2013年9月30日月曜日

1650yd タイムトライアル

トータル:2100yd 33分 

○練習のテーマ

ビデオ撮影の予定が曇り空で中止。夕方近くになり晴れてきたので練習を行う。
11月のフィリピンのキャンプでは中日に1.5kmのレースに参加する。Sandra(香港のコーチ)に勝つ宣言をしたものの、まともな練習は8月12日までしかやっておらず、それ以降はビデオ撮影や単発的な練習であったので体力的に不安があった。そこで無劣化でどこまで泳げるかテストした。


・リペアスイム 200

速攻で修復するため、最初の50は体幹の回転とリラックス、残りは50ずつ使ってまあなの感覚基準を引き上げた。特に安定感では伸ばした手をリラックスさせながら圧をかける道具を使った。この道具を使うと姿勢が安定するだけでなく、水を抱える感覚も増える。

・タイムトライアル(無劣化テスト) 1650(テンポ=1.20秒)

開始前は200を5本程度泳ぐことを考えていたが、100を泳いでみていけそうな気がしてきたので1650を泳ぐことに決めた。無劣化のテストが目的であったので、これまで無劣化で泳げていた1.40から0.20秒引き上げて距離を泳ぐテンポである1.20秒に設定し、ストローク数は2番目のラップで計測した15ストロークを死守することにした。

結果は23分53秒で予想していた24分を切った。4月にテンポ1.15秒で計測したときは25分を切る程度だったので、リラックスした泳ぎで1分以上短縮することができた。

10月は道具箱の撮影、およびセルフラーニングツールの撮影があるため練習日数は合計で10日程度となる。それまで1650のベストタイムである22分20秒を出すためには、現在よりも1分30秒短縮する必要がある。最低でもテンポ1.05秒16ストロークで劣化しない泳ぎを実現する。アプローチとしては、
  1. 12ストロークを強化してテンポ1.20秒12ストロークで泳げるようにする。
  2. テンポ1.10秒14ストロークで泳げるようにする。
  3. テンポ1.05秒15ストロークで泳げるようにする。
  4. テンポ1.05秒15ストロークを基本として、16ストロークを最多ストロークとする。

・イージー 5x50

無劣化の泳ぎを構成する水中の手の軌跡に集中する。テンポ1.40秒程度のゆっくりしたテンポであれば安定した軌跡を通ることができるが、テンポ1.20秒だとまだ不安定である。ストロークを中心とした練習で水中の手の軌跡を安定化させる。

練習後の気分:7(1650泳いでも全く疲れなかった)

2013年9月28日土曜日

練習記録 9/28 道具箱練習+テンポ

トータル:2500yd 57分 

○練習のテーマ

道具箱練習にテンポを加えると練習しやすくなるのか、しにくくなるのかを確認する。

・リペアスイム 500

今日はストローク数をコントロールする感覚を修復する。最初はリラックスして16ストロークで泳いだ後、無劣化を意識しながら14ストロークを維持する。25mでは16ストロークに相当するので加速はほとんど入れていない。スピードアップするためには、まずリラックスした状態でコンスタントに同じストローク数で泳いで基盤を作る必要がある。

・道具箱練習 40x50

前日の道具箱練習の後でドリルアーキテクチャー(120種類のドリルを階層化)を参照しながら40の道具をリストアップした。いずれもリハーサルが可能な道具で、その成果を感覚で得て評価することができる。
  •  頭に注目した道具:立位3種類
  • 息継ぎに注目道具: 立位4種類、ドリル移行2種類
  • 肩に注目した道具:立位1種類、ドリル移行1種類
  • 入水して伸ばす手に注目した道具:立位8種類、ドリル移行3種類
  • 水中の手に注目した道具:立位6種類、ドリル移行4種類
  • 水上の手に注目した道具:立位7種類
  • 足に注目した道具:立位2種類、ドリル移行1種類
  • 型に関する道具:ドリル移行2種類
ここで立位は壁際で立ちながらリハーサルを行い、感覚をつかんだところでクロールを泳ぐ。またドリル移行はドリルからスタートして、感覚をつかんだところでクロールに切り替える。

整理してわかったのは、ドリルからの移行が予想より少なかった点である。今回はアンダースイッチや片手ドリルからの移行を除外したが、今後道具化できるか判断する。

・テンポトレーナーの併用

 今回はテンポトレーナーを1.20秒に設定した。これは普段のフォーカルポイントスイム練習で使用するテンポで、私が考えながら泳ぐときに適したテンポである(通常は1.40~1.50秒を推奨)。

テンポなしの昨日の練習に比べ、今日は道具に集中して感覚を得ることができた。テンポを聞きながら泳ぐことで雑念が消えるメリットを感じた。次回はストローク数固定をやってみるが、この場合ストローク数を合わせるために別の道具を使用する必要があり難しいと予想している。

・効果的な道具箱練習

 これまでの成果により、効果的に道具箱練習を行うためには、
  1. 1つの道具で泳ぐ距離は2ラップ、最長で4ラップ。
  2. 1回の練習で「道具箱練習」として使う道具は3~5。
  3. よって練習する距離としては200m~500m。
  4. テンポトレーナーを併用するときは考えながら泳げるテンポを使用。
  5. 道具箱練習の後に必ずスイムセットを取り入れ、道具箱を実際に使ってみる。
  6. スイムセットで1回に泳ぐ距離は最低道具箱練習で1回に泳いだ距離。できれば2倍、4倍泳いで疲れに対応して道具を使うのがよい。
  7. ラップの中で道具を使って明らかに泳ぎを変えるのも効果的である。この場合1回に続けて泳ぐ中で各ラップ毎に同じように泳ぎ方を変える。
今回整理したことで、私が泳いでいる中で使う道具は、道具箱練習として練習できる道具が50程度、現在泳いでいる状態からチューニングするポイント(センサーと連動)として20程度であることがわかった。それぞれの道具の精度や感度を上げることで効果を上げるとともに、新たな道具をあと30は作って100の道具を持ちたい。そのぐらいあればどんな問題でも自己解決できるであろう。

練習後の気分:6(立位で頭を横にした道具が多く、酔ってしまった)

2013年9月27日金曜日

練習記録 9/27 道具箱練習

トータル:2300yd 55分 

○練習のテーマ

米国に戻って最初の練習。翌週に撮影する道具箱のリハーサルを兼ねる。

日本(&グアム+香港)でレッスンをして感じるが、「人にものを教える」のは自ら持つノウハウを流出させることである。教えているお客様より多くTIスイムを練習し、過去8年間TIスイムの指導実績を持ち、さらに25年以上のコンサルティング経験を含めても、それらの蓄積が豊富にあるからいくらでも教えられるというようにはならない。

例えれば浴槽に張ったお湯である。教えることは栓を開けることである。お湯がたくさんあれば流れ出す量も多くなる。ただし流し続ければ浴槽のお湯は減り、流れ出す量も減ってくる。これが教える質に相当する。最高の質を維持するためには、常に浴槽をお湯で満たさなければならない。

お湯の満たし方には3つのアプローチがある。1)実際の指導に基づいて新たな教え方を蓄積する。2)教える内容は同じだが伝え方を工夫して学びやすくする。3)新たに学ぶ。

1)は放出したお湯を一部還流するイメージで、指導経験を積むほどこの蓄積が増える。2)はコーチングやコミュニケーションなど、現在の水泳指導のインフラとなるべき技術を磨くことで、より多くのお客様が理解して実践できるようになることである。3)は自ら学習・練習して新たな指導内容や指導方法を発見することである。

これまでのTIスイム指導を振り返ると、指導当初は1)5%(身内・友人対象)、2)30%(コンサルタントとしての経験)、3)65%(指導マニュアルによる指導学習を含む)であった。しかし3)の割合が次第に減っていき、昨年は2割程度であった。一方今年は3)が50%を越えている。日々の練習で得られた発見を体系化するプロセスはこのブログで開示しているので、この50%越えというのは客観的に理解することができる。

昨年と今年を比較したうえで浴槽のお湯論に戻ると、新たに入れるお湯の勢いが3)は圧倒的に強いということである。お湯の勢いについて数値化するならば、1)が3であるのに対して2)は7~8に達する。スピードを追究し、アプローチについて研究し、道具箱や方程式など新たな概念を導入することで自らの指導の質(=お湯の勢い)も高まったように感じる。

5月下旬から6月にかけての4ヶ国巡業、9月の2日間の1日8コマのプライベートレッスン、2日間の美クロワークショップ、そして1日の新しいカイゼンワークショップを連続して実施することができたのも、今年の豊富な湯量が貢献していたものと考えられる。

コーチは指導経験を積み指導技術を高めるのはもちろんであるが、自ら学ぶことを続けてそれを指導に活かす道筋を作ることがより大切である。自ら学ぶことのない指導者は、指導の質が低下し、いつかは枯渇することになると私は考える。

・リペアスイム 500

自分のための練習として泳ぐのは2週間ぶりであり、姿勢、動作やセンサーを磨き直す必要がある。これをリペア(修理)スイムと名付けた。

50:体幹を回転するという基本動作について、肩や腰のスイングを意識する。
50:前のめり感を高める道具:顔で水を押す、リカバリー肘の位置を前に
100:安定感を高める:伸ばした手に圧を加える、フラットに泳ぐ
100:なめらか感を高める:入水時の手の形、伸ばす手をレール上に、リカバリーにつなぐフィニッシュ
100:無劣化:型にはめる、体幹の回転と手の動きを連動する
100:キャッチとプル:キャッチ位置を上げる、肘を外側に動かす

・道具箱練習 30x50

美クロWSで実施した11の道具に加えて、これまで意識的・無意識に使ってきた道具19種類をリハーサル+スイムの練習形にする。リハーサルはその場で立ってできるものから、ミニドリル、さらにフルドリル形式でスイムにつなげるものまで多様である。30種類は初めての試みである。
  • リハーサルからスイムにスムーズにつなげられるものとそうでないものがあった。クロールから離れた形で行うドリルからクロールにつなげるのは難しい。クロールへのつなげ方について丁寧な説明が必要。
  • 動きの小さいものは感覚的に(体のセンサーが)理解しやすい。動きの大きいもの、見えないものは理解しにくい。
  • ワークショップではそれぞれの道具が終わると「ご破算にして」とお願いしたが、実際は少しずつ意識が残って次の道具に移るので、10種類も行うと頭の中が飽和する。練習としては4~5が推奨、多くても6に留めるべきである。
  • 今回は撮影準備のため1回ずつ行ったが、1回はまずセンサーを起動するため、次の1回はテンポに合わせて、次の1回はストロークを決めてなどタスクを変えながら同じ道具で複数回練習するのが望ましい。次回は複数回実施する。
  •  半年間の練習としては30程度が妥当。今後コーチの助言を得てさらに30の道具を開発する。
 

・瞑想バタフライ 200

Garmin Swimで300を示していたのは50mプールに設定されていたことが判明。ペースを見る限り250yd泳いだ模様。

練習後の気分:8(誰もいない透明なプールは非常に気分がよい)

2013年9月13日金曜日

練習記録 9/14 25mプールの活用2

トータル:1800m 35分 

○練習のテーマ

香港のプライベートレッスンの最後の枠がNo Showだったため、食事をしてから軽く練習。
前日松戸で行ったセッションと同じ内容で、テンポトレーナーを使ってみる。

・フォーカルポイントスイム 200

ワークショップで使っているRepulse Bayのプールは、これまでレッスンでは使っていたが練習では初めてである。そこでプールに慣れることを目的とする。テンポトレーナーは使わない。
  • 最初の50:回転角を次第に増やしてリカバリーをなめらかにすると同時に肘の落差を推進力に使う。
  • 次の50:テンポを上げながら回転角を次第に抑える。落差を使った泳ぎから手と足の連動にシフトする。
  • 次の50:キャッチの型にはめてから無劣化で泳ぐ。
  • 次の50:さらにテンポを上げて、キャッチの位置を上げながらプル優勢の泳ぎにシフトする。 
 

・ディスタンスピラミッド 3×(50+100+150+200)

テンポ1.15、1.10、1.05秒で休憩時間は15秒。
ストローク数は15/16で3種類のテンポともに維持できた。プールに横線がなかったので、ラップ内の泳ぎ方を前日とは変えて、
  • 最初の6ストローク:無劣化の泳ぎ(型にはめてから肘をゆるめる)+わきの下で滑る
  • 次の6ストローク:前のめり感を増やす
  • 残り:キャッチ&プル(3~5)
として無劣化の割合を減らして前のめり感を増やした。
結果としては劣化することもなく1.05秒で200を泳ぐことができたので、半分まで無劣化で泳ぐ必要はなさそうである。ターン後の姿勢の立て直しに2ストローク必要なので、6ストロークを当面の練習の基準とする。

前のめり感の泳ぎはプッシュ優勢の泳ぎでもある。この泳ぎからプル優勢の泳ぎに一気に変えているが、これがよいかどうかについては今後検証する必要がある。また25ヤードプールではさらに2ストローク減り13~14が基本になるので、1ラップで3種類の泳ぎを泳ぐことで忙しくなりすぎないかが懸案となる。

・瞑想バタフライ 100

日本時間の夜10時で就寝時刻となり、瞑想ではなく入眠バタフライになりかけたので中止して終了。泳ぎながら寝るとどうなるのかは興味がある。

練習後の気分:7(プールからの景色が良いので気分が良かった)

2013年9月12日木曜日

練習記録 9/12 25mプールの活用

トータル:2000m 45分 

○練習のテーマ

25mプールでの泳ぎの感覚を得る。特に今回グアムで得た技術である、異なる道具を1ラップで使ったときの変更の目安を知る。
またテンポトレーナーやGarmin Swimが使えないときの練習方法を試す。

・フォーカルポイントスイム 200

ストローク数の調整。伸びて12、なめらか感を加えて14。
最初の50:肩と体の回転角を大きくしてから肩の可動域に合わせて回転角を抑える。
次の50:キャッチの位置を調整。
次の100:無劣化の泳ぎ、特に水中で動かす手の形を変えずに肘から先をゆるめる。

・ストロークピラミッド 10×50

ストローク数(減らす):14/15, 13/14, 12/13, 11/12,
ストローク数(増やす):11/12, 12/13,  13/14, 14/15, 15/16, 16/17
ストローク数を減らす局面では無劣化の水中の手の動きをできるだけ残しながらプッシュで加速。
ストローク数を増やす局面ではキャッチ位置を上げてストロークのウェイトを前半(プル)にシフトさせる。
当初予定ではストローク数を18まで上げる予定であったが、ストローク数が増えるにつれてスピードが上がり、帰りの17ストロークで最大点に達したと判断してそこで終わりにする。
無劣化の泳ぎを意識しながら加速を増やすスムーズな流れができた。

・ディスタンスピラミッド 2×(50+100+150+200)

ストローク数14/15、休憩時間15秒でディセンディングの一連の道具を使う。プール半分の横線が見えるまでは無劣化の泳ぎ、残り5mの横線が見えるまでは前のめり感を増やす泳ぎ、残りはキャッチとプルの泳ぎで続ける。無劣化の泳ぎが6ストローク、前のめりが4、キャッチとプルが4の配分となるが、50mプールに比べて半分のストローク数だと効果が見えにくい。150と200では無劣化を4、前のめりとキャッチを5にしてようやく加速感が得られた。

次のセットは15/16ストロークを維持して無劣化で泳いだ。休憩時間は10秒とした。キャッチの型にはめたら前腕の形を維持したまま肘から先をゆるめ、体の回転とともに手が後ろに動く。ラクに200まで泳ぐことができた。

※プールの制約

1コース4人という混雑状況で泳ぐ練習は集中しづらい。1人の25m所要時間は25~35秒で、平均18秒で泳いでいると必ず追いついてしまう。特に100m以上続けて泳ぐときにはエアターンを覚悟する必要がある。エアオープンターン(OWSテクニックの180度ターン)は難しいので、エアフリップターン+平泳ぎキックがよい。壁に着かないとターンできないというパラダイムを捨てることが必要である。

また休憩時間は他の方の泳ぐ状況に大きく左右されることも実感した。次の方が到着してターンをする直前にスタートしなければならず、休憩時間が一定しない。

テンポトレーナーが使えない、ペースクロックがない点についてはメニューのカイゼンで対応できるが、1コース複数人使用時の練習の仕方については、意識の集中の持続力を高めることも含めて今後の課題とする。

・瞑想バタフライ 300

流れるプール3周をノンストップで泳ぐ。ほとんど避けることなく泳ぐことができたのはよかった。

練習後の気分:5(日本の混雑プールで上達する喜びを毎回感じるためには相当な工夫が必要である)

2013年9月11日水曜日

1500mタイムトライアル 4日で40秒スピードアップする方程式

グアムキャンプにおいて、1500mタイムトライアルを2回実施した。いずれも計時にはGarmin Swimを使用した。

○9月5日 タイム:23分58秒90 劣化率:7.6%

泳ぐ前に立てた戦略は以下の通りである。
 -5月に計測した23分52秒、劣化率11.1%を上回る。
 -テンポ1.05秒、ストローク数40を基本ペースする。
 -ウォームアップでテンポ1.20秒からスタートして無劣化の泳ぎの型を作り、テンポアップする。
 -最初のラップは慎重に泳ぎ、劣化を防ぐ。

最初のラップは軽い感覚で泳げたが、いきなり2ラップ目より劣化を感じるようになった。特に500m以降はストローク数も42~43となり、ひたすら泳ぐ感覚であった。明らかに1カ月近い練習不足が原因である。このような状況でココス島往復のため量も質も目指していた5月と同程度のスピードが得られ、しかも劣化率は上回っていることが驚きであった。

泳いだ後の反省点は以下の通りである。
  • 劣化率を抑えることを目的に、同じペースで泳いでいると泳ぎが劣化する。ラップ毎ではなく、ラップの中でも変化を加える必要がある。
  • 無劣化の泳ぎ、ディセンディングの泳ぎを区別して、大きく泳ぎを変える。
  • 泳ぎが劣化したと感じたらディセンディングに切り替える。無劣化を意識してもカイゼン効果は薄い。

○9月8-9日 練習(40分程度)

遅いテンポで無劣化の泳ぎを作ってテンポアップする方法でまず50m45秒を切るスピードを得る。
次にディスタンスピラミッドにおいて、次の実験を行う。
  1. 各ラップの最初の20ストローク:無劣化で泳ぐ。キャッチとスイッチの型にはめたら前腕の形を維持したまま肘から先をゆるめる。
  2. 次の10ストローク:前のめり感を上げる道具を使う。
    1) 頭を10cm沈める
    2) 顔で水を押す
    3) 入水する手を+20cm下げる
  3. 次の10ストローク+α(壁まで):キャッチ位置を水面下まで上げて型にはめる
1、2、3各フェーズにおけるテンポを0.05秒程度変えた。2が最も遅く、3が最も速い。
このサイクルを各ラップで忠実に守るようにして泳いだ。
8日はディスタンスピラミッド50+100+150+200をテンポ1.20、1.15、1.10秒で実施して距離が伸びてもタイムがほとんど劣化しないことを確認した。9日はテンポを1.10, 1.05, 1.00秒で行い、やはりほとんど劣化しなかった。ただしテンポ1.05秒からは無劣化の泳ぎにおいても手の入水後にわきの下を滑らせるようにして空回りを抑えた。

以上よりラップ毎のプランニングから、ラップ内の泳ぎ方の配分を変える方針に変更して11日のタイムトライアルに臨んだ。

○9月11日 タイム:23分18秒20 劣化率:3.2%

上記のラップ内配分を忠実に守った結果、ストローク数の変動幅は2以内に抑えることができ、非常に安定した泳ぎになった。1000mを越えたあたりより疲れが出てきたので無劣化のサイクルでも前のめり感を少し足し、さらにテンポを意識的に上げた。

タイムは5日よりも40秒短縮することができた。劣化率は最大で5%、最後は1%とほぼ最初のラップと同じスピードで泳げた。人生で最も速い状態を作ることに成功した。

2つのタイムトライアルの間は、2回のオープンウォータースイムセッションと2回のプール自主練習があっただけである。普段よりフォームをコントロールしておけば、戦略を変えるだけでタイム短縮が実現できることを示すことができた。なおオープンウォータースイムの1500mタイムトライアルでも25分という好成績を出すことができた。

9月までに長水路22分30秒という目標は達成できなかったが、6月から始めた練習によりスピードアップするための方程式は解くことができた。今後はさらにフォーム形成に磨きをかけることで、最小の練習量(11月~2月はオフ)で3月に長水路22分30秒、そして短水路での21分台、20分台に挑戦する。

 


2013年9月4日水曜日

練習記録 9/4 無劣化スイムの延伸

トータル:1800m 40分 

○練習のテーマ:無劣化スイムの距離を伸ばす

前日の練習で決めたテンポ1.20秒、34ストロークで泳ぐ距離を伸ばしたときに、ストローク数を一定にして劣化させないようにするための道具を磨く。

・ウォームアップ:300m

テンポ1.40秒で2×50m、以降は0.05秒ずつ速めて1.20秒のストロークを決める。前日と朝のジョギングで筋肉痛がひどく前日より2ストローク増やして36とした。ディスタンス・ラダーで使う道具箱を整理した。

☆無劣化の道具箱

  • スイッチ直前に型を作る。
  • スイッチ後は前腕の角度を維持することだけ意識する。
  • スイッチによる体幹の回転速度をプッシュの動きと一致させる。
  • プッシュで推進力を上げるのではなくキャッチ位置を前・上にすることで手の動線を伸ばす。これはテンポを速くしたときにも使える道具である。
  • 入水する手は、肘が伸びた後に肩を入れてさらに伸ばしながら前のめり感を増やす。
  • 肘の位置の落差ではなく入水後の伸びの加速に重点を置くので、入水時の角度は美クロの7割り程度。

・ディスタンス・ラダー:4×{50+100+150(+200)m}

テンポ1.20秒/ストローク数36でスタート。距離が伸びるにつれて水中の手の動きが重くなることを確認した。キャッチ位置を浅く遠くして動線を伸ばすと同時に肘から先を脱力して「抱え込まないようにする」意識で手を動かす。テンポ1.20秒における目標のペースは46秒/50mとして、距離が伸びてもこのペースを維持するようにした。

結果は200m(4ラップ)でストローク数は後半2増えたものの平均劣化率は-1.0%となり目標を達成した。3ラップ目で2ストローク増えて38になったため、最後のラップは38を維持して加速を加えて-4%のネガティブスプリットを実現した。

気をよくして1.15秒にテンポアップ。時間が少なかったため150mまでの3段階としてラダー練習を実施。38ストロークまでを許容範囲としたが、150mでは40ストロークまで増えて劣化した。50mプールの場合、最初のラップと以降のラップの疲れ方の差が大きい。1.05秒までテンポアップしてラダー練習を行ったが、ストローク数は3ラップ目で+3となり明らかに空回りした。

上記の無劣化のための道具は適正なテンポ(現在は1.20秒)で有効に機能するものであり、それよりテンポが速くなると効き目が一気に弱くなることがわかった。加速を上げてストローク数を維持するディセンディングの道具を磨く必要がある。

練習後の気分:6(テンポが上がると劣化がひどくなることは予想していたとはいえがっかり)

2013年9月2日月曜日

練習記録 9/3 無劣化スイム長水路版

トータル:1200m 35分 

○練習のテーマ:長水路の無劣化スイム

今回初めて深夜にグアムに入った。翌日はスコールが長引き、ランは日中、スイムは夕方行った。大阪で体験した無劣化スイムを長水路で確認して明日のタイムトライアルに備える。

・ウォームアップ:200m

リラックスしながら加速を次第に上げることで、次の練習に備える。

・テンポラダー:10×2×50(@1.40, 1.35, 1.30, 1.25, 1.20, 1.15, 1.10, 1.05, 1.00, 0.95)

今回よりピラミッド練習:増減の2つの方向、ラダー(はしご)練習:1つの方向として言葉を使い分ける。

最大の目的は無劣化状態をキープしながらどこまでテンポを上げることができるかを試すことである。大阪では1.40秒で無劣化の泳ぎができたので、1.40秒からスタートしてテンポを0.05秒ずつ速くする。同じテンポで2回続けて泳ぎ、2回目は1回目よりさらにリラックスして同じストローク数が達成できるか見る。

1.40秒のストローク数は32で51秒であった。ここから1.20秒で34ストローク、45秒までは同じ道具で速度を上げることができた。テンポが上がるにつれて手が動く速度を体の移動速度に合わせることが難しくなってきたので、1.10秒からは水中の手の位置を15cm体に近づけ、肘先を完全にゆるめて「なでる」ように動かした。タイムは速くなったがストローク数も増えてしまったので、プル直後までは型を維持するために力を入れるようにしたところ、ストローク数が安定した。

最後のテンポ0.95秒では38ストローク、39秒とこれまでになく速い結果が得られた。ただし力を入れる意識を加えずにスピードが出せるフォームとしては1.20秒、34ストロークが良かったので、翌日はこのフォームで無劣化の泳ぎができるかどうか確認する。

練習後の気分:6(スコールのため泳ぎ始めが遅くなって日没コールド)



2013年9月1日日曜日

練習記録 9/1 無劣化の泳ぎ

トータル:50分 

○練習のテーマ:無劣化の泳ぎ

大阪の長水路スイムイベントに招待され、なみはやドームで見本泳とTIスイムのウェルカムレッスンを行った。電光掲示板横のオーロラビジョンに私のTIスイム前と後の泳ぎを映し出して、その後にナマシンジを見て頂いた。観客席から遠いのと、オーロラビジョンに私の姿が映されていてクールに対応していたのでお客様の反応はよくわからなかったが、プール中央からスタートしたスーパーマングライド20mはアイキャッチしたようである。

ウェルカムレッスンでは60~70名のお客様を2回に分けて行った。1つのポイントについてドリル的な動きを1ラップ、クロールを1ラップで3つのポイント、合計150m泳いだ。アップを含めて200mという短い距離であったが、多くの方が3つのポイントによる泳ぎの効果を感じて頂き、見た目もかなり変わった。いつもながらTIを体験するにはこの3つは鉄板であると感じた。

世界選手権の決勝の結果を分析してわかったことは、「全く劣化しない」ということである。飛び込みを含む最初のラップタイムと平均ラップタイムを比べると、同じか平均が上回ることがある。ラップ毎の変動幅も1%程度である。この「劣化しない泳ぎ」がスピードアップには必須の要件であることがわかった。目標となるペースを劣化しないで泳ぐことができれば目標は必ず達成できる。そこで劣化する原因を分析しながら無劣化の泳ぎを目指すことにする。

○劣化しない泳ぎ方を調べる

先週イベントで滞在した大阪のホテルでは、イベント向けの泳ぎと並行して劣化しない泳ぎについても練習した。

・劣化する泳ぎの仮説

我々素人は、最初のラップで意気込んでものすごく速く泳ぐが、「このままではもたない」という恐怖心からか急激にブレーキをかけて2ラップ目を泳ぐ。300~400mは同じペースで泳いでいるつもりであるが次第に劣化していることに気づき、500m頃にあわててペースを上げる。失敗する人はここで空回りが発生し、テンポは上がるがタイムは伸びずにいっきに疲れてさらに泳ぎが劣化する。これまでグアムキャンプで1500mタイムトライアルを行うと、ほぼ9割の方がこのような泳ぎ方をしている。

つまり劣化の原因としては、
  • ブレーキをかける:ペースを維持しようとして遅く泳ぐ→精神的な要因
  • 空回りする: 1ストロークあたりの推進力が落ちる→フォームが劣化する
の2つがあり、空回りする状態とは、
  • テンポは変わらないがストローク数が増える:テンポトレーナーを装着してテンポ一定で泳ぐとわかる事象
  • テンポを速くするがストローク長が極端に減り(ストローク数が増え)、結果としてテンポを速くする前よりも移動速度が遅くなる→疲れてからスピードアップしようとするときによく見られる事象
  • ストローク数は変わらないがテンポが遅くなる:ストローク数一定で泳ぐときに見られる事象
の3つが考えられる。

このため劣化しない泳ぎを実現するためには、
  • ディセンディングの意識:スピードを維持するのではなく最初のラップから加速し続ける
  • 無劣化フォームの形成:劣化しないテンポとストローク数を見つける
  • 無劣化フォームの延長:劣化しないフォームで泳げる距離を伸ばす
  • 目標ペースのフォームを無劣化フォームに近づける
が必要である。

・無劣化フォームを実現するテンポとストローク数の発見

これまでの練習で非常によい感覚が得られときの道具は、
  • キャッチで型にはめた後は、肘から先の形を維持することで意識する。
  • プルが終わったら、体幹の回転に合わせて手が動く。
  • 手の移動速度を体の移動速度に近づける。プルまでは2倍程度、プッシュでは1.2倍程度に抑える。
これらの道具を全て使えるテンポを測定したところ1.40秒、20mプールで10ストロークであった。30秒程度の十分な休憩を入れることで10本連続して10ストロークを達成できた。

これらの道具は片手のドリルで意識を高めることができる。3~4回片手で行ってから両手で泳ぐと、力の入れ加減やタイミング、手の軌跡がよくわかる。

・無劣化フォームの距離を伸ばす

翌日の朝練では、1.40秒10ストロークで泳ぐ距離を伸ばした。1ラップ20mからスタートして8ラップ160mまでピラミッドで行い、帰りはストローク数を1減らすために加速を入れた。無劣化フォームでは手にほとんど力を入れていないので、加速したいときには手に瞬間的に力を入れるだけでよい。非常にラクに加速できる。

グアムではこの感覚を維持しながらスピードを引き上げて、1500mタイムトライアルに臨む。

練習後の気分:8(新しいことを発見したので)