2015年12月23日水曜日

垂直バタフライを試す

ラン(トレッドミル) 5 km
スイム 3300 yds

バタフライによるクロール強化月間ももうすぐ終わる。クロールの水中ストロークをカイゼンするためにバタフライを練習している理由は以下の通りである。
  • キャッチ:バタフライでは沈み込むからだの支えとして機能する。アウトスィープによるスカリングを正しく行うことで、手を水面近くに維持することができる。
    クロールのキャッチはあいまいな動きになりがちであるが、入水てこやテンポアップを図るためには水中の手を高い位置に留める必要がある。
  • プル:バタフライでは両手同時に行うので、肘を曲げて手を引き寄せるインスィープの動きを意識して行いやすい。また手に力を入れて「かく」のではなく、インスィープで水を集めることでプッシュの推進力を最大にする。
    クロールのプルも同様に、水を引き寄せるのではなく、より多くの水を後ろに運ぶことを意識する。
  • プッシュ:クロールと同様、バタフライで最もスピードが上がるのがプッシュである。また息継ぎのため頭を水上に出すときも、プッシュを正しく行う必要がある。
    クロールのプッシュはこれまで最も弱かった分野である。バタフライの息継ぎやリカバリーがラクにできる正しいプッシュは、クロールにおいても推進力になる。
片手バタフライと両手バタフライの組合せにより、水中の手の正しい動きを練習する。
さらに今日は垂直バタフライを試した。

○垂直バタフライ練習


  1. 十分な深さ(最低2m)の場所で、立った姿勢から両手を上に伸ばして沈む。
  2. 水面が自分のからだと平行にあるとイメージして、手の動きを水中で行う。
  3. 手で水を下に押すことで頭が出てくるので、どのあたりからどのように力を加えると頭が水面上に出るかを確かめる。
  4. 水上に顔が出たら水中の手を上に運び、再びからだを沈める。
実際のバタフライでは上半身を水上に出すが、垂直バタフライは頭だけ出せばよい。また上に動く=水を下に押せばよいので、手を動かす方向が明確である。

頭だけ出せばよいとなると、手で水を押すタイミングは遅くすることができる。また力強く水を押さなくても、スカリングで水を集めて素早く動かすだけで、頭を出すことができる。

一方プッシュをさらに強く行って水面より高い位置まで上がることもできる。手で絞る(背中を丸めて両手の間隔を狭めるインスィープ動作)タイミングから素早く外向きかつ下方向にスカリングすることで、浮き上がりの勢いを上げることができる。

垂直バタフライのリハーサルを数回繰り返してから、ピラミッド練習を行った。どのタイミングでどのよに水を押せばラクにバタフライが泳げるのかを試した。

クロールでの成果

次にバタフライとクロールをラップ毎に変えて100ydsを5本行った。水抱え感が確実に上がっており、フィニッシュまで自然に水を運ぶ感じが得られるようになった。

次にクロールのピラミッド(50, 100, 150, 200)練習を行った。それほど大きな力を加えなくても、13/14を維持することができた。これまでは14/15、15/16だったので大きな成果である。


クリスマス期間中の休館日を挟み、来週からはバタフライの長距離を泳いで持久力も上げる。

練習後の気分:8(気温13度の屋外練習は寒い)

2015年12月18日金曜日

バタフライをさらにラクにかっこよく泳ぐ方法

ラン 35分(トレッドミル、時速8km)
スイム 3200yds

バタフライが泳げない根本的な問題の一つとして、「肩が水上に出ている間にリカバリーが終わらない(入水できない)」が挙げられる。この問題の原因は主に以下の3つである。

  1. リカバリーの途中で手が水中に入ってしまう不安から、水面に対して手を垂直に動かそうとする→肩の可動域を越えてしまい手を前に素早く動かすことができない→リカバリー動作の途中で入水タイミングを迎えて水面を叩いてしまう
  2. 息継ぎをするため頭を上げる→手で水を下に押す→手が後ろに動いたときに水面から深くなる→手を水面に出すフィニッシュに時間がかかる→リカバリーが間に合わなくなる
  3. 息継ぎで上半身を水上に出すための手で水を押すタイミングが早い(手が肩の前にあるときに始まる)→肩が水上の最も高い位置にあるときに手は水の中→肩の位置が下がってからリカバリーする→間に合わない
昨日の「入水位置を広げる」は、リカバリーを早めに終えることになるので上記の問題の解決に役立つ。しかし根本的な解決にはならないので、今日は以下の3つを試した。
  • 水面上の肩の位置をさらに高くするために、プッシュを強くして角度を変える
  • フィニッシュを広げてリカバリーの開始を早める
  • 沈み込みを大きくして、反動としての浮き上がりを大きくする
このうち最も効果があったのが2番目のフィニッシュの位置を広げることである。時計で言えば5時と7時の位置で手を水上に出していたのを、4時と8時にする。押し切る意識を保ちながら、押し切る方向を真後ろから4時8時に変えることで、水の反動をリカバリーの初動にすることができる。

また入水位置は2時10時なので、リカバリーの動作は手を60度回転させる、あるいは60cm移動させるだけになる。手を水上に出したらすぐに入れるような感覚であり、滞空時間が短いので手を高い位置で移動させる必要もなく肩がラクになった。

スピードアップするときにはプッシュを強くすればよいのかと思い、フィニッシュを広げてリラックスして泳ぐときとストローク数を比較したところ、1ストロークしか減らなかった。上体が高く飛び出たという感じも得られなかったので、プッシュについてはまだ研究の余地がある。

反動を使ってさらにラクに泳ぐ

入水角度を水面に対して30度にすることで、水面から浅い位置で手を前に伸ばすことができる。手の位置を浅く維持しながらからだを深く沈み込ませると、手がてこの役割を果たして沈み込む反動でからだが前に飛び出るようになる。

ただし手が前にある早いタイミングで反動を使うと、手が後ろに動いたときに肩の水面からの高さがピークを迎えてしまう。プルではなくプッシュで反動を使うようにする。

リカバリーするときに下を向くと手を素早く前に動かすことができ、バタフライの見栄えが良くなる。ただし頭の上下動が発生するので、大きく動かすと逆に格好悪い。息継ぎのときの頭の角度を維持しながら、リカバリーしながら腰から上で体重をかけると、頭の上下動をさせずに手を素早くリカバリーできることがわかった。

手の位置を浅く保ちながら上半身に体重をかけると、反動でラクに水上にからだを出すことができる。上下動が中心で推進力はあまり得られないので、速く泳ぐときには水を後ろに押す動きを加える必要がある。

練習内容は昨日とほぼ同じだったが、さらにラクに泳げるようになった。次回は録画してみて、見栄えについても確認する。



2015年12月17日木曜日

入水時のインパクトを半減する

スイム 3250yds

バタフライをラクに泳ぎながら、クロールに役立てようとするプロジェクトも3回目となった。
しばらくの間は同じ練習をメニューを行いながら、それぞれの中でカイゼンポイントを見つけるようにする。

片手-両手スイム 10×100


  • アウトスイープ(キャッチ)の手の深さ:水面近くまで浅くする
  • 肩の下を通るときの肘の角度:できるだけ直角にする
  • フィニッシュの位置:できるだけ遠くして浅くする
  • 入水の位置:広げる
上記について片手のときにゆっくり動かしながら確認し、両手ではリズムを入れて再現できるようにする。

この中で新しい体験だったのは入水位置で、これまでよりも15cm外側に入水すると、驚くほどリカバリーがラクになった。
  1. 親指が鎖骨の端に来るように少し広げた手の位置でグライドする。
  2. リカバリーは外側から中央に手を動かすため、入水後も慣性で手が内側に動く。少し広げた手の位置でグライドするためには、グライドの手の位置よりも15cm外側で入水する。
  3. 入水後にグライドの位置に手をスムーズに動かすために、手のひらの向きを45度外側にして入水する。
これまでは丁寧に入水するために、入水直前に減速したり手の方向を前に変えたりしたが、コントロールが複雑すぎてカリキュラムにできなかった。これまでより外側に入水することは、これまでよりも早いタイミングで水面に手を入れることになる。これが結果的には丁寧な入水につながることがわかった。着水するときに手が水面から受けるインパクトは、これまでの半分程度に激減して非常にラクになった。

また肩甲骨を使うタイミングも、これまでは肩甲骨を伸ばしてから入水していたが、入水してから肩甲骨を伸ばすことで手を前に動かすことができるようになった。入水するまでは肩甲骨をゆるめておき、入水直後に肩甲骨を伸ばすというようにタイミングも明確になった。


バタフライ-クロール 5×100

クロールにおいてもバタフライと同様に幅広の入水をこころがけた。クロールの場合は斜め姿勢で肩が高い位置にあるためコントロールしやすいが、可動域が大きく入水場所を固定することが難しい。

わきの下の外側を親指から入水するように意識することで、バタフライと同じタイミングで入水後に肩甲骨を伸ばすことができた。

ディスタンスピラミッド 3×500

次第に長くするバタフライ、次第に長くするクロール、次第に短くするバタフライの3セットを泳ぐ。

次第に長くするバタフライでは入水位置を意識してラクに泳ぎ続けるようにした。
次第に長くするクロールはストローク数維持でテンポを速くしてディセンディングで泳いだ。
次第に短くするバタフライはクロールのディセンディングで得られたスピード感を使いながら、次第に速くした。

ラクに泳ぐ、長く泳ぐ、速く泳ぐのいずれも達成することができた。バタフライの新しい発見は、クロールにも役立つ。次回は飛び出しを改良する。

練習後の気分:8



    2015年12月16日水曜日

    クロールを速く泳ぐためのバタフライ練習

    12月14日 3200yds

    次のシーズンを3月として、それまでの間にスピードアップのための技術を磨く。
    屋外プールのため、12月~2月までは泳ぐモチベーションがかなり低くなる。週4回は泳ぐことを自分に課して、プール前にはジムでランニングやコアのトレーニングを行うようにする。

    12月と1月はバタフライを集中的に練習することで、クロールの水中の手の動作のカイゼンにつなげる。クロールに比べてバタフライは、手の水中動作が正しくできないと呼吸できない。バタフライでラクに呼吸をしながら長距離を泳げるようにすれば、正しい手の形、力を入れたりゆるめたりするタイミングなどが習得できる。これをクロールでも使えるようにする。

    ・ウォームアップ 200

    グライド時間を保ちながら、手を動かし続けることでフィニッシュで呼吸できるようにする。手の形や手のひらの向きは意識せず、浮き上がりのタイミングだけつかむ。

    ・片手-両手バタフライ 10×100

    1ラップ目は右手2回両手1回、2ラップ目は両手、3ラップ目は左手2回両手1回、4ラップ目は両手というように片手と両手を組み合わせる。1、3ラップ目については片手のときに息継ぎして、両手では息継ぎしない。片手のときに以下の点を意識して、両手でも同じように意識できるようにする。
    • 肩甲骨で手を前に送るときの肩甲骨の意識し始めのタイミング:手のひらが肩の横を通る直前
    • リカバリーの水面と手の距離:最小限にしながら肘が先に着水しないようにする
    • 水中の前スカルのタイミング:入水した手を前に伸ばしながら広げ始める
    • 肩の下を手が通るとき:菱形を意識
    • フィニッシュで水を切るときの手の位置:水面に近づける

    ・バタフライ-クロール 5×100

    バタフライとクロールをラップ毎に交互に泳ぐ。水中の手の動かし方を意識して、クロールでも同じようにする。
    • 水を押す意識を持たなくても、肘てこや体幹てこを使えば手をゆるめながら水を後ろに押すことができる
    • 手が肩の下を通るときの手の形を菱形にする
    クロールでは水を押す距離をできるだけ伸ばすようにして、14~15ストロークで泳ぐ。

    ・ディスタンスピラミッド 3×500(50-100-150-200)

    最初と最後のセットはバタフライ、2番目はクロール。距離が長くなるに従ってゆるめる時間や場所を増やすだけでなく、グライド時間を短くしてリズム感を作る。クロールでもグライド時間を減らしてテンポを上げる。


    バタフライで意識したことをクロールでもできるようにするために、手で水を押す感覚や水面上に手を出すときの感覚に注意した。ペースや速度を上げることは現時点では考えず、1)正しい姿勢、2)正しい動作、3)正しい感覚までを練習対象とする。

    2番目のセットでクロールの水抱え感を増やすことができた。しばらくはバタフライを泳ぐことで、クロールでスピードを上げるための道具作りに励むことにする。

    練習後の気分:8(プールから出た瞬間に空気が刺すように感じる)




    2015年12月9日水曜日

    1日に5レース、8.35kmを泳ぐ

    シンガポールのFish Tangマスターコーチに招待され、シンガポールと台湾をツアーした。ツアーではワークショップやプライベート・レッスン、コーチ研修に加えて、Tangコーチが経営するFish Like International, Ltd.が主催する、Swim World Expo 2015というイベントに参加した。

    同イベントは3.8km, 1.9km, 1500m, 750m, 400mのレースで構成されており、半日かけて行われる。それぞれの距離はトライアスロンの距離別のスイムパートと同じである。シンガポールのTIスイマーは8割以上がトライアスリートであり、平均年齢も30代後半と若い。1日に5レースも泳ぐので最初は驚いたが、このような客層だからこそ成り立つ企画なのだと関心した。ちなみに日本は7割がフィットネススイマー、平均年齢は50代後半である。

    招待スイマーということで「当然」5レース全部に出場しなければならない。今シーズンはこれまでで最も泳ぎ込んでおり、1日4km~5kmを週3日、8kmも2週間に1度は泳いでた。そこで距離については心配せず、ペースの維持を課題に直前まで練習した。目標は100m1分40秒である。

    ○レース当日朝

    到着翌日より2日間で2つのワークショップ、しかも久しぶりの20人を超える参加者で疲れたままレース当日を迎える。この間プールには20分程度入っただけ。スカリングの手の動きやパワー・フィニッシュの使い方を復習して終わる。

    午前4時起床。レースの間に休憩が入るので、無理に食べることはせずサンドイッチとおにぎりで朝食とした。Tangコーチの車で会場に入る。ボートクラブの施設を借りているので、ビーチではなくボートの上げ下ろしする場所から海に入って海中スタートであることが判明。ゴールはこの坂を上るのだが、傾斜がきついうえに苔ですべるので要注意(実際に滑って転んだ)。

    今回のイベントは私がフィーチャーされているので、例の入水時の写真(通称トライアングル・アーム)を使った横断幕が張られていた。少々照れくさい。出会う人の多くは私の存在に気がつかなかったが、シンガポールや台湾のコーチに挨拶すると他の人も私がわかったようで、写真撮影やサインが始まる。中年オヤジが肥満解消に始めた水泳でこのようになるのはとても良い気分。

    ○第1レース:3.8km

    2周するので、1周目はコースを理解するため景色や潮の流れを確認しながら泳ぐ。最初はバトル状態であったが、200mも泳ぐとばらけて泳ぎやすくなる。熱海、香港と単独泳が続いたので、レースのペースとの違いにとまどいながら速いテンポ(1.0秒)を維持する。

    ブイとブイの最短距離を泳ぐように意識したが、途中のブイから300度回転で次のブイまで行くことがわからず、270度回転して直進したのでかなりコースを外れた。気づいたのが15m程度過ぎてからだったので、コースに戻るのに同じ程度要した。

    波はなく静かであったが、潮の流れは確実にある。波がない分だけまっすぐに泳いでいるつもりであるが、潮が横から流れているときは注意する必要がある。サンフランシスコ湾では慣れているものの、新しい場所では泳ぐ角度を変えるための目印がわからず方向修正に苦労した。

    ○第2レース:1.9km

    3.8kmの最終泳者がゴールしてすぐに、次の1.9kmレースのブリーフィングが始まり、その後レースになる。3.8kmを速いペースで泳いで疲れていたので、食欲がなく水分補給だけに留めたのが後でダメージとなる。

    1周だけなのでハイペースで泳いだつもりであったが、3.8kmよりもペースが落ちていてがっかり。泳ぎ終わった段階でかなり疲労していたが、なんとかバナナだけ食べた。

    ○第3レース:1.5km

    かなり疲れた状態で迎えた第3レースは、オリンピックディスタンスでもありこのレースのみ参加する人も多かった。スタート後バトル状態が5分程度続き、ペースも速かった。

    中盤を終えた頃から強烈な空腹感と脱力感が襲ってきた。明らかにガス欠である。長距離のレースを複数体験することが初めてであり、エネルギー補給配分を完全に間違えた。5レース全体で泳ぐ時間は3時間に満たないが、スピードが速いことや、合間に休憩があることから全体のエネルギー消費量はかなり多くなる。フルマラソン並の栄養補給配分を考えるべきであった。気力だけでなんとかゴールするが、ペースは劇的に遅かった。

    ○第4レース:750m

    第3レース終了直後に、手持ちの食べ物全てを急いで食べる。予備用のエネルギーバーも食べた。この結果脳にブドウ糖が回り出し、750mはハイペースで終えることができた。1500mよりも6%速いペースであったが、それでも100mペースで2分は切ることができなかった。

    ○第5レース:400m

    第3レースのゴール直前の泳ぎを撮影してくれた方がいて、見せてもらった。テンポは速いが完全に空回りしていた。

    そこで実験的に、テンポ1.20秒でどこまでスピードアップできるか実験してみた。水中の手の動きの距離を増やすとともに、水を確実に捉えて後方まで押し切る。半分までコーチTangと一緒で、彼は1.20秒で泳いでいたので丁度良いペースメーカーとなってくれた。

    結果として、最後のレースで疲れていたわりには750mより速いペースで泳ぐことができた。

    昼食後に30分間、「オープンウォーターを効率泳ぐための7つのセンサー」についてプレゼンテーションを行った。台湾のコーチに見本として泳いでもらい、その泳ぎを見ながら説明した。

    ○総括

    これまで非常に長い距離をラクに完泳するための練習を続けてきたが、速いペースを維持する練習を取り入れる段階に来た。2月からスタートする。

    また1時間以上のレースでは、過剰と思える程度のエネルギーを補給しておかないとガス欠になる。腹持ちの良い食べ物と、スポット的に補給するブドウ糖の組合せを補給戦略に取り入れる。

    5レースの完泳人数は45名。完泳者は私のトライアングル・アームをあしらったポロシャツと名前入りの盾をもらうことができる。ロットネストではもらえなかったので、とても良い気分であった。

    ○死ぬまで一度は行かなければならないマリーナ・ベイ・サンズ

    (出所) Wikipedia
    レース後、コーチ研修やプライベート・レッスンを経てマリーナ・ベイ・サンズに宿泊した。3つのビルの屋上をまたがる世界一有名なプールである。

    プールの外側はオーバーフローするようになっていて縁がない。これをインファイナイト形式と呼ぶが、まるでプールの水が流れ落ちるように見える。

    夜の景色も素晴らしかったが、朝はコースロープが張られ、100mのコースを一気に泳ぐことができて楽しかった。太陽が上がるに従って変わるビルの色もきれいであった。やはりスイマーなら、死ぬまで一度は体験しなければならないプールであろう。

    なおプールの味は普通であった。過去に体験したプールで最も美味なのはリッツ・カールトン東京のプールである。





    2015年11月7日土曜日

    OWSで速く泳ぐためには

    本日アルカトラズスイムを完泳した。この季節にしてはめずらしく早朝から晴れて、絶好のスイム日和となった。気温は9度、水温は16.7度でこの時期としては暖かい。

    タイムは27分で、8月の初トライアルのタイム53分の半分にまで縮めることができた。今回はなぜ半分の時間で泳げるようになったのかについて考察する。

    ○泳ぐ距離が短くなった

    OWSで速く泳ぐための「最短距離」は、最短距離で泳ぐことである。スタート地点が異なるために厳密に比べることはできないものの、移動軌跡を見るとその違いは明らかである。


    8月は約3kmを泳ぎ、53分かかった。今回は約1.6kmを泳ぎ、27分であった。スタートからゴールまでの直線に、どれだけ自分の泳ぎを近づけるかが大前提である。

    ○潮の流れを考慮する

    8月に初めてアルカトラズに挑戦したときは、潮の流れを調べず、目標物もどれにするかよくわからず、自分が流されているのかどうかもわからなかった。

    今回は潮の流れを事前に確認したところ、弱いFlood(外洋から内湾に流れ込む)であることがわかった。グラフは上が潮位表、下が潮流表である。スタートが15分遅くなったので、次第にFloodの流れが弱くなることを予想した。


    これまで2回泳いでいるが、毎回潮の流れは異なる。またコース上潮の流れは変わる。従って潮流表を絶対視するのではなく、実際にどのような状態か確認しながら潮流の時間変化を参考にするのがよい。

    ○うねりへの対応

    最初の4分の1、半分から4分の3のあたりでうねりが強くなった。エッジをかけるだけでなく、うねりを越えたらすぐにサイティングをして方向を確認しなければならない。今回も50cm以上のうねりの後はからだが常に左に回っていた。移動軌跡を見ると、半分すぎにジグザグしているが、これはうねりの後にサイティングしないで泳ぎ続けた結果である。

    ○動作を止めない3点測量

    前回のアルカトラズ往復では、動きを一旦止めて後方を確認していた。今回は速く泳ぐことも目的であったため、動きをできるだけ止めないで後方→前方確認を行った。毎回確認すると左に押し出されていたので、進行方向を目標から30度右にして泳いだ。

    ○バトルに注意

    今回は最初だけでなく、終盤でもバトルになった。おそらく良いコース取りをすると同じような場所で泳ぐことが原因であろう。10歳と13歳の女の子(いずれも十数回のアルカトラズスイム経験者)とバトルになってしまい、しょうがないので道を譲り、遠回りした。

    ○ディセンディングが基本

    前日のペース練習が非常に役だった。前半はテンポを抑え、日頃は練習できないうねりの中で水中の手のグリップ力を高めた。中盤ではテンポをやや上げて、フィニッシュまでの水中動作全体を効率化した。後半はテンポをさらに上げて、前日と同じような速いペースを実現した。

    最初は何人かに抜かされたものの、中盤、後半と次第に追い抜く人の数が増えて自分のスピードが上がっていることが実感できた。


    今週は16度の水温でアルカトラズを泳いだが、来週は30度の水温で1日に5種目(3.8km、1.9km、1500m、750mと400m)を泳ぐ。水温が倍違うとどうなるかが興味深い。

    2015年11月6日金曜日

    レース直前に行う効率の良い練習

    米国内で参加する今年最後のオープンウォータースイムイベントが、アルカトラズスイムである。
    今年は人生で最も泳いだ一年であり、オープンウォータースイムの次のような技術を新たに磨き、実践することができた。
    • 潮の流れを判断してまっすぐ泳ぐ技術
    • うねりの中で姿勢を安定させ、前に進む技術
    • 泳ぎ方を変えることで、変化する状況に対応する技術
    • 低温の中で長時間泳ぐ体質と技術
    アルカトラズスイムは2.4kmと距離としては長くはないが、潮の流れが非常に速く、うねりも大きいためコース選定とうねりへの対応、さらに低温(16度程度)対策がポイントである。

    今年はこれまで2回アルカトラズスイム(1回は片道、もう1回は往復)を経験しているので、今回はスピードをどこまで上げることができるか挑戦する。

    ○ペース練習に特化

    普段は90分、5000ヤード泳いでいるが、前日なので30分程度で切り上げたい。そこでテンポトレーナーの新しいモードを使って、スピードアップに特化した新しい練習を試みた。

    これまでテンポトレーナーは、ストロークに合わせて音を鳴らすモード1や、ランニングや自転車で使う1分あたりのビープ数を設定するモード3を使っていたが、ラップで泳ぐ間隔を決めて鳴らすモード2を使う。1ラップを25秒で泳ぎ続けるのであれば、25秒に設定する。

    翌日のレースでの目標は100m1分30秒ペースなので、25mでは22.5秒、25ヤードでは10%カットで20秒となる。そこで以下のように練習した。

    1. 200m@24秒(OK:ビープ音に追いついていた)
    2. 200m@23秒(OK:ビープ音に追いついていた)
    3. 200m@22秒(OK:ビープ音に追いついていた)
    4. 200m@21秒(OK:ビープ音に追いついていた)
    5. 200m@20秒(OK:ビープ音に追いついていた)
    壁を蹴る直前にテンポトレーナーの上のボタンを押してタイミングをリセットし、Garminをスタートさせる。最初はゆっくりなペースなので、壁を蹴ってひとかきするあたりでビープ音が3回聞こえる。この段階では速く泳ぐことが目的ではない。次の順番で意識した。
    • ストローク数を減らす。(14/15~15/16)
    • 水中の手の動きを正確にする。
    • 水上と水中の手の動きをつなげる。
    • ゆるめる場所と時間を増やす。

    ○過去最速ペースを達成

    次にどこまで速いペースで泳げるか試した。ここではビープ音が鳴るまでに壁に着くように速く泳ぐことを意識した。
    1. 100m@19秒(OK:ビープ音に追いついていた)
    2. 100m@19秒(OK:ビープ音に追いついていた)
    3. 100m@18秒(OK:ビープ音に追いついていた)
    4. 100m@17秒(OK:ビープ音に追いついていた)

    19秒ラップの2回目で、泳ぎのモードを変えてストローク数を17/18に上げたところビープ音にラクに追いつくことができた。

    結果(下表参照)として、練習開始時の1分29秒ペースから最後は1分11秒まで上げることができた。これまでテンポピラミッドのテンポ1.0秒付近で1分15秒を出したことがあったが、練習でここまで速く泳げたのは記憶にない。

    ラップタイムを7秒も速くするため、泳ぎ方を変える必要がある。泳ぎ方を変える練習を十分に行ってこそ、このインターバル練習の威力が発揮されると考える。

    なお通常世間で行われるインターバル練習と異なり、休憩時間はほぼラップタイムに固定した。速く泳ぐことで長く休めるという練習に意味はない(再現性が低い)と考えるからである。インターバル練習をするのあれば、ラップタイムをインターバルとして設定する方が効果があると感じた。




    練習後の気分:10(パズルの新しいピースを見つけた)



    2015年10月4日日曜日

    スピードアップのフェーズに入る

    初島熱海横断スイムも終わり、長時間泳ぐスイムは一区切りを迎えた。今年は香港、アルカトラズ、シンガポールと短距離(4km以下)のレースが続くので、スピードアップのための技術を集中的に磨くことにする。

    ○スピードアップの新たなアプローチ

    OWSのスピードアップでは、テンポを1.00秒以下にして泳ぐことを基本として練習してきた。しかしテンポを変化させたピラミッド練習でタイムを計測すると、テンポ1.05秒が最も速くテンポ1.00秒では遅くなってしまう。

    ロットネストではテンポ1.00秒で泳いだが、明らかに空回りしていただけでなくうねりのタイミングにも合わせることができなかった。

    そこでテンポは1.05秒を当面のレーステンポとして、1.10秒~1.05秒で最大の推進力が得られるように水中の手の動きを磨くことにした。

    1)フィニッシュの位置を変える

    熱海で泳いでいるときに、大貫さんからフィニッシュの位置を後ろにした方がよいとアドバイスをもらった。自分としては水中フィニッシュをして一点出水(肘が出る場所から手が出る)をすることで美しく速く泳いでいるつもりであったが、ビデオを詳しく見てみると手で水を押しきっていないことがわかった。

    そこでグアムに移動してからフィニッシュの位置について研究を重ねた。「水を押し切った」と感じるフィニッシュの位置は水面すれすれであり、これまでなら肘を伸ばしたままフィニッシュする(いわゆるジュディ)ことになるかと思ったが、水面フィニッシュのビデオを見ると手が水上に出るときには肘は曲がっていて、水を押し上げてはいなかった。

    水面すれすれでフィニッシュすると、プッシュでかなり押している感じがして手がすごく疲れる。そこで体幹てこを使ってからだの回転に手の動きを連動させることにした。

    2)正しい手の形にすれば「てこ」でほとんど解決できる

    推進力を最大化するために、テンポ1.50秒として極端に少ないストローク数で泳いだ。水中の手を前スカル-中スカル-後スカルの動きにして、力を入れて水を押すと50m30ストロークであった。

    一方入水てこでキャッチして、肘てこでプル、体幹てこでプッシュしてラクに手を動かしても、31ストロークであった。軌跡を伸ばして力ずくで手を動かすのにくらべてはるかにラクでありながら、ストローク数は1しか変わらない。正しい手の形を意識しててこを使うことの重要性が理解できた。


    フィニッシュを下げると、水を押す距離が長くなる。手で押すと疲れるのでいかにてこを使って手を動かすかがポイントになる。これまでの泳ぎと比べると30cmは水を押す距離が伸びており、その分だけ推進力も増えている。これまでプッシュは疲れるので抑えめにしていたが、今後は積極的にプッシュすることでスピードアップを図る。


    ・香港対応練習:3200m

    香港の15kmレースでは5人が最初は20分ずつ、次からは10分ずつで泳ぐ。このため10分間を繰り返し泳ぐ練習として、600m×5、テンポ1.20秒-1.00秒を実施した。

    また次に最小ストローク練習としてテンポ1.50秒で50mプールを30~31ストロークで繰り返し泳ぎ、てこの使い方やフィニッシュの位置、力の入れ具合を調整した。

    練習後の気分:9(キャンプも終わり、リラックスして練習できた)

    2015年9月7日月曜日

    長く泳がないとわからない問題を解決する

    OWS 6.4km (1時間53分)


    水温19°。9月の目標であった海洋公園を5周して、BtoBを含めてサンフランシスコ湾で最も長い時間を泳ぐことができた。

    1~2周目

    体調のせいか、または気候のせいなのか、8月のスイムで感じていた「暖かい」という感覚がなかった。初島熱海を想定してテンポ1.20秒程度でゆるめに泳いでいたことが原因かもしれない。
    今日は潮の流れが強く、気がつくと桟橋の柱まで3mというところまで急接近していた。中間地点までは向かい潮となるので軽いギアを使ったが、なかなかたどりつかない。

    1周して潮の流れがわかった段階で、瞑想スイムを少しずつ取り入れる。潮の流れが単純でうねりがなければ、サイティングしながらも瞑想することは可能なようである。

    3~4周目

    手足がしびれてきて、からだも震えてきた。これは水温14度の5月以来なかったことである。これまでのテンポが遅かったのが原因かもしれないと考えて、テンポを1.05秒程度に上げた。

    これまでの4周泳では、3周目にかなり疲れて4周目は気力で泳いでいた。今回は3周終わった段階で疲れ具合を確認したが、それほど疲れていなかった。寒さはあるものの体力は大丈夫と判断して、キャップにはさんでいたGuを飲んで4周目を泳いだ。

    5周目

    Guの効果は5周目に入ってから表れた。最初はだめだったらブイの並びを泳いで途中で引き返すつもりだったが、4周目よりも気力がかなり上がるのが実感できた。手はかなりしびれていてキャッチがかなり甘くはなっていたが、体力的には問題なかったので5周目を泳ぎきることができた。

    8000ヤード泳の効果

    今回目標を達成できたのは、今週3回行った8000ヤード泳によるところが大きい。
    • 10×800、テンポ1.10~1.25~1.00秒、1~9セットまで抵抗水着着用
    抵抗水着着用の800ヤードタイムは14分30秒と、初島熱海横断スイムのスイムインターバルと同じである。休憩を含めて2時間30分強を泳ぐ。

    長時間泳ぐと、次のような点が泳ぎ始めと比べて望ましい状態でなくなってくる。
    • 意識の集中
    • 正しい型の維持
    • ギアの使い方
    • ゆる締めのタイミングと強度
    • キャッチとプル
    • 入水の加速
    1回の練習で1500を泳いでいた頃は、3000を泳ぐと2000あたりで上記の点が甘くなることがわかった。3000を泳いでいた頃は、5000を泳ぐと4000あたりで甘くなり、5000を泳いでいた頃は、8000を泳ぐと6000あたりで甘くなる。

    このように普段泳ぐ距離の1.2倍~1.5倍で様々な問題が生じ始めるのである。これはランニングで膝やかかとが痛くなったり、ももやふくらはぎが張ったりするのと同じ状況である。

    この問題解決の唯一の方法は、「さらに長く泳ぐ」ことである。3000を何回練習しても、5000で何が起きるかはわからないし、対応することができない。非定期に6000~8000を泳ぐことで、何が起きるか(いつ何が甘くなるか)を観察し、対応することが必要である。

    完泳することが目標であれば、7~8割の距離を1回泳いで観察する程度で十分であろう。すでに完泳はしていて、スピードアップが目標であれば、少なくとも1カ月に1回はレースの距離を泳いで甘くなるポイントを知っておくべきである。

    しかし上記のアプローチは、10km以上のマラソンスイムでは3時間以上を練習に費やすことになり非現実的である。このため1日2回に分けるべきか、他の運動を組み合わせるべきかについて今後検証する。

    2015年8月28日金曜日

    瞑想スイムで集中できる時間を倍にする

    スイム 6200 yds

    日曜日にアルカトラズ往復4.2kmを泳ぎ、1日空けて6000,1400, 6000と泳いで今日も6000超を泳いだ。5000までの練習では通常の練習と大きな違いはないが、6000を泳ぐと様々な問題が発生する。

    ○6000を泳ぐときの問題点

    10×600、テンポ1.10~1.25~0.95秒、究極水着着用で泳ぐ。5本目を過ぎたあたりから脳が腫れてくるのがわかる。それと同時に今泳いでいること以外の考えが次々と頭に浮かぶ。テンポ1.10秒まではフォーカルポイントに合わせて泳げるが、残り3本はテンポに合わせることもできず、ひたすら根性で泳ぐ状態になる。

     もう一つは首の痛みである。顔で水を押すことで首に力が入っているせいか、残り3本では首がかなり張っていた。息継ぎのために顔を回すときに痛みが出る。

     脳の疲れや首の痛みなどで、意識を集中することができず、力任せに泳ぐようになっていた。これでは5時間、6時間泳ぐことができないため問題である。

    ○瞑想スイムを取り入れる

    そこで今日は瞑想スイムを取り入れて、集中力がどのように変わるか観察した。瞑想スイムは以下の手順で行う。
    1. スタートしたらフォーカルポイントを意識して4~6ストローク泳ぐ。
    2. 泳ぎながら目を4分の3閉じる。
    3. ビープ音と音楽に集中する。
    4. 聴覚に集中できた段階で、フォーカルポイントに合った触覚を決めて、水の中で手を感じるかどうか確認する。
    5. 触覚に集中して、正しくできていることを確認したら意識を飛ばす。
    6. 3m手前になったら意識を戻して、ターンする。
     最初は意識を飛ばすのにプールの半分ぐらいまでかかったが、慣れてくると7m程度で意識を飛ばし、「正しい動きを淡々と行う」状態になる。

    ○瞑想スイムの効果

    • 距離が短く感じる。10回中8回のセットで、考えていたよりも多くのラップを途中段階で泳いでいた。短く感じる分つらさも減った。
    • 頭がリラックスできる。これまではテンポが速くなると動作を速くするだけで精一杯であったが、今回は最後まで観察や修正をすることができた。
    • からだがリラックスできる。特定の場所の触覚に集中すると、それ以外の部分でリラックスできることがわかった。疲れにくい泳ぎにすることができる。

    今回は同時に「あごと首の間隔を息継ぎで一定にする」を実施した。首を伸ばした状態で顔を回すので、これまでより早く口が水面上に達する。首の疲れはほとんど起きなかった。

     いろいろ考えながら泳ぐと、脳が働くのは1時間が限界のようである。視覚をほとんどなくし、フォーカルポイントに合った触覚だけをチェックするだけなら、脳への負担は非常に少ない。感覚的には脳の働きは5分の1以下になった。それだけ余裕が増えたため、距離が増えても、テンポが速くなっても対応できるようになった。これで8000はいけそうである。

     OWSではサイティングをしなければならないので、プールのように瞑想することができない。サイティングをしながら瞑想する方法がないか、週末のサンフランシスコ湾のスイムで試すことにする。
     

    2015年8月27日木曜日

    マラソンスイムの準備をする

     9月27日の初島熱海横断スイムまで残り1カ月となった。この1カ月間でどのような練習をすればよいのか仮説を立て、実施する。

    ○初島熱海横断スイムの泳ぎ方

    初島から熱海までの約12kmを泳ぐ(右図の右側から左側へ)。今回は大潮で干満の差が最も大きく、従って潮の流れも一番強くなる。

     出発は8時を予定している。干潮の午前10時半までは引き潮なので、スタートから2時間は南に流されることになる。北北西、場合によっては北の真鶴半島を目標にして泳ぐかもしれない。

     昨年も最初の1時間は苦労しており、今年は時間的にその倍、潮の強さも大潮で大きいことを考えると、チーム泳はかなりのスピードを出すことを覚悟する必要がある。

     そこでチーム泳では次のようなペース配分を設定した。

    1. 1000mのレースのペースで20分泳ぐ(運動強度10中8)+60分休憩
    2. 1000mのレースのペースで15分泳ぐ(運動強度8)+45分休憩
    3. 1500mのレースのペースで15分泳ぐ(運動強度7)+45分休憩
    4. 1500mのレースのペースで15分泳ぐ(運動強度7)+45分休憩
    5. 3000mのレースのペースで15分泳ぐ(運動強度6)+45分休憩
    6. 3000mのレースのペースで15分泳ぐ(運動強度6)

     ここで1500mのペースは1500mのベストタイム÷15、1000mのペースは1500mのペースを5%速くしたもので、3000mのぺーすは1500mのペースを5%遅くしたものである。

    ○ソロスイムの練習内容

    単純に12km泳ぐのであれば、半分の距離の6kmを週3回程度、75%の9kmを週1回やれば安心である。しかし今回はチーム泳とスピードを合わせるため、6時間近く泳ぎ続ける必要がある。また行程の3分の1は強い向かい潮になる。また日本出張後はレッスンもあり泳ぐ時間を確保するのが難しい。

     これらの要因を考えて、以下のように今後1カ月を練習することにした。米国内の練習では基本的に究極抵抗水着を装着して負荷を上げる。

    • 8月23日の週:6000ヤード(5.4km)×3回
    • 8月30日の週:8000ヤード(7.2km)×3回、5kmOWS×1回、6.5kmOWS×1回
    • 9月6日の週:10000ヤード(9km)×3回、6.5kmOWS×1回
    • 9月13日の週:6000ヤード×3回
    • 9月20日の週:60分泳×1回、30分泳×1回
     週5回は泳ぐこととし、上記目標値を泳ぐ日以外は3000~4000程度の軽いメニューにする。

     当初は自転車も取り入れることを考えたが、ここで異なる筋肉がついても困るので水泳のみに集中する。

     6000ヤードをすでに2回実施しているが、1時間を過ぎると頭も体もぼやけてくる。今回の練習中に、2時間意識を集中させたまま泳ぐことができるようにしたい。


    2015年8月24日月曜日

    アルカトラズ島までを往復する


     8月23日にアルカトラズ島往復スイムを泳ぎ、1時間14分で完泳した。8日のレースの反省に基づいて準備をしてきたが、その準備がどのように活かされるかを確認する場となった。

    ○アルカトラズ島往復スイム Touch n' Goとは

    今回のレースは海洋公園からスタートして、アルカトラズ島まで泳ぎ帰ってくるというハードなもので、サンフランシスコ湾のレースとしてはBtoB(ゴールデンゲートブリッジからベイブリッジ、約10km)、アルカトラズ島周回往復スイムに次いで難しいとされている。ただしBtoBは追い潮で泳ぐので距離は長いがスピードは速い。コース取りを考えるとアルカトラズ島往復の方が難しい。

    ○2週間前のアルカトラズ島レースの反省

    最大のミスは「ナビゲーションが不十分であった」ことである。そこで今回は以下を準備・当日の方針とした。
    • 潮位や潮の流れを勉強し、戦略を立てる。
    • 泳ぐときは後方確認して自分の現在位置を知る。
    • 冷静にギアを変えて、速く泳ぐレースペースを作る。

    ○潮位と潮流

    潮位表によると、ゴールデンゲートブリッジの潮位は7:49に満潮を迎える。私が加入したDolphin Clubでは潮位表や潮流表の見方についての詳しい資料を配布しており、それによるとアルカトラズ島では14分遅れ、8:03である。スタート予定時刻から90分を色塗りしている。

     一方潮流表もウェブで調べることができる。下のグラフはアルカトラズ島近辺の潮流予測で、Flood(沖合から内部に流れ込む状態)が次第に減り、8:39にSlack(潮のない状態)になることがわかる。


     潮流は干満の差によって発生するので、このように30分程度のタイムラグがあることが勉強してわかった。以上より、
    • スタート直後は左から右に流れるFloodだが速度は0.5ノットと比較的穏やか。
    • 次第に流れは弱くなり、ゴール近くでSlackになる。
    ということがわかるので、
    • 行きはやや左を目標にする。どの程度左にするかは当日の折り返し船の位置や他の経験者の話で決める。
    • 帰りはほぼまっすぐ。
    という基本戦略を立てた。

    ○スタートから折り返しまで

    参加人数は20名足らずで砂浜からスタート。水温は18度程度。水着で参加。
     海洋公園内では右に流されることは経験上知っているので、左の目標物に合わせて泳いだが左に行きすぎた。いつもより流れが弱かった。

     今回はペースも意識していたので、先頭集団にできるだけ追いつくようにした。水中の手の軌跡をからだに近づけ、スイッチのタイミングを変えることでテンポを上げた。

     海洋公園を出てからは、船が島の中央にあると想定して島の左端を目印にして泳ぐ。10分程度泳いだ段階でやや左に流されていることがわかり、島の中央部左にある貯水塔に目標を変更して右寄りに泳いだ。左から右に流される予想だったが、思っていたよりも流れが小さい。

     その後は5分おきに後方の高層マンション2棟を見て自分が流されていないかどうか確認した。後ろのビルと前の貯水塔を結び、自分がどの程度離れているかを見るとほとんど変わらない。コース通り泳げていることで安心してスピードを上げた。

     島にかなり近づいたものの、折り返し地点近辺にあるはずの船が見あたらず、少しあせる。想定していた場所よりもかなり200m程度左にあったようであるが、この方向修正にかなり手間取った。また島に近づくにつれてこれまでにない冷たさと潮の流れを感じた。局地的に潮の流れが変化することがわかった。ようやく船を見つけてからが非常に長く感じた。船が自分から遠ざかっているよう見えて「船が逃げている!」と思ったが、結果を見ると自分が流されているだけであった。

     ついに船に到着してブイにタッチ。この時点で33分。制限時間が45分で、2週間前のレースでは51分かかっていたので制限時間内に到着できるか非常に不安であったが、余裕で折り返すことができた。

    ○折り返しからゴール

    制限時間内に到着できることは確定したので、まっすぐ泳ぐことにさらに意識を高めることにした。サンフランシスコ側は様々な目標物がある。まずは直線距離で目標物となる2棟の高層マンションを目指す。
     ところがライフガードから右側に向かって泳げと指示が出た。予定ではもう少し時間がかかって潮の流れが弱くなっているはずだったが、予定より早く折り返し地点に到着したので左に流されていたようである。指さす方向を目指して泳いだが、結果を見るとここで右側に寄りすぎたようである。

     その後は3分毎に前後の目標物を見て現在位置を確認した。後方の島の中央部を目標物にしたが、次第に見えにくくなりあいまいになったことは教訓とする。

     想定してコースより50m程度右にふくらんだ状態で海洋公園に入る。この後も流されることを想定して右寄りに泳いだが、実際には流れが弱かったので途中でまっすぐ泳いでゴールした。

     記録は1時間14分、前半2.12kmで33分、100mペース1分33秒、後半2.09kmで41分、100mペース1分56秒、平均ペース1分44秒であった。

     後半は距離が長かったかと思ったが、行きの島付近で流されたことと相殺されて後半の方が距離が短かった。100mペース1分33秒と非常に速いペースで泳げたことは成果であったが、後半は息切れした可能性が高い。

     実際に泳いだコースを2週間前と比較する(左が今回、右が前回)と、明らかに改善されてまっすぐ泳げている。前回のスタートと今回の折り返し地点は異なるが、行きのタイムで18分(35%)、帰りのタイムでも10分(20%)速くなった。より正確なコース取りで、泳ぐ距離が短くなったことが速くなった主な原因である。


    ○今後の課題

    • ペースの配分:後半は前半に比べて24%劣化した。これはライフガードが減り(行きと帰りでばらける)、前後方向確認の頻度を増やしたこともある。ただしテンポが遅くなったことは自覚できたので、テンポが遅くなる前にギアを変えて劣化を抑える必要がある。
    • ライフガードのアドバイスの解釈:ライフガードのアドバイスが「実際に進むべき方向」なのか「目標物にすべき」なのかを判断する必要がある。これまで2回の経験では、「目標にすべき」対象物を指示しており、その方向に進むと行き過ぎることがわかった。自分の泳ぎが潮の流れに強くなっているので、今後はアドバイスの5割程度に方向を弱く修正する。
    • うねりを超えた後の向きの修正:今回は正しいコースを泳いでいる自覚があったので、うねりを超えた後に自分の方向が変わっていることがよくわかった。50cm以上のうねりであればほぼ100%向きが変わる。うねり後には必ずサイティングして方向を確認する必要がある。目標物がなく方向確認ができない伴泳型スイムの場合は要注意である。
    • 潮位表が全てではない:海洋公園内に代表されるように、局地的な潮の流れは発生している。アルカトラズ島付近ではEbb(右から左)の流れがあった。また途中でも何回か想定とは異なる位置に自分がいるときがあった。このときにオーバーリアクションして方向を急に変えるのではなく、潮がどちらに流れているかを確認してから緩い方向転換を行う。目標物自体を変える必要はなさそうである。

    ロットネストの教訓に基づくスイム改造計画はこれで一段落とする。来月は初島熱海横断スイムで5時間を泳ぐので、持久力や持続力を重視した練習に切り替える。

    2015年8月8日土曜日

    アルカトラズ島からの脱出

     8月8日に初めてのアルカトラズスイム「Alcatraz SharkFest」に挑戦し、完泳した。

    ○アルカトラズスイムとは

    サンフランシスコから約2.4kmの距離にあるアルカトラズ島は、かつて刑務所として使われていた。低温であることや潮の流れが非常に速いため、刑務所から脱出してもサンフランシスコには着けないとされ、過去に3人組が脱獄に成功しただけである。

     アルカトラズスイムはアルカトラズ島付近までボートで行き、ボートから飛び降りて水中スタートして海洋公園まで泳ぐ。距離は2.4kmでOWSとしては短距離なのだが、潮の流れが速いため難コースとされている。サンフランシスコ湾で泳ぐスイマーには、登竜門として位置づけられている。

    ○レースのための練習

     40~50分のスイムだが、すでに毎週末に1時間以上サンフランシスコ湾で泳いでいるので低温持久力は問題なかった。

     速い速度を長時間維持するために、究極水着の使用割合を距離ベースで75%まで上げ、セット単位を200から400ydに伸ばした。

    ○レース当日

     このレースには昨年申し込んで、昨年実施するものと思い込んでサンフランシスコに来たら誰もいなかったという苦い思い出がある。

     今回は近くのホテルに前泊して当日を迎えた。朝行ってみるとものすごい人の数である。参加者は1000人以上とサンフランシスコでは最大のスイムレースであった。2艘のフェリーで島の近くまで移動する。

     もう一つ驚いたのはウェットスーツで泳ぐ人の割合である。フェリーの中で見たところ、8割がウェットスーツ着用であった。普段海洋公園で練習しているときは2割程度であり、ウェットを来ていると「おまめ」「初心者」扱いされる。こんな低温の中でも水着で泳ぐのが「アメリカ人の常識」で、泳げないことは劣っていることだと感じていたが、実際には水着で泳ぐのが非常識であることがわかり安心した。

    ○スタート

     船から飛び降りてスタート地点まで泳ぐ。1000人が一斉スタートするので、1艘あたり500人が順番に降りて、その後スタート地点で待つことになる。泳がないで10分程度待つと言われたので、からだが冷えることを恐れて最後尾で降りたが、これが大失敗だった。

     船上からはスタートラインで待つ人達が近くに見えたが、一旦飛び込んで浮上すると方向がわからない。他の人が泳ぐ方向を目指して泳いだが、なかなかスタートラインに着かない。そうこうしているうちにスタートの汽笛が鳴り、スタート地点より前からスタートすることになってしまった(マラソン大会状態)。おそらくこれで3分以上のロスになった。

     1000人が泳いでいるものの最後尾からのスタートだったので、バトルはほとんどなし。逆に考えればかなり広がっている状態を許容しており、今後のナビゲーションで要注意だったのだがそのときはそんなことを考える余裕もなかった。

    ○目標は右なのに左に行けの指示

     当日の潮の状況はフェリー船内で放送されたようであるが、拡声器が故障していて途切れ途切れで何を言っているかわからない。準備資料では向かって左から右に流れるebb currentが強いということで、ゴールはやや左側をめざすように記述されていたのでそのようにして泳いだ。

     ところが8分程度経過したときに、カヤッカーに「もっと左に行け」と言われた。ダウンタウンを通り越してベイブリッジの方向であり、完全に逆方向である。他にも同じ方向に泳ぐ人達がいたので疑問に重いながらベイブリッジを目指す。

     その後はカヤッカーに出会うこともなく10分程度泳いでいたが、さすがにこのままではまずいのではないかと考え、目標物を次第に右寄りにしていった。次のカヤッカーに出会ったときには、かなり右の目標物を目指すように言われたので、このとき初めて後ろを振り返ってアルカトラズ島をみて、自分が相当流されていることがわかり愕然とした。

    ○いろいろな環境を試すチャンス

     この段階でよいタイムを望むことはあきらめて、オープンウォータースイムの実戦練習に意識を切り替える。マラソンスイム・プログラムで作成した8段ギアの作り方を思い出し、環境に合わせてギアを変えて泳いだ。

     小さなうねりではエッジをかけることが大切で、大きなうねりではあわてることなくサイティングするか息継ぎするか次の動きを決める。水温が変化する場所では冷えを防ぐために加速を上げた。

     海洋公園入口の防波堤沿いでは、やっと本来来るべき追い潮状態になりリラックスしながら泳いだ。

    ○結果

     51分で全体の真ん中、エイジグループでも全体の全体の真ん中あたりであった。泳いだ距離は言われていた距離よりも600m長く3kmを超えた。実際の軌跡も下のようにかなり右側にふくらんでいる。正しいナビゲーションができれば10分は縮められたと思うと残念である。




     一方100mペースは1分44秒で、現在の練習ペースと同じであった。後半は練習のつもりで泳いでいたので、普段通り泳げたことになる。

     目標物が遠くのものになればなるほど自分が横に流されてもわかりにくい。後ろの目標物と3点で確認することが大切であることはこれまでも実践し指導してきていたが、1000人のレースということで冷静に対応できなかったことを反省し、次につなげる。

     また潮流の激しい区間を泳ぐときは、潮位表や水流速度表を参考にして自分の泳ぎ方を決める必要があることもわかった。

     来年にもこの大会に参加して、どこまで成長したか確認する。


    2015年7月25日土曜日

    サンフランシスコ湾で周回するときの気持ちとからだの変化を観察する

    OWS 4.5km 80分

    気温63F(17.2C)、水温64.6F(18.1C)

    翌日は昨年参加したサンフランシスコマラソンで駐車場が確保できないため、土曜日のみの練習とした。今回よりアクアティックパーク内3周4.5kmを泳ぐと決め、1周目、2周目、3周目の気持ちやからだの変化について観察した。


    スタート前

    家を出るときは晴れて天気も良く、気温も74F(23.3C)まで上がって「水泳日和だ」とモチベーションが上がる。

    ところが25分程度運転して峠に近づくと霧がかかって気温が下がり始め、峠のトンネルを過ぎた頃には気温は64Fと5度下がる。ベイブリッジを渡りサンフランシスコに入ると霧雨が降り出し、気温は63度まで下がって風も強くなる。観光客はみんな冬の格好である。車を止めて外に出ると地元の冬の状態になる。ここでモチベーションは0になる。

    ドルフィンクラブに入って着替え、ビーチに裸足で入った瞬間にモチベーションはマイナスになり、「私はなぜここに居るのだろう。なぜこんな格好(海パン1枚)でこんな寒いところで泳がなければならないのだろう」と自問が始まる。ちょっとした理由を見つけて帰りたくなる。

    ここで「やればいいんでしょ、やれば」と投げやりな態度でGarminのスタートをボタンを押すことで、泳がざるをえない状況にして泳ぎ始める。これが3月末から続いていて、モチベーションが0またはプラスで泳ぎ始めたことは一度もない。

    1周目

    フラッグ(と呼ばれる目印)までの400mは今日のコンディション(海と自分)を観察するのに最適である。風が強かったせいか、朝にしては小さなうねりが多く発生していた。この小さなうねり(英語でChopと呼ぶ)は要注意である。呼吸時に口のなかに海水が入る原因となる。

    チョップが概ね進行方向とは逆方向に発生していることがわかったので、テンポを上げてエッジをかけて泳ぐ。左側に流されないように、右手を入水してから2割増で体重をかけて姿勢を安定させた。息継ぎのときのからだの回転角を15度加えて、ほとんど上を向くようにして呼吸した。

    フラッグを起点として桟橋の右側を北上するルートでは、普段は右から左に流されるので桟橋から遠ざかるのだが、今日は潮の流れが逆で桟橋に引き寄せられた。桟橋の太い木の柱まで5mまで近づいてしまい、恐怖を感じた。桟橋沿いを目標にするのを諦めて、桟橋の突端の建物に向かって右方向に泳いだ。

    海洋公園の出口となる中間地点では、相変わらず大きなうねりがランダムに発生している。6ビートキックで下半身を安定させてから、入水てこを使ってうねりに流されないようにした。

    普段はこの中間地点からドルフィンクラブの桟橋までまっすぐ泳ぐのだが、距離を伸ばすためにHyde Street Pierの先端にあるブイまで泳ぎ、Uターンして1番ブイを目指すことにした。防波堤を右に見ながら泳ぐが、防波堤を過ぎると途端にピアに向かう流れが発生する。ただし先週のような強烈な潮の流れはなく、30度程度の修正角でまっすぐ泳ぐことができた。クラブの桟橋に近づくと帰りたくなるので、1番ブイを直接めざして泳いだ。

    なお呼吸時に海水を飲むのは慣れたが、そのあとのゲップを出すときの苦しさは今だに慣れない。立ち止まればすぐに出すことができるが、泳ぎながらだと息継ぎをしなければならないのでそのタイミングが難しい。泳ぎながら少しずつ出せるようになったが、ものすごくストレスが溜まる。

    2周目

    状況としては1周目と同じであった。ただし1周25分泳いだ段階で、かなりの疲れを感じた。疲労感としては、プールの1500mの6割増しであろうか。前日は大会で1500mと前後に合計500m程度泳いだだけなので、前日の疲れは考えにくい。

    水温が低いこと、潮の流れやうねりに対応しなければならないことが、プールの泳ぎよりも疲れやすくなる原因であろう。プール練習はこの点を考慮に入れて、同程度の疲労が感じられるまで泳ぐ距離を伸ばす必要がある。

    桟橋からの距離を30m程度まで広げながら、中間地点まで泳ぐ。体内の暖炉(コア温度計)をチェックしたところ、すこし火が弱まっていたのでテンポを上げて泳いだ。ピアの先端のブイからは、1周目と同じように一番高いビルを目指して泳ぎ、係留されている船につながった鉄製のブイ状のものにぶつからないように注意した。

    1周目で疲れを感じたため、2周目は泳ぎを大きく変化はさせずに、できるだけ同じようなテンポ、同じような水中の手の軌跡を意識して疲れを減らすことができた。

    3周目

    2周目終了時点で自分のからだや残り時間(駐車場の時間)を考えて、3周目もできると判断して続けて泳いだ。2周目に比べて疲労感が増えただけでなく、水中の手の動きも甘くなっていることがわかった。

    前回のBtoB10kmで左手首がほとんど麻痺状態だったことを思い出して、キャッチの型を作ったら、手首には力をいれずにからだの回転で手を後方に動かすようにした。てこの原理である。これが巡航速度で泳ぐときの泳ぎ方になる。

    桟橋沿いを北上するときは気力がかなり減っていたが、前方からやってきた2人組のご婦人達にはげまされてがんばれるようになった。この方達とは2周目のときに少し会話をしていたので、先方も覚えていた。ランニングでもそうだが、出会ったときに軽い挨拶をすると元気がもらえてうれしい。
    (日本で走っているときはこちらが挨拶してもみんなに無視されてガッカリした)

    中間地点をすぎたころから寒さが強くなっていたが、1周目、2周目と同じようにピア先端のブイまで回り道をして泳ぐことができた。泳ぎの力強さが減ったことで、潮の流れにより鋼鉄ブイまで2mの距離まで接近して一瞬パニックになったが、テンポを上げ、エッジをかけることで衝突を回避した。

    最後はリラックスして泳いだが、そうするとたちどころに左に流される。もともと流されてスタート地点に戻ろうとしたので問題はなかったが、まっすぐ泳ぎたいときは力のゆる締めを意識し続けないとならない。


    終わってみたら襟足がまたこすれて皮膚が変色していた。サイティングが原因であることは明らかで、ネオプレンのサーマルキャップが皮膚とこすれたか、単純に首の皮がたるんでこすれたかは不明である。水着がなくてもテーピングしないとならない。



    練習後の気分:9(モチベーションマイナス状態で3周できた)




    2015年7月24日金曜日

    自己ベストを13年間出し続ける

    マスターズ 長水路大会 1500m自由形


    昨年から泳ぎを定期的に確認するため、マスターズの大会に再び出ることにした。ロットネストが終わるまではクロールの長距離(1500mまたは1650ヤード)のみ参加することにしている。

    結果は22分55秒35で、昨年の22分58秒36よりも3秒速く、自己ベストを出すことができた。これでマスターズ大会に参加し始めてから13年間、出場する大会で必ず自己ベストを出している。45歳を過ぎてからは体力や筋力に衰えを感じているので、テクニックと戦略でカバーすることができる1500mは適している反面、一種目しか参加しないので自己ベストを出し続けることが難しい。

    今回ベストが出た理由としては、以下が考えられる。

    1)ラップ数を正確に数えることができた

    一人で参加しているので、ラップカウンタ(数字の表示されたボード)を出してくれる人もいない。また最終50mの鐘はトップの人にしか鳴らしてくれないので、20mも離れていると聞こえない。これまで50mプールで1回、25ヤードプールで1回数え間違えて長く泳いだ他、スパートをかけようと思ったら終わりだったことも何回かある。

    今回は4つの道具を順番に使い、さらにバリエーション化することでラップ数を数えることに集中した。1)エッジをかける、2)入水てこ、3)水中の肘の角度、4)フィニッシュてこの4つの道具を、100m毎に変えながら泳いだ。

    またこの400mのセットを、1)2ビート、2)6ビート、3)2ビートで泳いで1200mとし、この段階でペースを上げて50mずつの200mのセットを1回、最後にラストスパートで100mとした。

    リハーサルとして、プールの長さは25ydと短いものの、ラップ数と道具のサイクルを同じにして750ydを泳ぐ練習を今週2回行った。この予行演習が奏功して、ラップ数を冷静に数えることができた。

    2)究極抵抗水着で持続力が向上した

    以下のグラフは昨年の長水路の結果と比較したものである。昨年はスピードが次第に下がっていることが自分でもわかっていて対応できなかったが、今回はスピードが落ちていないことが実感できた。劣化率の推移を比べると、今日の泳ぎの方が一定していることがわかる。なお今回の方が第1ラップが1.3秒速いため、残りのラップの劣化率は高止まりしている。


    この大きな原因は、究極抵抗水着による練習である。限られた時間の中で練習量を増やすために、練習時間の4割程度を究極抵抗水着による練習に割り当てた。泳いでいて遅くなるのはもちろんだが、水着をはずしたときに前のめり感が大幅に増える。ただし感覚で得られるほどスピードには反映しなかった(短距離では劇的には速くならない)ので、フォームと感覚の練習として位置づけていた。

    実際に本番で泳いでみると、究極抵抗水着の効果は持続力に現れることがわかった。距離を泳いでもフォームが崩れにくくなることが原因であろう。

    3)テンポを上げるよりもストローク数を減らすアプローチ

    今週になってから、加速感を上げるためにストロークピラミッド+後半テンポ組み込みの練習を行った。よい結果が得られたので、今日はレース直前のウォームアップで同じことを行った。
    10ストロークまで下げてから13ストロークまで上げ、次にテンポを1.10秒で13ストロークを維持し、テンポを1.00秒まで上げて13ストロークを維持した。

    この8分後にはスタートできたので、ウォームアップの感覚がそのまま使えて最初の200mで2秒速くなった。

    次にカイゼンすべきポイントは以下の通りである。

    1. ストローク数を数え続けることができなかった。第1ラップ37ストローク、次に40ストロークを数ラップ維持した後で42ストロークとなった。4つの道具の2セット目に入ったことからストローク数が数えられなくなり(ラップ数を優先したため)、それと共に0.5秒程度の遅延が発生している。おそらくテンポが落ちて、ストローク数も増えたのであろう。42を維持していれば8秒は速くなる。
    2. 残り300のスパートがかけられなかった。ラップ数を正確に数えることができ、残り300mもわかっていて、自分としてはスピードを上げたつもりだった。実際には残り200-100mで1秒遅くなっており、スパートしていなかった。
    3. 全ての力を使い切ることができなかった。これが一番問題であるが、終わった後もう1本できる感じであった。マラソンスイムの練習をしすぎていて、からだが無意識的に常に余力を残そうとしている。終わった後に完全燃焼するためにどうすればよいのか、今後の練習に取り入れる。

    8月はアルカトラズ片道、アルカトラズ往復のレースがあり、さらに9月は初島熱海がある。スピードもそうであるが、低温で長時間泳ぐ練習、さらに5時間泳ぐ体力をつける練習に今後シフトする。



    2015年7月21日火曜日

    ゆっくり泳げば速く泳げる

    スイム 2200yds (30分)


    大会が近づいているので練習内容を量から質に変更した。

    ストロークピラミッド 100×(12+4)

    加速感が足らないと感じていたので、加速感を速攻で上げるためにストローク数を極限まで減らす「ローストロークピラミッド」を行った。

    最初は15/16(第1ラップは15、残りのラップは16)からスタートして徐々にストローク数を減らし、最終的に9/10まで減らすことができた。テンポトレーナーは使わず、加速を上げることで10ストロークを維持した。

    そこからは1ストロークずつ増やして13/14まで上げた。このストローク数がターゲットストローク数であったので、そこでテンポトレーナーを1.10に設定して2本泳ぎ、13/14を維持した。また1.05に上げて14/15で泳いだ。

    タイムの変化を見ると、ピラミッドスタート時15/16では1分32秒、9/10で1分38秒、13/14まで上げて1分22秒となり、テンポトレーナー導入後は1分18秒、17秒、15秒、15秒となった。これまでの練習では、単純なテンポピラミッドでも1.00秒でここまでペースアップすることはできなかった。1分15秒は今年になってから最速のペースである。

    このようにストローク数を減らして超ゆっくり泳ぐことで加速の力が身につけられる。あとはストローク数を増やしながら目標ペースを実現するストローク数まで上げ、その後にテンポトレーナーを使ってストローク数を速いテンポで維持すると、加速感を一気に引き上げることができる。

    このペースで1500続けられるとは思わないが、加速を維持するための筋肉の使い方はわかった。長く(1時間以上)泳ぐときの泳ぎ方とは変えなければならないことを再認識した。


    練習後の気分:8(狙い通りの効率の良い練習ができた)

    2015年7月19日日曜日

    流されるときの泳ぎ方

    スイム 50分 2.6km 水温64.2F (17.8C)


    今週水曜日にドルフィンクラブのメンバーになった。SF湾で泳ぐにはシャワーやサウナが必須であり、これまではビジターとして施設を利用していた。今後は訪問頻度を高めることができる。特に日曜日に泳げるのは大きなメリットである。路上のパーキングスポットも驚くほど空いていた。

    今週金曜日に1500mの大会を控え、また午後にSteartのワークショップにゲスト参加することもあり、公園内2周で切り上げた。コンディションはこれまでのベストで、風もなく、うねりもなく、太陽も出ていて水温も高かった。

    公園内を時計回りで泳ぐと、最後の4分の1が大きく流される。ただ浮いていると30秒で15mは流されるようである。やや流されているときはエッジをかけるだけでほとんど対応できるが、ここまで流されると追加の対応が必要になる。

    1周目:ドルフィンクラブの桟橋を目指して泳ぐが、左に流されるので30m程度右側の建物の白壁を目標にして泳ぐ。泳いでいてからだが斜めになる感覚があるほど強い流れで、結局15m程度左にふくらんでしまった。

    2周目:今度は桟橋に対して45度の角度にある高いビルを目指して泳ぐ。300mを泳ぐときに、目標から100m右を目指して泳ぐ感じである。40ストローク毎に立ち止まって、後のブイと桟橋と自分の位置を確認した。スタート地点のブイからまっすぐ泳いでれば、ブイ-自分-桟橋は一直線になる。自分の位置がずれていればそれだけ流されてしまったことになる。

    このように3点観測を定期的に行った結果、桟橋の50m手前まではまっすぐ泳げていることがわかった。45度は完全に斜めの方向であったが、自分のからだが斜めに感じることはなく、自然に直進することができたようである。

    8月のアルカトラズではさらに強い潮の流れが想定される。目標自体を大きく変えることで、結果として流されずに直進で移動することがわかったのは大きな収穫であった。

    着替えた後にクラブの2階から泳いでいる人達を見ていたが、前に進むよりも横に流されるスピードの方が速く、誰もが流されていた。ただ最終的にこの流れは緩和されるようで、桟橋に近くなると前進する割合がどんどん増えてたどりつく状態であった。

    今週末より土日に泳ぐようにして、さらに2周を3周に増やす。


    練習後の気分:8(50分程度なら震えも起きないようだ)


    2015年7月14日火曜日

    加速を染み込ませる練習

    スイム 5000yds(90分)


    日曜日の10kmスイムでは、襟元にバンドエイド、さらにKTテープを貼って臨んだものの、先週の擦り傷の治りかけが新しい擦り傷になってしまった。これはオーストラリアで体験しているが、やはり痛い。水温は16度あれば下だけの水着でも60分は問題なさそうである。来月のアルカトラズスイムまで何回か海で泳ぐ機会を作り、水着だけで90分いられるか実験してみる。

    プール練習のコンセプト

    長水路1500mを来週に控えているので、泳ぐ量を確保しながら加速を染み込ませる練習にする。
    具体的には、
    • 究極抵抗水着を使ったフォーミング練習:2km
    • テンポ一定でストローク数を維持するディスタンスピラミッド
    • テンポ一定で途中で加速する加速インターバル
    • 加速感を維持しながらのロング

    200yds×10@1.10秒-1.25秒-0.95秒+究極抵抗水着

    フォーミング練習としてテンポピラミッドを実施。得たい感覚が得にくい状況の中で、フォームを変えながら感覚を引き出す練習である。

    1. 正しい入水位置と角度で入水からエッジをかける
    2. 入水のてこを使って入水を加速する
    3. 胸の下の手の水中動作において、肘の角度を維持してからだの下を通るようにする
    4. 前で手を伸ばす動作をてこにして後で水を切ってフィニッシュ
    を50ydsずつ意識したが、世界記録並のスピードで泳いだ日曜日以来ということもあり、「全く」前に進まない。まず12で前のめり感と安定感を上げてから、34で水抱え感と加速感を上げるようにしたところ、後半は水に乗る感覚が増加した。

    1000yds(100, 200, 300, 400)×2@1.10秒、1.05秒

    16ストローク維持(最初は15ストローク)でディスタンスピラミッド。無理に加速するのではなく、ラクに16ストローク維持できるように上記1~4を強調して加速した。

    100yds(N, N-1, easy, easy)×5@1.00秒

    1ラップ目は普通に泳ぎ、2ラップ目は1ラップ目よりストローク数を減らす加速インターバル練習。最初はN-2でやろうかと思ったがN-1で妥協。本数を重ねるにつれてラクにN-1が達成できるようになってきた。

    500yds(N+1)@1.00秒

    気分的には加速インターバルで練習終了にして、イージーペースで100泳いで終わろうとしたところ17ストロークでラクに泳げることがわかったので、どのくらい維持できるかやってみた。結果としては450ydsまで17ストロークでラクに泳げた。

    今回の練習では、
    • フォーミング練習で感覚と動作をつなげる
    • ディスタンスピラミッドで加速の持続力を上げる
    • 加速インターバルで加速のスイッチを入れるタイミングを作る
    • ロングで加速の感覚が維持できることを確認する
    という流れで、加速を染み込ませることができるようになった。

    練習後の気分:9(途中でやめようかと思ったが90分練習できた。首が痛い)

      2015年7月12日日曜日

      10km を100分で泳ぐ

      Bridge to Bridge 10 km Swim


      Water World Swimが主催するイベント「Bridge to Bridge 10km」に参加した。

      これはサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジからベイブリッジまでの約10kmを泳ぐもので、レースではなくタイムや順位のつかないFun Swimとして位置づけられている。サンフランシスコ湾では長距離のスイムとなるので、秋に開催されるレース形式の同種イベントや、来年のドーバー海峡横断に挑戦する人達、さらにアルカトラズスイムを複数回経験している熟練者達20名弱が参加した。中には12歳と10歳ぐらいの小さな姉妹が参加していて、「本当にできるの?」と疑問に思ったが、アルカトラズスイムを11回と8回経験していると聞いて恐れ入った。


      実際に泳いだコース

      ゴールデンゲートブリッジはサンフランシスコの北側に位置し、太平洋の入口に近い。従って上げ潮のときには西から東側にあるベイブリッジまでは強烈な潮の流れが発生する。通常であれば3時間半かかる10kmのスイムを、この潮の流れを使って2時間弱で泳ぎ切る。

      前半4分の1:アルカトラズを目指す

      船でゴールデンゲートブリッジまで行き、そこからスタートするのであるが、下から見上げるブリッジのすごさに圧倒された。23年ベイエリアに住んでいるが下から見るのは初めてであった。

      ブリッジからそのまま海岸沿いには泳げない。ゴールデンゲートパーク北側に、巻き込む流れがあり前に進めなくなるのである。このため前半4分の1はアルカトラズを目指して泳ぐ。最初は船の往来に伴う大きなうねりがあり苦労したが、エッジをかけることで安定して前に進むことができた。

      中盤まで:トランスアメリカビルを目指す

      アルカトラズに随分近づいたけど、このまま行っていいのかと思っていたら、先頭集団がコーチのボートに停められていた。私もその集団に追いついたとき、「これから方向を変える。トランスアメリカビル(角錐型のビル)を目指せ」と言われた。本来はその手前でアクアティックパークに100ヤード近くまで接近しなければならなかったのだが、実際には潮の流れで離れてしまったようだ。

      フェリーの往来もあり、ここまでが最もコンディションが悪かった。大きなうねりが四方八方から押し寄せる感じで、ロットネストの悪夢を思い出した。しかし当時と今では練習量も経験も異なる。スイッチのタイミングをずらしてテンポを上げると共に、入水の加速を上げることでうねりに強いモードに変えて泳いだ。

      中盤~4分の3まで:ピア沿いに平行移動

      当初はアクアティックパークに近い桟橋まで接近してからピア沿いに泳ぐはずだったが、近づいた番号を見たら39だった。ピア39は観光名所として有名で、野生のアザラシが多数生息する。

      泳ぎながらピアの壁を見ると、自分が前に平行移動しているのがよくわかる。何もしなくても1秒で自分の身長は動いているようである。あまりにも気分が良く、見物している人に思わず手を振ってしまった。自分の頭の中ではピア39は3分の2まで達しており、このままで行けば楽勝と思っていた。

      勝手に前に進むので、スイッチのタイミングを変えてテンポを落とし、水中の軌跡を維持しながらラクに手が動くように調整した。

      後半4分の1:流れが強く最もきつい

      ピア39のときにすでにベイブリッジの第1タワーは見えており、もうすぐだと思っていた。ところが残り4分の1になってからが、なかなか近づいてこない。ついにはブイが見えたが、サイティングするたびに右側に移動している(=自分が左に流されている)。以下のような段階で方向を修正した。
      1. 右側の入水場所を5cm外側にする→効き目なし
      2. 右手の伸ばす方向を10cm外側にしてエッジをかける→効き目なし
      3. 左手の入水場所を中央より右側にして、ブイをクロスするように入水する→やっと効き目出る
      この時点で目標物もブイから50m右にある建物に修正し、なんとかグループの一番右側で泳ぐことができた。他の人達はかなり外側に流されたので、結果として私が先頭集団に再び追いつくことができた。

      100分余りでゴール。ゴールの目印は船上にあるブイで、船にタッチしてゴールというのが変わっていた。

      寒さ、疲れ、給水

      水温は華氏62度(摂氏16.7度)で、この時期としては普通である。3月末より毎週1回SF湾で泳いでいた成果が出て、後半少し震えた程度で寒いと感じることはなかった。摂氏12度のときは入水時に全身を刺すような痛みが発生したが、今回船から飛び込んでも何ともなかった。

      また前日ホテルにチェックインしてから、水着(ラッシュガードなし)で軽く泳いだのが良かった。水温は65度近かったが、うねりも適度あり、潮の流れは相変わらず速かったのでよい予行演習になった。

      疲れについては左手の手首の感覚が薄くなっていた。入水時に手を緊張させすぎているようで、ビデオを見てもそれがわかる。今週から修正する。また今回100分を泳いだが、80分ぐらいから疲れが顕著になっていた。普段の練習で80分ぐらいしか泳いでないことが原因であり、5時間泳ぐ初島熱海を考えると、練習時間を伸ばすか、1日2回練習する必要がある。

      給水については今回水筒ブイを持参して泳いだ。水筒として吸い込みタイプのソフトフラスクを用意し、水中での給水を試みようとしたが、結局給水休みすることなくゴールしてしまった。普段より素早い給水ができるように練習する必要がある。


      100m世界記録を上回るスピード

      平均速度は100mあたり1分3秒で、非常に速かった。速度の変化を見ると、100mの世界記録である46秒91を上回るスピードで泳いでいるときもあり、全体として普段の4割速い速度であった。

      泳いでいるときはそれほど速いとは実感しなかったが、中盤で振り返って霧のかかったゴールデンゲートブリッジが見えて、もうここまで来たのかと思った。




      以下がロンドン五輪10kmマラソンスイムのタイムである。私は彼らより速かったことになる。

      Oussama MELLOULI TUN 1:49:55.1
      Thomas LURZ GER 1:49:58.5
      Richard WEINBERGER CAN 1:50:00.3

      経験値が上がった今回のスイム

      低温、非常に強い潮の流れ、船が通る度に発生する大きく複雑なうねり、刻々と変わる目標物など、オープンウォータースイムで発生する全てのことが一度に体験できるという、非常にお得なスイムであった。

      これからアルカトラズスイム(去年勘違いして申し込んだ分)やアルカトラズ往復、さらに初島熱海を控えているので、さらに精進して自分の泳ぎを確立する。


      スイム後の気分:10(とても満足)



      スイム終了後の帰りの船から(ベイブリッジ)


      ゴール後にStuart McDaugal TIコーチと


      2015年7月8日水曜日

      キックに関する考察

      ●6ビートを検討することになったきっかけ

      これまでバタ足は疲れるものとして2ビートキックを磨き、スナップ型のキック(フリックスタイル、別名「Shinji-style」)を生み出した。ムチがしなるように素早く足を動かし、動かした後にホームポジションに戻すことで抵抗を減らすスナップ型のキックは、この10年で地位を確立したと言える。

      しかしスナップ型のキックの振幅を抑えたまま(かかとを上げずに)からだの回転動作につなげようとすると、ひざと足首をひねる動作が加わり、足がつる原因になる。足がつるのを恐れてキックをしないと、海ではうねりに負けてしまう。

      ロットネストでうねりに翻弄されている自分の泳ぎを見たことで、うねりの中でもからだを安定させる6ビートキックの必要性を感じた。

      ●2ビートキック学習の弊害

      2ビートキックは手の入水動作(あるいは水中のプル動作)に合わせて足を動かすだけなので、回数も少なくカンタンで取り組みやすいとの印象を与える。

      しかしバタ足が苦手でスケーティングキックやスイングスケートを練習していないと、2ビートのときの足の動かし方が陸上と同じ「蹴る動作」となり、かかとを引き上げることで水の抵抗が急激に増えるだけでなく、前後左右のバランスも悪くなる。この結果足の甲だけでなく足のすねも使って水を下に押す動きとなり、上下動も大きくなる。

      2ビートキックでバランスが崩れる場合、まず6ビートで下半身を安定させることが優先される。このように指導上の観点からも6ビートを導入する必要性を感じていた。

      ●水中の足の動作の本質

      バタ足=6ビートキック(厳密に言えば違う部分がある)を学ぶにあたり、最初に使ったのが小さなフィンである。足の周囲を3cm程度大きくするもので、推進力を強化する用途ではない。しかもゴムが頻繁に外れるので、思い切って足を動かすことができない。

      このフィンを使っているうちに、「足の甲で水を支える」感覚がわかってきた。これは水中の手の初動と同じである。足の甲で水を支え、それをてこにして膝を曲げ伸ばしすると、非常にラクに足を動かすことがわかった。

      このような足の動かし方がわかると、フィンを外しても「スカスカ」にはならない。足はその場にとどまっているだけなので、フィンがなくてもとどまることができる。ひざを曲げ伸ばしすると「結果として」足の甲で水を押すことができるようになる。

      さらにアンクルストラップで足首を固定させると、足の動作の本質が見えてきた。足首が支点となる「てこ」の動きである。従って足首は動かない。アンクルストラップで足首がしばられていても、キックができることがわかった。最初は足の甲を力点にしていたが、ひざを伸ばす動作を力点にすることで足の甲で水が押せることもわかった。ひざから足首までの距離が長いので、ひざに小さな力を加えることで足の甲で大きな力を生み出すことができる。

      ●2時間続けられる6ビートキックを目指して

      ひざの曲げ伸ばしだけを使えばラクな6ビートができる。しかし蹴ることを意識したり、あわてて足を動かすとひざが曲がったままになったり、伸びたままになったりする。同じ時期に自転車を始めたこともあり、腰の使い方でひざをリードできないか考えたところ、腸腰筋を進行方向に引っ張るとひざが曲がることがわかった。今度は腰が支点となる「てこ」の動きである。骨盤を進行方向にゆらすことで腸腰筋が動き、結果としてひざも曲がる。曲がったひざは素早く伸ばすことだけを意識すれば足の力をほとんど使わずに6ビートができる。

      このように腰-ひざ-足首の連携により、ラクで長時間続けられる6ビートキックが完成した。このキックの主目的は下半身を上げて安定させることである。ウェットスーツを着用してもともと足が上がっているときでも、うねりに負けないエッジを効かせた姿勢を維持するためにこのキックが必要になる。なお競泳のキックのように、このキック単体による推進力は期待していないが、そのようなモードも研究すれば対応可能であろう。

      これまでの最長実施時間は3時間である。2ビートキックでは1時間程度で足がつっていたが、2時間半までは足をつらないでキックすることができた。また足がつりそうになっても6ビートであれば動作をゆるくして続けることができるのもメリットである。時間は1時間程度であるが低温スイムでは威力を発揮している。



      ●6ビートキックと2ビートキックの使い分け

      2ビートのメリットは、
      • 足を動かす回数が少ない。
      • 足とからだと手の動作をつなげやすい。
      • 力を入れるタイミングがわかりやすい。
      である。6ビートキックを磨く過程で2ビートキックの足の動かし方もカイゼンしたので、今では場面に応じて使い分けている。
      • うねりのないプールでは2ビートのみも可能。ただし加速のために力を入れようとすると足に負担がかかるので、息継ぎ後の入水など力を入れがちな場面であえて6ビートを瞬間的に入れて力を分散している。
      • 低温スイムでは間違いなく6ビート。
      • うねりの少ない暖かい海では2ビート。潮の流れが強くなり、エッジをかける必要が出てきたときに6ビートに切り替える。
      • うねりやチョップのある海では6ビート。
      • 6ビートを連続して使用する場合、時々2ビートにして力を入れるタイミングを確認し、6ビートにアクセントを付けるようにする。
      これまでは2ビートキックの蹴り幅の極小化を目指していたが、キックの目的が多様化したことで2ビートも6ビートも使いこなせるようになった。今後は9時間まで延長できるように、さらに6ビートの効率化を目指すとともに、2ビートも磨きをかける。




      2015年7月4日土曜日

      32度の海から16度の海へ

      スイム 85分

      サンフランシスコのBridge to Bridge (15km)を翌週に控え、サンフランシスコ湾で練習した。
      グアムでは32度(場所によってはそれ以上)の高温で悩まされたが、水温半分のサンフランシスコでどのようになるのか心配であった。

      気温:16度、水温:16度

      これまではラッシュガードを着用していたが、今回は翌週使用する水着(バイオラバースイム)を着用した。グアムの半分の水温ということで3月末のようなパニック状態になるかと思ったが、前回サンフランシスコで泳いだときよりも4度近く高かったこともあり、2分半で通常モードに戻った。場所によっては「暖かい」と感じる場所もあり、グアムでの高温スイムの影響はほとんどなかった。

      むしろグアムで泳ぎこんだ成果か、スイッチのタイミングを変えて水中軌跡を浅くすることで速いテンポにすぐにシフトアップすることができた。ゆっくり泳ぐ、速く泳ぐを繰り返すことで運動強度の状態も確認することができた。

      ラッシュガード+ロングジョン水着に比べて、バイオラバースイムは確実に保温効果が高い。給水時に姿勢を変えるときに、暖かい水が体の表面を流れるのを感じた。水が逃げずに温まっている証拠である。背中のファスナーを締めたときにテーピングした位置から水着が動いたため、首回りに擦過傷ができてしまったが、今後は首も含めて(サイティングで水着に接触して擦り傷になった)テーピングする。

      スイムエリアの2周目から潮の流れが強くなり、水筒ブイにつかまっていると1秒間に2m程度移動するぐらい急流になった。小さなブイが設置されていたのでブイ沿いに泳ごうとしたが、右から左に素早く流されてなかなかブイ沿いに泳げない。進行方向に対して60度程度からだを傾けてようやくブイの右側においつく状態である。

      グアムでも経験したが、非常に強い横向きの流れではブイを目指して泳げない。ブイから離れた場所を目印にして、からだを傾けながら泳ぐことになる。潮の流れを感じて目標をずらす技術を磨く必要がある。

      2周した後に直線コースを往復して終了した。時間は85分と過去最長であったが、足がつることもなく(限りなくつりそうになった瞬間はあったが)、寒さに震えることもなく泳ぐことができた。終わった後もそれほど震えずに済んだ。これまでより4度高いだけで大きな違いである。

      次回はレース前日に夕方軽く泳ぎ、レース当日を迎える。ボートスタート、ボートゴールなのでどのような手順になるか不明だが、なるようにしかならないので出来る限りの準備をする。




      2015年7月1日水曜日

      2週間で50kmを泳いだグアムキャンプ

      先月のグアムでの滞在は非常に充実したものになった。今回は日本語キャンプ、自分の練習、韓国語キャンプ、自分の練習と限られた時間を効率良く使って泳ぐことができた。

      前回のキャンプでは39度の熱を出してお客様にも迷惑をかけてしまった(それでも1日6km以上泳いでいたが)ため、今回は気合いを入れてキャンプに臨んだ。

      ○日本語キャンプ

      リピートの方8名様、新規の方5名様という構成で、近年では新規の方が多かった。

      3月から練習してきた「エッジをかける」「疲れない6ビート」「スイッチのタイミングを変えることによるテンポのコントロール」「スカリングに基づく水中動作」などのOWS向け技術をお客様に提供する初めての機会であった。一度にマスターするには難しい技術を、単純な動作で構成することで誰もが理解し、習得できるようにした。

      特に6ビートは新鮮だったようで、力の入った2ビートよりもリラックスした6ビートの方が足が浮くことや、下半身が安定するため上半身の推進力を増やすことができることを理解し納得して頂けた。

      また水中の手の動きについても、肘の角度を維持しながら「かかずに」リラックスして素早く動かす方が加速が上がることも理解して頂けた。

      これまでの6月のキャンプよりも泳いだ距離はかなり増えたが、みなさんラクにこなしていたのが印象的であった。

      ○韓国語キャンプ

      韓国TIコーチの安さんの尽力により、韓国語のキャンプを当初より1年早く実現することができた。参加者はコーチ、通訳を含め10名で、最初のキャンプとして丁度よい規模であった。

      これまで韓国で行ったワークショップやコーチ研修とは異なり、私がディレクターとなって全ての管理をする必要があったが、多少の民族性の違いを除いてはみなさん熱心に、かつ非常に協力的であったのでスムーズに運営することができた。

      潮位の関係でOWSセッションを午後4時から開催することになり、朝行うプールセッションとの合間に長い空き時間が発生した。この時間を使ってプール練習することができたのは大きい。

      最終日は午前中のプールセッションで終了する予定であったが、全員深夜に出発ということで急遽夕方に4kmOWSを実施した。潮の流れが強かったもののOWS初心者も含めて全員完泳した。

      ○自己練習

      朝の5kmランは体重増のため1回目は2番目の上り坂、2回目は3番目の坂でリタイア(歩きに変更)した。

      去年フルマラソンに備えて練習していたときには2周完走していたことを思い出し、3回目は上り坂でひざを伸ばすために筋肉を使ったところ完走できた。4回目もきついながら完走できた。

      スイムについては量と質の両方を狙うことにした。量については毎日6~7kmを泳ぐことにし、質についてはテンポ1.0秒で40ストロークを目標にした。

      • OWSでは4km泳を2回実施した(うち1回はソロ、1回は韓国語キャンプ)。前半は比較的穏やかであるが、パシフィックスターホテルからの折り返し後500m程度は潮の流れと風向きが異なるため強いチョップが発生した。うねりというほどではないがエッジをかけて6ビートで泳ぐことで姿勢を安定させることができた。
      • プールでは3~4km程度を毎日泳ぎ、中間のメインとして50×100m(2分インターバル)、最終日のメインとして10×1000m(レスト45秒)を行った。100m泳の平均タイムは1分45秒で、レストは15秒であった。前の泳ぎを反省し、次の泳ぎの目標を定めるためには15秒が必要である。従ってディセンディングを意識した泳ぎを続ける(結果としてタイム一定にする)ためにはインターバルとして2分を要する。
      • 質についてはストローク数を減らす練習をまず行い、32~34ストロークで長距離を泳げるようにした。次にテンポトレーナーを使って1.20秒から次第に速くしていったが、ストローク数の増加はできるだけ抑えた。その結果50mではテンポ1.0秒で36ストロークを達成した。100mでは80ストローク未満として目標ペース1分30秒を達成した。
      結果としてグアム滞在2週間で約50kmを泳ぐことができた。レッスン後にプールで朝3km泳いでから海で夕方4km泳ぐのはなかなかつらいものであるが、天候もよく天敵の魚もおとなしかったので無事泳ぐことができた。

      ○日本代表と泳ぐ

      後半からは日本代表の合宿と重なり、メダリストの練習風景を観察することができた。1日2回、1回2時間程度練習するので泳ぐ距離は1日10kmを超えるのであろう。ゆっくりしたテンポ(1.1~1.2秒)で長く泳いでいるのが印象的であった。スプリント練習やインターバル練習も午前中はほとんど行っておらず、コーチと泳ぎを確認することが中心であった。かなりきつい練習で朝から飛ばす大学の水泳部の練習とは対照的であった。

      クロールのストローク数は34~38で、スイッチのタイミングもTIと同様である。隣の競泳用プールで一緒に泳いでみたが、ストローク数は変わらないもののあっという間に着いていたようである。キックやプルによる推進力が大きいのであるが、機会があればさらに観察して、大人の水泳に使える技術を見つけたい。






      2015年5月30日土曜日

      オープンウォーターの泳ぎを再確認する

      OWS:70分 水温56.5F(13.6C)


      3月にスタートしたCROS(Cold rough open water)モードの習得も一区切りを迎えた。
      2月のロットネスト海峡横断スイム失敗の教訓として、以下のような目標、および具体的な手段を設定してからだに染み込ませてきた。
      • 下半身の安定→6ビートキック
      • エッジをかける→入水後に体重を前にかける
      • かきに依存しない→入水前加速
      • てこの利用→入水てこ、フィニッシュてこ、リカバリーてこ
      • 疲れない水中動作→スカリング導入
      • テンポを上げる→水中の軌跡をからだに近づける

      今日のサンフランシスコ湾はこれまでで最も荒れていたので、冷たく荒い海での泳ぎを試す丁度よい機会となった。

      ○スタート

      13度はどう考えても冷たい。冷たい水に入った瞬間から呼吸が浅くなるので、2ストローク呼吸で浅い空気交換を行う。

      より前に進むという意識よりも、からだがあわてている状態に泳ぎを合わせるだけにする。テンポは非常に速いのでストローク軌跡を浅くし、肘の曲げを常に意識する。

      そのうちからだが落ち着いてくるので、そこで次第にリカバリーによる重心移動やスイッチ後の加速を入れて推進力を上げる。さらに落ち着いたら4ストローク呼吸に切り替え、時間を見る。当初は5分程度かかっていたスタート時の動揺は、2分程度までに短縮することができた。

      ○うねりへの対応

      1. うねりの方向を確認する。
      2. ランダムの場合、向かってくる場合は前のめり感を上げながら水中軌跡を浅くしてテンポを速くする。
      3. 追う場合は伸びる時間を増やしてテンポを遅くする。
      4. いずれの場合でもエッジをかけ、キックで下半身を安定させる。
      今日は非常に効果があった。入水後に伸ばす手と腰で斜め姿勢を作る一方、下半身を6ビートキックで安定させることができた。

      寒くて震えていたが、うねりが大きくなるほど意識が集中するのが感じられた。いっきに流されても動じることなく、決めた目標に向かって進むことができた。



        ○低温への対応

        30分経過後にからだの震えが来た。先週は45分で中断したが、そのときにも同じような震えが来ていた。ここで終わっては成長がないと我慢していたら、震えは治まった。

        今回は低温対策として抹茶ラテをサーモスに入れて運んだ。先週はプラスチック容器に熱々の抹茶ラテを入れて泳いだが、20分後にはアイスラテになっていて大ショックだった(45分でやめた原因の一つ)。今回は当然だが熱々で、リフレッシュできた。ただしうねりが大きく海水と一緒に飲むことが多かった(ロットネストで経験済み)。

        50分経過後に2回目のからだの震えが来た。息継ぎしながら顎がガチガチ言っている状態で、今度はなかなか治まらなかったので直線コース往復に切り替えた。テンポを上げ、キックを強く打つことで体温を上げた。


        結果的には70分と過去最長時間泳ぐことができた。水温もそうだが泳ぎ方を細かく変えたことも奏功した。

        基本的な泳ぎ方は決まったので、今後はそれぞれの泳ぎ方においてスピードアップをするためのアプローチを考える。


        練習後の気分:9(あと5分泳ぎたかったがコースを考える余裕がなかった)

        2015年5月16日土曜日

        速く長く泳ぎ続ける

        スイム:62分3.3km サンフランシスコ湾 水温13.2度


        先週は12.1度だったので、たった1度の差だったが泳ぐ感じはかなり違っていた。

        手足の痛みが少なく、最初のブイに到着する90秒後には4回に1回呼吸をしていた。ブイ沿いに泳ぐ最終目標である旗の立ったブイ(通称フラッグ、ここにぶらさがっている水温計で温度を確認するのが習慣)に到着するまでには、通常の泳ぎでいろいろ試せるところま落ち着いていた。

        今日は一人で泳ぐ日だったので、パーク内1周1マイル(1.6km)を2周する目標で泳ぎ始める。潮の流れが先週よりも強く、方向が向かいだったので軽いギアで泳ぐ。軽いギアは
         -キャッチを「てこ」にしてリカバリーを始める(重いギアはキャッチとエントリーが連動)
         -水中で肘を曲げた状態を維持して、最後にスカルしながらプッシュする
         -エントリーの後は体重をかけて手を前に伸ばし、エッジをかける
        で作ることができる。

        先週はアシカが泳いでた(最初はウェット着た人が潜ったまま出てこないのかと思って心配した)のでかみつかれないように遠回りしたが、今日は目安となるブイまで直線距離で泳いで2周した。

        2週目の後半から震えが始まったが、しばらくすると治まった。その次は瞑想モードにすぐに入るようになり、長時間泳いでいるか瞑想モードに入るのか、低温症の症状なのか区別がつかなったので、安全策として3周目はあきらめてブイ直線距離(往復800m)を泳いだ。

        ○速く泳ぎ続ける大切さ

        バイクやランでの持久力練習は確かに効果がある。昨年の熱海はその前のサンフランシスコマラソンの練習の貯金で完泳できたようなものである。

        特にバイクはギアにより心拍数の調整がしやすく、道を選べば大きな負荷もかからないので最適である。

        しかし今回は40分あたりから自分の泳ぎができないと感じるようになった。これは今までにないことである。おそらく体温を維持するためにハイピッチで泳いだ結果であろう。これまでは1時間のスイムと1時間のバイクではスイムの方が断然ラクだと考えていたが、今日は考えが変わった。

        ゆっくり長く泳ぐ練習や、他のスポーツで持久力を上げるだけでは不十分であることがわかった。6月の和歌山まで1カ月となったので、月曜日以降は速く長く泳ぐ練習を取り入れることにする。


        2015年5月12日火曜日

        効率の良い持久力強化

        バイク:61分(21km)
        ラン:38分(5km)
        スイム:78分(4200yds)


        総運動時間3時間に突入。最終的に3種目で4時間まで伸ばすことが目標。
        バイクはバーチャルパートナーを使ってこれまでより少し速いペースを設定したところ、上り坂でできるだけ速く走ろうとする意識が強くなり効果があった。平均心拍数85%、最高94%。後半はほぼ90%を越えていて持久力強化に役立っている。

        通常であれば85%は無酸素運動であるが、マラソンでは90%越えで5時間維持できたことを考えると、最大心拍数が上に振れている可能性が高い。最大酸素摂取量による運動強度では、

        運動強度(%VO2max)=(運動時心拍数-安静時心拍数)÷(最大心拍数-安静時心拍数)×100
                      =80%
        でありフィットする。

        ○1000×4(@1.20sec, 1.15sec, 1.10sec, 1.05sec)

        6月の和歌山のOWS(4km)に向けての練習を開始する。道具を磨く目的で1000を4本泳ぐ。最初の3本は抵抗水着を着用する。道具は以下の4種類を50ydsずつ使用した。

         -入水前加速でエッジをかける
         -キャッチ:外向きスカルでリカバリーを加速
         -プル:内向きスカルで入水前加速
         -プッシュ:外向きスカルで軌跡を確保、伸ばす手と連動

        テンポが1.10秒までエッジをかけることと、なめらか感を増やすことを意識した。抵抗水着はやや遅くなる程度であるが、抵抗水着の有無により動作はかなり異なってくる。抵抗水着を着用していると動作が緩慢になりがちであり、素早い動きを意識して取り入れる。

        最後の1.05秒は抵抗水着を脱いで泳ぐ。動作が機敏になるだけでなく疲労の度合いも3割減少した。ペース1分35秒で平凡であるが、バイクやランを100分やってからの水泳としてはよい結果である。

        また全ての行程で6ビートキックを使用した。膝うらを伸ばす意識だけで78分バタ足を続けても全く疲れず、足もつらなかった。筋肉をほとんど緊張させないこの6ビートキックは冷たい海で非常に有効である。


        練習後の気分:7(それぞれ距離を伸ばして疲れた)


        2015年4月29日水曜日

        水の抵抗を増やすことで泳ぎのギアを増やす

        バイク 21km(64分)
        ラン 4km(32分)
        スイム 3000yd(68分)


        バイクは心拍計を使い始めた。平均136(最大心拍数の79%)、最高152(同88%)とややきつい感じで理想的。ランのときは180越えや160オーバーが30分など、長時間の有酸素運動として適していなかった。

        バイクの最大の懸案は尻の痛み。最初は15分で痛み出したが、現在は2時間まで延長できた。これをさらに延長するには、状況に応じたポジショニングなど、正しい技術を学ぶ必要がある。

        スイムについては、5月の中旬までレジスタンストレーニングを主体にする。レジスタンスは以下の3種類とする。
        1. アルティメート・ドラッグスーツ:水着の上に装着する。100ヤードで10秒(11%)の遅延効果
        2. スイム・パラシュート8インチ:100ヤードで20秒(22%)の遅延効果
        3. スイム・パラシュート12インチ:100ヤードで50秒(56%)の遅延効果
        今日はディスタンスピラミッド500yd(50, 100, 150, 200)を上記3-2-1-2-0(レジスタンスなし)で泳いだ。

        レジスタンス・トレーニングでは2種類のギアを磨くことができる。
        • 向かい潮用ギア:速度は落としてもよいので、空回りせずに速いテンポで泳ぐ。潮やうねりにからだが押されることを考えて、グライド姿勢は短めにする。
        • 加速用ギア:1ストロークで進む距離を最大にするためにエネルギーを使う。自転車で言えばペダルを踏み込む力を増やす。
        今日のピラミッド練習では、抵抗を大きなものから小さなものに変えることで、向かい潮用ギアから加速用ギアに磨く対象を変えていった。

        向かい潮用ギア:ラクにまわす

        • 入水した手を伸ばしたら外向きのスカリングをすぐに始め、反射的に内向きのスカリングに変える。
        • 内向きスカリングのときにリカバリーの手の加速を始めて、最速のスピードで入水できるようにする。
        • てこの力を最大にするため、内向きスカリングのときに肘を曲げることを意識する。この手を支点にして入水する手を加速する。
        • 水中の手の軌跡をからだに近づけるために、リカバリーの手の高さも低くする。水中の手と水上の手は水面からの距離が同じだと動かしやすい。
        • プルやプッシュではスカリングの手の向きだけ意識してなでるように動かす。フィニッシュでは後ろ方向に水をなでながら水面近くで水を切る。

        加速用ギア:ストローク長を伸ばす

        • スイッチのタイミングが向かい潮用ギアより遅くなる。リカバリーの間水中の手は前に伸ばしておき、入水するときに外向きスカリングを始める。
        • 入水してから前に伸ばすときに加速を加えて、下半身を浮かせる。
        • 前に伸ばす手を支点にして後ろの手をフィニッシュする。
        • リカバリーの肘を位置を上げることで入水後の加速を上げる。
        • 水中の軌跡は浅くしたいが、水上の手とテンポを合わせるために10~20cm深くなる。

        マラソンスイムの基本のギアはこの2つであり、両極端な泳ぎ方になる。あとはこの2つの泳ぎ方の中間として、どの程度のバリエーションを意識的に持つことができるかになる。

        なお高抵抗のときに加速用ギアを練習すると筋力トレーニングになる。マラソンのときに筋力トレーニングの必要性を感じたので、今後はギア作りに加えて筋力トレーニングにもレジスタンス・トレーニングを使用する。


        練習後の気分:8(ギアが見えてきた)

        2015年4月25日土曜日

        水温12度の中43分間水着で泳ぐ

        サンフランシスコ海洋公園
        気温11度、水温12.1度


        初めての水着チャレンジ。シリコンキャップ+サーマルキャップ、ラッシュガード、パンツ型(足首まである)水着+ショーツ型抵抗水着、耳栓。

        ○最初

        ウェットのときは手のひらと足先の痛みだけだったが、水着になると全身が痛い。ウェットスーツではスタートから最初のブイまで泳げば(約2分)冷たさに慣れることができたが、水着の場合は3番目のブイまで泳がないと(約5分)落ち着かない。ウェットスーツを着たときも最初は5分かかったので、繰り返せば短縮できるであろう。

        ○泳ぎ方の違い


        • 抵抗水着を着けていることもあり、前のめり感はウェットスーツ着用時より低い。
        • 一方で入水した手を前方向に加速すると下半身が浮きやすくなる。前のめり感が作りやすい。
        • 足が適度に沈むため、キックによる安定感が増える。ゆるめたひざを素早く伸ばすことで足に当たる水の感触も強くすることができる。

        ○からだの冷えによる泳ぎの変化

        • 最初に手のひらの感覚がなくなった。泳ぎ始めて30分程度である。指先だけでなく指全体が麻痺して、手のひらの向きもコントロールできなくなった。この段階で水中の手の動きは、肘の角度を意識することに切り替えた。
        • 次に震えが始まった。35分程度経過していた。震えはからだを温めるための本能的な動きであり、それ自体が低温症の徴候にはならないと先週講義を受けていたので、落ち着いて泳ぐようにした。
        • 次に呼吸が浅くなってきた。40分経過していた。体内の「暖炉」を確認したところ、火の勢いは弱くはなっていなかったので続けて泳いだ。
        • 最後の50mはコンディションがかなり荒くなっていたが、手の入水直前に加速をしてエッジをかけるようにしてからだを安定させた。
        • 浜に着いたときには低温のためかなり動揺していた。からだの急激な変化に対して精神的なあせりがあった。2週間前にウェットスーツで1時間泳いだときにはなかった徴候である。
        • 昨年泳いだときは足がつったが、今回はほぼ6ビートで通したので足をつることはなかった。

        ゴールデンゲートブリッジからベイブリッジ(あるいはその逆)、アルカトラズ往復などの大きなイベントのスイム時間は90分を目安にする。従って通常練習でも水着で90分水中にいることができれば本番で低温症になるリスクを減らすことができる。

        次回はいくつか考えられる低温対策を行い、時間を60分に伸ばす。


        練習後の気分:8(水着でも泳げたことは自信につながった)

        2015年4月22日水曜日

        水泳のレジスタンス・トレーニング

        バイク 21km(64分)
        ラン 3.5km(30分)
        スイム 2000yds(46分)


        • 感覚スイム:400
        • スカリング関連ドリルとスイム:800
        • スイムパラシュート12インチ:4×50
        • スイムパラシュート8インチ:4×50
        • 4×50
        • 1×100

        ・インスティンクトパドル

        Finisの新製品インスティンクトパドル(大および小)を使ってスカリングドリルとクロールを泳ぐ。
        • 大きい方:手に水を当てる感覚が強くなる。
        • 小さい方:手の平よりも小さいので手の平の向きを意識できる。
        なし→小→大→小として100ずつスカリングドリルとスイムを組み合わせた。手に水を当てることでてこの力点にする感覚を大で養い、キャッチ、プル、フィニッシュの手の平の向きを小で磨くやり方がよいと感じた。

        次に小→なし→小→なしと交互に100を泳ぐ。パドルを使って抵抗を増やす(手のかきによる推進力を増やす)のではなく、ビニルフィンと同様に、感覚を鋭敏にする目的で使う方が適している。パドルありと無しで交互に泳ぐことで、水中の手の軌跡を正しくすることができる。

        ・スイムパラシュート

        次にFinisのスイムパラシュートを使う。パラシュートにより水の抵抗が増え、結果として遅くなる。
        潮の流れが大きなアゲインストになったときの泳ぎを作ることが目的である。
        • パラシュートなしでリラックスして泳ぐ:45秒
        • 8インチパラシュートを装着して泳ぐ:57秒(+12秒)
        • 12インチパラシュートを装着して泳ぐ:1分15秒(+30秒)
        • パラシュートを外して泳ぐ:40→38秒
        パラシュートを着けて泳ぐ感覚は、上り坂をバイクで進む感覚に似ていることがわかった。8インチパラシュートは勾配4%、12インチは6%の坂を上る感じである。

        バイクで坂を上るときには、軽いギアで回転数を落とさないようにするとラクに上ることができる。最も軽いギアにした後は、踏み込み始めの位置を前倒しにすることで傾斜に対応する。

        これを水泳に適用すると、
        • 力強くひとかきずつ前に進むのではなく、速いテンポを維持する。
        • スイッチのタイミングを変えたり、エッジを効かせたりすることで空回りを防ぐ。
        自転車による登坂と水泳の最大の違いは、自転車は空回りしないことである。自転車でペダルを1回転させると進む距離がわかるので、水泳でも1ストローク毎に進む意識を持ってテンポを上げた。

        12インチパラシュートで泳ぐと全く進まない感じがするが、ペースが50%落ちることは実際にあったのでこの練習も続ける必要がある。

        なおパラシュートを外して泳ぐと、前のめり感が倍増して体全体が水没して泳いでいる感覚になる。これはパラシュートを着けてみないとわからない感覚である。結果としてラクな感じで泳いで目標ペースを維持することができた。

        このレジスタンス・トレーニングは、筋力をつける目的ではなく「持続力のある向かい潮泳ぎ」を身につけるためのものである。しかし結果的には速く泳ぐ練習にもつながるメリットがある。

        練習後の気分:8(パラシュートで泳ぐ距離を今後伸ばしたい)

        2015年4月18日土曜日

        水温13度の海を水着で泳ぐ

        今日はDolphin ClubでSuzie Dodsによるベイスイミング初級講座に参加した。Suzieは30年のキャリアを持つOWスイマーで、過去にカタリナ海峡横断、ドーバー海峡横断も達成している。多くのTIコーチから紹介を受けてFacebookで友達になったが、今回はリアルでの初対面であった。

        ○講義内容

        • ベイエリアの水温は50~60F(10~15C)。冬には46度、夏には67度になることもある。
        • 最初の数分は必ず「痛い」!何十年泳ぎ慣れていても、この感覚は変わらない。
        • 冷たいと思った瞬間、体内の血液がからだの中心(コア)に集まる。このため手足の血流が下がり、手足が麻痺したり、しびれたりする。手足がしびれるのはからだの防御反応であり自然なことである。手足が冷たく感じるからといってコアが冷えているわけではない。
        • 冷たい水に入ると呼吸が止まったり、浅くなったりする。「吐くこと」に集中する。冷たい水に手を入れてどのくらい我慢できるかという実験があったが、話したり歌ったりしたグループの方がだまっていたグループよりも長い間水中に手を入れることができたそうである。
        • 自分のコアの温度に常に注意を払う。Suzieの場合「体の中に暖炉があり、燃えている」イメージがあり、暖炉の火が弱くなるとコアの温度が下がっている。コアの温度に注意して、下がってきたら「テンポを上げて泳いで体温を上げる」「栄養を補給する」「終わりにする」のいずれかを選ぶ。
        • 長時間泳ぐときはキャップにGuを入れ、暖炉の火が弱くなったら摂取している。
        • 低温に慣れるためには、少ない頻度で長時間泳ぐよりも、短い時間で多くの頻度を泳ぐ方がよい。もし遠方から来る場合には、1日2回入ることを推奨する。2回目は海の状況もかなり変わるので、様々な環境に対応できる(to get climatized)。
        • 海から上がると、震えが始まる。陸上に上がると血流量が上昇するが、冷たい血液が体中を回り体温が下がる。震えることによってからだが動いて体温が上がる。
        • 熱い湯のシャワーを冷えた手足に当てると、末端の冷たい血液が急激に循環するので危険である(追加調査:心臓に入ると心室細動を起こすこともある)。タオルをサウナにかけておき、海から上がったら軽くシャワーを浴びてからサウナで暖まるのがよい。シャワーで暖まろうとはしない。

        ○アクアティック・パークについて

        • 地元の人たちが水泳を楽しむことができるように造成されたのが1930年代(!)
        • コースは1周1マイル、ざっくり四角に泳ぐと1辺が400m。
        • パークからアルカトラズ島は2000ヤード(1.8km)。流れが非常に強い。
        • 上げ潮(flood tide)は西から東(GBからBB)への強い流れが発生する。
        • 下げ潮(ebb tide)は東から西(BBからGB)への強い流れが発生する。
        • 岸辺に近いほど流れは緩やか。従って沖に出るほどかなり強くなる。
        • 満潮時刻と潮位、干潮時刻と潮位が書き出されているので確認する。干満の潮位の差が大きいほど流れが急になる。
        • 係留されているボートの舳先の向きで、湾の中の流れが概ねわかる。舳先が左に向いていれば右に流れている。
        • 干潮、満潮は1日合計4回発生する。データを確認して上げ潮か下げ潮か、その速さはどのくらいかを把握しておくことが重要。
        • Tideや潮の流れのデータを表示するアプリを活用する。

        ○水着で泳ぐ

        • 参加者23名のうち、ウェット持参は私を含めて4~5名。
        • 水の中に入ったらすぐに繰り返しジャンプして息を吐く。
        • 次に頭を沈めて冷たさに慣れる。
        • その後に1km程度グループで泳ぐ。ブイ毎に休憩を入れる。
        • 1周して終わりかと思ったら、Suzieが「Shinji、Take off your suit!」と言ってきた。
        • 事前のメールのやりとりで、ウェットスーツで水に慣れてきたら、一旦上がって脱いだらどうかと提案を受けていたが、気温14度で冷たい風の吹くところで一旦上がったらもう入れないと思って話題にしなかった。しかしSuzieはしっかり覚えていて、最後に声をかけられてしまった。
        • 自己紹介で「彼は有名なTIのコーチ」と紹介されてしまった手前、「できませーん」と言うわけにもいかず、一旦上がってウェットスーツを脱いで再び海の中に入った。先週は袖だけ取ってものすごく痛い思いをしたが、今回は見栄もあってかそれほど感じず泳ぐことができた。
        • 手足は確かに冷たいが、胴体はそれほど冷たく感じない。講義にあったように、コアに血液が集まって保温力が高まっていることが実感できた。
        • 次回も1回ウェット、1回水着でチャレンジする予定である。

        今回のセッションは今後サンフランシスコ湾で泳ぐうえで非常に重要なものだった。
        あの寒く冷たい中を、ウェットなしでたくさんの素人が泳ごうとするという無謀さも、さすがアメリカと実感した。CROSに必要な「胆力」である。

        2015年4月15日水曜日

        大きな泳ぎを長く続ける

        バイク 20km(58分)
        ラン 3.2km(30分)
        スイム 2500yds(53分)


        トライアスロン練習2日目。バイクコースの難易度を上げ、ランを10分増やす。


        • 感覚スイム:400
        • 6ビートキック関連ドリルとスイム:800
        • スカリング関連ドリルとスイム:300
        • 10×50:13-14ストロークで維持、タイムは落とさない
        • 5×100:13-14-14-14ストロークで維持、タイムは落とさない

        前日に続いて大きな泳ぎを練習する。今回は100を追加し、50、100いずれもストロークを維持することを最優先にしながら、タイムが落ちないように加速を次第に加える。

        50ydのセットでは、1つの道具を使いながらセットが増えるにつれて意識を高度化させた。
        • 1~3セット:キャッチとリカバリー(1st:キャッチの動き、2nd:キャッチを支点にしたリカバリーの動き、3rd:キャッチとリカバリーの連動:キャッチてこ)
        • 4~6セット:入水する手の加速(1st:手の形と入水速度、2nd:入水後の伸びで下半身を上げる、3rd:入水とプルの連動:入水てこ)
        • 7・8セット:水中の肘の角度(1st:スカリングと同じ肘の角度、2nd:入水後に伸ばす手と肩前スカルの連動)
        • 9・10セット:フィニッシュ(1st:腰前スカルの形、2nd:前に伸ばす手との連動)
        いずれも左右の手を連動させることが最も高度になる。結果は44秒→42秒でディセンディングが達成できた。

        100ydのセットでは、25ずつ4つの道具を使いながらストローク数を維持し、ディセンディングした。
        1. キャッチとリカバリー
        2. 入水時加速
        3. 水中の肘の形
        4. フィニッシュ
        いずれも両手を連動させることで大きな推進力を作り、ストローク数を維持させることができた。結果も1分26秒→1分24秒とストローク数一定ながらディセンディングすることができた。

        速く泳ごうとすると空回りしやすい。まず大きな泳ぎを作り、次に大きな泳ぎを長距離維持するようにして、最後にテンポを上げればスピードアップしやすくなる。

        練習後の気分:8(道具が有効でディセンディングできた)



        2015年4月14日火曜日

        大きな泳ぎで速く泳ぐ

        バイク 20km(60分)
        ラン 2km(20分)
        スイム 2000yds(46分)


        本日よりトライアスロン練習に入る。開始時間が遅かったのでランを短縮、スイムは足がつらないように短い距離で終えた。

        マスターズの1650ヤード自由形に出場し、第1ヒートの選手の泳ぎを見ることができた。トップの選手は18分切りで、平均13ストローク/ラップであった。

        当初は16ストロークを標準に考えていたが、なぜか18~20ストロークになってしまった。これが後半疲れた原因であろう。そこで2週間は大きな泳ぎを意識する。

        • 感覚スイム:400
        • 6ビートキック関連ドリルとスイム:800
        • 10×50:13-14ストロークでディセンディング
        • スカリングを意識して300クールダウン

        速く泳ぐためには、まず短い距離で速く泳ぐときの形を作る必要がある。そこで今回は50という短い距離において、普段よりストローク数を減らしながら加速を上げる練習を行った。

        キャッチからフィニッシュまでの距離を伸ばしながら、入水の手を加速することでてこを使って水中の手を素早く動かす。またノーキックで泳ぐクロールと同じように、足が浮くまで入水時の速度を上げる。

        勢いを上げると速く動いてしまい、ストローク数が増える。ストロークが増えないぎりぎりの加速がどの程度かを測りながら、基準を少しずつ上げることでタイムを短くすることができる。

        最初の43.8秒から最後は37.6秒とストローク数を変えずに6.2秒短縮することができた。13-14で37秒台が出せれば、15-16で37秒台で距離を伸ばすこともできる。あと1回または2回50で練習した後に、13-14で100に伸ばす方向と、14-15でさらにタイムを縮める方向を切り替えながら練習する。


        練習後の気分:8(速く泳ぐ方向性は見えた)

        2015年4月11日土曜日

        水温14度で1時間泳ぐ

        スイム 56分 3.4km


        毎週恒例のサンフランシスコ湾のスイム。今回もウェットスーツ、スリーブ、サーマルキャップとフル装備。

        ・冷たさに慣れるまで

        相変わらず手足が刺すように痛むが、気持ちに合わせてバシャバシャと浅い泳ぎをしていると落ち着くまでの時間が短くなる。今日は最初のブイに着く前に冷静になった。

        ・新しいサイティングの方法

        入水ではなく手でかくときに頭を持ち上げ、そのまま息継ぎする方法を試す。右側呼吸の場合右手でかくことになり、不安定になった。また顔を上げるときの息を吐くタイミングがわかりにくい。

        暫定案として、左手のプルで頭を起こすことにした。これまでの右手入水のサイティングより早いタイミングで前が見えるので、その分だけ時間を伸ばせば視野を広げることができる。また一旦顔を沈めるので息継ぎへの影響もない。

        なお左手で水を下に押すと下半身が下がる。素早い肘の動き(肩前スカル)を使えば水中の姿勢が安定し、頭を起こすことがラクになる。

        湾内は静かなので頭を起こしてサイティングする必要性はないが、今後左手を使ってサイティングする技術を磨く。

        ・左右の手の位置

        ラクに泳ぎながらも加速を入れる必要があるのがCROSモードである。左右の手の位置をコントロールすることが重要である。

        疲れて来ると水中の手が入水する手を待ってしまう。イメージとしてはカヤックのように左右の手が対象に動くのが望ましい。ただし水上で手を運ぶときに、水面との距離があると水中の手もからだから離れやすい。リカバリーの手の軌跡を下げることが必要になる。

        ・速く泳ぐ技術

        前日の1650ydは1回カウントを間違えた可能性があり、23分少しであった。ここ半年で最も疲れてしまったため、劣化率も18%を越えた。強度の負荷で泳ぐ距離を伸ばすことを月曜日以降の練習に取り入れる。

        2015年4月8日水曜日

        テンポを回復させる

        バイク 10マイル 46分
        スイム 2100yds 35分


        1650ydsのレースを金曜日に控え、練習量を減らす。

        2月のロットネスト以降テンポ・トレーナーを使わない練習をしてきた。これは新しい泳ぎを作るためである。手や足の動かし方など、まず動作を正し行うことを優先した。

        本来であれば3カ月はテンポ・トレーナーを使わない方が良いものの、レーステンポ(1.0秒)の感覚がわからないと困るので本日と明日の2日間だけ使用する。

        400のウォームアップでは、レースのときのラップカウントの道具(手に水を当てる、入水を加速する、肘を曲げる、水を払う)を2回使った。1回目は2ビートキック、2回目は6ビートキックである。

        4×400(テンポ1.20秒、1.15秒、1.10秒、1.05秒)

        これまでの作ってきた自分の泳ぎがどの程度のテンポに該当するのかを知るために、1.20秒からテンポアップしていった。テンポ1.20秒と1.15秒ではストローク数15、1.10秒と1.05秒ではストローク数は16であった。

        結果は5分50秒、5分44秒、5分40秒、5分38秒とディセンディングできたが、ペースは1分25秒で目標の1分20秒はほど遠い状況であった。この様子だと23分を切れれば御の字だろう。

        テンポが速くなるにつれ、無駄な動きをやめ、軌跡を最短距離にすることができた。1.05秒でも余裕があったので、明日は1.00秒まで上げてみる。


        練習後の気分:7(瞬発的な速さが欲しい)

        2015年4月6日月曜日

        長距離を泳ぐときの数え方

        バイク 100分 30km
        スイム 61分 3200yds



        1. ウォームアップ 400:キャッチ、エントリー、プッシュ、フィニッシュを意識
        2. キック 2×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セット
        3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
        4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
        5. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
        6. スカリング 2×100:肘前スカル25、肩下スカル25、腰前スカル25、スカリングの動きをストロークに取り入れてクロール25
        7. クロール 2×100:
          -1st 25:肘前スカル
          -2nd 25:肩下スカル
          -3rd 25:腰前スカル
          -4th 25:ストローク全体を意識
        8. クロール 4×400、約30秒休憩
          -1st 50:キャッチを支えにリカバリー加速(水を「当てる」)
          -2nd 50:入水する手を遠く浅く加速して入水(手を「刺す」)
          -3rd 50:肘が肩下を通るときの角度を鋭角(手を「近づける」)
          -4th 50:入水して伸ばす手をフィニッシュと連動(手を「はらう」)
          上記を2回繰り返す

        長距離を泳いでいると、泳いだ距離がわからなくなる。普段Garmin Swimに頼っているので、時計を装着することができないマスターズ大会では問題である。

        そこで長い距離を泳ぐときの数え方について研究した。

        • 4つの道具を決める。フォーカルポイントでは足らない。明らかに動作自体に差が生じるものがよい。
        • 道具を記憶するときは、最小限の単語だけにする。上記のように5文字以内にする。
        • 1つの道具につき50を泳ぐ。100だと途中でわからなくなるが、50なら行きと帰りだけで間違いがない。
        • 4つの道具(1,2,3,4)×50で200を一つの固まりとする。
        • 200のうちの最初の50に小さな2種類のバリエーションを持たせる(AとB)。Aで4道具、Bで4道具泳げば400になる。これを大きな固まりとする。
        • 1650は400+400+400+400+50である。4回目の400で道具1をバリエーションBで始めて、道具2からラストスパート(200yds)を始める。
        • 1500は400+400+400+300である。これは4回目のバリーエーションBからラストスパートに入る。
        4つの道具、200を小さな固まり、400を大きな固まりにしてバリエーションをつける、というのが取り組みやすい。


        なお今日のプールは気温14度、水温25度であった。普段なら寒い、冷たいところであるが、土曜日に13度の中で泳いでいたので今日はとても暖かく、お湯の中で泳いでいる感じであった。この経験は重要である。ロットネスト本番の前に18-20度程度のプールで泳ぎ慣れておけば、22度は暖かく感じることになる。

        またバイクを先週の日曜日に購入して、8回目の練習で30kmまで距離を伸ばすことができた。カンレキ・トライアスロンのレッスン内容通りに走っているので、ラクに長く走ることができる。

        練習後の気分:8(泳いでいてすごく疲れたが、よく考えたらバイクの距離が倍になっていた)

        2015年4月4日土曜日

        水温13度のサンフランシスコ湾で泳ぐ

        スイム 45分


        サンフランシスコ湾で泳ぐ。気温13→16度、水温13度。袖無しウェット+袖、サーマルキャップ着用。

        入った直後のパニック感は先週に比べて半減した。「手をぐるぐる回して足をばたばたして、毎回呼吸する」ことで、動作を気持ちに合わせることができたのが奏功した。スタートからブイに到達する2分後にはパニック感は3割以下になり、一休みしてからのブイからのスイムはほぼ正常通りのコントロール力に回復した。

        ○素早いリカバリー

        素早いリカバリーは非常に効果があった。冷たい水の中では手の感覚が麻痺しやすく、型の意識が弱くなる。リカバリーを素早くするために水中の手の水抱え感を上げる必要があり、水抱え感を上げようとすると、正しい型にしようとする意識が高まる。

        フィニッシュ直後から動作を開始するため、リカバリーの速度だけ上げようとすると前のめり感が下がる。後述の入水時の動作を加えることで前のめり感を回復させる。

        ○遠い入水場所と浅い入水角

        入水角を浅くする代わりに入水前に加速することで、前のめり感を上げる。ウェットスーツを着ていると斜め姿勢を作ることが難しいので、肘の落差を使って入水時の勢いを作ることができない。

        入水位置を遠くし、入水角を浅くすることで、入水後の滑り感を最大にする。水上の手だけを勢いよく入れるのではなく、必ず水中の手のフィニッシュと連動させる。エネルギーの効率を高めることだけでなく、姿勢の安定にも役立つことが今日わかった。

        入水角を浅くすると水をたたきがちになるので、通常の倍手先を緊張させてスムーズに入るようにした。慣れるに従い5割増し程度で大丈夫なことがわかった。

        ○手の水中経路をからだに近づける

        動作も重要であるが、冷たい水では手の感覚がなくなりがちなので水中の手を意識すること自体にも意味がある。休憩時に水中でわきの下の露出しているところをつねってみたが、通常の1割程度の感覚しかなかった。

        今週のスカリング練習が役に立った。外から内に手を動かすときの肘の角度を意識すれば、経路はからだに近づけられる。そうすれば次のフィニッシュと前の入水後の加速が連動できる。

        ○フィニッシュでは水を押さずにはらう

        リカバリーの初速をキャッチのてこ動作で得ることから、フィニッシュでは水を後ろに押してリカバリーの初速を得る必要がなくなる。腰下スカルのように手を内から外に動かしながら水上に出す。

        このときに入水して伸ばしている前の手を支点にして、体幹を力点にするとてこの原理で大きな力が得られる(ピンセットタイプのてこ)。今回は低温でテンポを上げることを意識したので不十分であったが、長い時間速く泳ぐには必須の技術なので今後磨く。

        海洋公園はブイに沿って泳ぐと非常に静かであるが、ブイから離れた場所では様々な流れがあって勉強になる。特に大きな船が係留されている出入り口付近は流れが速いので、今後このような場所で集中的に練習する。

        KTテープは効果大だが不十分

        これまでの数多くの不注意に懲りてKTテープを首の後ろに巻いた。水に強いプロタイプのためか、ウェットスーツで圧迫されているからか、テープがはがれることはなかった。テープでカバーされたところは擦り傷ができなかった。また先週の擦り傷も悪化しなかった。

        しかし今回はその上の部分に擦り傷ができた。ウェットスーツが触れる部分はテープでカバーしていたのだが、
        • 息継ぎすることで首の上の方がスーツに接触する
        • ウェットスーツから押された肉がたるんで新たな摩擦面を作った
        などの理由が考えられる。次回は髪の生え際からKTテープを2段にして貼って対応する。


        練習後の気分:7(今日は高速ながらも軸を意識して安定して泳ぐことができた。これまでのCROS対応の練習の効果が出ていることを実感した)


        2015年4月3日金曜日

        疲れてスピードが劣化する原因を知る

        バイク 47分 16.7km
        スイム 71分 3600yds



        1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
        2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
        3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
        4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
        5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
        6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
        7. スカリング 2×100:肘前スカル25、肩下スカル25、腰前スカル25、スカリングの動きをストロークに取り入れてクロール25
        8. クロール 2×100
          -1st 25:手首前スカルをキャッチに連動
          -2nd 25:肩下スカルをプッシュに連動
          -3rd 25:腰前スカルをフィニッシュに連動
          -4th 25:スカリングの動きをストローク全体に連動
        9. 8×200:ストローク数キープ(15,16,16,17)、約30秒休憩

        最後の200では、ストローク数を前回よりラップあたり1増やすことで速く泳いだ。これまで乗ったことのないバイクを5日連続で行ったことで、疲れがたまる感覚があった。そこで疲れると何が起きるのかを、道具(意識をもって行う具体的な動作)に合わせて観察した。道具は4種類を50ずつ使った。

        (1)水中の手をてこにして素早くリカバリーする

        スイッチのタイミングを変えてテンポを上げるための道具。内から外へのスカルにより手のひらに水を当て、それを支えにしてフィニッシュ直後の水上の手を素早く前に送る。

        疲れるとどうなるか
        • 手に当たる水が減り支えが弱くなる→動かし始めるタイミングを遅らせて、素早く行うことで当たる水を復活させる。
        • リカバリーが遅くなる→肘を上に運ぶ意識から、横に運ぶ意識に変える。手と水面との距離を小さくする。

        (2)入水する手の場所と角度

        素早いリカバリーの速度を失わないようにするため、通常よりも入水場所を遠く(反対の手の手首の横延長線上)、入水角度を浅く(30度)する。前に伸びる勢いが増えることで、下半身を浮かすことができる。この感覚はアンクルストラップ練習で身につける。


        疲れるとどうなるか
        • 入水する場所が不安定になる→反対の手を基準にして入水場所を決める。
        • 入水する角度が深くなる→入水して伸ばした手により、下半身がどの程度浮き上がるかを確認する。浮き上がる感覚が得られるまで入水する角度を小さくする。

        (3)水中の手が肩の下を通るときの肘の角度

        からだに近い軌跡で手を動かすことで、テンポアップに対応する。手がからだの近くを通るときの肘の角度は90度以下である。


        疲れるとどうなるか
        • 手を垂らしておいた方がラクなので、肘の角度が鈍角になる→内から外のスカルの反動で手が内側に動くときに、手のひらがからだの中央を通るようにする。
        • 同様に、からだと手のひらの距離を小さくする。

        (4)フィニッシュで内から外のスカル動作を加える

        フィニッシュの手単体で行うのではなく、入水して前に伸ばす手と動作を連動させることで、ラクに大きな推進力を得ることができる。

        疲れるとどうなるか
        • フィニッシュが甘くなり、最後の推進力が得られなくなる→これがロットネストで起きた事象である。入水して伸ばす手と動作を連動することで、より大きな推進力を得ることができる。

        最初はかなり苦労して2分45秒を出したが、上記のような対応をすることで6本ほぼ同じタイムを維持することができた。前回よりも15秒短縮できているので、スピードを上げながら劣化を抑えることができた。

        ただし目標のペース2分40秒には達しなかった。劣化はしていないので、最終的には22分45秒程度か。来週の2回の400の練習でどこまで底上げできるか。

        練習後の気分:7(疲れた)




        2015年4月1日水曜日

        スイッチのタイミングを変えてスピードを変える

        バイク 47分 16km
        スイム 76分 3600yds


        1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
        2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
        3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
        4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
        5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
        6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
        7. スカリング 2×100:肘前スカル25、肩下スカル25、腰前スカル25、スカリングの動きをストロークに取り入れてクロール25
        8. クロール 2×100
          2セット
          -1st 25:手首前スカルをキャッチに連動
          -2nd 25:肩下スカルをプッシュに連動
          -3rd 25:腰前スカルをフィニッシュに連動
          -4th 25:スカリングの動きをストローク全体に連動
        9. 8×200:ストローク数キープ(14,15,15,16)、約30秒休憩


        バイクは現実的なコース取りで最長のコースを走った。

        スイムは予定通り最後に200のセットを泳ぐ。ストローク数を厳守するように泳いだが、ペースが上がらない(3分)ため一旦スイッチのタイミングを変えた。
        • ストローク数重視の場合:入水する手は静かに入れ、水中の手を支えにして入水した手を素早く前に伸ばす。
        • スピードを変える場合:入水する前から加速する。加速の起点によりスピードが変わる。今回はスピードアップを意識するだけにとどめたため、手が肩の横を通り過ぎるタイミングで加速を始める。水中の手はプルと連動する。

        ワークショップなどで入水前加速をカイゼンポイントとして指摘するが、これは水中の手と連動していないからである。水中の手に対していつ力を加えて素早く動かしたいのかにより、水上の手がどの時点で加速するかが決まる。

        水上の手が加速するタイミングが早くなるにつれて、水中で力を入れる時間が長くなるので劣化しやすくなる。力の入れどころを直線から複数の点にまで最小化することで、劣化を抑えることができる。

        4セット目でストローク数を1増やしてテンポを上げた。その後ストローク数を減らしたが、タイムはストローク数を増やす前よりも速くなっていた。続けて同じストローク数で泳ぐよりも、セット毎に増減した方がラクなスピードアップができるかもしれない。

        ケイデンスを減らす(テンポを遅くする)と加速感は増えるが疲れる。ケイデンスを増やしたときにラクに長く続けられれば良いが、無駄があるとエネルギーを浪費する。バイクとスイムは似ていると感じた。


        練習後の気分:7(空腹で集中できなかった)




        2015年3月31日火曜日

        100yd1分20秒ペースの作り方

        バイク 37分 13km

        スイム 64分 3000yds



        1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
        2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
        3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
        4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
        5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
        6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
        7. スカリング 2×100:肘前スカル25、肩下スカル25、腰前スカル25、スカリングの動きをストロークに取り入れてクロール25
        8. クロール 2×100
          2セット
          -1st 25:手首前スカルをキャッチに連動
          -2nd 25:肩下スカルをプッシュに連動
          -3rd 25:腰前スカルをフィニッシュに連動
          -4th 25:スカリングの動きをストローク全体に連動
        9. 10×100:ストローク数キープ(15,16,16,17)、約30秒休憩


        バイクは吉野コーチのアドバイスに従い座り方を変えたところ、サドルに座骨が当たる痛みが激減した。次の目標は60分。

        スイムは予定通り最後に1分20秒平均で10本を終えることができた。以下が有効であったアプローチである。
        • 前日より各ラップ1ストローク増やし、テンポを上げられるようにした。
        • テンポを上げやすくするため、キャッチを支点にしてリカバリーの手を素早く前に運んだ。
        • テンポを上げやすくするため、水中の手の軌跡をからだに近づけた(肩下スカルの肘の角度)。
        • 入水後に伸ばす手の動作と、水中にある手のフィニッシュを連動させた。
        • 5セット目まで2ビート+最後の25を6ビートで行っていた。6セット目から全て6ビートに変更した。
        バイクもありかなり疲れていたので、力で速く泳ぐのではなく、正しい動作(手足の動きやタイミング)を行うことで結果として速くなるように意識した。

        目標通りの結果が得られたので、次回は距離を伸ばす。


        練習後の気分:8(結果が得られれば気分が良い)

        2015年3月30日月曜日

        スイッチのタイミングを変えてスピードアップする

        スイム 64分 3000yds



        1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
        2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
        3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
        4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
        5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
        6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
        7. スカリング 2×100:肘前スカル25、肩下スカル25、腰前スカル25、スカリングの動きをストロークに取り入れてクロール25
        8. クロール 2×100
          2セット
          -1st 25:手首前スカルをキャッチに連動
          -2nd 25:肩下スカルをプッシュに連動
          -3rd 25:腰前スカルをフィニッシュに連動
          -4th 25:スカリングの動きをストローク全体に連動
        9. 10×100:ストローク数キープ(14,15,15,16)、約20秒休憩

        持久力トレーニングを目的として、前日ロードレーサー型バイクを購入した。次男と一緒に30分走ったところ臀部が痛み出したため終了。慣れが必要と判断してしばらくは毎日30分程度走ることにした。

        ○スピードアップのプロセス化

        4月中旬の大会まで2週間しかないため、次のようなプロセスを考えた。なお目標タイムは22分30秒、100ydのペースで1分20秒である。
        1. 100ydを単位として1分22秒~24秒のペースでの泳ぎ方を作る。
        2. 同1分18秒~20秒のペースでの泳ぎ方を作る。
        3. 200ydを単位として2分45秒のペースでの泳ぎ方を作る。
        4. 同2分38秒のペースでの泳ぎ方を作る。
        5. 400ydを単位として5分30秒のペースでの泳ぎ方を作る。
        6. 同5分20秒のペースでの泳ぎ方を作る。

        運動強度を指標化すると、全力を10として上記奇数ステップで6~7、偶数ステップで8~9である。
        強度として2段階、距離として3段階で合計6段階を1日ずつ合計6日実施する。

        ○スイッチのタイミングを変える

        今回新たに取り入れたのが、スイッチのタイミングを変えることである。これまでは入水する手と水中の手を同期させていたが、今回より「水中の手を支えにして水上のリカバリーを加速する」タイミングに変更する。

        水中の手の支えは、外向きのスカリングと親指を支点にした手のひらの回転による作る。水中の手をフィニッシュしながら、前にある手をスカリングして支えを作り、肩より後ろにある水上の手を素早く前に送る。このとき入水する手が水面を叩かないように、手のひらに角度をつける。

        この素早いリカバリーは、テンポを速くするのに有効である。また両手が同じように動く(カヤッキング動作)ので、水中の手も素早く動かすことができる。

        今日は100を10回行ったが、最初は1分24秒程度であったものの両手の動作のタイミングが合うと1分20秒まで上げることができた。

        明日は
        • 2ビートキックと6ビートキックの違いがどこまでタイムや持続力に影響するか
        • 両手前スイッチと片手前片手後ろスイッチの違いがどこまでタイムや持続力に影響するか
        について確認する。


        練習後の気分:6(自転車の影響で泳ぐ時間が減ってしまった)

        2015年3月28日土曜日

        低温スイムの新技術

        スイム 40分


        今日はミネソタからワークショップの指導に来たDave Cameronコーチとサンフランシスコで泳いだ。気温21度と3月にしては暖かいが、水温は16度であった(ブイに備え付けの温度計で確認)。普段よりは3度程度高いらしい。

        今回はシーズン初めてということもあり、ウェットスーツ(袖無し)+サーマルスリーブ(袖)+サーマルキャップで泳いだ。

        ○最初の5分

        海に入った瞬間、冷たいと思う間もなく痛みが足を襲う。泳ぎ始めたが手のひらと足が痛くなってきた。

        ウェットスーツやサーマルスリーブ、キャップに覆われている場所は何も感じないが、手のひら、足、顔、首が痛む。呼吸も浅くなったので2ストローク1回呼吸で換気を増やした。

        6ビートキックを初めて海水で試したが、ウェットスーツによる浮力もあり空打ちが目立った。

        ○次の5分

        冷たいと感じたら、水中の手の型を意識して、普段よりも「力強く」水の中で手を動かすようにDaveからアドバイスを受けた。試してみると手の冷たさが弱くなり、ストロークに集中できるようになった。

        またテンポを上げて泳いでいたところ、左手が水面を叩いているとの指摘があった。スリーブを着けているので気がつかなかったが、入水角度を意識するようにした。

        ○次の10分

        最初の10分間でパニック状態から落ち着いた状態まで変化した。それまではDaveに追いつけなかったが、水中の手の動きを意識するようになってからスピードで追いつくようになった。

        またキックについても、ウェット装着時のひざの緩め方や腸腰筋の使い方がわかってきて、下半身を安定させ、推進力となる6ビートキックに変えることができた。

        ○次の10分

        強烈な横からの流れで押し流される。手のかきに合わせるサイティングで視野を確保し、流される方向と逆の方向に向けて泳いだ。

        ここでDaveから、「横からの潮があるときは、グライド時間を増やすと横に流される。テンポを上げてスケーティング姿勢の時間を短くする」アドバイスを受けた。このため水中の手とからだの間隔を狭め、6ビートキックのタイミングに合わせてテンポを上げたところ、流されないようになった。

        ○次の10分

        良い感じで終わりかけたが、「もう1回行く?」と言われて思わず「行こう!」と言った自分がおかしい。ついにあちらの世界に入ってしまった。4月のレースのペースで10分泳いでみた。


        Daveはドーバー海峡をソロで2回成功させ、往復にもチャレンジしている。経験豊富なコーチからいろいろ教えてもらえる自分の立場に感謝している。

        クラブハウスは一般人でも入場できることがわかったので、これからは電動シャワーを持ち運ばずに毎週土曜日練習することにする。


        練習後の気分:8(泳いだ後は震えがやっぱり止まらなかったが、すぐに熱いシャワーが浴びられてよかった)

        2015年3月27日金曜日

        水中の手の動作のまとめ

        スイム 74分 3600yds


        1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
        2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
        3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
        4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
        5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
        6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
        7. スカリング 4×100:肘前スカル25、肩下スカル25、腰前スカル25、スカリングの動きをストロークに取り入れてクロール25
        8. クロール 8×200
          4セット
          -1st 50:手首前スカルをキャッチに連動
          -2nd 50:肩下スカルをプッシュに連動
          -3rd 50:腰前スカルをフィニッシュに連動
          -4th 50:スカリングの動きをストローク全体に連動
          4セット
          -1st 50:手首前スカルを入水動作に連動
          -2nd 50:肘下スカルを入水動作に連動
          -3rd 50:肩下スカルを入水後の加速に連動
          -4th 50:腰前スカルを入水後の加速に連動


        水中の手の動きをスカリングに関連づけるプロセスはこれで終わり。最初の外側への動きは内側への返しの反動をつける意味もあることを思い出した。
        • 外側から内側への返しは素早く行う。
        • 伸ばした手の位置から外側への動きも素早く行う。
        • 従って外側に動き出すタイミングは、内側への返しを行う直前まで待つことになる。
        手首スカルは手に水を当てることが主目的であり、長い距離動かすと揚力が増えてブレーキがかかる。親指を支点にした短い回転(90度)を意識し、肘の位置を上げることと外→内の返しの勢いを作ることを主目的とする。

        次の外→内の動きは、手の角度を固定したまま肘を支点にした運動になる。実際は弧を描いているが、意識は直線の方が手をこねなくてよい。前腕と手の甲を直線に保ち、手首を曲げないようにする。

        最後の内→外の動きでフィニッシュする。後ろに水を押す反動を使って手を出すのはこれまでの考え方と同じであるが、テンポアップするために後ろに押す意識は最小限に留め、スカリングの外向きの動きからそのまま手が水上に「抜ける」ようにする。

        ○スイッチタイミングによるコントロール

        手の動きが確立されれば、タイミングをコントロールすることが容易になる。試して感じたのは、
        • 最初の外側への開始は入水の直前とする。入水時の加速において水中の手が支点になるように水を抱えておく。
        • 外→内に入水する手を合わせる場合、水上の手が肩の横を通り過ぎるあたりで水中の手の動作を始める。水中の手を支えにして入水自体を加速することになる。
        • フィニッシュを入水の手に合わせる場合、水中の深い位置で動作を始めると間に合わない。肩下スカルの肘の角度を鋭角にして、手の平がからだのすぐ前を通るようにすると水中動作を素早く行い、タイミングを合わせることができる。
        水中の手とからだとの間隔を狭めることにより、スイッチのタイミングを早めにすることがわかった。


        4月中旬に1650ydのレースがあるため、来週からペースづくりを始める。


        練習後の気分:8(最近頭痛に悩まされているが、薬を飲んで治まっているうちに練習することにした)


        2015年3月24日火曜日

        スカリング練習と水中の手の動かし方の関係

        スイム 72分 3600yds



        1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
        2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
        3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
        4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
        5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
        6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
        7. スカリング 4×100:肘前スカル25、肩下スカル25、腰前スカル25、スカリングの動きをストロークに取り入れてクロール25
        8. クロール 8×200
          4セット
          -1st 50:手首前スカルをキャッチに連動
          -2nd 50:肩下スカルをプッシュに連動
          -3rd 50:腰前スカルをフィニッシュに連動
          -4th 50:スカリングの動きをストローク全体に連動
          4セット
          -1st 50:手首前スカルを入水動作に連動
          -2nd 50:肘下スカルを入水動作に連動
          -3rd 50:肩下スカルを入水後の加速に連動
          -4th 50:腰前スカルを入水後の加速に連動


        今日のスカリング練習で、ようやく水中の手の動きが理解できた。
        1. キャッチ:手のひらを外側に向けて開く動きを最初に行うことで、水の当たりが強くなる。これは手を前に伸ばしたスカリング動作と同じである。親指を支点にして手のひらの回転動作を加えることで、肘の位置が高くなる。水の当たりを強くし、肘を高くした型を作ってから素早く内側に返すことでキャッチが完結する。
        2. プル-プッシュ:肩の下で行うスカリング動作の始点をキャッチの位置、終点をフィニッシュの位置に移動するとプル-プッシュになる。肩の下で行うスカリング動作は「姿勢の安定」と「推進力」の両方の機能を持つ。両足を閉じたまま肩の下でスカリングしたときに、足が浮いたまま前に進むようになればこの2つが機能していることになる。現時点では推進力はあるものの足が沈むので姿勢は安定していない。キャッチの位置から手を内側に動かして腰の前に到達する。
        3. フィニッシュ:腰の前で行うスカリング動作のうち、手を外側に動かす部分がフィニッシュになる。手を後ろに押さず、外側にはじくように動かすことで押された水を感じることができる。

        これまでキャッチの部分にスカリングの動きを取り入れる考えが理解できなかったが、オーストラリアのTIコーチであるピーターのアドバイスを取り入れたことにより外向きの手の動きがキャッチの前半部分になることがわかった。後半は素早く手を返す部分である。

        非常に重要な感覚が得られたので、クロール200のセットでは4セットをこの手の動かし方に費やし、次の4セットで両手のタイミングを変えてみた。入水する手の加速のタイミングをどこにするかで、水中の手のどの動きを強調することになるのかが決まる。なおタイミングを見極めるときは、入水する瞬間については意識せず、入水する手を加速するタイミングを観察した。これはCROSモードでは水面の傾きが絶えず変化するので、水面を基準にすることができないためである。手を前に素早く伸ばす動作をタイミングの基準とすることで、水面がどのような向きになっていても対応できる。1~3までは問題なくできたが、フィニッシュと手を前に伸ばす動作の連動はドリルでの練習が必要である。


        これまでとそれほど変わらない時間で3600を泳げるようになった。スピードも確実に上がっている。


        練習後の気分:8(見えなかったものが見えるようになった)

        2015年3月23日月曜日

        水中での手の動かし方

        スイム 70分 3000yds



        1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
        2. キック 4×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットずつ
        3. 2to6ビートキッククロール 2×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
        4. 6ビートキッククロール 2×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
        5. アンクルストラップクロール 2×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
        6. クロール 2×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
        7. スカリング 4×100:肘前スカル25、肩前スカル25、腰下スカル25、肘の形状を意識したクロール25
        8. クロール 5×200:6ビートキッククロール(道具箱練習)
          -1st 50:アクセントキックのタイミング(入水する手に合わせる)+手と肘の軌跡
          -2nd 50:足をゆるめて膝を引き上げる+手と肘の軌跡
          -3rd 50:入水する手を伸ばす動作に合わせてエッジをかける+手と肘の軌跡
          -4th 50:足のリズムを連続にして手の動作を合わせる+手と肘の軌跡


        キック練習は技術を染み込ませる段階として、これまでの半分の練習量にする。

        新たに水中での手の動かし方を磨くためにスカリングドリルを入れた。シュノーケル装着。スカリングに伴う揚力発生を目的にするのではなく、キャッチ、プル、プッシュ、フィニッシュにおける手の向きと肘の角度を推進力が得られるように調整する。

        肘前スカル(スケーティング姿勢で伸ばした手の肘の位置より前でスカリング)では水を下に押しているだけで、なかなか前に進まない。キックを止めたかったが足が沈むので軽いバタ足を入れた。

        肩前スカルで前に進むようになったが、それでも推進力は弱く、キックをしないと足が沈む。腰の下のスカリングでようやく水を後ろに押す感覚が得られ、前後のバランスもとれるようになった。

        Finisのアジリティパドルを使ったがスカル動作よりも後ろに押す動作が優先されてしまう。肘の角度がロックされてしまうので不適であった。もう一つの新しいパドル(インスティンクトパドル)を入手して試すことにする。

        長距離で6ビートを泳げるようにするために、200のセットを今回より取り入れる。1回あたりの距離を次第に伸ばしながら、セット数を増やして泳ぐ距離全体を増やす。またキックの4つの道具は確立できたので、50の後半はスカリングドリルのときの肘の動きを意識して手を動かした。肩の下あたりで肘の角度が大きいことがわかったので、手の位置を変えながら行うスカリング練習の動作を次回はなめらかにする。


        ・練習後の気分:6(スカリング練習の効果が小さかった)


        2015年3月20日金曜日

        CROSモード対応のキック練習で得られたこと

        スイム 70分 3000yds



        1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
        2. キック 8×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25、フィン無し2セットとフィン装着2セットを交互に2回ずつ
        3. 2to6ビートキッククロール 4×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
        4. 6ビートキッククロール 4×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
        5. アンクルストラップクロール 4×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
        6. クロール 4×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
        7. クロール 400:6ビートキッククロール
          1st 50:アクセントキックのタイミング(入水する手に合わせる)
          2nd 50:足をゆるめて膝を引き上げる
          3rd 50:入水する手を伸ばす動作に合わせてエッジをかける
          4th 50:足のリズムを連続にして手の動作を合わせる
          5から8:1~4の繰り返し

        冷たい荒い海で泳ぐ泳ぎ方をCROS(Cold Rough Open water Swimming)モードと定義して、要素技術の一つである「下半身の安定した6ビートキック」の練習を集中的に行い、身につけることができた。以下は今回の練習を通じて得られた知見である。
        • キックは足で水を下に押すことを意識しない。ゆるめたひざを素早く引き上げて伸ばすことを意識する。
        • 最初はひざの裏を緊張させることになるが、緩める部分を増やすとハムストリング→骨盤の回転(上下動)→腸腰筋+骨盤の前後動と使用部位が変わる。腸腰筋と骨盤の前後動を使うときは、足はほとんど緊張せずリラックスした状態になる。
        • 足の動きをからだの動きと連動させるため、2ビートキックのタイミングを6ビートに取り入れる。これを「アクセントキック」と呼び、入水する手(斜め姿勢の切り替え)に合わせて打つ(=ひざを伸ばす)。
        • 入水する手に合わせてアクセントキックを入れると、3ビート毎に若干の間が空く。この間を使って斜め姿勢を安定させる。
        • テンポを上げたいときは、3ビートの間を取り除き、それに合わせるように手の軌跡を短くする。こうすることで確実にテンポが上がる。
        • 足の位置を高く保つために、キックではなく入水した手を伸ばす勢いを使う。手を伸ばすときに前に体重を乗せることで、足が浮いてくる。両足を閉じたままにして泳いでも、キックしたときに比べて100ydsで2秒程度の違いしかない。
        上記のような知見に基づいて本日の練習の最後に400を6ビートで泳いだ。特に問題もなく、足も疲れず6ビートで泳ぐことができた。おそらく人生で初めてである。

        キック練習についてはこれで一段落として、今後は関連練習の時間を3分の1程度にして続ける。次週よりスカリングを用いたプルの軌跡とスイッチのタイミングに取り組む。


        練習後の気分:9(400を泳いで達成感がある)

        2015年3月19日木曜日

        エッジのかけ方

        スイム 70分 2850yds

        1. ウォームアップ 400:7つの感覚を50ずつ意識
        2. キック 8×100:スーパーマンキック25、スケーティングキック片側ずつ25×2、2ビートアクセントを意識した6ビートクロール25
        3. 2to6ビートキッククロール 4×100:フリック2ビート→シザーズ2ビート→6ビートとして25ずつ6ビートの割合を増やす
        4. 6ビートキッククロール 4×100:1st, 2nd25は入水の手に合わせてアクセントキックを入れ、3rd, 4thは6ビートに入水の手を合わせる。
        5. アンクルストラップクロール 4×100:アンクルストラップを装着し足の動きを止める。
        6. クロール 4×100:1st, 3rdは両足をつけたままキックなし、2nd, 4thは6ビートキック
        7. クロール 400(250でリタイア):6ビートキッククロール
          1st 50:アクセントキックのタイミング(入水する手に合わせる)
          2nd 50:足をゆるめて膝を引き上げる
          3rd 50:入水する手を伸ばす動作に合わせてエッジをかける
          4th 50:足のリズムを連続にして手の動作を合わせる
          5から8:1~4の繰り返し(5でリタイア)


        ○前回までとの相違点

        • 2のキックドリルでフィン装着→外すの順番にした:3ラップ目に足がつった。足が温まらない段階でフィンを装着すると足がつることがわかった。次回から以前のようにフィンなし→装着の順番に戻す。
        • 5のアンクルストラップクロールで、足の左右の動きを抑える意識と足を持ち上げる意識を入れたときのタイムの違いを考察→左右の動きを抑えるだけでは1分43秒、入水した手を伸ばすときに足を持ち上げる意識を入れると1分33秒。4の平均タイムは1分28秒なのでキック有りと無しとの差が大きく縮まったことになる。
        • 6ではキックなしとキックありを25ずつ交互に行う→フルキックと同じタイムの1分28秒まで上げることができた。

        ○新しい発見

        • 左右揺れしにくい斜め姿勢を「エッジのかかった状態」と呼ぶ。これまではスケーティングの姿勢でからだを締めることでエッジをかけていた。この方法はゆっくり泳ぐ2ビートでは有効であるが、回転角が浅くなり、テンポが速くなる6ビートでは難しい。
        • アンクルストラップで両足を閉じて動かないようにしたときに、左右のぶれを抑えようとするときと、入水した手を伸ばしたときに足を持ち上げようとしたときとでは100ヤードで10秒タイムが変わった。手を前に伸ばすときに体幹と足を締めることでエッジがかかることがわかった。
        • エッジがかかるとスピードが上がる。キックをしなくてもタイムを維持することができる。
        • 手を前に伸ばすときにからだの下側を締めることができると、足はゆるめたままでもエッジはかかったままになる。ゆるめた足を使って素早い6ビートを行えば、スピードをさらに上げることができる。このときは下半身全体がゆるんでいる(いわゆる「イカ」の状態)のではなく、体幹から腰までは締まっている。腰が締まるとゆるんだ足を腸腰筋で引っ張ることができる。

        最後は6ビートの道具を確定するために50ずつ道具を変えて泳いだが、250で土踏まずがつった(最初のフィン装着でつった場所と同じ)ので無理をせずリタイアした。明日は道具を変えながら長距離をラクに6ビートで泳ぐ土台を作る。

        ・練習後の気分:9(プールから上がったときに前より上達したことを確信した)