッチしていたが、エコノミー症候群で手首や肘が使えないのでリラックス状態となり、推進力が落ちたのが原因である。

 力を入れると関節が痛むため、力を入れずに自分のからだの位置を元に戻す(=スピードを上げる)には何をすればよいか試してみた。試せるのは最初の100ストロークの意識と、リラックスした状態でのキャッチの型づくりのみである。

 その結果肘の伸びしろを確保し、しかもキャッチの型の位置を5cm下げることでからだの位置が元に戻るのが確認できた。どうやらキャッチを意識することで手の位置が水面に近くなり、その結果バランスが損なわれたようである。

 そこで100ストロークずつ変える2番目、3番目、4番目の意識において、前のめり感をどの程度加えるとラクに現在位置を維持することができるかを実験したところ、前のめり感を7割まで高めることができた。つまり都度変える意識で得られる感覚の割合は3割でも、速度を維持することができる。

 前のめり感については、以下のようにして上げることができる。
  • 意識が変わっても肘の伸びしろを減らさないようにする。
  • キャッチやプルを意識しても手の位置を「必要以上に」上げない。(下げすぎても抵抗になることがわかったので、前のめり感が維持できるぎりぎり上の位置を決める)
  • へそ下の腹筋を引き上げてドローイングして、腰と足を高い位置に置く。

・7本目@1.10、1.05秒

 7本目からは50ストローク@1.10秒として4サイクル、50ストローク@1.05秒として4サイクル行い、7段階でスピードを上げてエンドレスプール最速(1分10秒/100m)の2cm手前(ダイヤル円周相当)までの速いスピードで実験した。

 この段階においてようやく前のめり感を5割に下げ、他の意識を5割まで上げて力を加えることで速度に対応することができる。スピードは速いにもかかわらずテンポはゆっくりであり、全力の7割程度の強度でそれぞれ50ストロークを維持することができた。


 今回の稽古により、やはり基本に帰って正解であることが実感できた。前のめり感をふやせば他の力は3割程度で巡航速度を作ることができる。ごく短時間スピードを上げたいとき(5分程度)、3割程度エネルギーを追加投入すればよい。

 エンドレスプールは水流の速度が一定なので、速度が落ちる(=劣化する)要因を調べて対策を講じることができる。長距離を泳ぐとまず落ちるのが前のめり感なので、今後も「前のめり感が7割」を肝に銘じて泳ぐ。


練習後の気分:9(新しい発見は基本中の基本だった)


2014年10月15日水曜日

基本に帰る

 熱海やグアムで泳いでいるビデオを分析した結果、遠い入水が疲れの原因になっている可能性があることが判明した。そこで2日間にわたりエンドレスプールで入水位置を調整し、本日25mプールで4kmを泳いで効果を確認した。

肘の位置の入水

正しいスイッチの型では、入水する手の指先は水中で伸ばした手の肘の横延長線上に置く。この効果は以下の通りである。
  • 肘の位置が高くなり、肘の自由落下を入水動作の初速に使うことができる。
  • 水中で伸ばす肘の距離が増えることで、体幹の回転と連動させることができる。
  • 肘を素早く伸ばすことで、加速を上げることができる。
 一方デメリットは以下の通りである。
  • 入水する手を伸ばしている間、水の抵抗を受ける。
  • 入水する手を伸ばすことに時間をかけるため、キャッチのタイミングが遅くなる。
  • リカバリー→手を伸ばす→キャッチとなりプロセスが一行程増える。

手首の位置の入水

  ロットネスト海峡横断を決めて以来、テンポの速い泳ぎやキャッチを確実に行うことを意識した結果、入水位置が伸ばした手の手首、あるいはさらに遠くになっていた。水抱え感(厳密には引っ掛け感)があがり、この引っ掛け感を力点にして入水の手を加速することができるので、上記の肘の自由落下の代替になると考えていた。

 5km、90分程度の練習では手が疲れることなく引っ掛け続けることができていたが、今回熱海やグアムで5時間、3時間、2時間と長時間泳ぐと、引っ掛け感が極端に弱くなり、手が疲労することがわかった。これは「足が棒になる」のと同じような状況であり、乳酸が溜まり(正確には乳酸発生に伴う水素イオン濃度の上昇)、筋肉が言うことをきかなくなるのが原因と思われる。


肘の位置で再び入水してみる

日本に来てからエンドレスプールで練習することができたので、鏡で入水位置を確認しながら肘の位置入水を試みたところ、手首の位置入水よりもラクに体を前に送ることができた。特に肘の自由落下による入水動作の初速づくりは、その加速を力点として水中の手を作用点にする「てこ」を導入することでキャッチもラクにできることがわかった。

 肘の横延長線は見えないので、感覚的には頭のてっぺんの隣に入水するようにした。入水直後に中指のスイッチを入れて方向を変え、スイッチを直ちに切って手を前に伸ばす。自由落下が十分得られない場合は、入水位置が遠くなっているとすぐにわかる。肘の位置入水は長距離に欠かせない道具である。


プールでテンポを変えて練習してみる

1.15秒でスタートして1.30秒まで落とし、1.05秒まで上げた。テンポ1.15秒でも肘の位置に問題なく入水することができ、自由落下による加速を感じることができた。当初懸念していたキャッチのタイミングやてこ入れのタイミングも問題なく、手首入水よりもラクであった。 

 テンポが1.10秒になると状況は一変する。肘を水中で伸ばす動作がテンポに合わせるときにネックになる。従来なら手首位置入水に変えてテンポに合わせるのであるが、プッシュの距離を短くしてタイミングを合わせた。ストローク数は18で1.15秒のときと変わらなかったので、力を使うプッシュの代替として入水後に手を伸ばす動作が機能したことになる。

 1.05秒でもさらにプッシュの位置を手前にすることで肘の位置入水を維持した。全体的にストロークが浅くなる感覚があり、ストローク数も20まで上がったがこれは今後の課題であろう。

 結果として肘の位置による入水は手首の位置による入水よりもラクであり、速いテンポでも対応することができた。見た目も美しくなるので今年いっぱいは肘の位置入水で技術を磨くことにする。その後臨戦態勢になったときには使い方について検討する。


○メニュー

・感覚を磨く400m(50ずつ7つの感覚)
・テンポピラミッド400×10(100入水位置と角度、100キャッチの型、100肘てこ、100入水てこ)

練習後の気分:8(外は冷え込んで寒かった)

2014年10月8日水曜日

水深30cmで泳ぐ

グアム自己練習の締めとして、朝5km、昼OWS4km、夕方プール4kmを行った。海の泳ぎはこれまでで最も脅威を感じる4kmとなった。

○コース

ウェスティン前1番ブイ設置場所から、パシフィック・スターホテル(旧マリオット)のビーチまでの片道2km。潮位は9:30の開始当初が1.6(潮位表数値)で問題ないと判断したが、終了時点の11:00では1を切っていた。

○ムラサメモンガラとの戦い


ウォームアップのため2番ブイに向かって泳ぎ始めたところ、いきなりムラサメモンガラに右手を咬まれて1cmの穴が開いた。これまでにない攻撃的な態度である。台風通過後で集中的に産卵をしているのだろうと自分を納得させていたが、その後1km以上にわたって足をつつかれたり、手をつつかれそうになった。

これまでのキャンプやスイム体験では、このように攻撃的なヤツはコース上に1匹か2匹しかいなかった。しかし今回はあまりに継続的に攻撃を受けるので、バタ足をしてみたり、手で水を泡立たせてみたりして威嚇した。

ところがこの威嚇に対して、するっとよけて私の正面に構え、突っ込んで来るようになった。こうなると格闘である。元来自分の卵を守るための攻撃であり、5m程度の範囲しか縄張りを持たないのがこの魚なのだが、どう考えても自分の縄張りを越えて攻撃をしかけてくる。同じ魚がずっと私を追っかけているのか、泳ぐ先々で全てのモンガラの怒りを買ったのかは残念ながらわからない。

足や手をバタバタさせることで、後半のために蓄えていたエネルギーを前半1kmで全て使ってしまった。ダッシュした後のような放心状態で、この後は泳ぎ続けることになる。最後の試みとして1km付近で一旦陸に上がり、そこから海岸線30m以内で泳ぐようにしたところ、モンガラと遭遇することはなくなった。また遭遇しても攻撃を受けることはなかった。やはり同じ魚が1kmもついてきたのであろうか。

○水深30cmとの戦い

キャンプ2クール目でも水深40cm状態となり、お客様は相当泳ぐのに苦労されたようである。今回は潮位を見て大丈夫だと判断したが、ハイアット前から教会にかけては非常に浅く、水深が30cmであった。特に帰りは魚を避けるために砂浜ぎりぎりを泳いだので、余計に水深が浅くなった。

前回の反省より、スカリングで進むのではなく積極的に水をかいていった。この結果次のように泳げばよいことがわかった。
  • 水深40cm以上(ひざより上):キャッチポイントを水面すれすれにして、わきの下あたりでフィニッシュする。体幹の回転は使わない。息継ぎは横向きだが、伸ばした手で水を下に押さないように注意する。
  • 水深40cm未満(ひざ下):片手ずつ水面すれすれを動かす。キャッチアップに近いタイミングで両手を入れ替える。フィニッシュすると砂をこするので注意。両手を前にしてスカリングしながら息継ぎする。
水深30cmでも十分なスピードを確保することができた。ただし珊瑚があると胸や腹をこするので水中サイティングは欠かせない。

○心拍数スイム

当初は心拍数を上げて2km泳ぐことができるかをテストする目的であったが、魚の攻撃や浅瀬でそれどころではなくなった。問題が発生する前までは90~100を維持していた。今後はエンドレスプールで心拍数をコントロールする練習を行う。


ロットネスト横断のためのオープンウォーターの練習はこれで終わりで、後は1月末からの直前キャンプを残すだけとなった。今回は海でもプールでもこれまでで最も泳ぎ、いろいろな収穫の得られたグアムトレーニングであった。

2014年10月6日月曜日

タモン湾の端から端まで6kmを泳ぐ

台風18号と19号が通過する過去最悪の天候の中、キャンプ2つを無事に終了することができた。ランやスイムはいずれも開始1時間前、終了1時間後には大雨、大風の中、各セッションとも雨に降られることなく終了できたのは奇跡に近い。

台風19号は大型でグアムの北、ロタを直撃した。前日夜からCondition1が知事より発令された。これは外出禁止令で、送迎バスも全て運行停止、レオパレスのコンビニも閉店となった。沖縄での台風直撃を経験しているので前日に食料を調達し、台風の通過に備えた。夜は静かで拍子抜けしたが、朝5時に起床したときは風と雨が非常に強く、ドアの前には水たまりができていた。

ドップラーレーダーで午後3時頃には一旦雨が収まることがわかっていたので、タモン湾を端から端まで往復した。距離は6.23kmである。

○コース

新設のロッテホテル前からヒルトンまで、湾を砂浜に沿って泳ぐ。これまではウェスティンからパシフィックスターまでの2kmを設定していたが、今回は前後を伸ばして片道3km、往復で6kmとした。

○コンディション

台風が通過した数時間後とあって、珊瑚礁の先は水煙が立つほどの荒波である。当然湾内のうねりも非常に大きく、過去最大であった。感覚的には初島-熱海の前半のような状況である。

また潮位の関係から午後3時半に開始したこともあり、潮の流れが普段泳ぐ時間と全く異なっていた。

○泳ぎ方

  • テンポ:キャンプ中の練習では速いと感じたが、本番に合わせて1.0秒に設定した。
  • 最初の1.5km:うねりがかなり高く、目標のブイが全く見えない。とりあえず進んでいる感じ。遠くの建物を目標にして泳ぐため、時々後ろを見て左右にずれていないかをチェックした。本番モードに入っているため、テンポ1.0秒を速く感じることはなかった。
  • 折り返しまで:パシフィックスター以降は未知の領域であった。イパオビーチの小屋を目印に直線で泳ぐ。イパオビーチからヒルトンまでは非常に静かで泳ぎやすかった。
  • 折り返しから1.5km:追い潮で滑り感たっぷりで泳ぐことができた。ランニングでは下り坂でリラックスして充電することが望ましいが、スイムの場合は水抱え感を増やして加速する方がよさそうである。自転車のギア使いに近い。
  • 残り1.5km:エンドレスプール状態。過去このコースは追い潮でラクに滑ることができたが、今回は時間が異なったこともあり全く進まない。1ストロークで30cm進む感覚である。最初は「1ストロークずつしっかり泳ぐ」ことを意識したが、これでは疲れると思い「テンポを上げて7割の推進力で軽く泳ぐ」方針に変更。自転車のギア使いに近い。

○課題

  • ボディグライドを忘れる:今回はサイティングの回数が多かったので、熱海のときに比べて右首も擦れたのが新しい。わきの下については左側上の擦れが顕著である。いずれにしても補給グッズとペアでボディグライドを用意しなければならない。
  • 足がつる:今回は1時間20分経過時に左土踏まずがつった。これは10kmタイムトライアルと同じである。復旧後2回つったことで全体で2分程度ロスした。今後も足がつるのは必然と考え、つった足をすぐに回復させる方法を学習する必要がある。
  • 潮の流れに合わせる泳ぎ方は、自転車のギアに近いようである。今後自転車について理解を深めることで、泳ぎ方を確立する。

トータルでは1時間58分(補給時間、足つり修復時間を含む)で目標の2時間以内を達成した。
タモン湾では経験したことのない強い潮の流れや高いうねりがあり、意図せず楽しんでしまった。自分では今でもOWスイマーとは思っていない(ドライヤーが必要)ので、ずいぶん変わったものだと感じた。

練習後の気分:10(意図せず楽しんでしまった)

2014年9月30日火曜日

10km100往復を3時間で泳ぐ

ロットネスト海峡横断のソロスイムに参加するためには、直近で10kmのレースで完泳するか、プールで10kmを計測する必要がある。また4時間15分という時間制限がある。

先日初島-熱海で11.3km(GPSによる計測)を泳いだが、過去最大の向い潮やチームで泳いだこともあり記録は5時間であり、要件を満たさなかった。そこで今回グアムでキャンプの合間を利用して、50mプールで10kmタイムトライアルを実施した。目標は実泳時間で3時間切り(サブスリー)である。

グアムは天候がすぐれず、朝の気温が25度程度、水温も26度程度の感じであった。

○泳ぎ方

前の週に5時間連続で泳いでいるので、体力に問題ないことはわかっていた。最大の難関は「100m1分48秒ペースで泳ぐ」ことと、「足をつらないようにする」ことである。もし足がつった場合、対処に3分はかかる。熱海では2回足がつって合計8分程度のロスをしたので、少なくとも1分45秒ペ-スに速めることが必要になる。

1500mを速く泳ぐときには50mのなかで3種類の道具を使い、それを繰り返して1500mを泳いだ。今回は練習のときに効果のあった、400mを50mずつ8つの意識で泳ぎ、それを繰り返す方法を採用した。
  1. 入水位置を手前にして前のめり感を上げる。
  2. 入水後手を伸ばすときに前のめり感を上げる。
  3. 10cm遠くでキャッチの形を作り水抱え感を上げる。
  4. 水中の手の軌跡を体から30cmの距離にする。
  5. てこ入れ(力点=肘)
  6. てこ入れ(力点=入水する手)
  7. てこ入れ(力点=リカバリー)
  8. テンポを上げて軽く泳ぐ。
ランニングを参考にして、1500m毎に水分(ハイポトニック飲料)を、3000m毎に水分とブドウ糖+ミネラル+アミノ酸(GU)を摂取した。


○足がつる

最初の3000までは1分42秒ペースで快調であったが、1時間を経過すると足の「つり気配」が現れ、
それとともに意識が飛びがちになりペースが1分44秒にダウンした。また5050のターンを終わった直後に右足土踏まずをつり、直すのに4回かかった。これで3分のロスとなった。

このあとも小刻みな足のつりは頻繁に発生した。最初は足に力を入れることによりつりが発生すると考えて、息継ぎのときのリカバリーのキックを極端に弱めたりしたが、あまり効果がなかった。その後でいろいろ考えた(タイムトライアルでこれは絶対やってはならないのだが、これだけ長い時間冷たい水温のプールで泳ぐ経験がなかったので貴重な実験の場と考えた)結果、手や肘、肩などに力を入れると足が連動してつってしまうことがわかった。

これは熱海のときに、ライフガードのサーフボード?に手が当たって足がつったのと同じ原因である。足がいつでもつるような状態では、体のどこかが緊張するとそれに連動して足がつることがわかった。

このため当初の8フォーカルポイントの仕組みをやめざるをえず、1と2だけ(押す道具)で残りを泳ぐことになった。また足の指やくるぶしなど、軽いつり状態に頻繁になることから、くるぶしの角度を固定して泳ぐ必要があり大きなブレーキになった。

ココス島往復のための練習を始める前は、1500mも泳ぐと足がかならずつっていたので、2時間近く足がつらないで泳げるようになったのは大きな進歩である。しかし本番では6時間以上泳がなければならないので、足のつりの影響を最小限にする方法を考える必要がある。


○サブスリー達成

最後の2500mは休みなしで連続して泳いだ。上記の理由で水中の手で水を抱えることができなかったので、ひたすら押してテンポを上げたが、結果的には1分54秒台までペースが落ちて空回りしていた。今後ペースの落ちない代替手段を見つける必要がある。

結果は3時間7分12秒、補給の時間を除くと(足つりを直した時間は入れる)実泳時間は2時間59分21秒でサブスリーを達成した。

今後の本番に向けての課題は、補給時間の短縮と足つり対策である。特に足つりについては、2時間以上泳がないと症状が出てこないので、練習中に再現して対応することが非常に難しい。

また低温についても対策が必要である。マラソンと違ってからだが暖まる感覚が最後までなく、これが足つりの原因にもなっている。地元では冬に屋外プール(温水だが)で練習する必要があるので、これで慣れることにする。




2014年9月25日木曜日

非常に長く泳ぐときに欠かせないことはフルマラソンと同じ

熱海で泳いで翌日にグアムに移動。最初は出がけに蚊に刺されたか?と思っていた手のひらの湿疹が、飛行機に乗っている間に次第に拡がり、一晩で全身がじんましん状態になった。こんなことはバハマのキャンプに参加して以来である。

最初は疥癬かと思った(バハマのときは医師がそのように判断)ので、シーツを変えて着替えをしたがかゆみは収まらず、人生で初めて旅行先でクリニックを訪れた。先生が皮膚を詳細に観察した結果、ダニが体内にいる状態ではなく、何らかのアレルギー反応であるという結果であった。最初は寝具のダニを想定していたが、この1週間で5種類ベッドを変えているので特定できない。

最後に思いついたのが、泳ぎながらチクチクしていた「ちんくい」(甲殻類の幼生)である。くらげよけローションは吉田コーチのアドバイスに従い二度塗りしていたが、このローションはちんくいには効かない。小さいためウェットスーツや水着の中にも入り込むので、サーファー泣かせでもあるらしい。

かゆみにもんどりうちながら朝8時にヒルトンにあるクリニックに電話したところ、9時でOKとのことで速攻で行き、ステロイド内服薬と抗ヒスタミン剤スプレー、かゆみを抑える入浴剤をもらった。クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険が適用され、しかもカード会社への確認や申請書の作成など全てクリニックが手続きしてくれ、支払いも行わないでよい。海外旅行して30年、クレジットカード使って25年になるが、こんなすごい世界があるとは知らなかった。今後お客様にもこのクリニックを推奨医療機関として紹介することにした。

ステロイドを1回飲んで午後には新規の発疹がなくなり、夜にはかゆみもほぼ収まった。行かなかったときのことを考えると恐ろしい。


海外旅行傷害保険対応医療機関利用時の注意

カード付帯保険であればクレジットカードは必須。医療機関がカード会社に保険適用可能かどうかを問い合わせるので、日本の営業時間がベター。パスポートは必須。自動化ゲートを使用した場合は出国歴が残らないので、チケットの半券を持って行くべき。そこまで医療機関から知らされていなかったので半券は持参しなかったが、たまたまあったクレームタグでOKが出た。

海外旅行傷害保険の手続きや詳細はカード発行時の冊子に含まれているが、そんなものをいちいち持ち歩く訳はないので、カード会社のWebサイトから説明のPDFファイルを入手してスマートフォンやクラウドに入れておいた方がよい。傷害の事由により必要な書類が異なるので受診前に書類作成の可否や費用を確認すべき。

以上備忘録を兼ねる。

スタートは速いテンポにするが心拍数は上げない

今回の初島熱海横断泳はチームと同伴水泳ということで、私がみなさんのペースに合わせておよいだ。みなさんの1500mプール泳のベストタイムは男性が1500m30分台前半、女性が30分台後半である。

最初のうちはエネルギー配分が読めず慎重な出だしとなり、みなさん普段よりもテンポが遅かった。私は普段の練習で1.15秒を中心値として±0.15秒で泳いでいるのだが、1.30秒のときよりもかなり遅く感じたので、1.50~1.60秒ではないか。

このため伴泳が交替する度に、泳ぎ終わった人に技術アドバイスをしながら、全体的にテンポを上げるようにお願いした。これは減速-加速を繰り返すとそれが疲労や劣化の原因になるためである。

入水して伸ばす手に体重を乗せると、確かに滑って気持ちがよい。ただし滑る状態を作るためにより大きなエネルギーを必要とする。大股で走ると滞空時間が長くなるので気持ち良いが、滞空時間を長くするために足で地面を蹴らなければならないのと同じ論理である。

最初心拍数を上げてしまうと、緊張による上昇要因もあるため下げることがほとんど不可能になる。そうすると高い心拍数のままとなり、持久力勝負になってしまう。速いテンポで軽く泳ぐことで、体を慣らす必要があるのはランと同じである。そうすれば持久力に依存せず、劣化を防ぐことができる。

どこまで強度を上げられるのかを知る

今回は過去最強の潮の流れから脱出する必要があり、途中私一人で30分強泳いだ。体が大分冷えてきたこともあり、サンタクルーズの水温16度の中で3.2km泳いだときのペースを思い出して泳いだ。

最初の一巡のときを思い出し、同伴泳のときに休めばよいと思っていたが、ソロ泳のあと3巡もすると男性陣に追いつかなくなってきた。シンクロはあきらめ、追いつくために自分のテンポで泳ぎ出す。

さらに4巡目ではドラフティングもおぼつかない状況になってきた。これはマラソンの30kmの壁に相当する。壁の原因としていくつかの書籍では
  1. 糖分不足
  2. 乳酸過多
  3. 筋力低下(心肺機能の低下よりも著しい劣化)
を挙げている。1の糖分不足については、今回はフルマラソン並の運動時間である5時間を想定していたので、フルマラソンの準備と同じように手製のやわらか餅(加工せず常温で食べられる)を作成して熱海に持参し、朝食の前後に食べていた。泳いでいる間空腹感はほとんどなく、また60分おきにGUを摂取していたので脳もブドウ糖不足にはならなかった。

2については、私の普段の泳ぎであれば心拍数は120を越えないので乳酸も過剰にならない。
しかし今回はソロ泳のときに心拍数がかなりい上がった感覚があった(130近く)ので、後半の失速の原因になったかもしれない。

3についてはマラソンのときに痛切に感じた。2を避けるため低心拍の走りばかりを練習していたので(棄権を避けるためにやむを得なかった)、筋力を上げるトレーニングは行わず、それが30km以降影響を及ぼした。スイムも現在は距離を伸ばす練習が中心で、筋力を上げる加速練習はほとんど行わなかった。

今後2月の本番に向けては、距離の練習を維持しながら、筋力を上げる加速練習を積極的に行うことが必要である。

環境に合わせて泳ぎを変える

グアムでは流れが逆、順、横のときにそれぞれ泳ぎ方をどのように変えるかを練習する。ところが横断泳では、「潮」や「うねり」への対策が必須となる。マクロ的視点が必要な潮の流れ、ミクロ的視点が必要なうねりは、マラソンで言えば大きな上りや下りと小さな上下の組合せである。OWSでは大きな上りや下りが全く見えないか、15分ぐらい泳いで前後を確認してショックを受けるかのいずれかになるので、船上のコーチや監督、さらに船長のアドバイスにより早めに判断すべきである。

一方うねりは予測可能であるため、サイティングや息継ぎのタイミングをうねりに合わせて決める場面が出てくる。うねりのピークでサイティングしても下りたときには体が回っているときが多いので、ピークとボトムの両方でサイティングすることが大切である。

何を見るのか

ブイではなく船について泳ぐ、あるいはライフガードの方について泳ぐというは別の技術が必要になる。船の右側、直径10m圏内に留まるためには、サイティングで何を見るかが重要である。

水上で舳先を見る、水中ではしごを見る、ライフガードのボードを見るなどいくつかのバリエーションを持つ必要性を感じた。

一方で船は泳ぎ手を阻むことができないので、泳ぎ手が我が道を行きやすい。泳ぐときは前方の何を目安にするのか、見えるときには決めるべきである。今回は常に熱海側が見えていたので、前方に目安を作って基本的な方向とした。

以下続く。

2014年9月23日火曜日

初島-熱海12kmを泳ぐ

ロットネスト海峡横断練習の一環として、海人くらぶさん主催の初島-熱海12km横断泳にTIスイマーの方達と共に参加した。

○初島と熱海を横断すること

初島-熱海横断は日本のマラソンスイム(10km以上)の元祖であり、公式大会(初島・熱海間団体競泳大会)大正15年から開催されている。ただしこの公式大会は30組限定、3人が同時に4時間以内に泳がなくてはならないという厳しい条件のため、なかなか参加することができない。

そこで海人くらぶさんが地元の株式会社ソリクさんと提携し、一般の方(海人くらぶ会員)でも気軽に参加できるようにしたのが初島-熱海横断泳で、6年前よりスタートした。

運営の関係上数人で交互に泳ぐリレー泳が基本で、必要がある場合は途中でスイマーを引き上げて船で先に向かう。時間制限で途中棄権することなく最後は全員でゴールすることができ、これは非常に良いアイディアだと思った。

○天候

当初は台風16号やその影響による雨が心配されたが、結果としては気温27度の晴天で、絶好のOWS日和であった。ただし潮の影響が大きく、過去6回の中でも一番きつかったというのが運営チームリーダーである株式会社ソリクの八代さんのコメントであった。

○チーム

私がソロで泳ぎ、浅川さん、森本さん、市丸さん、笹原さんがチームで泳ぐという構成である。森本さんは琵琶湖18kmリレーに参加、市丸さんは湘南2.5kmに参加したばかりでOWSの感覚が維持できていたのかもしれない。常に私と誰かがシンクロして泳ぐというやり方で行った。

海人くらぶの大貫さんがマネージャーとなり乗船して頂いたので、非常に心強かった。また船一艘につきカヤックのライフガードが随行するので、コースアウトする心配もなく、ペースを保つことができた。

○12kmを泳ぐ

前半の30分は、うねりは大きいものの順調であった。ところがそこから1時間程度は潮の影響でスピードが3分の1~4分の1となり、非常に厳しい状況になった。私は泳いでいて後ろも見なかったのでわからなかったが、船上の人たちは初島が全然遠ざからないのでかなり焦ったそうである。

そこで体も冷えてきたのでソロだけで30分泳がせてもらった。このときは2マイルレースを想定したかなり速いペースで泳ぎ、この逆向きの潮の流れから脱出することができた。

ココス島往復で泳いだ2時間半を超えると、未知の領域である。チーム泳者も慣れてきたせいかテンポやスピードがアップしたので、ラクにシンクロすることができるようになった。シンクロのタイミング、船やカヤックとの適正な間隔への誘導、サイティングなどやることが忙しくて気を緩めることがなかった。

3時間を超えたあたりからわきの下が擦れて痛み出した。ボディグライドを塗っていたが、足りなかったようだ。途中の補給でお願いしようと思ったが、補給のときには忘れてしまい、後でひどくなった。

途中で2回足をつった。1回目はカヤックにリカバリーの手が当たったショックでつり、2回目は泳いでいて自然につった。顔を水につけて片手で足の指、もう片方の手でかかとを支え、足の角度を少しずつ変えて行くとふくらはぎのけいれんが治まる場所がある。その角度をでしばらく固定すると、泳げるようになる。これは新たな発見であった。

後半1時間半はかなりスピードダウンした感じである。一方チームの人たちは休憩十分、やる気満々なので引っ張ってもらうことが多かった。非常に助かった。

最後の10分程度は全員で泳ぎ、ビーチでゴールを迎えた。感動の一瞬であった。時間は私の到着時間で4時間58分であった。潮の流れが良ければ4時間半で行けたであろう。

○技術的な見地から


  • うねりへの対応:うねりの山に達したときに、からだがコマのように回転しやすくなる。方角が完全に変わってしまうので、その後にサイティングして方向を確認する必要がある。
  • 左側呼吸必須:船について泳ぐ場合、船の構造上右側で泳ぐことになる。船との間隔を維持するためには左側呼吸が必須である。苦手な左側呼吸をあまり使いたくなかったので、左側を見てから右で息継ぎしていたが無駄な動きが多く疲労の原因となった。口が水の中に入らない左側呼吸を練習する必要がある。
  • 頭が高い:船やカヤックとの間隔を確認するためにサイティングを頻繁に行ったが、頭の位置が戻らずそのままになっていた。ビデオを見るとかなり頭が高い状態である。サイティングの頻度を再検討する必要がある。
  • 乳酸がたまる?:後半は水抱え感が激減して、手がこんにゃく状態になった。これはランの足が棒になる状態と同じなのか、またその原因が乳酸なのかは今後の研究課題である。
  • 足のつりの防止:ほとんど足を使わなかったが、シューズを履いていたのが足つりの原因かもしれない。途中でシューズを早めに預ければよかった。また足を使わないことで足の位置が下がっていたことは実感していたが、足を上げようとすると足つりの原因になりそうだったので下がりっぱなしにしていた。体幹で引き上げる技術を磨く必要がある。

○泳いでみて

前日の説明会で、運営責任者の八代さんが「いろいろな人の協力がないと完泳できない」と最初に強調されていたが、まさにその通りだと完泳して強く感じた。小さなスイマーとの距離を維持しながら大きな船を操縦しなければならない船長の方達、休憩や補給もなく、濡れて冷えた体のままスイマーに辛抱強くつきそうライフガードの方達、状況を常に監視しながら、的確な指示を出すマネージャーの方達、そして今回一緒に頑張ったTIスイマーの仲間達、このような人たちが一体となってイベントが成立すること自体が、ものすごく貴重なものなのだと痛感した。

マラソンでもそうであったが、今回も泳ぎ終わったときに自分自身に対して何か特別な感情は起こることはなかった。むしろ運営をサポートしてくれている人たちの「おもてなしの心」に大変感動したのである。マラソンや遠泳大会、トライアスロンレースに参加する人たちがやみつきになるのも、大いに理解できるようになった。

なお当日夜から翌日にかけて、フルマラソンでも経験のなかった筋肉痛を体験した。手首、肘、肩、首、背中、腰、ふくらはぎとほぼ全身である。泳いで筋肉痛になったことはないが、計算すると2万ストロークは手足を動かしているので仕方ないのかもしれない。


GPSに基づく泳路(約11.3km)
(左から)浅川さん、笹原さん、市丸さん、竹内、森本さん



2014年9月13日土曜日

技術の積み重ねで加速する

前日はインディアンサマーの続きで、9時の時点で気温が25度を超え、久々に「やりたくない気分」全開であった。しかもスイムでは、こちらが縦に泳いでいるのを無視するかのようにご婦人がプールを横に使ってウォーキングを始め、ぶつからないように泳ごうとするためほとんど集中できなかった。ランの疲れもあり4000ydsで中断し終了した。

ラン:7.6km 57分

いつもより30分早めたことで、気温は21度となんとか走れる環境になった。最初の1kmは心拍数135を超えないようにそろそろと走り、半分までは140以下、後半は145近辺を目標にした。結果は前日よりも1kmあたり20秒ペースが速かったが、走っている感覚では前日の6~7割程度のきつさであった。

スイム:4400yds

これまで400ヤード×10セットの練習では、1回の400の泳ぎ方を50ずつに分けて1つの意識に集中して泳ぐことで間延びしない練習を行うことができた。今日は発展形として、50ずつに分けて1つの意識に集中し、そのときに得られる感覚を維持しながら次の意識を「加える」ようにした。具体的には、
  1. 入水場所を確定する。前のめり感を最大にするとともに、入水後の滑り感を増やす。前のめり感を得る結果、下半身が浮く感覚を得る。
  2. 入水場所を維持して下半身が浮いた感覚を得ながら、入水後の肘を素早く伸ばす、あるいは体幹の回転のキレを上げて加速感を得る。
  3. 入水後の加速感を維持しながら、手を伸ばすときにわきの下を使ってさらに遠くに手を伸ばし、キャッチの型で水を抱える。このときの手の平にあたる水の感触を得る。
  4. 入水後の加速感や手の平の水抱え感を維持しながら、肘を曲げることで水中の手の動線をからだに近づけ、できるだけ遠くまで水を押す。からだの下を手が通るときの水抱え感を感じる。
  5. 入水後の加速感→手の平の水抱え感から肘を加速することでからだの下を手が通るときの水抱え感を増やすとともに、からだが前に進む加速感を得る。
  6. 入水後の加速感→手の平の水抱え感が得られる瞬間に入水の手を前方に加速し、5の水抱え感やからだが前に進む加速感を増やす。
  7. スイッチのタイミングを6からずらして、5の加速感とリカバリーで手を前方に動かす加速感とを一致させる。
  8. 全体をゆるやかにつなげることで、それぞれ同じ感覚を得ながら投入エネルギーを減らす。

意識を一つに集中するだけでなく、そのときに得られる感覚を覚えておく必要がある。次の意識に切り替えるときには、その感覚を維持する前提で次の意識に取り組めばよい。

また2つのことを同時に行うことはできないので、意識するタイミングをずらすことも必要である。手を入水後に加速する→キャッチの型を作る→リカバリーまたはスイッチと連動して水中の肘を加速して水を後ろに押す、は時系列で発生するため、それぞれを意識することが可能である。

このように技術を積み重ねることで、最後のテンポ1.00秒を除いてディセンディングで(ペース1分35秒~1分26秒)泳ぐことができた。またペースもこれまでより2~5秒速くすることができ、ターゲットテンポ1.05秒では1分26秒台で泳ぐことができた。


練習後の気分:9(仮説を検証することで得たい成果が得られた)

2014年9月11日木曜日

泳ぎの基本単位を増やしてみる

プチ低温スイムの予定であったが、9月恒例の残暑で100度越えし、朝も72度と空気が冷たくなかったので中止。

ラン:7.6km 58分

3日ぶりのせいか、気温が高いせいかわからないがいきなり100%越えが1km続いた。後半は通常に近づいたが、それでも全体的に高めで150程度が半分以上であった。

スイム:4400yds 68分

テーパリング期に入ったので、量ではなく質を高めることにする。これまで300を基本単位としていたが、これを400にするとどうなるのか観察した。焦点がボケないように、50毎に以下のようなテーマを設定した。テンポは1.15秒~1.30秒~1.00秒。効果はストローク数で測ることにした。
  1. 入水場所と息継ぎの軸の固定化
  2. 入水前の肘の高さを上げることによる入水後の加速増加
  3. キャッチ位置を遠ざけることによる水中軌跡の延長
  4. 水中でラクに素早く手を動かすための手とからだの距離と前腕の向き
  5. てこの原理を使った水中の肘の動きの加速
  6. 入水して前に伸ばす手を力点とした水中の手の加速
  7. リカバリーの手の勢いを力点とした水中の手の加速
  8. リラックスしてタイミングを合わせる
10×400@1.15-1.30-1.00秒
これまでより100伸びたが、50毎に意識を変えて集中したこともあり長さは感じなかった。それぞれの400において、全く同じ順番で地道に一つずつ意識してカイゼンした。
ストローク数で見ると、テンポが遅いときは6が有効で、テンポが速くなると7の方が効果が高くなる。

最初のテンポ1.15秒は6分30秒であったが、戻りの1.15秒では6分7秒、レーステンポの1.05秒では5分53秒まで上げることができた。意識を一つに集中して、正しい動作を行う感覚が得られれば結果(タイム)がついてくることが実証できた。

練習後の気分:8

2014年9月9日火曜日

さらに長く泳ぐことで何が起きるかを観察する

スイム 9000yds グロス2時間29分、ネット2時間22分

一昨日の3時間30分ランに続いて、2時間30分スイムを行い初島熱海横断泳のピーク練習とした。
テンポ1.05秒、16~17ストローク維持、1500ずつで給水、3000ずつでGu摂取。

○意識を集中する戦略

今回はSwiMP3で音楽を聴きながらであったが、意識を以下のように集中してみた。
  • 最初の100はテンポの最適化。入水位置を中心に水上の動作を調整して、ラクにテンポに合わせる泳ぎにする。
  • 次の100は水中軌跡の最大化。手の平に水圧を感じながら手をできるだけ長い距離動かす。テンポは遅れても構わない。
  • 次の100はてこを使った投入エネルギーの最小化。てこの支点を水中の肩や体軸など変化させながら、水中の手を単体で動かしたときよりも速く、ラクに動かせるようにする。
この300のセットを5回繰り返した。結果としては前回の7500よりも、意識を集中させることや泳ぎをカイゼンすることができた。

特にメリットを感じたのは、「繰り返し同じことを意識する」点と「100だけ意識する」点である。300おきに同じことを意識するので、前回との比較ができるようになる。疲れによる劣化や肩の痛み、動作が緩慢になるなどのマイナスの変化が非常にわかりやすかった。

また100だけ意識することにより、途中で意識が飛んだり別のことを考えても、残りの距離が少ないので意識の区切りがつきやすい。残り50だけ、残り25だけ再び同じ意識で泳ぎ、次の100は新たな意識で泳ぐ。

1分36秒ペースでスタートして、6回の平均は1分35秒と前回設定した目標通りであった。

○課題

1本目でわきの下が擦れてきたのでBody Glideを毎回休憩時に塗った。本番の海水はしみるので、休憩毎に塗り、擦れないようにしなければならない。

前回感じた肩の張りは、今回も5本目、6本目で顕著であった。足と同様で、乳酸が溜まって動きが急に悪くなる感じである。テンポも遅れがちになるので、テンポなしで泳ぐ場合には意図的にテンポを上げる必要がある。また肩甲骨を使って腕全体を前に送る意識が効果がある。

今回は6本目で足がつりそうであった。スナップを極力弱くし、ターン後のプッシュオフもできるだけ緩やかに行った。昔は1500も泳げば足をつっていたので、現在足がつらずに泳げるのはランの効果かもしれない。

ストローク数は全部で6500超。終わった後肩甲骨の付け根を押すと痛む。


練習後の気分:10(ペース目標達成、距離も十分)

2014年9月7日日曜日

のべ心拍数による練習

ラン 27.5km(3時間33分)

前半心拍数140未満、ペース7分20秒
中盤心拍数145未満、ペース7分40秒
後半心拍数155未満、ペース8分
消費カロリー:1683

水泳の平均心拍数は100~110程度のため、ランの75%程度である。のべ心拍数で考えるとランの時間の33%増し=水泳で泳ぐ時間と考えることができる。

3時間30分×1.33=4時間40分で、初島熱海横断泳の時間をカバーすることができた。

2ヶ月前に同じ距離を走っている。比較してみると、
  • 前回は最初の5kmは6分40秒台、心拍数は150超であった。今回は7分20秒台、心拍数は139である。
  • ペースが逆転するのが15km以降である。前回は17km以降から8分台になったが、今回は22kmまで7分台を維持することができた。
  • 前回は23kmから歩きが入っているようである。特に残り2kmは主に歩き、ときどき走っている。今回は歩かずに最後まで走ることができた。
  • 全体のタイムは今回の方が4分速かった。
  • 前回は6月のグアム-日本出張、および1500mの大会の直後であったので、ほとんど練習できていない。今回は3.2kmからスタートして、毎日10km走っている。
完走できた理由としては、1ヶ月以上にわたりランを練習しているのに加え、半分の距離まで心拍数を140に抑えていたことが挙げられる。今回足は重くなったが、棒にはならなかった。痛みで走れないという状態は発生しなかった。

走った直後に400yds泳ぐ。水中で泳いでいると、本当に軽く感じる。それまで重力に逆らって運動していたことがよくわかる。その後カイゼンメリハリのためのドリル組み立てを行い終了。

練習後の気分:9(やはり水泳は気持ちがよい。それまでは5だったが、最後の400を泳いで9になった。)


2014年9月6日土曜日

透明度の低い環境で泳ぐ

プールとOWの違いはいろいろあるが、泳ぎやすさ・泳ぎにくさの点では「透明度」は大きな要因となる。今日は透明度の低い環境で泳ぐことで23日の初島熱海横断泳に備えた。

・OWS シャドークリフ 30分

イーストベイに22年、サンラモンに4年住んでいて、車で20分足らずのところにOW経験ができる場所があるとは知らなかった。これまでは40分かかるデルバレ湖に行っていたが、スイマーがガラガラヘビに噛まれたと聞いてやめていた(トライバレー地域はガラガラヘビが出るので有名)。蛇は人間より泳ぐのが速いそうである。

シャドークリフのビーチはボリス湖という小さな湖の脇にあるが、はっきりいって巨大な池である。夏は乾期であり雨や流入する水もなく、汚染度も高い。毎週発表される大腸菌の数のレポートを見て泳ぐかどうか決める必要がある。8月上旬は遊泳できなかった。

水温は期待外れで高かったが、透明度は1m程度である。しかし藻が水面近くまで茂っているので、見えない方がよいという面はある。以下は透明度の低い水で泳ぐ手順である。

  1. 透明度が低いとわかったら、まず「あきらめる」。見えないものは見えない。壁はないので激しくぶつかる心配はない。
  2. 前に伸ばしている手が見えるか確認する。見えれば幸せであると思う。ただちに手の深さ、キャッチの型、プルの軌跡など水中の手の動作観察を集中して行う。
  3. このように泳ぎの観察ができれば、落ち着いて泳ぐことができる。次に息継ぎのときに頭頂部が水面に来るようにする→頭を寝かせる。無意味に頭が上がる状態を避けるためである。
  4. サイティングの頻度が高くなるのはしょうがないとあきらめる。下が見えないので、本能的に前を見たくなる。ただしサイティング目的のサイティングは3回に1回程度にして、あとはサイティングしたような気がするだけのプチサイティングにして、首の緊張をとる。前を見ているという安心感を持つのが目的である。
  5. 慣れてきたら頭を突っ込んで泳ぐ。思い切って頭を突っ込むことで、頭が上がりがちな状態を逆に認識することができる。4~8ストロークは突っ込んでいても問題ない。この間は息継ぎもしなくてもよい。
OWSではさらに「温度差」にも注意する必要がある。突然冷たくなるときがあるので、そのときにあわてないようにする。今日もかなりの温度差があった。

温水と携帯シャワーを忘れたが、公園の水シャワーが温水のように感じたのでおそらく水温は高くなかったのであろう。

OWS対策としては、日本に行くまでに地元のプールで「やや低温」状態を体験する予定である。気温15度、水温22度で90分泳いでみる。



2014年9月5日金曜日

泳ぎの最適化プロセス

ラン:10km

前日の反省から、特に上り坂におけるイーブンペースを心がけた。

上り坂ではからだの傾きを増やそうとして背中が丸くなる。そこで骨盤のクランチ、および骨盤から30cmまでの背骨の直立を意識することで背中を真っすぐにし、身体を前傾させた。姿勢を変えると足が地面を押す感覚が増える。結果として心拍数を140台で抑えながら、上りで目標ペース(7分30秒)より速く走ることができた。

全体としてはインターバルトレーニングをした前日と同じタイムであった。運動後の疲れは圧倒的に今日の方が少ないので、効率の良い練習であった。

スイム:3400yds

前日のネガティブ鍛錬モードへの反省から、3000のテンポピラミッド練習の質の向上を目指した。
テンポピラミッド練習の目的はそれぞれのテンポにおける泳ぎの最適化である。そこでこの最適化のステップを3つに分解した。
  1. テンポの最適化:テンポに合わせた無理のない動き、ラクな動き
  2. 水中軌跡の最長化:水中の手の動きの軌跡を長くし、滞在時間を増やす
  3. 投入エネルギーの最小化:各レバレッジが最大となるポイントや動かし方

1.テンポの最適化(100yds)

設定したテンポに合わせた手の動きだけでなく、よりラクに合わせるための手の動かし方を試す。
全行程において水上の手の動きにフォーカスする。最初の50で入水場所を固定化する。次の50でフィニッシュの場所を決め、ラクに動かせる水上の手の軌跡を決める。

目標はビープ音に合わせて動かすのではなく、手の入水直後にビープが聞こえるように余裕を持たせた動きをラクに行うことである。

2.水中軌跡の最長化(100yds)

泳ぎの最終的な推進力は手で水を後ろに押すことにより生まれる(作用反作用の関係)。仕事量は力×距離なので、推進力を最大にするには力を加えてその距離を伸ばせばよい。

全行程において水中の手の動きにフォーカスする。最初の50ではキャッチを始める場所を遠くすることで軌跡を伸ばす。次の50ではからだの下を通る手の軌跡をからだに近づける一方(軌跡は短くなるが速く動かすことができる→仕事量は増やせる)、プッシュの位置を下げることで軌跡を長くする。

最長化過程において水上の動きを軽く、短くすることでテンポに合わせるようにする。しかしテンポより動きが遅れてもあまり気にしない。次のステップで全体を最適化する。

3.投入エネルギーの最小化(100yds)

2の軌跡を実現するために、てこの原理を応用して他の動作を意識する。最初の50では肘の位置と軌跡を意識する。肘を動かす結果手の平に水圧を感じながら手が動くようにする。次の50ではスイッチ動作で入水側を力点、水中のキャッチの手を作用点とする。またスイッチ後に伸ばす手の動きを力点、水中のプッシュを作用点とする。

まとめると以下のようになる。

10×300@1.15-1.30-1.00秒
50:入水場所を確定してテンポに合わせる。
50:フィニッシュ位置を確定してラクにリカバリーし、テンポに合わせる。
50:キャッチの場所を遠ざけて水中軌跡を伸ばす。
50:水中軌跡をからだに近づけ、プッシュの位置を下げて水中軌跡を伸ばす。
50:肘を意識して水中の手を動かし、より大きな力を得る。
50:スイッチ動作や手を前に伸ばす動作を意識して水中の手を素早く動かす。

ピラミッド練習の結果としては、
  • 前半は大きな変化がなかったが、後半はがんばった感じを持たずに速くなった。
  • 全てのラップにおいて異なるタスクを用意したので、数え間違いがなくなった。
  • 忙しくしているうちに300が終わる。
意識の集中状態が続いたまま練習を終えることができた。プロセスをまとめるにあたり他の練習が阻害しないように本日の練習はこれで終わりとした。


練習後の気分:10(新しい考え方の発見)


2014年9月4日木曜日

ネガティブな鍛錬モードに入ったときの対処法

ラン:10km

通常通りのペース配分。残り2km地点からインターバル練習を取り入れた。30秒高速(5分30秒ペース)、30秒イージーを繰り返した。心拍数は160まで上がるが、加速のための筋肉の緊張や骨盤を回転させることによるストライドの増加など、スピードアップに活かせる道具を再確認することができた。ただしこの練習が後で問題になる。

スイム:5000yds

通常通りの練習。2500あたりから倦怠感が生じ、意識が集中できなくなる。3500を越えたあたりから泳ぐ気力もなくなる。7500を泳いだときには感じなかった感覚であり、フルマラソンの40km地点で感じた感覚と似ている。

自分が意識をコントロールできているときは、姿勢や動作の状況を把握することができ、現状に対して何をすべきか脳が考え、からだに意識させることができる。しかし疲れて意識が集中できなくなると、からだが「それなりに」動いて量をこなすモードになる。これを「ネガティブな鍛錬モード」と呼んでいる。筋肉はそれなりに鍛えることができるが、意識のコントロール下にないので技術としての上達は望めない。

練習する度に上達することをコミットメントしているので、ネガティブな鍛錬モードに入ると上達が期待できないため普通は練習をストップする。しかしマラソンスイムや20kmスイムとなると、このモードに入ってからどのように立て直すか自体が技術習得になるので、今回は敢えて練習を続け、さらに加速インターバル練習も行った。その結果、

  • ネガティブな鍛錬モードに入ると水しぶきが多くなる。
  • その他に空回りや増える、息継ぎで頭が立つ、リカバリーの肘が低くなるなどの特徴がある。
  • ネガティブな鍛錬モードに入ったら、まず頭頂部を水面下に置いて前のめり感を上げる。
  • 次にスケーティング姿勢でわきの下を伸ばしてななめ姿勢を安定にする。
  • さらに入水場所を一定にして入水動作を丁寧に行い、なめらかさを増やす。
  • これらを実施することで加速の上げ方を思い出して実施することができる。
というように、「まあな」を復活させるように丁寧に泳ぐ(スピードは気にしない)ことで、その後加速を加えてスピードアップすることができることがわかった。

ランのインターバル練習は重要であるが、スイムに大きく影響するので2月までは中止する。残り2kmあたりで段階的に心拍数を上げる(ペースを上げる)方法に切り替える。


練習後の気分:4(ヘロヘロ)

2014年9月3日水曜日

速いテンポの練習で気をつけること

ラン:10km

ペース7分30秒、心拍数は前半130台後半、後半140台。1時間15分で予定通り。上り坂が随分ラクに感じられるようになってきた。心拍数も150まで行かない。長距離泳をシミュレートするのに良い状態になっている。

スイム:5000yds

・アップ:400
・テンポピラミッド:10×300@1.15-1.30-1.00
・ディスタンスピラミッド:3x500@1.05,1.00,0.95
・イージー:100

テンポピラミッドはテンポ1.15秒でスタートしてペース1分40秒と遅かった。ストロークの軌跡を最大化することを意識してストローク数を2減らしてテンポ1.30秒でペースを1分36秒まで上げた。

ここからテンポ1秒でペース1分30秒を切ることを目標にして、テンポアップフェーズの泳ぎを組み立てた。
  • テンポダウンで得られた加速は維持したい。キャッチの型やプルの型を意識し、手首を締めることで加速を維持する。
  • テンポを速くするときに手前でフィニッシュしてタイミングを合わせるが、手首の締めを維持することで最後まで水を後ろに押す。
  • リカバリーを急ぐ必要はない。振り回すと入水後の手が伸びたままになって、キャッチの型が作れなくなる。
  • テンポを速くするに従い入水する場所を遠ざけることで、リカバリー所要時間や水中で手を伸ばす時間を短縮する。
  • テンポ1.05秒でもニューパラダイムにはしないでみる。
テンポ1.05秒、テンポ1.00秒でいずれも1分30秒を切るペースで泳ぐことができた。ニューパラダイムにするとストローク数が増えてしまうが、今回は16~17で泳いで加速を維持することができた。

ディスタンスピラミッドではテンポピラミッドで得られた「速いテンポでも伸びる泳ぎ」をさらに強調するための意識を磨いた。目標は最初の50のタイム+1秒で各50を泳ぐことである。テンポ1.00秒でも劣化せず目標を達成した。ただし0.95秒は加速ができないと判断して、テンポに合わせるためのなめらか感だけを意識した。

練習後の気分:8(予定通り10km+5000をこなせた)

2014年9月2日火曜日

長く泳ぐことで何が起きるのかを観察する

心肺機能の強化を目的として、日曜日は20kmを走った。ペース7.5分/km、2時間35分、心拍数は前半140以下、中盤145以下、後半150台である。足が棒になったり、膝やくるぶしが痛くなったりすることもなく歩かず完走できた。やはり心拍数により厳密にペースを調整する必要がある。

スイム 7500yds(5×1500)、ネット2時間2分

9月23日の初島熱海横断泳(12km)に向けて、仕上げの練習に入る。今回は2時間超を泳ぐことにより何が起きるのかを観察した。休憩は最長45秒、休憩時ハイポトニック飲料を毎回摂取、3000経過時にGuを摂取した。

テンポは1.05秒、17ストロークを無理しない形でキープすることを目標にした。

当初はSwiMP3で音楽を聴きながら泳ぐ予定であったが、泳ぎ始め直前に電源が切れてしまったため初めて音楽なしで長時間泳ぐことになった。

音楽がなくなり、キャップのずれも気にならなくなったので意識の持続が可能になった。そこでてこを考え、水中の手を作用点とした場合に、力点や支点を移動させながらエネルギーの効率的な利用を考えた。

4500までは何も起きなかった。前回の6000泳では4500の段階で肩が石になる感覚があったが、今回はわきの下が若干こすれる程度で他に問題はなかった。

4本目には水抱え感が甘くなってきたので、手首の締めを意識して水抱え感を復活させた。ただし5本目になって手首が痛くなってきたので、「撫でる」意識に切り替えた。

肩については4本目後半から疲れを感じてリカバリーが平たくなってきたため、リカバリーで肩よりも肩甲骨を伸ばすタイミングに集中してリカバリー軌跡を水面から遠ざけた。この結果入水時に落差が生じて入水後の加速がラクになった。

足もつらず、痛みも極端な疲れもないまま7500を完泳した。ペースは平均1分38秒で、3~5本目は同じであった。ラクなペースなので距離による劣化は起きないが、壁のないOWSで3%のスピードダウンを考えると10kmサブスリーぎりぎりのペースである。

次回のLSDスイムでは、1分35秒ペース、1500yds23分45秒をキープして6本泳ぐことを目標にする。また空腹感があると泳ぎに集中できなくなるので、3000毎(約45分毎)にGUを摂取する。

一昨日の2時間半ランと今日の2時間スイムの消費カロリーは1200kcalで同じ。同じカロリーなら2時間スイムを選択する。


練習後の気分:10(目標は達成した)

2014年8月29日金曜日

手首の締め方による加速コントロール

今週は50km走って21km泳いだ。総運動時間は13.5時間、消費カロリーは6800kcalである。脂肪約1kgが使われたことになるが、体重には50%しか反映されていない。一方で食欲が高まっているため、運動量が激減する日本訪問時が心配である。

ラン 9.2km

心拍数が概ね140未満で最初の30分、140台前半で次の30分を走ることができるようになった。平均ペースは時速8km(7分30秒/km)である。

てこの原理を応用して、接地面である足の裏を作用点、膝を力点として前方に体重をかけた。また坂道においては頭の位置を意識して前のめり感を維持した。この結果ほとんど疲れることなく、次のスイムにつなげることができた。

スイム 4400yds

アップ400、テンポピラミッド10×300、ディスタンスピラミッド2×500でテンポを含めて全く同じ構成で4日間練習した。ここで得られた知見は以下の通り。
  • 水中の手の軌跡を15cm上げることで、速いテンポでも推進力を維持することができる。
  • 手の平の水を後ろに押すという意識よりは、肘を引く結果手の平の水が押されるようにすると疲れない。これはてこの原理の応用である。
  • 水のかかえ始めは背中と胸の筋肉を締めて加速する。
  • 途中の動作は肘を外側に引くことでてこの原理を使う。
  • プッシュは入水動作をてこに使う。入水動作を素早く行うことでプッシュが加速できる。
  • 正しいタイミングで適切な筋肉や関節の締めを使えば、疲れる感じがなく1分32~33秒ペースにすることができる。

キャッチやプルの型の維持と劣化のバランス

テンポ1.15秒までは型をつくり、その型をできるだけ維持するようにして水を後ろに押す。型を維持するのに使われるのは手の平の力ではなく手首の締めである。手首から先は「結果として」水を押すことになる。

テンポ1.10秒から上げる段階では、締める割合を3~5割減らして「撫でる」意識を強くする。1回のストロークで得られる推進力は下がるが、それ以上にテンポを上げる効果があればよい。今日は実験的に0(手首脱力)~10(手で水を押す意識)まで変えてみたが、手首を締めるほど上腕三頭筋が疲れ、緩めるほど空回りする。水を押す感覚を確認しながら手首を緩めていき、水を押す感覚が維持できる最低限の手首の締め方を見つける必要がある。


練習後の気分:8(距離だけでなく発見もあり充実した1週間であった)

2014年8月27日水曜日

てこの原理を使って推進力を得る

前日と同様にラン9.2km、スイム4400ydを合計2時間半(着替え含まず、水泳の途中休憩含む)で行った。最近人生で最も運動している。消費カロリーは1300kcal近いが体型は変わらず。意味不明。

てこの原理をプルに使う

前日は水中の手の平の軌跡を上げることで推進力を増やすことができた。そこで感じたのは、

  • 手の平で水を押すために、手の平に力を入れると心拍数が上がり疲れる。
  • 肘を外側に引くことで、手の平で水が押されている状態を結果として作ることができる。このときはそれほど疲れない。
ということであった。手の平を力の作用点、肩が支点と考えると、
  • 手の平を動かそうと思って手(の平)に力を入れる状態→入れる力と得られる推進力は等価、または水の抵抗の分だけ推進力は減る。
  • 肘を動かすことで結果的に手の平が動いている状態→肘が力点とすれば第3種てこ(箸やトング、ピンセットなど)に該当して大きな力が生まれる。
という仮説が立つ。そこで力点を様々な場所に置いてみた。
  • 肘:手が動き始めた後で肘でリードすることが可能。手が動き始める前からリードしようとすると、肘引きになり水が押せなくなる。
  • 広背筋か大円筋(わきの下の下側):手の動き始めに有効。わきの下を十分に伸ばした反動を使う。
  • 大胸筋:肘が横に出ていると胸の筋肉を使うことができる。意識しすぎると、手が動き出してからの肘による加速にうまくつながらない。
手の平が動き出す前後は背中や胸の大きな筋肉を使い、動き出してからは肘を意識することで手の形を変えずに水を後ろに押し続けると腕の筋肉疲労を抑えることができる。

なお入水する手を力点とすることも可能である。この場合支点は体軸になる。入水する手は重力により加速することができるので、その力を反対側にある水中の手に伝えて推進力に変える。入水する手の加速を増やすことで力点の力が増え、その結果作用点における推進力を増やすことができる。

テンポピラミッドにおいては、テンポが1.05秒以上速くなるとてこの効果がわかりにくくなる。手の平に力を入れることなく、他の部位を使って推進力を維持する工夫がさらに必要になる。

練習後の気分:7(前日よりは疲れなかった)

2014年8月26日火曜日

水中の手の軌跡を磨く

本日より再びラン-スイム連続で練習する。9月のマラソンスイムの準備が目的である。3時間以上泳ぎ続けることは練習では難しいので、半分をラン、半分をスイムで対応する。

ラン:9.2km

心拍数130台後半から140台前半を維持。後半は気温が上がったため心拍数も上がり気味で140台後半を維持。8km地点から意味不明の170台前半。最大心拍数を越えるがこのコースでは最もラクに走ることができた。所要時間1時間11分、心拍数110で平滑化すると1時間30分を越える。

スイム:4400yds

泳ぎだしは足が硬くスピードが遅い。テンポピラミッドで1.30秒のボトムに達しても1分36秒ペースで目標より3秒遅かったので、水中の手の軌跡を変えることにした。

意識をしないと手の平はからだの下50~60cmを通る。これを30cm程度まで狭める。手の平の位置を意識すると手に力が入る(力点と作用点を一致させた状態)ので、肘の軌跡を従来よりも20cm外側、15cm上にする。

この結果テンポを上げる段階ではディセンディングを実現し、1分20秒ペースまで上げることができた。

テンポ1.00秒と0.95秒のディスタンスピラミッド(50-100-150-200)でからだが限界を越えたので終了。学校が始まり誰もいないプールで一人ハードな練習をしている。



2014年8月25日月曜日

苦手な側の息継ぎを磨く2

前日に12kmのランを行った。5kmを越えるランは先月下旬のマラソン以来で1ヶ月振りである。
心拍数135~140を維持してペースは7分20秒、後半は140~145を維持してペースは7分40秒で全体として心拍数140、平均時速8kmであった。私のからだではこの程度が無理なく走れる強度である。この後で3000を泳ごうと思ったぐらいラクであったが、夏休み最終日で10時からプールが混んでいたのであきらめ、本日泳いだ。

○LSDスイム 6000yds(4x1500、グロス1時間39分、ネット1時間36分)

短い距離を繰り返し泳いで全体の距離を増やすのは大切であるが、一度に長い距離を泳がないと見えないことがある。これはランの練習でよくわかった。前回のLSDでは1000を6本泳いだが、今回は1500を4本泳ぐことで見えないものを見つける。

・左右息継ぎのコンビネーション

これまではラップあたり右→左→右→左→右→左で各3回ずつ息継ぎをして苦手な左側を練習した。しかしこのやり方だと17ストローク必要であり、また17ストローク目が息継ぎのリカバリーと重なり横を向いているのでフリップターンのアプローチの目測ができない。

今回は1回に泳ぐ距離が1500と長いので、いろいろな組合せを試してみた。その結果右→左→右→左→右→右(2ストローク)が最もタイミングが合わせやすいことがわかった。メリットは以下の通りである。
  • 期待値の低い左側を続けることによる欲求不満を右の2ストローク呼吸で解消できる。
  • ターンのアプローチは左手を入水して伸ばしてから始まるので、壁までの距離の調整が容易である。
  • また利き手の左手でひとかきしてからターンを始めるため、アプローチで加速しやすい。
  • 17ではなく16ストロークで維持しようとする意識が強く働く。
50mプールや壁のないOWSでも2ストローク呼吸を間に取り入れることで、苦手な側の苦手意識を減らすことができるか今後テストする。

・水平面上の顔を回す角度で劇的な変化

苦手な左側呼吸が苦手である理由は、
  1. 口に水が入る
  2. 右手ががまんできない
  3. 軸がぶれる(左足が開く)
  4. 耳に水が入る
などであるが、このうち1が深刻である。前回は対応策として口を閉じるタイミングを早くしたが、左右で閉じるタイミングを変えるのが難しい。

今回は水平面上で顔を回す角度を変えてみた。上から見た場合、右側呼吸では進行方向に対して時計の短針で3時を指していると考えると、左側呼吸ではこれまで8時を指していた(やや後ろを向いた状態)。これを9時30分(9時と10時の間)まで変えてみたところ、口に水が入らなくなった。

ただし無意識では後ろを向いてしまうので、意識して顔の向きを変えないとならない。今回の練習ではこれが大きな収穫であった。

・疲れによる泳ぎの変化への対応

前回よりも今回の方が1回に泳ぐ時間が長くなったので、意識が飛びやすくなった。意識が飛ぶとストローク数の増加という形ですぐに結果が現れる。17-18ストロークの割合は1本目が1割、2本目も1割、3本目が6割、4本目は8割である。

完全に別のことを考えていた時間もあったが、それでもストローク数は増加する。空回りを防ぐためには、「一つのシンプルなメッセージ」だけをひたすら意識し続けるのが効果的である。

今回は「手の平にあたる水」をメッセージとして、手の平で感じる水の圧力を意識集中の拠り所にした。一回手の平に圧力を感じれば、それを増やそうとする本能が働く。手の軌跡を伸ばしたり、手の形を意識しながら動かしたりすることで劣化を抑える。


・肩甲骨が石になる?

20km以降足が棒になることで走れなくなることは何度も経験した。今回泳いでいて肩甲骨が固まる感覚が生まれた。これが糖分不足によるものか、乳酸の蓄積によるものか、筋肉の疲労によるものか原因を特定する必要がある。筋肉の疲労によるものであれば、それを回避するための代替手段を導入する必要がある。事象を再現するために2時間程度泳ぐ必要があるかもしれない。




練習後の気分:8

2014年8月22日金曜日

練習の組み立て方

練習の時間が長くなるほど、シンプルな構成にすることが必要である。今は来月の12kmマラソンスイムに向けて、毎日5000ヤードを日課としているが、
  1. 最低限の負荷をかけながら心拍数を下げる泳ぎ:全体の6割
  2. 高い負荷をかけて心拍数を上げる泳ぎ:全体の2割
の2種類を基本として、間に1種類のオプション(全体の2割)を入れている。

1.テンポピラミッド 10x300@1.15-1.30-1.00秒、n/n+1ストローク

ストローク数をコンスタントにするコントロール力、テンポ上昇局面でストローク数を増やさない加速力を磨くことがこの練習の目的。開始時ペース1分37秒が戻りで1.34秒とあまり変化がなかったが、テンポが速くなるにつれてストローク数の増加を抑えることで1分30秒まで上げることができた。

2.ディスタンスピラミッド 2x(50+100+150+200)@0.95秒、16/17ストローク

海で泳ぐレーステンポは0.95秒である。空回りしないようにこのテンポの練習をオプションとして加えることにした。テンポが速くなると無駄に力を入れる状態が増えるので、まずはリラックスした状態でテンポに合わせることに専念し、それに加えて加速を意識する。

3.加速インターバル 3x2x100@1.10-1.00秒、15/14/14/17ストローク

2番目のラップでは最大の加速で14ストロークを実現し、次のラップでは代替手段を取り入れて少ないエネルギーで同じ加速を得ることを目標にする。代替手段の導入に失敗するとストローク数が増えるので、次のセットでは別の手段と試みる。


今日は子供が多く、しかも縦横無尽に泳ぎ回るため困難を極めた(6コースあるがコースロープがない)。来週からは学校が始まるので改善されるであろう。


練習後の気分:7(90分泳ぐことに苦痛を感じなくなってきた)


2014年8月18日月曜日

意識の集中を分散する

ラン:5km

いつものコースをいつものように走った。前回は全行程で140(強度では80%)を越え、さらに6割で160(強度では95%)を越えていた。ところが今回は4kmまで120台後半をキープしていた。最後の1kmで7分ペースに上げても150まで届かず、全行程の平均心拍数は前回より30下がっていた。平均ペースはkmあたり3秒遅いだけである。意味不明であるが、これが普通の人の心拍数なのであろう。2日間泳がなかったので人間に近づいたのだろうか。

スイム:LSD5000yds(5x1000)

左右息継ぎの練習の成果を確認するため、LSDで5000ヤードを泳いだ。

  • 目標心拍数:100台後半~110台前半
  • 永久に泳ぎ続けられそうな泳ぎ方で泳ぐ
  • 3ストロークで1回息継ぎ
  • 1000ヤード毎に給水で最長20秒休憩
  • テンポ1.05秒、17ストロークキープ
  • SwiMP3で音楽を聴く
左右それぞれ3回ずつ息継ぎをするため17ストロークとした。加速を入れれば16にすることは容易なので、17は「丁寧に泳ぐが力は入れない」泳ぎとなる。

前回のLSDでは首の右側や右肩が張ったり、スナップの効かせすぎで左足がつりそうになったりしたが、今回は左右均等に息継ぎをしていたので何も起きなかった。左足の酷使感もなかった。

ペースは5本とも同じで1分37秒であった。およそ10km3時間に相当する。特に負担のあるペースではなかったので、アクシデントや急激な疲れによる劣化がない限りはサブスリー達成が見えてきた。

意識の仕方を分散する

これまでは常にいろいろ考え、観察し、感覚を得ながら修正して泳いでいた。しかし30分以上泳ぐ場合には、このようにしていたら頭が疲れてしまう。そこでランを参考にして、意識を集中するときとしないときの使い分け、および意識の集中時間の短縮を図ることにした。

  • テンポトレーナーのビープ音を聞き続けない:動作に意識を集中し続けることになる。壁をプッシュオフする毎に最初の3、4ストロークだけ合わせたら、あとは音楽にフォーカスを変える。
  • 雑かどうかだけ判断する:感覚基準を鈍くして、雑か丁寧かだけを判断する。雑と感じたら前のめり感や安定感、なめらか感を使って泳ぎを修正する。
  • 他のことも考えてみる:今日の仕事の予定や新しいビジネスモデルなど。
  • フォーカスする場所を集中し、1ラップあたり3~4ストロークだけにする:入水の位置や伸ばす手の方向、頭頂部などを意識する場所を選び、1ラップで1つだけに絞って3~4ストローク泳ぐ間意識して修正する。
  • 瞑想はしない:瞑想するとテンポに合わせられなくなる。スピードを問わない場合は瞑想が必要だがタイム泳には適さない。
上記のように、ざっくりした感覚を使ってたまに意識を集中する技術が必要である。音楽を聴いていると、音楽を聴かずに集中する、音楽を聴く、音楽は耳に入ってくるが別のことを考えるという3つのパターンをつくることができるので、意識の分散がやりやすい。

スピードを落とすことなく意識を分散できるようになれば、長時間を速く泳ぐことができる。1500mを速く泳ぐために練習していたときには考えることのなかったコンセプトである。


練習後の気分:6(7000泳ぐつもりだったが、左側呼吸で水をたくさん飲んで腹痛になったため5000で中断した)

2014年8月15日金曜日

苦手な側の息継ぎを磨く

ラン:5km

最初の上り坂で心拍数が180まで上がり、フラットなコースで140程度まで下がる。その後前日は一定であったが、今日は再び180台まで上がった。さらにその後もほぼ全ての行程で150以上、3km過ぎからは170以上にまで上がる。結局運動強度90%は全行程の6割を越えた。

走っているときは全然きつい感じはしなかったが、心拍数が下がらなかった。原因は不明である。

スイム:5000yds

アップ400、テンポピラミッド10×300@1.15-1.30-1.00秒、加速インターバル16×100@1.15, 1.10, 1.05, 1.00秒とシンプルにした。

これらの練習において共通の課題として、苦手な左側の息継ぎを以下のステップで磨いた。

○ステップ1:問題を発見する

最初に3回に1回および4回に1回で左側の息継ぎを行い、何が問題なのかを観察した。
  • 空気が十分吸えていない(4回に1回では苦しく感じる)
  • 口に水が入る→その水を飲んでしまう
  • がまんの手ができない(水中の手が空回りしている)

○ステップ2:仮説を立てて検証する

水中の動作を観察するため最初は4ストローク1回呼吸にしたが、やはり苦しいので3ストローク1回呼吸にした。

・空気が十分吸えていない→吐き足らない
4ストローク1回呼吸に比べて3ストローク1回呼吸は吐ける時間が減少する。これが苦しさの原因であると考え、特に顔を出す直前の吐く量を増やした。
さらに左側呼吸の期待値を5割に下げて(これまでは6割)、うまくいかないときでもパニックしないようにした。

・口に水が入る→口に空気圧をかけるタイミングを早める
プールで泳ぐときは口を閉じず、開けたままである。息継ぎで空気を吸い終わった直後から口に空気圧をかけて水の侵入を防いでいる。左側は慣れていないせいか下を向いたときに口に水が残っていることが多かった。水が残っていると飲み込むリスクが発生する(約3割)。

対応策として、口に空気圧をかけるタイミングを早めた。圧自体も弱かったようなので、空気を吸い終わったらすぐに口から息を吐き出すようにした。最初は吐き出しすぎて泡を出してしまったが、意識すれば泡を出さずに圧をかけられるようになった。

・がまんの手ができない→力を入れるタイミングを入水に合わせる
息継ぎをしている間に水中の手が動いてしまう。これを防ぐには、(1)水中の手の位置を15cm上げる。(2)わきの下を伸ばして水中の手を前方に固定する。(3)呼吸をしている間はゆっくり動かす。(4)入水する手に合わせて水を抱えて後ろに押し出す。

○ステップ3:リラックスした状態で練習する

ウォームアップの段階から左側呼吸を取り入れた。リラックスした状態で3回に1回呼吸をして、上記の仮説を検証した。ここではストローク数は意識せず、テンポに合わせるだけにした。いずれも意識すればできるが、他に意識が回ると途端に問題として現れる。

○ステップ4:ストローク数やテンポに合わせて調整する

最後にテンポやストローク数を変化したときに息継ぎに影響のないように動作を調整した。

○両側息継ぎの必然性

超長距離を泳ぐと、小さな無理が大きなリスクに変わることがある。先日の6000ヤードスイムで首の右側や右肩が張るのが確認できた。首を使わないで顔をからだと回すことで幾分緩和できたが、さらに長距離を泳ぐときには両側息継ぎは必須となる。

また息継ぎで右手を入水するときに、左足を強くスナップするクセがある。このクセが足のつりにつながっている。このため左右呼吸は足のつりを防ぐ手段としても有効である。


口の中に水が入る問題やがまんできない手の問題など、意識しないと解消できない問題が多い。このため今後の練習ではできるだけ左右息継ぎを取り入れて、無意識で正しい息継ぎができるようにする。


練習後の気分:7

2014年8月14日木曜日

スイッチのタイミングで心拍数を減らす

ラン 5km

前日に比べて心拍数の下がりが良くラクに感じた。データをみると前日と気温、平均スピードはほぼ同じである。心拍数は1kmから2kmの下り-上りで前日160台後半が続いたが、今日は140を上回ることがなかった。その後はほぼ同じ心拍数の推移を示している。

たった4分ではあるが心拍数の高い状態があるのとないのでは、その後の走り方の感覚に大きな違いが出ることがわかった。結果的には前日よりも平均心拍数が1下がり、平均ペースも1秒速くなっただけで大きな違いはなかったが、今日は下がりがちな心拍数を上げるためにスピードを出すような感じであった。

この山がなくなった理由については、前日の6000ヤード泳が関係しているかもしれない。継続的に同じ距離を走ることで仮説を検証する。

スイム 5000yd(練習時間:グロス97分、ネット81分)

水泳はつぶしのきく(距離を練習する必要がない)スポーツであると考えていたが、それは泳ぐ時間が30分程度の世界の話であり、3時間、6時間と泳ぎ続けるのであれば、同じ程度走り続けるランニングのアプローチを参考にすべきと考えた。

従ってこれまで行ってきた、フルマラソンを完走するための練習の考え方を参考にして練習距離やメニューを考えることにする。42キロを6時間で走るために毎日10km(75分)、毎週20km(180分)を練習するのと同じアプローチは、
  • 毎日75分泳ぐ。
  • 週に1回2時間続けて泳ぐ。
  • 週に1回休む。
となる。メニューによって異なるが75分実質で泳ぐのは概ね5000ヤード、120分泳ぐのは7500ヤードである。当面はこれを基本形として、週1回のLSDの距離を3時間(約10km)まで伸ばすことができるかやってみる。

○運動強度を下げるためのスイッチのタイミングの見直し

私の場合ランに比べてスイムは運動時の心拍数が50程度下がるので、乳酸の過剰による筋肉の硬直は心配することはないが、抵抗の大きい水中で6時間進み続けるのに心拍数の面で影響を及ぼしたくない。そこでできるだけ心拍数を減らす練習として10×300のテンポピラミッドを行った。

ポイントは水中の手に力を入れるタイミングである。力を入れるタイミングを入水と同時にすることで、体幹の回転動作を力に伝えることができる。なおその前にキャッチで型を作る必要があるので、水中の手はそれより早いタイミングで動かし始めている。バトンリレーの助走のようなものである。

  • テンポ1.15秒→1.30秒:ストローク数15/16、心拍数90台後半、ペース1:36→1:34秒
  • テンポ1.35秒→1.15秒:ストローク数15/16、心拍数100台前半、ペース1:33→1:32秒
  • テンポ1.10秒→1.00秒:ストローク数16/17、心拍数110台前半、ペース1.30秒
テンポが遅くなる局面では、スイッチのタイミングを注意深くコントロールすることで心拍数も100を切ることができた(運動強度16%)。テンポが1.15秒より速くなると、ストローク数を維持するために入水より前から力を入れざるを得ない。このため心拍数も上がる。

今後このピラミッドの練習では、1.15秒より速いテンポにおいてストローク数をラップ毎に1減らすための力の入れ具合を確定するとともに、余計な筋肉の緊張をとって心拍数を100台前半にすることを目標にする。

○運動強度を上げるための加速インターバル練習

ランと同様に、高い運動強度を間に入れるインターバル練習を行った。2,3ラップ目は14ストローク固定とした。

10×100:テンポ1.15、1.10、1.05秒、(16または15)/14/14/18 心拍数110~140

テンポが同じでストローク数を2減らす必要があるので、最初はやみくもに水中で力を入れてみる。14ストロークで泳げることがわかったら、どの部分でゆるめることができるか確かめながら泳ぐ。


  • テンポが速くなるほど2本のレールは狭くなる。
  • テンポが速くなるほどフィニッシュは弱くなるが、確実になでるようにすればストローク数を減らすことができる。
  • 「ひっかけて強く押す」から「型をつくってなでる」が変わる方向。ただし14ストロークが維持できる範囲で割合を変える。10:0が0:10になるのではない。
  • これらの動作を入れることで90台の心拍数が130~140まで上がる。強度を上げる目的は達成できている。
  • 休みを入れながら20本程度まで数を増やすか、100のインターバルの組合せを繰り返すことで距離を伸ばすかする。

今後は上記のような「運動強度を下げる練習」と「運動強度を上げる練習」を組み合わせることで、ネット90分を越えるスイム練習を続ける。


練習後の気分:8→5(直後は爽快だったが、昼食後に一気に疲れが出た)



2014年8月13日水曜日

LSDスイム6000ヤード

10km以上を泳ぐマラソンスイムは、長時間泳ぐことで発生する問題点を事前に察知して対応する必要がある。初めて走るときには、次のような問題点が発生した。

  • 5kmを越えると:左膝外側と右くるぶしが痛み出す。
  • 10kmを越えると:右膝下側が痛み出す。
  • 15kmを越えると:足がつる。
  • 20kmを越えると:足が棒になる。
  • 25kmを越えると:前に進まなくなる。
  • 40kmを越えると:ぐだぐだ。
これらの問題点の発生時点を引き延ばすために、仮説を立てて検証するプロセスが練習の中心であった。泳ぐときにも、
  • 痛みの問題
  • 心肺機能の問題
  • 乳酸の問題
  • 筋肉の問題
  • 気力(集中力)の問題
が発生すると予見して対策を立てることが必要である。


○LSDスイム 6000

 LSDはLong Slow Distanceの略で、低い強度で長距離を走る練習である。今回のLSDスイムは次のような形で行った。
  • 強度:50%。心拍数は129であるが水中のため115~120程度を想定する。
  • 休憩:1000ヤード毎に給水とキャップ直しのために30秒程度休憩を入れる。
  • デバイス:テンポトレーナーとSwiMP3。心拍計は使わない。
  • 1000ヤードの時間を16分程度と想定して6回繰り返す。
  • 設定テンポ:1.10秒
  • 目標ストローク数(25yd):16~17
 自分の習性として泳ぐときは瞑想するか意識を最大限働かせるかのどちらかになる。今回は距離が長く、意識を集中させ続けることが困難だったため音楽を聴きながら泳いだ。

・最初の1000まで(ペース1分39秒)
 ウォームアップも兼ねていたので前半はテンポを無視してゆったりと泳ぐ。できるだけ目を開けて手の動きを観察するとともに、見えないリカバリー動作や入水動作についても意識を集中して正しい動作を行った。
 後半はキャッチの型を意識して加速を上げた。

・~2000(ペース1分37秒)
 1600を過ぎたあたりから急に空回りが始まり、集中できなくなる。1500mの壁かもしれない。ストローク数18が2ラップ続いたので、テンポを無視して伸びる時間を確保、さらに前のめり感を上げて滑り感を増やす。
 後半は首の右側から右肩にかけて張りを感じた。明らかに息継ぎの影響である。左側息継ぎを入れようとするがゴーグルに水が入るのであきらめる。息継ぎでは首だけ回さないように、首と肩を一体化して回すように意識する。

・~3000(ペース1分37秒)
 スタートでぐだぐだ感が増えたので、なめらか感を上げて美しいクロールを意識した。水面と接触する手の部位を指先に絞り、水面とのインパクトを最小限にする。

・~4000(ペース1分35秒)
 意識が散漫になりがちだったので、音楽に集中するか動作に集中するかどちらかにした。動作に集中するときはできるだけ正しい姿勢や動作を意識した。

・~5000(ペース1分35秒)
 やはり出だしでぐだぐだしていたので、今度は体幹を使って足の位置を上に上げ、前のめり感を増やした。また入水後に手を伸ばすときに体重を乗せて15cmさらに前に伸ばすようにして、滑り感を上げた。
 ストローク数は16に減って快調であったが、残り300あたりから再びぐだぐだになってきたため今度はテンポトレーナーを無視して速めのリカバリーで対応した。肩甲骨または脇の筋肉を使う意識でリカバリーを素早く行う。
 
・~6000(ペース1分33秒)
 最後ということで加速を上げた。キャッチの型を意識して、そのままスイッチで水を抱えた手を後ろに運ぶ。残り200でテンポを無視してラストスパートをかけた。

○総評

音楽を聴いていたことで、意識の過度な集中を避け、集中力を持続することができた。
 また足をつることがなかったが、これは給水(ハイポトニック飲料)をしていたことが大きな理由である。
 ストローク数を減らす動きにおいて、右側の呼吸が終わった後に左足の強くスナップするクセがある。このクセが足のつりのきっかけになっている。まず右足に集中することで左足の余裕をなくし、次にスナップを仕方を変えることで足がつらないようにした。
 差し当たっての問題は右側息継ぎの首と肩の凝りである。練習終了後には何も感じなくなったが、泳ぎ続けるうえで発生を遅らせる必要がある。
 このペースで10km泳げれば、3時間以内で泳ぐことも見えてくる。


練習後の気分:10(昨年5月のココス以来の長距離泳であった)



2014年8月12日火曜日

距離を伸ばしたときの心拍数の変化

○ラン:5km

心拍数は開始直後1分で180に達し、その後3分かけて120まで下がった。ペースは8分程度と非常にゆっくりしていても心拍数は急激に上がる。理由は不明。

その後も7分45秒ペースで目標通りであったが、心拍数160越えのピークが2回発生した。特に2回目のピークは4分程度ピークが続いた。

13分後に心拍数がようやく130台に下がり、その後は130台前半~140台前半で推移している。このときのペースは7分30秒後半~8分である。

気分的にはとてもラクに走っているにもかかわらず、心拍数は非常に高い。これが20km過ぎで足が棒になる原因である。巷の書籍には「走り続ければ心拍数は下がる」と書いてあるが、少なくとも私には当てはまらない。また一般のランナーで実際に下がったエビデンスも見つからなかった。強度=スピード=心拍数の図式が崩れない限り、私のような高心拍の人間はスピードアップできない。

また心拍数が高ければ乳酸が溜まりやすくなる(これは運動強度における乳酸値測定でエビデンスがある)。乳酸が溜まると足が棒になり、走り続けることができなくなる(これは自らの経験。糖分不足ではないことは実証済み)。従って私のような高心拍の人間は長距離走れない。

今後改善できるシナリオは、
  • 同じ運動強度(同じ心拍数)でスピードを上げる
  • 高い心拍数で続けて運動して乳酸が出て足が棒になっても走り続ける根性
ぐらいしかない。前者については筋力を上げることで可能か確かめる。後者については20km超の距離を走り経験を積むしかないようである。キロ8分ペースで心拍数が140を超える人にとってフルマラソンを走るアプローチがあるのならぜひ知りたいところである。こつこつ努力しても目標として見えるのはハーフマラソンまでか。

○スイム:3500yds

距離を次第に伸ばしたときに心拍数がどのように変化するかを確認した。

・3x1000(100+200+300+400)@1.15, 1.10, 1.05秒

前日の練習でテンポだけキープしていると運動強度が下がることがわかったので、ストローク数を15/16に維持した。


  • テンポ1.15秒:ペースは1分31~34秒。心拍数は90台前半。距離が伸びるに従いストロークを維持するために力が入るが、心拍数には大きな影響がなかった。
  • テンポ1.10秒:ペースは1分31秒。心拍数は100台後半。300、400において自分を見失うことがあったが、ペースが落ちることはなかったが、心拍数は110後半まで上がった。
  • テンポ1.05秒:ペースは1分27秒。心拍数は120台まで上がったものの、距離が伸びると逆に心拍数は下がり最後は90台後半で終わった。
テンポが上がるとストローク維持のために加速が必要となり、心拍数も全体的に上がる。一方距離が伸びても16ストローク維持であれば大きな力を必要としないようで、心拍数は安定していた。

心拍数が急激に上がる:泳いでいるときは80~90であっても、壁についた瞬間から心拍数は上がって130~140になることがわかった。壁についてから心拍数を測っても、泳いでいるときの心拍数より5割高くなる点は注意する必要がある。アクアパルスだと直近の計測値を再生することができるので、泳いでいるときはよく聞こえなかった場合でも壁についてから泳いでいたときの心拍数を確認することができる。

今後は以下について取り組む。
  • 「足が棒になる」ランニングの状態はスイミングで発生するのか?→長い距離で実験
  • 心拍数の高さと劣化の度合いの関係→短い距離の反復で実験

練習後の気分:7(心拍数についてまだ不明な点が多い)

2014年8月11日月曜日

一定のリズムで長く泳ぐときの心拍数の変化

ラン 5km
スイム 4000yds

スイム練習の距離を伸ばすために、今週よりランは朝6時から、スイムは午後からと分けて行うことにした。ランによる足の疲れの影響を最小化するメリットもある。

4x1000 リズムとストローク数一定

長距離泳いだときの心拍数の変化を観察するため、以下のようにした。
  1. リラックスして泳ぐ。ストローク数も数えない。
  2. テンポ1.15秒(ゆっくり)。ストローク数は16/17。
  3. テンポ1.10秒。ストローク数は16/17。
  4. テンポ1.05秒。ストローク数は17/18(または17)。
カルボーネン法による運動強度の計算式は
(心拍数-安静時心拍数)÷(最大心拍数-安静時心拍数)×100
であり、これに基づくと各セットにおける心拍数と運動強度は以下のようになる。
  1. 心拍数79~84、運動強度-8~-2%、平均ペース1分43秒
  2. 心拍数95~100、運動強度11~16%、平均ペース1分38秒
  3. 心拍数110~115、運動強度28~34%、平均ペース1分35秒
  4. 心拍数115~120、運動強度34~40%、平均ペース1分33秒
1ではときどき70台前半も聞こえてきたが、90台に達することはなかった。水圧で心拍数が下がるものの、1割を補正しても運動強度は10%に満たない。

2はテンポが加わるので1よりもストロークの維持に集中する必要がある。瞬間的に120を超えることもあるが、90を下回ることもある。

3では意識して加速することで、ストローク数を維持した。エネルギーを使って泳いでいるという実感が得られる一方、ストローク維持に余計な力が入る。

4では最初130台まで心拍数が上がったが、100ヤードを過ぎてからは110台後半で落ち着いた。さらに加速は意識したが、心拍数は上がることがなく後半はかえって下がっていった。最終的には90台後半まで下がった。

○結果の考察

  • ランと比べると、長時間の運動で自然に心拍数が上がっていくことはなかった。ランでは10kmを経過すると10程度自然に上がっていったが、スイムでは逆に下がるケースもあった。
  • テンポに合わせる泳ぎ方では、運動強度が40%以下となり疲れにくくなる。ただしスピードは秒速1m(1500m25分)を下回るので、ここからどこまで運動強度を上げずにスピードを上げることができるかが今後の課題である。
今回胸バンド型の心拍計ウォッチを試したが、全く使い物にならなかった。記録はできないが、リアルタイムで心拍数がわかるFinis製品を使うしかないようだ。

練習後の気分:7(得たい結果が得られた)




2014年8月10日日曜日

普段より水温の低い環境で泳ぐときに気をつけること

準備万端でアルカトラズスイムに参加すべく当日現地まで行き、誰もいないのに驚き登録証の日付を見たら2015年であった。1年以上前のイベントの申し込みを受け付けて欲しくないと思いつつ、せっかく来たので低温スイムを観察しながら行うことにした。

屋内プールは「冷やす機能」を持っていないので、「温める機能」を使わない場合プールの温度は水道の温度に近づく(厳密にはタンクのある場所の室温)。最近のように30度越えが日常的になると、プールの水温も夏は30度以上になる場合が多い。

一方海水は風と気温により夜間適度に冷やされる。最低気温が30度を下回らないということはそれほど多くないので、理論上はプールよりも水温が低くなる。従ってオープンウォータースイムでまず気をつけなければならないのは、「普段泳いでいる環境よりも温度が低い」ということである。この違いは長時間泳ぐほど身体に影響を及ぼす。

○最初の100mで慣れる方法

サンフランシスコの海洋公園で朝7時に泳いだ。気温14度、水温は測っていないがサンタクルーズの16度より冷たく感じた。レースでは舞い上がっていて冷静な観察ができなかったので、何が起きるかを順番に観察した。レースと同様二重キャップ(ネオプレン+シリコン)、ゴーグル、水着(腰だけ)だけで泳いだ。

  1. 足を水に入れる。「冷たい」と感じるのは瞬間で、すぐに「痛い」という感覚に変わった。
  2. ゆっくり入ると痛みが拡がる可能性があったので、三四歩水中で移動してからすぐにドルフィニングで全身を水没させた。ここで刺激を受ける中心が顔に移動した。同じように痛い感覚を得ると同時に、肺が急速に収縮して息苦しくなる。普段は1分程度息を止めることができるが、全身が緊張することで二酸化炭素が一気に体内に溜まり、その結果すぐに苦しさを感じるのであろう。これは溺れている状態に近いのではないか。
  3. 水中でひとかきしてすぐに息継ぎをする。ここで最も大切なのは、息継ぎのときに通常の2~3倍強く息を吐くことである。二酸化炭素を出すこと、肺が収縮して息が浅いので強く吐いてから吸い込むことが目的である。
  4. この段階では身体がパニックしているので、2ストロークに1回の呼吸でひたすら吐くことに意識して泳ぎ続ける。息を吐くときに声帯を震わせるとさらに吐く量が増える。うなり声を出しながら吐いた。
  5. キックはしなくても泳げたが、痛い感覚を和らげるためバタ足にしてみた。全身が緊張しているため足をコントロールすることができず、小刻みにばちゃばちゃしているだけであった。もちろん推進力には貢献しない。
  6. このような状態でしばらく泳いでいると、苦しさが減ってくるのがわかる。この段階で4ストローク1回呼吸に切り替える。足は相変わらず震えているだけである。ここで100m、約2分である。
最初の100mはパニックである。レースであれば他のスイマーとのバトルもあり、低温とバトルとアドレナリンで完全に自分を見失うことになる。そこで一つだけ、「2ストローク1呼吸で声を出しながら息を吐く」ことを提案したい。団子状態になっているときは他の人の後をついていけばよいので、最初の20ストローク程度はサイティングをせず、ひたすら息を吐いて「苦しいという感覚」を除去する。

なおパニックしているときにサイティングをしようとしても、頭を極端に持ち上げてバランスを崩す。さらに口が水面上に出ると本能的に口を開けて呼吸をしようとするので口に水が入る可能性が非常に高い(過去の経験ではほぼ100%)。

最初の100mは息を吐くことだけに集中して、「自分の感覚を取り戻す」ための準備期間に割り当てるのである。

○自分の感覚を取り戻す順番

最初のブイにたどり着き、直線に並ぶブイ(全長約250m)とその先にある大きな目標物を確認し、泳ぎ始めた。4ストローク1回呼吸に切り替えると、呼吸準備および動作に係る時間が短くなり、それだけ感覚や水中の動作に注意を払うことができる。

  • 最初に意識すべきなのは「リラックス感」である。ただし練習と違い、レースでは「ゆったり泳ぐ」ことはすべきでない。全体を弛緩させるのではなく、ストロークフェーズのポイント毎にゆる締めをチェックする。具体的には、最初は入水直前の手首、次はリカバリーの肘、次はキャッチした後の肘などである。
  • 次に「前のめり感」である。ここで何ストロークか頭頂部を水没させてみる。息継ぎやサイティングが続くと頭は上がりがちになる。海水やウェットスーツで下半身が浮いていても、頭が上がると首や背中に不要な力がかかり長時間泳ぐと疲れが生じる。下半身を浮かせるというよりも、首から背中を水面に平行にする目的で頭の位置に注意する。
  • 次に「安定感」である。斜め姿勢で体重を乗せていることができているか確認する。
  • 次に「なめらか感」である。プールで泳ぐときとは姿勢が異なっているので、無理な動きをしているかもしれない。特に肩回り、肩甲骨の使い方に注意してなめらか感を上げる。
  • 次に「水抱え感」である。特に低温では手の感覚が減るために細かく調整することができない。キャッチの型をチェックしたら手の形を維持しながら後ろに動かすことで水抱え感を高める。
  • 最後に「加速感」である。底が見えるプールと違い、透明度の低い海では瞬間的な速度増加が行われているかを視覚で観察することができない。普段からプールで「水を切る感じ」をつかんでおき、それが海で得られているかを確認するアプローチがよい。

○プールと海のテンポの違い


テンポを1.00秒にして往復550mを泳ぎ、さらに0.95秒、0.90秒で泳いだ。低温の海ではプールにおけるテンポとの感覚の差がさらに大きく感じられた。前日の1.30秒~0.95秒のピラミッドと比較すると、感覚的は以下のようになる。

  • 低温スイムの1.00秒=プールスイムの1.15秒
  • 低温スイムの0.95秒=プールスイムの1.10秒
  • 低温スイムの0.90秒=プールスイムの1.00秒(空回り始まる)
海水で泳ぐと普段のプールスイムよりも速いテンポで泳げるのがメリットである。しかしそのテンポで泳ぐフォームが確立されていないと、単に空回りして遅くなるのがリスクである。従って普段のプールスイムでも、プールで速く泳げるテンポよりさらに0.05~0.10秒速いテンポでの練習を加え、海のスイムの準備をする必要がある。

なおテンポを上げると心拍数が上がる。ランで足が棒になる乳酸の蓄積(実際には疲労物質の蓄積の結果を乳酸で測る)が、スイムでも発生する可能性がある。高心拍で泳ぐことで何がいつどのように起きるのかについては、今月の練習で明らかにしたい。


○筋肉の過度の緊張

当初はアルカトラズスイムと同じ1.5マイルを泳ぐ予定であったが、心臓周辺に違和感を感じ始めたので1マイル1.6kmを泳いで終わりにした。シャワーも着替える場所もトイレもないので、充電式シャワーポンプと飲料タンク(出発時お湯を充填)でシャワーを浴び、駐車場で着替えた。

前週のサンタクルーズでは泳ぎ終わった後に飲もうとしたココアがコップから半分以上飛び出すほど手が震えていたが、今回は泳ぎ終わってすぐに暖かいシャワーを浴び、さらにすぐに着替えたので震えは5分程度で収まった。

自宅に戻ってから極度の疲労感に襲われた。感覚的には3倍泳いだときの疲れである。翌日も起床直後は筋肉痛になっていた。理由として低温スイムで身体が緊張していたことが考えられる。加速のために筋肉を使ったのではなく、ゆるまることなく硬直する状態が続いていたのであろう。

この筋肉硬直による疲労は、トライアスリートやマラソンスイマーにとっては大きなダメージとなる。硬直は精神的な緊張からももたらされるので、泳ぎが苦手なトライアスリートは「苦手だ」と思うだけで疲労することになる。
  • 普段の練習するプールより低い温度
  • 普段は使わないウェットスーツでの違和感のある動き
  • 苦手意識
  • レースがもたらす緊張感
  • バトル
いずれも筋肉硬直をもたらす要因である。最短の解決策は「慣れ」と「意識の集中」であり、経験を積むことができない段階ではシミュレーションをできるだけ行うことが必要である。


練習後の気分:7(当日現地に行くまで気がつかない段階で自分にガッカリであったが、気を取り直して上記のような収穫があったことで良しとする)

9月にもアルカトラズ練習があるので、できれば参加する。




2014年8月8日金曜日

レース前日の練習の考え方

前々週のフルマラソン、前週の3.2km低温スイムに続いて明日はアルカトラズスイムである。今日はレース前に適した練習を行った。

○アルカトラズスイムとは

クリント・イーストウッド主演の映画(あるいはニコラス・ケイジとショーン・コネリーの映画)の舞台になった「アルカトラズ島」からサンフランシスコの海洋公園まで泳ぐ。アルカトラズ島はサンフランシスコからわずか2.4kmの距離にありながら、1960年代まで脱獄不可能な刑務所として使用されていた。

フィッシャーマンズワーフから見ると、本当にすぐ近くに島がある。なぜこの島から泳いで逃げられなかったのか(脱獄者のうち7人が溺死または行方不明)不思議に思うが、夏でも水温14~16度と低く、潮の流れも非常に速い。オープンウォータースイムにおいてはチャレンジグなコースである。

いくつかのグループがアルカトラズスイムを実施しているが、いずれもアルカトラズ島近くでフェリーから海に入り、海中からスタートする。潮は東から西に流れるので、西寄りを目指すらしいがあまり西に寄ると今度は西側に流れるらしい。

○前日の練習の考え方

当日レースで泳ぐ時間が60分未満であれば、スイムはペースではなくスピード指向になる。このため前日の練習もスピード感覚を確認することが中心になる。

特に今回は日曜日の低温スイム以来風邪気味で泳がなかったので、速いテンポにおいて水抱え感を維持するための練習を行った。

  • アップ200:いつもの半分、まあなと加速感50ずつ
  • 10×100:テンポピラミッド@1.15秒→1.30秒→1.00秒 14/15ストローク
  • 2×100@0.95秒 15/16ストローク
  • リラックス100+サイティング練習
合計:1500ヤード(グロス29分、ネット21分)

速いテンポで空回りしないようにするには、まず遅いテンポでストローク数を確実に減らし、テンポを次第に上げながらストローク数を維持する必要がある。翌日に疲れを残さないように、全力の7割程度の力を使いながらストローク数を維持した。

最後にレーステンポである0.95秒で空回りをしないことを確認して終わりにした。スケーティング姿勢でわきの下を伸ばす方向、キャッチの手の形と中指の向き、なで始めの肘の位置、フィニッシュの場所などを速いテンポのときにどこにすべきかを記憶して終わりにする。

最後はリラックスしながら泳ぎ、サイティングの練習を加えた。おそらくブイがなく、目標物もあいまいな状態で泳ぐことが考えられるため、ドラフティング用のサイティング(前の人との距離を維持するための確認)を練習した。

海洋公園は着替える場所もシャワーもないので、携帯型シャワーは購入した。ただし公園に置きっぱなしになるので盗難が心配である。




2014年8月7日木曜日

低温スイムの世界にようこそ

前週のサンフランシスコフルマラソンで完走して、6時間運動することができたことを確認した。
6時間走れるのであれば6時間泳げるだろうという仮説を立てて、来年2月のロットネスト海峡ソロスイム(19.7km)への参加準備を始めた。

○海峡スイムの準備を開始

これまでオープンウォータースイムの経験はレースを含めてほぼグアムに限定される。グアムは、
  • 波がなくうねりも少なくとても静か(ココス湾横断を除く)
  • 水温も気温も非常に高い(30度前後)
  • 海の透明度が高い
という理想的な環境である。一方海峡スイムでは、

  • うねりが高い
  • 水温が低い(25度程度)
  • 透明度が低い

ということで環境が大きく異なる。また10kmスイムを4時間15分以内で泳ぐ必要もある。ロットネスト海峡スイム事務局では、海峡スイムの準備として、海での10km大会参加(日本では湘南)、さらにボートについて泳ぐ、10数km外洋を泳ぐなどを推奨している。しかし残念ながら日本に行く予定がなく、またOWSの経験も9~10月のグアムだけになってしまい、感覚がつかめないまま本番に入ることになる。

これでは非常にリスクが大きいため、今月および来月に可能な限りOWSの大会や練習会に出ることにした。さしあたってサンタクルーズで2マイル3.2kmのレースがあったので、それに参加することにした。サンタクルーズはサーフィンで有名だが、寒流のため水温は夏でも15~16度である。

○水温16度の世界

Cruz Cruiseレースは米国マスターズスイム準拠の大会であり、泳ぐときの格好によってカテゴリーが分かれる。
  • カテゴリー1:水着のみ。
  • カテゴリー2:ウェットスーツやラッシュガード可。
なおどちらのカテゴリーも、キャップは二重およびネオプレン製が許可されている。今回は低温スイムに慣れる必要もあったので、水着のみで挑戦することにした。

以前トライアスロンを視察したときに足を水に入れたところ、「痛い」と感じてすぐに逃げた。水温は14~16度であり、いきなり水着で本番を迎えるのもリスクがあったため前日はウェットスーツ(ノースリーブタイプ)に腕のガードを着けて泳いだ。

ネオプレンのブーツを履いていたので顔をつけるまでは問題なし。顔を水につけたところ肺が閉じて息ができなくなった。また水が汚く、前に伸ばした手も見えない状況であった。水の冷たさと前がみえないことで少しパニックになったが、目をつぶって毎回呼吸することで気持ちを落ち着かせた。

息継ぎがラクにできるようになり、4ストローク1回にリズムを変更したところで手の平に冷たさによる痛みを感じる。しかしそのうち麻痺してきたのと、からだが暖まってきたことで問題なくなる。

水中で前が見えないとどうしてもサイティングを頭を上げがちになる。頭を上げすぎると口が水面上に出てしまい、本能的に口を開けて呼吸しようとし、水を飲むことになる。水中で前が見えないときほど、前のめり感に敏感になり頭を突っ込むべきである。

冷たさに慣れ、うねりへの対応もわかってきたので20分程度で終了する。ホテルまでウェットスーツのまま歩いて帰った。

○気温15度水温16度の世界

当日朝はゆっくりで8:30スタート。ブイ設置に手間取り実際には9時近くのスタートであった。スタートに並ぶまでは軽く身体を動かしてコア温度を上げたものの、スタートに並んでから実際にスタートするまで20分以上あり、気温15度のなか水着1枚は非常に堪えた。

ウェットスーツなしだったので冷水が身体にどう感じるか心配であったが、胴体は顔や手ほど冷たさを感じないようで、ショックは昨日と同じ程度であった。100m程度泳いで慣れてきたところで、後をついて泳ぐ人を決めてほぼ最後までドラフティングして泳いだ。全体的な方向が合っていると判断したら、あとはその人についていけばよいだけなので大変ラクであった。

前半は余裕であったが、後半は身体の冷えと疲れから動きが鈍くなり、最後300mあたりからは足がつってしまった。足はほとんど使っていなかったが、最後のスパートができない状態のままゴールした。

記録は54分であった。当初は60分を目標にしていたので、ドラフティングのおかげで目標を大幅に上回るタイムを出すことができた。今後は当面の目標を10km3時間切り(サブスリー)として、練習内容をデザインすることにする。

2014年7月30日水曜日

泳ぎと走りの心拍数の違いを知る

スイム 1650yds+2500yds

本日よりロットネスト海峡横断スイム20kmの準備を始める。6時間走れるのなら7時間泳げるだろうという単純な仮説に基づいている。練習1回で長距離を泳ぐことができないので、1日2回練習として合計8km程度まで引き上げたい。

しかしOWSの実戦経験は昨年ココス8kmの1回きりで今後も予定がないので、来年2月に参戦するかどうかは関係者と相談しながら決定する。

135以上の心拍数では乳酸が蓄積してスピードが下がったり、運動が継続できなくなる。そこで水泳の心拍数はどのように変化するのかを、Finisのハートレイトモニターを使って実験した。なお安静時心拍数は86である。

・リラックスして泳ぐ:400ヤードで平均80


最初は100程度まで上がったが、すぐに75~85の幅に落ち着き、距離が伸びても変化はなかった。
安静時心拍数よりも下がっている。水中での心拍数は水圧により1割程度下がることを考慮しても、運動しているのに安静しているときより心拍数が小さいのはよくわからない。

・ストローク数一定で泳ぐ:5×200で平均90


ストローク数を一定(N、N+1継続)にして泳いだときは、少し負荷がかかった感覚はあったがそれでも90である。

・テンポピラミッド:10×200@1.15~1.30~1.00秒

ストローク数一定で泳ぐ。心拍数は最初80台後半、次第に上がりテンポ1.30秒の折り返しで90台後半、1.00秒では130まで上がった。

・スプリント:3×100@1.15,1.10,1.05秒

ニューパラダイムの泳ぎで心拍数を計測した。1分24秒から18秒まで上がり、心拍数は最後に142を記録した。これはランニングのややスピードを上げたペースのときの心拍数と同じである。

○ランとスイムの心拍数の比較

ランではリラックスペースでも130台後半となり、上り坂では140台後半まで上がる。スピードを意識すると平地でも150を簡単に上回る。先日のマラソンでも走っているときは150を下回ることがなかった。

一方水泳はリラックスして泳げば安静時心拍数よりも下がる。また「かなりきつめ」の練習を行ってようやく60%の運動強度である。

心拍数140台を続けると乳酸が溜まる虞があるので、130程度に収まる練習を長い時間かけて行う一方、140以上のきつい運動を組み合わせることで乳酸リスクを減らすことにする。


練習後の気分:8(泳ぐのは走るのよりもやはり気持ちがよい)




2014年7月29日火曜日

魚が42.195kmを走った日

サンフランシスコのマラソンレースに出場し、初めて臨んだフルマラソンを完走することができた。時間は6:10である。

○レース四週間前:20km走で致命的な欠点を発見


足が棒になる状態を過去2回経験していたが、これが乳酸の蓄積によるものであり、その原因が高い心拍数で走ることがわかった。このときには150平均(強度90%)で走っていたが、18kmあたりで足が棒になり、結局歩けなくもなりリタイヤした(迎えに来てもらった)。フルマラソン完走が遠のいた。

○レース三週間前:26km走で完走できず


前週のリタイアを反省して、7割程度の強度に落として走ったものの、24km地点で足が棒になり残りは結局歩いたり少し走ったりの繰り返しになった。

○レース二週間前:20kmようやく完走


感覚に依存しても結果が出なかったので、心拍計に基づいて最初は130台前半、中盤で130台後半、後半で140台後半に落としてようやく完走することができた。ペースはそれぞれ8分30秒、8分、7分30秒である。

従って足が棒にならず完走できるペースはkmあたり8分程度であることがわかった。このペースで続けて5時間36分、トイレや給水のロスを入れると制限時間の6時間を切れるかどうかという状況であった。

運動強度90%でキロ7分ペースであることは、走ることがその人の本来持つ運動機能に依存することを意味する。簡単に言えば速い人は速いし、遅い人は遅いのである。遅い人が誰でも速くなれるわけではない。1kmなら強度90%で走ることができるが、42kmは不可能である。

今回マラソンに関する書籍を30冊以上通読したが、この程度の運動機能を持つ人に対してマラソンの戦略を提案している本は一冊もなかった。完全に除外されているのである。違和感(疎外感)を感じた。

○レース本番:大きな誤算


レースでは5kmずつ心拍数やペース、時刻を想定し、給水場所で摂取するサプリメントもすべて決めたうえで本番に臨んだ。

スタートしてすぐわかったのは、緊張状態にあるため普段より心拍数が10~15上がっていることだった。最初は歩いても135を下回ることがないぐらいであった。仕方なくペースを優先して走っていたが心拍数は常時155近辺であった。

25km地点までは想定ペースを守ったものの、足の疲れが出ただけでなく、足がけいれんし始めた。さらに上り下りが多くひざの痛みも出てきたので、後半は給水近辺だけでなく上り坂も歩くようにした。

それでも40.5km地点までは何とか走ることができたが、それ以降は両足がつった状態になった。無理するにはリスクが大きすぎたのと、実走距離に基づいた残りの距離と、ゴールまでの実際の距離に500mの差があり制限時間内には到底到着できないと判断して、残りはゴールまで歩くことにした。

○ランニングで得られたこと


  • ラクに走ることだけでは20km超の距離を走りきることはできない。筋力を上げることで乳酸の蓄積を抑え、乳酸の耐性を高める必要がある。
  • 心拍数により運動強度が決まり、運動強度により速度が決まる。運動強度一定で速度を上げるためには練習をデザインする必要がある。
  • 速く走ることは、速く走ることだけが目的になるのではなく、筋力を上げることを目的とする場合がある。運動機能的に遅い人ほどこの練習を取り入れる必要がある。
  • 6時間の運動を続けるだけの心肺機能はあった。

特に最後の心肺機能は重要であり、マラソンスイムに挑戦できる基礎となる。

これまでの8ヶ月のラン練習を通じて、スイムに使えること、使えないこと、ランにおける自分のポジションや今後のランの取り組み方など多くのことがわかった。1500mスイムで自己ベストを出し、フルマラソンを完走したことで水陸両用ボディは完成した。今後はマラソンスイムを完泳するだけでなく、速く泳げるようにすることを目標に練習する。

新しい問いかけ:「6時間走るのと7時間泳ぐのはどっちがラクか?」







2014年7月1日火曜日

異次元の泳ぎを目指して泳ぎを再構築する

先週末のマスターズにおいて、1500mで20分を切る人たちの異次元の泳ぎを見て分析した。テンポを上げてストローク数をそこそこに抑えるという考え方は通用せず、徹底したストローク数削減のうえに空回りしないハイテンポを両立させる必要があることがわかった。

そこで今週からは自分の泳ぎをゼロベースで見直し、現在よりも効率を20%アップすることを目標にして練習の内容を決めることにする。

●再構築のポイント1:ストローク数のダイエット

かつては25ヤードで10~12ストロークを維持して泳いでいたのであるが、スピードアップ練習の割合が増えるにつれて平均ストローク数は12から14、さらに16ストロークにまで上がっていた。これを最終的にはハイテンポで12ストロークのレベルまでダイエットする必要がある。またこのときのエネルギー消費を最小にするための泳ぎ方も見極める。

手始めに今日は充電チェックを行い、充電可能なストロークレンジを確認した。
  • 50+75+100:第2ラップ以降は第1ラップ+1で泳ぐ、最初はリラックスした状態で数える。
  • 50+75+100:上記セットよりそれぞれラップあたり1ストローク減らす。ストローク数の維持にどのくらいのエネルギーを使うか観察する。
結果は最初14+15n(nはラップ数)となった。これを13+14nにしてもエネルギーの消費は確認できず、充電しながら泳ぐことができた。動作の無駄を観察し、より少ないエネルギーによる加速に代替する方法を模索しながらこの練習を続ける。

●再構築のポイント2:ストローク数を減らすほど速く泳ぐ

テンポピラミッドのテンポゆっくり局面では、ストローク数を減らすだけでなく泳ぎのキレを上げ、推進力の持続時間を伸ばすことで速く泳ぐ。

  • テンポピラミッド10×50@1.20-1.35-1.05秒:ディセンディング目標
1.20秒では13+14ストロークで最初44秒、その後全局面においてほぼディセンディングを達成し、戻りの1.20秒では39秒で5秒短縮、さらに1.00秒まで4段階上げて35秒にすることができた。この段階で15+16であった。


●再構築のポイント3:ブーストスイッチを身につける

急加速できるブーストスイッチを身につけることで、ライバルから引き離されないようにする。

  • スロースイム:1.60秒-2.10秒@0.10秒刻み:安定と加速の道具を選ぶ
  • 倍速スイム:2.0秒→1.0秒
安定した姿勢やキレのある加速をスロースイムで身につけ、倍速スイムでその技術を適用する。


現在考えている取り組み方は以下の通りである。このアプローチを順番、一部は並列に行いながら目標を達成する。

  1. 14ストロークで永久に泳げる=充電できる泳ぎを身につける。
  2. 12ストロークで充電できる泳ぎを身につける。
  3. 12ストロークで泳ぐために必要なテンポのレンジを上げる。
  4. 3で泳げる距離を伸ばす。


2014年6月30日月曜日

突出した一般の人たちの突出した泳ぎ方

今回のマスターズ大会参加は、自分の今後の泳ぎ方の方向を定めるうえで非常に貴重な経験であった。これまで速く泳ぐためには、
  • テンポを1.00秒から0.95秒と速くする。
  • 劣化率を5%以下にする。
  • 劣化率を下げるために道具箱の概念を取り入れる。
  • エネルギー配分を考えるために充電理論を取り入れる。
というように自分なりに組み立ててきた。そしてテンポ1.05秒で42ストローク、1.00秒で44ストロークを基準としてフォームを確立してきた。その成果として23分を切ることができた。

しかしさらに22分、21分の世界に入るためには、決定的に欠けているものがあった。それが今回の大会でわかった。

●1500m18分台は別世界の泳ぎ方

米国のマスターズ大会では通常遅い順にシードされ、速い人が一番最後のヒートで泳ぐことになる。例外は長距離で、1500mの場合は速い順にシードされる。従って一番最初のヒートが一番速いことになる。私は6番目のヒートだったので、速い人たちの泳ぎ方を十分研究することができた。

これまでのマスターズのレースを見ていると、一番速い人たち(最終ヒート)は泳ぎが大きく、静かに泳ぐものの、それ以前のヒートでは体力勝負、ぐるぐる手を回す人たちという印象を受けることが多かった。

しかし今回初めて1500mのレースを見る機会を得て、これまでのレースの泳ぎ方との違いに驚いた。2番目のヒートから見ていたが、ほとんどの人たちが静かに、大きく泳いでいるのである。

2番目のヒートでは結果として18分台~20分台を出すスイマーが泳いでいた。彼らはテンポ0.95秒~1.00秒というテンポで、36~38ストロークでコンスタントに泳いでいるのである。私がテンポ1.00秒で基準とするストローク数は44なので、同じテンポで6~8ストロークも少ない計算である。

最初はみんな身長が2m近くあるのではないかと思ったが、見た目は大きい印象がない(それでも175~185cm程度)。そんな人たちが0.95秒のテンポで38ストロークで泳ぐのである。感覚的には25mのプールでテンポ0.95秒、12ストローク未満で泳ぐのと同じである。私のストローク効率は決して悪くないと思っているが、それよりも2割近く上回っていることには脱帽した。


●ストロークあたりの加速を上げてスピードを上げる

私のボディバランスは水平であり、彼らと水の抵抗において違いがあるわけではない。従って効率の差は全て推進力の差と考えることができる。6ビートを使ってキックの推進力で泳ぐパワフルな人もいたがそれは少数派で、ほとんど2ビートキックである。ということで
  • 手の水中での動かし方
  • エネルギーを速度向上に変換できる効率
の2点において私にカイゼンの余地があると仮説を立てた。これら技術を磨くことで、ストロークあたりの加速を上げてスピードを上げることを新たな目標とした。

今日の練習(骨折して3ヶ月ぶりに泳ぐ次男と合同練習)では、テンポ練習で上がり気味であったストローク数をまず見直し、12ストロークで継続して泳ぐために使う道具の整理を始めた。当面の目標はテンポ1.05秒で12ストローク(25ヤードプール)で泳ぐことである。


マスターズスイマーは現役の選手と異なり、普通のおじさん、おばさんである。しかし1500m長水路で18分台を出す人たちはこれまでのマスターズスイムの延長では想定できない泳ぎ方をしていることがわかった。こちらも技術的に飛躍しないと百傑には入れないということである。練習が再び楽しみになってきた。

2014年6月29日日曜日

5日間で1500mのタイムを80秒短縮する

今年最初に決めたことは、肉体的、頭脳的に社会人生活で最もアクティブになることであった。そして
  • ランニングを始めて実質1ヶ月でハーフマラソンに出場し完走する。
  • 漢字検定準2級および2級に合格する。(今後のビジネス展開の準備)
  • DVDタイトルを8種類作成する。(あと4タイトルを年内に作成する)
まで実現することができた。そして昨日、
  • 長水路マスターズ大会に参加し、1500mフリースタイルで自己新を7年振りに出す
    (最終的には全米百傑に入る)
を達成することができた。今回は1500mを速く泳ぐために、この3ヶ月間で取り組んできたことについて整理する。

●2014年3月:24分38秒

前年はココス島往復泳があり、自分なりに泳ぎ込んでいたので5月、9月いずれのタイムトライアルでも24分を切ることができた。今年は約5ヶ月のブランクの後、泳ぎ始めたのが3月のグアムキャンプであり、スピード自体には期待できなかった。そこで、
  • オフの期間にズブの初心者としては走り込んだ(平均月150km)ので、体力は続くであろう。
  • これまで劣化率5%を目標にしていたが、スピードが遅いだろうから最初から飛ばす。
  • キャンプ中に得られた加速の道具3種類を使う。
という方針でタイムトライアルを実施した。結果は24分38秒で劣化率(最初にラップに対する平均のタイムの落ち方)は11.2%であった。100m毎のタイムと劣化率の推移を以下グラフに示す。




最初に43秒を出してからは、疲れと共にタイムが落ちて劣化しているのがわかる。また700mと1200mで中だるみが発生している。残り200mでは改善してはいるが、それでも10%を下回ることができなかった。陸上で得られた持久力は主に30分以上であり、水泳の練習には役に立っていたがタイムトライアルには単純には役立たないことがわかった。


●2014年6月:24分17秒

1週間の自己キャンプ、5日間のお客様とのスイムキャンプの後、グアム出発当日朝にタイムトライアルを行った。疲労はピークに達していたが、ランニング中に得られた充電理論を水泳に当てはめることを中心に以下のような戦略に絞って泳いだ。
  • 最初のラップは全力の70%で泳ぐ。
  • 以降のラップも80%程度までにする。
  • 3つの道具の配分はかたくなに守る(押す:15ストローク、撫でる:15ストローク、引っ掛ける:残り)。
  • 撫で方を「肘を高く維持して手首でスナップする」ように変えることで、撫でるときの肩の疲れを軽減する。
  • ストローク数が+1になったら次のラップはエネルギーをフル投入してストローク数を元に戻す。
  • 最後の200mはバッテリーを消耗しきるつもりで全力で泳ぐ。
充電理論を適用すると、ランニング同様非常にラクに泳ぐことができ、最後の200mは余裕で全力で泳ぐことができた。また泳いだ後もエネルギーが4割程度残っていて、使い損なった感じまでした。

結果は24分17秒で、3月に比べ20秒以上縮めることができた。最も大きいのは泳いだ後の感覚で、3月はエネルギー残り0に対して6月はエネルギー残り40%である。あまりにも余裕を持って泳いだので、当初は25分切れなかったと思ったが、実際は3月よりも速かったので驚いた。



平均劣化率は1.2%(過去最小)で、グラフで示すように減っているか変わらない状態がほとんどで、最後の200mでは大幅にスピードアップしている。慎重すぎた200mを除けばほぼ理想的な推移である。充電しながら泳げば、劣化しない泳ぎを長く続けることができることがわかった。


●2014年6月:22分58秒

4日前のグアムでの計測から、日本移動→米国帰国と忙しい合間を縫って大会に参加した。タイムトライアル後に泳げたのは3日間、それぞれ1500m程度である。

3月と6月のタイムトライアルの結果をふまえ、以下のような戦略を立てた。

  • 最初と次のラップは全力の8割で泳ぎ、ストローク数をみる。
  • そのときのストローク数から+2の範囲に収まるように、全力の7~8割で泳ぐ。
  • ストローク数が+3になったら、全力でストローク数を戻す。
  • 残り200mと判断したら(ラップ数は自分で数えるしかない)、全力で泳ぐ。
実際には、
  • 最初のラップは飛び込みありで32ストロークであった。
  • 次のストロークは43であった。普段よりもテンポが速い(おそらく1.0秒)が、これはレースで予定通りの数であった。
  • 最初は一つとなりのコースのスイマーに追いつくべく泳いでいたが、やがて引き離された。500mあたりから隣のコースのスイマーに追い上げられたので、そちらを意識してストロークカウントを数ラップ飛ばしてしまった。結局こちらの劣化に伴い引き離された。
  • できるだけラップ数を数えていたが、ストローク数も数えるうちにわからなくなった。
  • 最後のラップでは鐘をならしてくれるのかと思ったが、あれはトップの人のみであった。トップとは50m差がついていて聞こえず、終わりとわかったのは前のスイマーが立ち上がったのが水中で見えた残り30mであった。この時点で100m数え間違えていた。
このように泳いでいる間は細かいところで想定外の連続であったが、道具を3種類、ストローク数を決めて泳ぐ点は8割守ることができた。またエネルギーの配分についても100mずれていたがほぼ予定通りであった。

結果は22分58秒で、7年前に日本のLDSS大会で出した自己ベスト23分13秒を15秒短縮することができたと同時に、「参加全大会自己ベストを出す」ことも続けることができた。


平均劣化率は15.3%であるが、これは最初飛び込みがあって40秒で泳いでいることが理由である。200m以降でみたときの劣化率は5.7%なので、一般的にがむしゃらに泳ぐ大会の泳ぎとしては悪くない結果である。しかしグラフで示すように200から500mまで、700から900mまで、1000から1300mまで3回の劣化局面が発生しており、充電理論が活かされていないことがわかる。

つまり4日前のように100mあたり6秒遅ければ充電できるのであるが、レースペースだと充電できない状態が続き体力勝負になっていることが考えられる。

●長水路22分30秒を目指すために

今後の課題が明確になった。一つは充電できる100mのペースを96秒から92秒、できれば90秒にまで短縮することである。ストローク数では4から6の削減であり、50mでは40ストロークで泳いで充電できればよいことになる。

もう一つはエネルギーを効率良く加速に変換する仕組みである。隣のスイマーに抜かされるときに、こちらも抜かされないようにと「頑張った」もののあっさり引き離された。体力的には余裕があったものの、力を入れて泳いでもスピードが上がらなかった。テンポ1.0秒、ストローク数40~44で泳いでいるときに、エネルギーを投入するに従ってスピードが上昇する仕組みが必要である。

なおテンポを上げるというオプションもあるが、1500mを20分切って泳ぐ20分クラブメンバーは40ストローク以内で泳いでいることを考えると、テンポを上げずに加速する道具を身につけないと格好悪い。

結果として5日間で80秒短縮するだけでなく、自己ベストを出すことができた。劣化率、加速の道具箱、充電理論など様々なアイディアを駆使することで、7年前の「若い自分」に勝てたことが素直にうれしい。年をとると昔の自分にチャレンジしたくなるのは、私だけだろうか。


2014年6月14日土曜日

ウェットスーツを初めて試す

キャンプの準備として自分のからだを使って様々な実験を行った。

ラン 5km

充電理論を使って5kmコースを1周走った。スタート時刻を6時としたことが非常に大きく、暑さを感じることなく完走することができた。

また充電理論の使い方として以下を計画した。

  • 最初のフラットな1kmでは放電を最小限にする(そのときに出せるエネルギーの7割)
  • 次の下り坂1.5kmでは充電を心がける(そのときに出せるエネルギーの6割)
  • 上り坂では貯めてあったエネルギーを積極的に使う


心拍数の推移を見ると、
  • 最初の1km:120台後半~130台前半
  • 1.5km下り坂:120台~110台前半
  • 上り坂:150近辺
であった。ランニングで120台という心拍数は本格的に開始した昨年11月以降覚えがない。これまでは開始2、3分後に150を超え、その後140台に落ち着くというのが通常だったので、120台は本当にラクに感じた。

余力を持って迎えることができた上り坂では、以下のような結果であった。番号は私が勝手につけた上り坂の順番である。
  1. 橋から直線の上り、勾配度は中:これまでは第2ギア(腿を上げて足も踏み込む)を使っていたが、第1ギア(傾きを大きくする以外は通常のランと同じ)で走りきることができた。
  2. 左カーブからゲートまで、勾配度は大:5番に次ぐきつさで、これまでは第3ギア(背中を丸めて一歩ずつ前進、かろうじて走っている)を使っていたが、第2ギアで8割まで進むことができた。
  3. ゆるやかな上り、距離は一番長いが勾配度は小:これまでは第2ギアを使っていたが、第1ギアを使うことができた。
  4. 豚のサインまで、勾配度中:エネルギー切れで第3ギアを使っていたが、今日は半分まで第1、8割まで第2を使うことができた。
  5. 最後の上り、勾配度は最大:これまでは第3ギアでとぼとぼ上がっていたが、今日は2割まで第1、6割まで第2ギアを使うことができた。
各ギアのスピードは第1ギア:キロ7分、第2ギア:キロ8分、第3ギア:キロ9.5分

最後は心拍数も154まで上がったものの、1周終了時のエネルギー保有状況は8割近くあり、2周目を走るなら下りで十分回復できる状況であった。1周のタイムはこれまでと大きく変わらないが、余力は全く異なり過去にない軽やかさであった。

OWS 1.5km

2010年に購入したウェットスーツを初めて体験した。サンフランシスコでアルカトラズ島横断スイムに参加するために購入したノースリーブ、厚さ3mmのウェットスーツを4年の歳月を経て試すことになった。

○装着

装着前にトイレに行かなくてはならない!
肌が乾いていないと着ることができない。普通に履いてみたところ、股下の間が20cm以上空いた。2,3cmずつ伸ばしながらこのギャップを地道に埋める必要がある。
日焼け止めは誰かにお願いしないと、余白調整のときに手がすべってできなくなる。
ジッパー上げも誰かにお願いしないといけない。内向的な性格の私には苦痛である。

○印象

  • 思ったほど浮かない。私にとっての浮き効果は足先で20cm程度、腰は10cm程度である。この程度は前のめりの道具を使って浮かせているので特にメリットは感じなかった。
  • 滑る感覚は増える。禁止された競泳用水着と同じで、理想の体型を作ることができる。からだの表面の凹凸がなくなる効果は非常に大きい(特に私のような中年メタボ体型としては)。
  • 可動域は変わらない。多少窮屈感はあったものの、ノースリーブだったので肩甲骨は通常通り伸ばすことができた。袖のあるタイプでは、肩回りの柔軟性に加えて肩甲骨の効果がどの程度活かされるのかがポイントになる。
  • サイティングには影響しない。からだが浮いているときにサイティングで頭を出すと、首を曲げることになり首の後ろが擦れたりするかと思ったが、特に影響はなかった。
  • 水上の重力は使える。リカバリーで肘を高い位置に動かし、入水時に運動エネルギーに変換する動きには変化がなかった。
  • 水中の重力は工夫が必要。ウェットスーツ装着時にからだの回転角は4割は減ることがわかった。左右の体重移動によるグライドは期待薄。手を入水したらわきの下を前に伸ばすこと、そのタイミングに合わせて反対の手のプッシュを行うことで重力を代替する必要がある。ただし左右の体重移動はテンポ1.20秒程度まで有効な方法であり、レーステンポ1.0秒ではもともと体重移動を使わないのでスピードアップにおいては関係がない。
  • 速いテンポほど効果が大きい。水の抵抗は速度の二乗に比例するので、テンポが速くなりスピードが増すほどウェットスーツの威力を感じることになる。体型補正、表面のなめらかさ、下半身が浮くこと全てが抵抗を減らすことにつながり、テンポ0.95秒では同じスピードで2割程度省エネを実現した感覚である。

プールスイム 2000m

10×100のテンポピラミッドはベースを1.10秒に上げ、ターゲットを0.95秒とした。
道具を規則正しく使うための練習として、4x50でテンポを固定して実施した。スタートはベーステンポ。道具:押す×15ストローク、撫でる×15ストローク、引っ掛ける×10ストローク

1本目:テンポに合わせて泳ぎ、ストローク数を数える。
2本目:ビープ音までぎりぎり動作して、ストローク数を減らす。
3本目:リラックスすると同時に力を入れる時間を減らして、2本目のストローク数が実現できるか確かめる。
4本目:余ったエネルギーをさらに加速に使い、ストローク数が減るか確かめる。

4本終わったらテンポを0.05秒速くして同じセットを繰り返す。

1本目では41ストロークだったのが、4本目では38ストロークまで減らすことができた。これだけで3秒の短縮になる。

このように道具を規則正しく使うことを基盤として、その基盤のうえで道具ごとのストローク数を変更する戦略を立てることが必要である。

練習後の気分:8(忙しかった)








2014年6月12日木曜日

充電するという考え方

ラン 10km

距離:10.46 km
タイム:1:18:18
平均ペース:7:29 min/km
高度上昇量:203 m

前日10kmランに挑戦したが、1周目ですでに熱中症の症状が現れたので1周+トラック1.5周でやめにした。今日は前日の反省をふまえ、一つの仮説を立てて実践することでこれまでになくラクに2周することができた。

総エネルギーは一定→充電理論

出せるエネルギーは一定であり、全てのエネルギーを出してしまうとそれ以上は自転車操業になるか、走れなくなる。レオパレスのコースにおけるエネルギー消費状況を考えると、後半の上りでは65%を使っていることがわかった。これを充電理論として捉えると、上りが始まる前に65%以上チャージしておかないと次に続かないことになる。

そこで下り坂で充電できないか試した。これまで下り坂ではリラックスに意識を置いて、スピードは重力に任せることにしていた。それを意識的に70%のスピードに抑えたところ、上り坂が始まる前に1周目は80%程度まで充電することができた。2周目でも75%まで充電できた。

後半の上りは5ステップに分かれており、第2と第5の勾配が急になっている。各ステップ10%ずつ、第2と第5だけ15%を消費して残り5%を第2と第3の間、第4と第5の間に使用するという配分案を考えた。1周目はその通り実施して第5ステップ終了時にエネルギー残量15%で2周目を迎えることができた。一昨日はほぼ0の状態だったので、大きな違いである。

2周目はかなり余裕があったので、3段階ある上りのギヤのうち一番スピードの出るギアで第1ステップと第4ステップを上ることができた。エネルギー消費は大きいものの短時間で到達することができるので、結果としてエネルギーの消費量をセーブすることができた。2周目は1周目にくらべて明らかに各ステップともラクに走ることができた。疲労や温度上昇などを加味すると2周目の質は3割程度良くなっている感覚である。

トータルのタイムは一昨日とほぼ同じだったので、下りに速度を抑えた分上りが速くなったことになる。走り終わりの余力は比較にならないほど上回っていたので、今後この充電理論を活用して走ることにする。

またこの理論を水泳に応用することで、劣化を抑えることができないかスイム練習で実験する。下り坂に該当するフォームとは何か?


2014年6月11日水曜日

疲れ方を知る

ラン 10.2km

距離:10.42 km
タイム:1:17:21
平均ペース:7:25 min/km
高度上昇量:203 m

グアムのジョギングコースで初めて2周する。このコースは最初下りが2.5km続き、その後上りが2.5km続く。高低差は108mである。

気温は28度、湿度89%の厳しいコンディションのなか、1周目はこれまでにないくらいラクに上ることができた。これまで上り坂では、ChiRunningの上り方に加えて腿を1cmまたは2cm上げていた。しかしグアムの急坂ではからだが後ろに反り返る感じがしたので、着時をするときに地面を1cm程度踏み込むようにしてから足を緩めるようにしたところ、確実に坂道を上っている感覚が得られた。

2周目は暑さや疲れでこれまでと同じ感覚で上り坂を迎え、ほぼ歩くスピードで走ったものの、歩くことなく完走することができた。

最初にこのコースを7年前に走ったときには本当にきつく途中で歩いた。しかも1週間筋肉痛であった。今では筋肉痛もなく、後でスイム練習もできるほどになった。何事も挑戦である。

スイム 3500m

50mプールを使って初めての本格的な練習である。水温が非常に高く、北カリフォルニアとの差を感じた。

当面の目標である23分を切るためには、100mを92秒ペースで泳ぐ必要がある。劣化率5%とすると87秒である。テンポ1秒、ターン3カウントでも40ストロークを維持する必要がある。

○テンポピラミッド 10x200@1.15-1.30-1.00秒

前日(グアム到着日)は10x100で同じ練習を行い、ストローク数の変化の様子を観察した。1.15で40ストロークから、1.30では37/38まで下げることができた。1.15で38/39、1.00で39/40と目標を達成した。

道具箱は押す:15ストローク、撫でる:15ストローク、引っ掛ける:10ストロークとした。

○ディスタンスピラミッド 2x500(50+100+150+200)@1.05秒、1.00秒

テンポピラミッドは3種類の道具を規則正しく使ったが、ここでは全て引っ掛けるを使い、ニューパラダイムの泳ぎでどこまで持続することができるのかを考察した。

50mでは目標のタイムを上回るものの、100mになった瞬間リカバリーが鈍ってきた。これはうねりのリズムと肩甲骨を伸ばすタイミングを合わせることで疲れをとっていった。

150mでは水中のひっかけ動作に疲れを感じてきた。これはひっかける直前にわきの下を前に伸ばし、キャッチポイントを遠ざけたうえで力を緩めて素早く動かすようにした。

200mでは脳を含め全体的に劣化したので、何も手段を講じることができなかった。朝の10kmに比べたらとてもラクな練習にもかかわらず、脳が硬直化して集中できなかった。

次回は100mを繰り返し練習することで、脳の疲れを防いで意識を集中する練習を行う。


練習後の気分:10(2周という大きな目標を達成した)


2014年5月27日火曜日

ペースを固めて5000泳ぐ

●スイム 5000yds

マスターズ大会まで1ヶ月を切ったので、いよいよ速いテンポで速く長く泳ぐ練習フェーズに入る。
本日よりテンポを1.00秒をターゲットとして、0.95秒まで幅を拡げる。

・練習の構成

通常泳ぐメニューはプールのコンディションを確認してから泳ぐ直前に決めている。構成を複雑にすると覚えきれないため、2~3程度のシンプルなメニューにする。
  1. フォーカルポイントスイム:リラックスして感覚を磨く。
  2. テンポピラミッド:テンポに合わせて泳ぐ→リラックスしてテンポに合わせる→加速を入れてストローク数を一定にするの順番で意識する。
  3. ディスタンスピラミッド:長い距離のピラミッドでは、ストローク数を一定にしながらリラックスする箇所や時間を増やす。
フォーカルポイントスイムを行っているときに今日の調子を確認して、どこまで泳げそうか判断して残りのメニューの距離や組合せを決めている。今日は90分練習することを決めていたが、速いテンポでのディスタンスピラミッドを行うために2は軽め、3を重めにした。

・テンポピラミッド 10x100@1.15~1.30~1.00秒

最初の25で動きがテンポに合わせられるようになったら、50でリラックスして残り25で加速を加えた。ただしテンポに合わせるだけでへなちょこにならないように、リラックスしている間もストローク数を数えて一定にした。

時間がないときはゆっくりテンポから速くするだけよいが、遅くなる局面を加えると加速が良くなる。特に今日は長距離を一定のストローク数で泳ぐため加速力を重視した。

・ディスタンスピラミッド 3x1000(100+200+300+400)@1.10/1.05/1.00秒、1x500(50+100+150+200)@0.95秒

リラックスしながらストローク数を一定にすることで、ペースを固める練習である。0.95秒はまだ慣れていないため半分の距離で行った。

ここでは3種類の道具(押す、なでる、ひっかける)を1ラップ内で連続して使うようにした。また道具を使っていない時間はできるだけリラックスするため、リカバリーで肩の代わりにわきの下を使うなど代替できるものを用意した。

想定ペースより5%遅いペースであれば練習中も維持することが可能であることがわかった。これから1ヶ月かけてこの5%を短縮することになる。

ランニングに比べて心拍数が上がっていないので、強度を上げることが可能である。300や400などの中距離で、テンポ一定でどのようにして強度を上げることができるかを今後試す。

練習後の気分:8(気持ち良く90分練習することができた)





2014年5月24日土曜日

サンフランシスコ市内21kmを走る

7月のサンフランシスコのフルマラソンの準備のため、コースを半分試走した。

ラン 21.2km

フルマラソンのコースはエンバーカデロ(金融街の端)から海沿いにピア39、フィッシャーマンズワーフを通って金門橋を往復し、ゴールデンゲートパークからダウンタウンを横切り、AT&Tパーク脇を通って元の場所にゴールする。

火曜日に自動車で走りながらコースをビデオ撮影した。コース分析の結果、今回はアップダウンが最も大きく、風や気温の変化などもある前半のコースを往復する形でハーフを走った。

エンバーカデロからフィッシャーマンズワーフまでは人混みさえなんとかすればコースとしてはやさしい。当日は走る人だけになるので抜く/抜かされるときに注意する必要がある。ワーフを越えると海洋公園の脇を通る。この公園はアルカトラズスイムのゴール地点であり、土日はOWSの練習をしている。ウェットスーツで泳いでいる人をちらほら見かけた。

公園を過ぎるといきなり急な上り坂が100m程度続き、フォート・メイソンに達する。その先はゆるい下りとなり公園を通り過ぎ、フラットに戻ってからマリーナ、公園のようなところを通り過ぎる。

かなり橋に近づいたところで、いよいよ急坂を登る。ここは歩行者専用道路もなく、ガードレールの外側の狭いあぜ道を歩行者とシェアするのでとてもあぶない。200m程度上ったところでリンカーンブルバードに合流し、歩行者と自転車専用道(バッテリー・イースト・トレイル)がスタートする。ここからはそれほど上りもきつくなく、気持ち良く走っているうちに金門橋のスタート地点に到着した。

金門橋は寒い。北風が強いわりには橋が雲に覆われていて日も当たらない。体感温度は10度を切っている。ここで5度目のセルフィー(自撮り)。本番ではそんな余裕もないので、今回は記念撮影も兼ねている。


橋はゆるやかな上りと下りが連続している。片道2.7km。反対のビスタポイントまでの距離を入れると3kmを越える。汗で濡れたシャツが冷えてとても寒かった。ビスタポイントでGUを摂取して後半に備えるが、この段階で左のくるぶしに違和感があった。

本来はゴールデンゲートパークに向かうのだが、今回はビスタポイントまでの往復とした。後半は下りの連続になるのだが、これが予想しないぐらいきつかった。残り18kmあたりから「足が棒」になり、。ほとんど動かなくなる。前回のハーフマラソンでは体験しなかったのか、体験していたが足がつっていて気がつかなかったのかはわからないが、前に進むのが苦痛であった。所定の距離を走った後は1km程度歩いて駐車場に向かったが、ほとんど記憶がないくらい根性だけでたどりついた。

この状態は昼食後には治まり、翌日はくるぶしの痛みを除けば筋肉痛もなく快調であった。Web上の体験談を読むといわゆる30kmの壁らしい。私の場合脚力がないのと、下りの連続で早めに症状が現れたようだ。

ランとスイムの決定的な違い

スイムは運動時間が短い(1500mで25分、3800でも1時間)ので、フォームに集中して道具を駆使することができる。一方ランは運動時間が長い(1時間~5時間)ので、意識を集中し続けることができない。ランでもフォームを固めるフェーズではいろいろ意識して評価しながら走ることができたが、10kmを越えた練習、さらに20kmを越えると「精神力」のウェイトが高くなりそうである。

また脳自体の持久力も考える必要がある。あれこれ考えていると1時間後には疲れ、フォームのチェックもおろそかになり結果として体も疲れて足が棒になる。これまでの経験では脳がフルに機能するのは1時間が限界である。複合的な練習にしても、単発の練習(長距離ラン)にしても、脳をセーブしながらこの限界を引き延ばす必要がある。

練習後の気分:9(とりあえず完走した)


2014年5月23日金曜日

スピードアップ練習で4000を泳ぐ

○スイム 4000 yds

これまで3000以上を泳ぐときは、200や400をベースにした距離系の練習にしていた。
今日は短い距離を速く泳ぐスピード練習で、どこまで距離を積み重ねられるか試した。

・フォーカル・ポイントスイム 400

Garmin Swimを忘れたと勘違いして(実際はバッグの中にあったが)、計測するものがない中で練習を開始。数え癖をつける必要があったので使う道具は100あたり1個に絞る。

今回はニューパラダイム中心の泳ぎになるので、キャッチやプルの形、入水場所や角度を中心に微調整を行った。


・テンポピラミッド 10×100@1.15~1.30~1.00秒/0.05秒

通常は200で行うピラミッドも、数え忘れ防止とスピードアップを兼ねて100で実施した。ストローク数を15/16と設定して、テンポ1.00秒でも実現できるようにストローク数のマップを想定して練習した。

1.30秒では13/14を想定して、実際その通りになった。テンポを速くする局面では、力を入れる時間を短縮する一方伸びはできるだけ確保することでストローク数を維持した。


・ディスタンスピラミッド 3×800(50+100+150+200+150+100+50)@1.15~1.00秒/0.05秒

スピード練習で距離を増やす、さらに長距離の距離カウントを気にしないようにするために、通常は片道しか行わないディスタンスピラミッドを両方向(距離を増やす-距離を減らす)実施した。

ここでは速く泳ぐという意識を持たずに、「15/16ストロークを維持する」という意識だけ持って泳いだ。実際に最初のラップは15、以降のラップは16ストロークをほぼ維持することができた。

有効であった道具:
  • 肩をすくめる:素早いリカバリーにつながる
  • 遠くに入水:伸ばす手を浅くすることができる
  • キャッチの型から撫でる:推進力を体幹の回転から得る
ストロークを維持しようと泳ぐだけで心拍数は上がる。この練習は空回りを防ぐのに効果がある。

・スプリント 4×50@0.95秒

1本目:0.95秒に慣れる
2本目:リラックスする場所を増やし、力を入れる時間を減らす
3本目:ニューパラダイムで泳ぐ
4本目:さらに加速を上げる

走っているときの心拍数がわかっているので、水泳で同様の心拍数になるまで運動強度を上げることができる。テンポが変わらないのでストローク長を伸ばすしかない。そのためにはリラックスした状態で水中の手を素早く、より長い距離動かす。



2014年5月16日金曜日

上り坂スイム

今週はラン9kmとスイムの組合せで2回トライしたが、2回とも気温が高かったこともありうまくいかなかった。
 1回目:ラン途中で熱中症のためときどき歩く。スイムに集中できず1600ヤードのみ。
 2回目:ランは何とか9kmを走ったが、スイム1500で足をつった。
うまく泳げなかった欲求不満から翌日から2日連続で5000ヤードを泳いだ。

今日はランをするため午前10時にスタートし、9kmを走り、2500ヤードを泳ぐことができた。通算運動時間は1時間50分で、いよいよ2時間に近づいてきた。

○ラン 9km

バッテリー切れのため詳細データ計測できず。2回に1回は充電しないとならないのは面倒。
計測できた分だけを見るといつもより速かったが、それでも自宅まわりのコースよりペースで10秒以上遅い。もう一度スピードアップを意識して走ることにする。

○スイム 2500ヤード

先週の自転車、今週の9kmのランにおいて、上り坂の走り方を考えた。全身を使って足でペダルを漕いだり地面を押したりすると、進む感覚は確かにあるがスピードは遅くなり、疲れる。自転車の場合軽いギアで数多く漕ぐ方が、ランでは歩幅を小さくして膝を上げ軽く走る方が結果が良好であった。

そこで水泳でも、疲れてきたときに上り坂バイクや上り坂ランと同じことが言えるか観察した。


・テンポピラミッド 11×100@1.15-1.40-1.15秒/0.05秒

上り坂スイムはテンポを上げて、ストローク長を短くして「軽く」泳ぐ泳ぎ方である。TIスイムに慣れると体重をかけて押す泳ぎになりがちなので、空回りをしない程度に押すようにする程度を知るために、敢えて遅いテンポで泳いでみた。

ゆっくりになると軽く泳げにくくなる、。入水するときにキャッチの手首をかえす(手首スナップ)ようにして、その後はからだの回転にあわせて手をなでるようにした。テンポを上げる局面ではリカバリーの時間を短くしてテンポに合わせるようにした。

ペースは最初の1分32秒からテンポ1.15秒に戻したときに1分22秒と想定ペースにまで上げることができた。

・ディスタンスピラミッド(ラダー) 100+200+300+400@1.10秒

上り坂の軽い泳ぎをより長い距離で維持できるように100からのラダーで泳いだ。距離が長くなるにつれて疲れて上り坂感が出てきたので、軽い泳ぎを意識した。9km走った後なので全体的な疲れがあり、ペースも1分33秒と落ちたが手が動きにくくなるなど泳ぎ自体を損なう疲れは出なかった。

今後はターゲットテンポである1.05秒や1.10秒でのスピードアップにシフトする。

練習後の気分:7


2014年5月15日木曜日

スイム 疲れると何が起きるか

2週間かけたワークショップマニュアルがついに完成した。午前中はマニュアル作成に費やし、運動は午後からとなった。今日も35度で走るのには適さなかったので、スイムのみ実施した。

スイム 5200yds

3×1650@1.15、1.10、1.05秒

これまで疲れによる劣化を抑えるためのフォーム作りを行ってきた。仕上げとして、1650ヤード(1500m)を3本泳ぎ、疲れが発生するかどうかを確認した。

・1本目
テンポが決まっているので、通常よりも早いタイミングでスイッチの型に到達するようにして、余った時間で型を作った。先月末からの練習でゆっくりに感じるようになったので、押しや弾く加速の道具を中心にラクにストローク数16~17を維持するようにした。

スピードは意識していなかったのでペースは1分35秒であった。特に疲れはなく、型を意識していたらいつのまにか終わっていた。短距離のフォームを意識した練習ペースの目安が1分30秒なので、その延長線上の泳ぎであった。

・2本目
テンポ1.10秒は通常ニューパラダイムにシフトするテンポである。まだテンポに余裕が感じられたので、撫でる中心にして押しも2割入れた。

中だるみが発生しストローク数が2増えたが、しばらく押した後ニューパラダイムの泳ぎに変えて加速し、スピードを上げたらゆるめて巡航速度にした。

若干肩がだるくなる程度で減速要因になる疲れは発生しなかった。ペースは1分35秒と1本目と変わらず、フォームを意識すれば目標距離の2倍泳いでも劣化しないことがわかった。

・3本目
逆算するとプールの終了時刻にぎりぎりになることがわかったので、ニューパラダイム100%にしてスピードを上げた。

ときどき左肩がだるく感じたが、空回りしたりテンポに追いつかないという問題にまでは至らなかった。

ペースは1分31秒で、1650の3本目にしては悪くない。

過去最高に練習として泳いだにもかかわらず、結果としてほとんど疲れなかった。また心拍数も1本目、2本目はゆっくり走っているときよりも低く、とてもラクであった。3本目は少し上げたが、それでもまともに走るときよりもラクであった。

疲れると何が起きるかが知りたかったが、大して疲れなかったことが成果となった。同様の練習歯今後もペースを上げて実施する。

練習後の気分:8




2014年5月14日水曜日

スイム 5000ヤードを泳ぐ

昨日、一昨日と9kmランのあとスイムをしたが、1500付近で足がつったり、集中力が途切れて中断した。

今日は37度越えの予報だったためランを行わず、代わりにスイムだけで5000を泳ぐことに決めた。

●集中力を維持する

1時間のランの後のスイムでは、いずれも集中力が途切れて足がつり、中断した。その経緯は以下の通りである。
  1. 決めたメニュー通りに泳ぎ、フィードバックも得られている。
  2. 意識はしている(道具が使える)がフィードバックが得られなくなる。
  3. 意識できなくなり、ただ泳ぐだけになる。
  4. 足がつる。
  5. 続ける意欲がなくなる。→やめる。
ランは行ったら帰ってこなくてはならないので強制力が働くが、プールの場合はすぐに諦めることができる。諦めやすくなる一因である。

2日間の9kmランとスイムで90分の連続運動はできることがわかったので、スイムだけで90分運動し続けるために何をすればよいかを考えた。運動量自体は明らかにランと組み合わせた方が多く、またランをしないので足がつるリスクも小さいと判断した。そこで残るのは集中力であり、集中力を維持して5000を泳ぐことを目標にした。

●テンポピラミッド 10×200@1.15~1.40~1.20秒/0.05秒

200ヤード単位のピラミッドは初めてである。スピードを追究すると、疲れて集中力が切れるリスクがあったため、「正しい形」で「撫でる軌跡を伸ばす」ことだけを意識してテンポを変えた。

結果としてペースは1分30秒台後半であった。この後のディスタンスピラミッドでスピードを上げることができたので、準備としては成功である。今後は1分30秒台前半→テンポを上げる局面で1分30秒を切るペースにまで上げる。

●ディスタンスピラミッド 4×500(200+150+100+50)@1.15~1.00秒/0.05秒

ラクにテンポを維持することからスピードアップに切り替える技術を磨くため、距離を徐々に減らす方向で練習した。「引っ掛けて撫でる」ことを意識しながら、既存の泳ぎとニューパラダイムの泳ぎの間の泳ぎでスピードがどこまで上がるのか観察した。

テンポ1.00秒で100ヤード1分23秒ペースで、1時間以上泳いでいるわりには得たい結果が得られた。

●テンポスイム 400@1.00秒

ディスタンスピラミッドで速い状態を作ったので、同じやり方でリラックスを加えて400を続けて泳いだ。かなりリラックスして泳いだが、ペースは1分30秒台前半でラクに速い状態ができた。普段のフォーカルポイント・スイムに比べて1分近く短縮していた。

いずれの練習においてもターン後には必ず3ストローク分を「前のめり感の増加」に費やして、その後「なめらか感を維持」しながら加速を上げるようにした。基準となる感覚を決めてその感覚を得るための道具を使うことで、上記2のフェーズ(感覚が得られなくなる)を避けて集中力を維持することができる。

今日は最後のクールダウンまで意識が泳ぎをコントロールすることができた。ここ数日のラン&スイムでは得られない充実感であった。

5000を泳いだ(グロス90分、ネット78分)のは練習で初めてだが、1時間のランに比べてからだの疲労は半分~3分の1程度である。ランを始める前は考えられないほど体力がついていることが実感できる。ここ半年で550kmを走ったが、その効果が出ている。

●水分と電解質補給の重要性

ハーフマラソンで戦略的に失敗して以来、電解質と水分の補給を行っている。スイムではこれまで必要ないと思っていたが(どうせ飲んでいる)、本日体重を計測したところ、500g近く体重が減っていた。

水泳の運動量は800カロリーで、全部脂肪で賄われたとして800÷7=114g、実際には脂肪以外からカロリーは使われることもあるので100g以下であろう。従って400gは汗で排出されたことになる。

汗の塩化ナトリウム含有量が0.5%(0.05~0.6と諸説あり)とすると、ナトリウムだけで2.0gが体内から出てしまっている。ホメオタシス機能で汗腺からナトリウムを再吸収するそうだが、水中ではそれが正しく機能できるのかまでは確認できなかった。

30分も走れば汗をかくので、30分も泳げば汗をかくのであろう。ミネラルが欠乏すると足がつるリスクが高まることは身を以て実験済みなので、30分以上泳ぐのであれば必ずミネラルを摂取する習慣づけをしたい。

ラン&スイムを行うときは、ランで30分あたり300ccの電解質溶液、スイムで500ccの電解質溶液を摂取している。またランとスイムの間に足がつりにくくなるという漢方も飲んでいる。電解質溶液はランでは高濃度の液を薄めるタイプを使い、濃いめ=甘めにしている。走りながら飲んだときに気分がリフレッシュされる。スイムでは日本テイストの味が上品な錠剤を魔法瓶に溶かして飲んでいる。


練習後の気分:9(目標達成)


2014年5月9日金曜日

加速の道具の使い分け

ワークショップマニュアルの大幅改訂作業に時間がかかり、やる気0どころかやりたくない気が8割であったが、天気が晴れなら実施というポリシーに基づいて10kmアクアスロン練習を行った。

ラン:6.7km

距離:6.68 km
タイム:43:35
平均ペース:6:32 min/km
高度上昇量:84 m

コースも確定したのでスピードを上げる意識で走ったが、前日よりも遅くなった。スタートから1kmは6分20秒で前日より10秒以上速かったが、その後は1kmラップ毎に20~30秒遅くなっていた。

心拍数の推移を見ると、速く走ろうとしたにもかかわらず前日よりも毎分5~8少ない。前日は速く走る意識は全くなく、心拍数も160近くで高めに推移していたがきつい感じもなかった。前日と今日を比較とすると、
  • 今日はスマートフォンを忘れたので音楽なし。その分フォームや接地面を意識した。
  • 2月までよく履いていた4本指のシューズを使った。
が違いである。前日あれこれ考えることをしなかったので速かったのであれば、水泳と同じことになる。次回は日本で購入したシューズ、また音楽を聞きながらより長い距離を走ってみる。

スイム:3000ヤード

単に距離を泳ぐ練習を続けても意味がないので、100ヤード82秒ペースを作る練習と、速いテンポで長い距離を泳ぐ練習を組み合わせた。

○フォーカルポイント・スイム 400

ウォームアップの最大の目的は、メインセットをベストの状態で臨めるように体を準備することである。ランニングに比べて水泳は負荷が低い運動なので、高負荷に向けてからだを慣らすというよりは、
  • 横になる、水中で移動するという2つの大きな運動環境の変化に対応する
  • 呼吸ができない、沈むという恐怖心を抑えて意識的にリラックスする
  • 姿勢や動作を観察して、正しい状態に修正する
  • 道具を思い出し、すぐに使えるように準備する
  • 基準となる感覚を思い出して、比較して使えるようにする
などをウォームアップで行う。基本的には姿勢や動作の意識を高めることであり、アプローチとしては、
  • 感覚基準を高める:前のめり感、安定感、なめらか感
  • 観察する:視覚、聴覚、触覚を使ってからだの部位の状態を観察
  • 型や動作を正しく行う:スイッチの型、プルの型、入水動作、リカバリー動作
などがある。

○テンポピラミッド 14×100@1.15~1.40~1.00秒/0.05秒

100ヤード81秒ペースを作るために、ベーステンポからゆっくりにして加速を増やし、その後なめらかさを増やしながらテンポを上げた。目標はベーステンポで81秒にして、1.00秒で75秒まで上げることである。

最初の1.15秒のタイムは92秒であった。これはフォーカルポイント・スイムでゆっくり泳いでいることが影響している。ここからできるだけストローク数を減らすように泳ぎ、底となる1.40秒では25ヤードで2ストローク減らして13/14になった。タイムは92秒で変わらなかった。

ここから元の1.15秒に戻すまでに11秒短縮する必要があったので、テンポを上げながら加速の道具を使い分けた。

1.40秒~1.25秒:押す優先、ただしできるだけ遠い場所からキャッチを始めて撫でる距離も増やす。
1.25秒~1.15秒:ひっかける優先、手をさらに前に伸ばすために弾く。

1.35秒の段階で87秒となり5秒短縮できた。その後1.25秒で83秒になりさらに4秒短縮できた。道具を変えた効果が出て、1.15秒では目標通り81秒となった。

ここから75秒まで縮めるためには、さらに道具を変える必要がある。テンポ1.10秒~1.00秒では、フィニッシュによる推進力をあきらめて手前で抜き上げ、より前に手を送った(ストレートアーム的)。ただし入水時には手を水平、垂直両面で45度にして入水後に前に素早く伸ばした。水中の推進力は肩の前で得るような感覚である。この結果2秒ずつ短縮することができ、テンポ1.00秒で75秒を達成した。

○テンポスイム 3×400@1.15, 1.10, 1.05秒

ピラミッド練習で意識した道具をより長い距離で使えるようにするために、イージーペースで型や動作のタイミングだけ道具を使うようにした。

体力的はあと500~1000は泳げたが、意識が集中できなくなってきた(飽きてきた)のでここで終了。走った後は練習時間として70分が限界のようである。

練習後の気分:8

2014年5月8日木曜日

瞑想スイム

ラン:6.5km

距離:6.51 km
タイム:40:11
平均ペース:6:10 min/km
高度上昇量:79 m

プールそばのコースで信号待ちをしない最長ルートを走る。高低差は自宅コースの半分で非常にラク。フラットなコースでは5分45秒と自分としては非常に速いペースで走ってみたが、特に疲れは出なかった。

音楽を聴きながら走ると、水泳のようにフォーカスしながら走ることができなくなる。その一方で時間は体感的に早く経過するので、結果としてはフロー状態に入ったのと同じ効果になっている。今後は通常よりも長い距離を走るときに、フォーカスを上げて細部を観察、仮説を立てて試行することにする。

スイム:3600ヤード

ランとスイム合計で約10kmにしたかったので、瞑想スイムをすることに決めた。

・400:瞑想準備

瞑想に入るためには、ルーチン化して退屈な状態を作る必要がある。何も考えずに前に進むことができるように、リカバリーの前のめり感増加、体幹の回転のなめらか感増加、水中の手と体幹の回転の連動などを意識した。

・テンポスイム 8×400@1.40~1.05秒/0.05秒

壁を蹴って4ストロークで瞑想(トランス)に入るように調整した。4ストローク過ぎると視界が上下に急速に狭くなり、息継ぎしているときは見えなくなる。その後床のTラインが見える頃に視界が戻り、ターンする。

100ヤードペースは1分40秒台で20秒近く遅くなったが、これは瞑想しやすいように加速の角を取っているためである。加速する意識を持つと瞑想しなくなる。自然に進む状態を作って瞑想に入ることができる。

瞑想に入ると距離感がなくなり、400を泳いでいても半分程度にしか感じない。このため泳いでいて非常にラクになる。ストローク数がほぼ一定なので、劣化していないことになる。スピード自体は遅くなるのでスピードアップ練習に直接は貢献しないが、距離を短く感じることや劣化を抑えることができる点は参考にできる。

1.10秒よりニューパラダイムにシフトしたところ、スピードアップを意識するようになり瞑想できなくなった。その割にタイムが急激に短くなったわけでもないので、泳ぎが加速モードになりきっていなかったと推測する。足がほとんどつった状態だったので、なめらか感だけ意識してセットを終えた。


30分以上ランしてから1時間以上泳ぐことは、これまでやったことがなかったし足がつってできなかった。今回はランの前にカプセルでミネラルを補給し、スイムの前に漢方薬を飲んでいることが奏功しているようである。練習中は紙一重状態を維持することができている。

来週中にラン+スイムでスイムパートを4000以上泳ぎたい。

練習後の気分:8


2014年5月7日水曜日

スピードの素因数分解

ラン:4km


距離:4.00 km
タイム:26:09
平均ペース:6:33 min/km
高度上昇量:59 m

コミュニティプールのコース探し。新しいトレイルで5km弱のコースを確定した。高低差が小さく、距離も短いので難しくはなかったが、ヘッドフォンがすぐに外れるため気が散る。

前傾する代わりに骨盤を回すことでスピードを上げることは快調。道に迷いスマホの地図を歩きながら確認したのでペースが遅いが、ほぼ6分で走ることができた。


スイム:3,000ヤード

6月の目標は1,650ヤード(1500m)を22分30秒である(マスターズ大会では長水路なので23分30秒を切る)。100ヤードペースで82秒である。

残り1ヶ月半となったので、この100ヤード82秒をベースにして練習を組み立てることにする。

フォーカルポイントスイム 400

100:リラックス
100:正しい姿勢と動作
100:ニューパラダイム(引っ掛ける加速道具)
100:ニューパラダイムに押す、撫でるを追加してみる

テンポピラミッド 10×2×50@1.40~0.95秒/0.05秒

ターゲットテンポ1.05秒で100ヤード82秒ペースを上回ることを目標として、加速を意識しながらテンポアップした。加速の道具は
 テンポ1.40~1.20:押す、なでるが中心
 テンポ1.20~1.10:なでる、引っ掛けるが中心
 テンポ1.10~0.95:ニューパラダイム(引っ掛けながら伸ばす)
とした。

予定通り1.05秒で82秒ペース達成、0.95秒では75秒ペースまで上げることができた。

ディスタンスピラミッド 50+100+150+200@1.15、1.10、1.05秒

テンポピラミッドで得られた「スピードの最小単位」の拡張性を検証するため、ディスタンスピラミッドを行った。

・テンポ1.15秒:1分25秒ペース
・テンポ1.10秒:1分23秒ペース
・テンポ1.05秒:1分21秒ペース(200は1分23秒ペース)

となり、狙った結果が得られた。

スピードアップには最小単位としてのペースと、そのペースを維持するための劣化率低減の2つのアプローチについて同時に取り組む必要がある。

練習後の気分:7