2013年11月11日月曜日

ひとりタモン湾往復横断4.2kmスイム

タモン湾往復横断4.2kmスイム

今年のスイムシーズンの締めくくりとして、ひとりでタモン湾を横断した。ウェスティンホテルのビーチからマリオットホテルのビーチまでは約2kmである。ざっくりとした目標を目指して泳ぐと何が起きるのか、また横断泳で何が起きるのかを観察した。

○ジョギング 3kmラン+2kmウォーク

朝7時からのジョギングは、いつものように下り坂2.5kmを5分30秒ペースでラン(テンポ180)、上り坂2kmをウォーク(テンポ125)、残り500mを6分30秒ペースでランとした。

○4.2kmオープンウォータースイム

 行きは2番ブイ(沖合100m地点)からマリオットを目指して泳いだ。しかしちょうど珊瑚礁の群生地域の上を通ることになり危険であったため、数十メートル毎に立って方向を決める必要が生じた。できるだけビーチの近くを泳げば珊瑚礁がなくなると考えたが、50m程度沖合に流されてしまった。

帰りは最初建造中のビルを目標にしたが、また流されてしまった。このため200m程度先の建造物を目標にして、近づいたら別の建造物を目標にするように変えることでビーチ沿いに泳ぐことができるようになった。以下考察である。

・遠くの目標は役に立たない

遠くの建造物を目標に設定すると、横に流されたことがわからなくなる。通常後ろと前、前とさらに前など2点を決めて方向を確認するが、前も後ろも大きな建造物だとコースの精度が極端に落ちる。近くの建造物とすぐそばの砂浜までの距離の2つを目安にすることでコースを外れることがなくなった。

・潮の流れは刻々と変わる

片道2kmの中で、少なくとも4回は潮の流れの大きな変化を経験した。これまでは周回コースで4通りの潮の流れを体験していたが、直線コースでも潮の流れが大きく変わる。潮の流れを確認するためのサイティングの回数が多くなり、首が疲れた。サイティングを減らすために方向感覚を磨く必要がある。

・体感する潮の流れが本当の流れとは限らない

潮の流れと風向きが異なる場合が要注意である。帰りの最初の500mは、風向きが逆のためチョップを大きく受けて水の抵抗を感じたが、スピードは行きより15%速かった。このような場合水の表面は抵抗が大きいが、水中では抵抗が少ないので泳ぎ方もそのような状態を考慮する必要がある。

・方向修正に3段階目、4段階目を用意する

潮の流れにより1)入水する場所、2)伸ばす手の方向で方向を修正することができる。1)で3m程度、2)で5~10mは修正が可能であるが、今回はそれでも流されてしまった。そこで3)として反対の手の入水位置を内側にして内側に伸ばす、4)として頭を使って体重を乗せる、を使ってみた。4)までやって始めてまっすぐ泳げるようになる場所があった。

・テンポが遅いとラクなわけではない

この2カ月はドリル撮影用の練習ばかりしており、テンポ練習を一切していなかったので行きは1.05秒で1ストロークの精度を上げて泳いだ。途中で立ち止まったり迂回したりしたこともあるが、折り返し地点で非常に疲れを感じたので後半は1.0秒に上げた。パラダイムシフトしたのでテンポに追いつかなくなることもなく、ラクに40分泳ぐことができた。プールに比べて海ではバランスがカイゼンされるので、テンポを上げることによる推進力の低下をカバーすることができる。ただしそのテンポで空回りをしないこと、劣化しないことが適用条件となる。

・マウススプレーは必携である

ココスで効果を発揮したマウススプレーはここでも大活躍した。ただ海水が必ず入ってしまうので、2~3日で捨てないと中身が腐る可能性がある。キャンプのときはお客様と共用して使い切ってしまう必要がある。

○プール練習:1500m

せっかく50mプールが目の前にあるので、疲れてはいたが最後に泳ぐことにした。
200mの無劣化フォーム練習の後、テンポ1.15秒と1.10秒で500mのディスタンスピラミッド(50-100-150-200m) を実施した。各ラップとも最初の15ストロークはリラックス、次の10ストロークは前のめり、残りはキャッチと体幹の連動を意識した。テンポ1.15秒では50mに比べてそれぞれ1~2秒短縮することができディセンディングが達成できた。1.10秒ではキャッチを意識するストローク数を増やしたが、かえって劣化してしまい50mあたり1秒~2秒遅れとなった。最後にもう一度入水場所や劣化しない手の動きを意識して50mを1分ペースで6本泳ぎ、今年の練習を終了した。

グアムのココス島往復に向けて始めた今年の練習は、やはりグアムのタモン湾横断往復で終了した。長距離を速く泳ぐための研究開発の足跡を残すためにこのブログを始めたが、開始前に予想したよりも非常に得るものが多かった。これらは今後のカリキュラムに活かすことになる。


 練習後の気分:10(達成感いっぱい、疲労困憊)


ブログをご覧のみなさまへ

長い期間にわたりブログをご覧頂きまして誠にありがとうございます。ブログを自分の記録帳として公開していたので、わかりにくい表現や不可解な表現が多数あったことをお詫びします。ブログに掲載した内容は、今後レッスンカリキュラムやDVDの形で発表しますのでご期待ください。

来年のスイムシーズンにまたお会いしましょう。


 


2013年11月10日日曜日

アクアスロンに初挑戦

ひとりアクアスロン:ラン2km+スイム750m

グアム単独キャンプの4日目に、アクアスロンに初めて挑戦した。距離は来年4月に実施予定のイベントと同じラン2km→スイム750mである。走ってから泳ぐことで、泳ぎにどのような変化が生じるのかを観察した。

・ラン2km(トラック5周)

スコールがおさまるのを待ったため、開始時刻が12時半になった。気温と湿度の急激な変化は10分少しのランでも感じることができ、3周目からきつくなった。最初はジョギング-1分のペース(1kmあたり5分30秒)で維持しようとしたが、最後は6分15秒まで下がってしまった。

・トランジション

当初はプールサイドに荷物を置く予定であったが、プールサイドはランニングシューズだと滑りやすく危険であったので屋外レストランにキャップとゴーグルを置いて着替えた。トラックを走り終わってから移動して泳ぎ始めるまで約3分かかった。

・スイム(50mプール750m)

非常に興味深い結果が得られた。
  • かなり息が荒い状態でプールに入ったが、泳いでいて苦しさはあまり感じられなかった。むしろ泳ぎ始めてからの方が呼吸はラクになった。
  • 最初の100mは足をひきずるような感覚であった。血液やリンパが足に集中することで、いつもより足が重くなっているのであろう。さらに足が張った状態で泳ぐので、動かしにくいということも考えられる。
  • テンポアップが非常に難しい。最初は1.2秒程度に上げるのがやっとである。陸上で運動してから水中に入ると、水の抵抗を体全体で感じる。手の動きや体幹の回転も水の抵抗で鈍くなる感覚がある。400mを過ぎてから1.1秒程度に上げたが、結局1.05秒までは上げることができなかった。
  • 体全体に意識を行き渡らせる必要がある。前述のように、陸上で運動した直後に泳ぐと水の抵抗は通常の1.3~1.5倍に感じる。通常よりさらに抵抗を減らす意識を持ち、前のめり感を上げる道具を使う必要がある。
  • 全体では30分弱で終えることができた。スイムは13分であった。

○考察

 ランからスイムのアクアスロンは、トライアスロンの短縮版というよりは、長距離を速く泳ぐためのクロストレーニングとして位置づけることができる。2kmを走ることで、1500mを泳ぐときの前半の750mの泳ぎと代替させることができる。走ることにより足が疲れ、水の抵抗を大きく感じる状態で750mを泳ぐことで、 脳が泳ぎ疲れていない状態で体が疲れたときの泳ぎ方を磨くことができる。

またスイム自体の時間を15分程度にしながら、負荷をかけることができるのも魅力である。スイムの練習時間を45分としても、この後1000m程度は余裕で練習できる。

スピードアップキャンプでもこのトレーニングを取り入れることができるかどうか、カリキュラムを練ってみたい。


○スイム練習(600m)

今シーズンのおさらいとしてフォームをチェックした。
  • 上記750m泳のときのストローク数:42~44
  • 入水位置を肘の延長線上にして中指をまっすぐ前に伸ばす:34ストローク、1分4秒
  • キャッチの型を維持:36ストローク、57秒
  • 体幹の回転に合わせてプルとプッシュの軌跡を伸ばす:37ストローク、50秒
  • キャッチで強く抱える:38ストローク、47秒
劣化しない泳ぎを念頭に、どこまでタイムを縮めることができるかテストした。上記手順により17秒短縮することができた。100mに距離を伸ばしても1分35秒で劣化しないことが確認できた。

1500m22分30秒が泳げるかどうか、試しに劣化を気にせず泳いでみたところ42秒であった。次に筋肉を緊張させる時間を短縮したところ同じ42秒で泳げたが、100m程度で劣化することが確信できたので翌日のタイムトライアルはあきらめて練習自体も終わりにした。。

練習後の気分:8(新しいことに挑戦するのは楽しい)

2013年10月11日金曜日

研究開発:アクアスロンを楽しむには?

トータル:1750yd 90分

今週は道具箱の追加撮影で3日間を使ったので、練習は日曜日と今日だけであった。
新しいイベントのテストを行った。

・ディスタンスピラミッド 100+200+300+400:テンポ1.15秒

日曜日に消化不良となった1000のディスタンスピラミッドを1.15秒で実施した。ビデオ撮影でわかった以下の点について修正を加え、そのうえでテンポに合わせながら無劣化の泳ぎに変えていった。
  1. 左のリカバリー軌跡が狭い。弧を描くよりは直線に近く、 窮屈な印象を受ける。
  2. 左手の入水時に手の平が曲がっている。親指が進行方向になっている。
  3. 入水時にしぶきが大きく、泡を水中に持ち込んでいる。
  4. 体のうねりを使っている。個人として速く泳ぐにはあらゆる道具を使いたいが、教材の見本泳としてはふさわしくない。 
  5. 息継ぎの際にローピングしている。
修正方法は以下の通りである。
  1. 軌跡を10cm外側にする。
  2. スイング段階で中指を締める。親指が方向をリードしないように意識する。
  3. 手の入水時に前から見て(進行方向に対して垂直な断面)斜めに入水する。また横から見て(進行方向と平行な断面)も斜めに入水する。入水直前に手の締め具合を半減してリラックスさせる。
  4.  手の入水時に勢いをつけたり体重を乗せるとうねりが発生する。スイッチによる加速の割合を減らす。
  5. 体幹を使って入水を加速するとローピングしやすい。入水動作で体幹の回転との連動を抑える。

・ジグザグスイム 5×150:テンポ1.10秒

TIスイム主催でアクアスロン大会の実施を検討することにした。アクアスロンはランとスイムで構成される。トライアスロンではスイム、バイク、ランの順番であるが、これは命を失うリスクの大きい順で定まっている。ところがプールで実施するアクアスロンであればスイムのリスクは非常に小さい一方、トランジションなどオペレーションを考慮するとランが先の方がよい。そこでTIスイム主催のアクアスロンではラン→スイムの順番にする。

25mプールを使った周回カウントの問題を解決するために、プールをコース内一方通行でジグザグに泳ぐことを検討する。25m6コースであれば1周150mになる。1周泳ぎ終わったらプールサイドに上がり、反対側の端のコース(スタートしたコース)に戻り泳ぐようにする。今回このやり方をテストしてみた。

ポイントはターンである。左向きと右向き両方存在し、逆向きになると壁蹴りしてもけのびの間にコースロープをくぐれない可能性が出てくる。 そうなると一方通行を逆進することになり非常に危険なので、壁についたら水中を歩いて隣のコースに移動、端で休んでいる人以外は壁から5mは追い抜き禁止にしないとならない。

また次の周を泳ぐためにプール内に入るときに、飛び込まないようにする必要がある。床は水でかなり濡れるので、運営スタッフは滑り対策を行う必要がある。

ショートの半分を想定して750、5周泳いだ。段取りを考えながら忙しく泳いだのでフォームに集中できなかったが、普段の1000よりもプチ達成感が得られた。750mスイム+5kmランは一つの目標としておもしろいと思う。どちらも経験がなくても、それぞれ1カ月程度で達成できるので、3カ月もあればレースに出られる。




2013年10月6日日曜日

練習記録 10/6 無劣化の泳ぎの仕上げ

トータル:3100yd 54分 

○練習のテーマ

これまで練習してきた無劣化の仕上げとして、1000ピラミッド(100+200+300+400)を行い劣化しない泳ぎを確認する。

・ディスタンスピラミッド 3×(100+200+300+400):テンポ1.30, 1.20, 1.10秒

合計が1000となるディスタンスピラミッドは初めてである。スタートが1.30秒とゆっくりなので、ウォームアップなしでスタートする。意識した点は、
  • スイッチ前のスイッチをオンにするタイミングとオフにするタイミング
  • 入水して伸ばした手をゆるめて圧を加える
  • 水中の中指の軌跡
  • スイッチ後に水中の手を体幹の回転に合わせて動かす
無劣化を意識しすぎてゆるんだ泳ぎにならないように、ストローク数は13~14を維持した。400になってもペースを上げることができた。

1.20秒で泳いでいる途中から2名プールに入ってきて泳ぎ始めた。最初は気にならなかったが、小さな波が次第に大きくなりランダムに発生するようになった。波の高さは15cmに達し、かなり泳ぎにくい。これまでと同じ集中度で泳ぐことが難しくなったため、意識を変えてOWSの泳ぎを想定した。
  • 入水する場所が定まらない
  • 従って肘の伸びしろが定まらない
  • 従って体幹の回転が定まらない
  • 従って水中の手の軌跡が定まらない
上記のように客観的な観察ができたのでいくつか道具を試してみたが、効果のある道具がみつからなかった。大きなうねりであればフラットに泳ぐことが有効であるが、細かな波の場合は左右だけでなく前後にも動いているので加速ができない点が問題である。事実ストローク数は2~3増えた。

1.10秒で泳ぎだしてからは子供や大人もどんどんプールに入ってきて、真っ直ぐ泳ぐことも難しくなってきた。テンポも速くなり空回りしやすくなってきたので、ひとまずテンポを守ることだけを意識してピラミッドを終えた。

ピラミッドで3000を泳いだことの達成感が強く、技術的には消化不良であった。

・イージー:100

練習後の気分:3(最初は良かったが混雑して集中できなくなった)



2013年10月5日土曜日

練習記録 10/5 無劣化の泳ぎのテンポアップ

トータル:3000yd 58分 

○練習のテーマ

11月のフィリピンキャンプが中止となり、グアム個人キャンプに切り替えた。長水路で1500m22分30秒を実現するために、無劣化の泳ぎをテンポアップする必要がある。前日は1.15秒で型が崩れたので、1.00秒前後まで引き上げて型を維持しながら劣化を抑える。

・フォーカルポイントスイム 200

50ずつテンポアップしながら(TT使わず)、キャッチの型、スイッチのタイミング、水中の軌跡について確認する。


・テンポピラミッド 15×100(テンポ1.10秒-1.40秒-1.00秒)

本来は1.20秒からテンポアップダウンする予定だったが、どういうわけか設定を間違えて1.10秒でスタートした。最初はテンポに合わせることすらできなかったが、1.15秒からは次第に落ち着いて14ストローク→12ストロークまで落とすことができた。

テンポアップでは今回も無劣化の実現を目標にして、「かかない、押さない」を徹底した。 ただしテンポが1.10秒の段階で合わせるのに精一杯で完全に「かき」に入ってしまった。1.05秒、1.00秒では水中動作に力を入れている状態が顕著となり、力まかせになってきた。タイムは1分18秒となったが長距離で劣化するのは明らかなので急遽パラダイムを変えるためのテンポ練習を入れた。

・テンポピラミッド 6×50(テンポ1.20秒-0.95秒)

パラダイムを変えるためのテンポ練習。加速は意識せず、行きは手足をなめらかにテンポに合わせる、帰りはビープが聞こえるまでの行程を短縮して余裕をもたせることを目標とした。

ストローク数は4程度増えたが、なめらかに合わせることが目的なので気にしない。むしろ帰りにどの程度余裕が持てるのかが重要である。テンポ1.10秒以降はニューパラダイムの泳ぎに戻すことができた。


・ディスタンスピラミッド 3×(50+100+150):テンポ1.20, 1.15, 1.10秒

ニューパラダイムにしながら劣化の少ない泳ぎを実現するための練習。これまでの1.20秒の泳ぎとは異なり、リカバリー時間短縮(肩甲骨加速)による時間確保、入水後伸ばした手に圧をかけてキャッチの型をつくるなどキャッチ&プルにシフトしている。

速いテンポで型が崩れた理由としてスイッチのタイミングを前日取り上げたが、もう一つの理由が明らかになった。「スイッチを切るのが遅い」ということである。ここでのスイッチとは、スイッチ直前に入れるスイッチのことで(ややこしい)、筋肉の緊張を指す。スイッチを切るのが遅いと、筋肉が緊張したまま動くことになり劣化する。テンポが速くなるにつれてスイッチを切るのが遅れ、結果として力を入れたまま手を動かしてしまうのでテンポに合わなくなる。

このスイッチのタイミングを先のテンポピラミッドで発見し、試しに0.3秒早く切ってみたところ水中の手がスムーズに動くことが確認できた。このスイッチを切るタイミングが早すぎると、型が作れないまま手が動くので水を押す力が減る。切るタイミングが遅すぎると力を入れて手を動かすことになり劣化する。泳ぐテンポに合わせて最適なタイミングを体得する必要がある。

あと2回程度無劣化の方向で練習をしてから、いよいよ速いテンポでの加速の練習に入る。

・イージー:100
前日同様、水中の手の軌跡と体幹とのシンクロを意識してゆっくり泳ぐ。

練習後の気分:7(新しい発見があったが全体的にタイムが遅い)

2013年10月4日金曜日

練習記録 10/4 低ストロークの基盤づくり

トータル:3100yd 60分 

○練習のテーマ

劣化しない泳ぎは記録向上のうえで必須である。まずゆっくりしたテンポ、多めのストローク数で劣化しないフォームを覚え、テンポを速くしたり、ストローク数を減らして加速を加えたりすることで実戦的なフォームに仕上げる。

1カ月半のブランクはあったが、今シーズン練習してきたフォームはあらかた復元することができたので、 スピードアップに向けた練習に切り替える。今回は低ストローク数において無劣化のフォームを維持することをテーマにする。


・フォーカルポイントスイム 200

50を泳いだ段階で前のめり感、安定感、なめらか感それぞれ基準の7割得られたので、残りの150についてテンポを2割程度落とし、1)スイッチの型、2)体幹の回転と手の動きの連動、3)水中の手の中指の軌跡を意識して正しい形や動きを再現した。無劣化の泳ぎを目的としているため、加速感については問わない。

・テンポピラミッド 15×100(テンポ1.20秒-1.55秒-1.20秒)

前日のピラミッドを100に伸ばして実施。スタート時テンポ1.20秒のストローク数は14/15で前日より1少ない。前日はストロークを減らすことを意識して「手で水をかいて、押して」いたが、今日は無劣化を目指すために「かかない、押さない」を徹底的に意識した。ストローク数の減りは前日より緩やかで、1.55秒では12/13であり前日の12/12とあまり変わらない。ただし姿勢の安定性はかなり異なり、加速を加えないとかなりふらつく。

テンポを上げる局面でも「かかない、押さない」を徹底した。ただし1.25秒になってからは水中の手の動きも速くする必要があり、結果として前腕に水圧を強く感じるようになった。 最後のテンポ1.20秒のタイムは1分20秒8と加速を入れなくても目標値に達することができたのは興味深い。水中の素早い動きがスピードアップにつながるだけでなく、筋肉を緊張させないので泳ぎが劣化しない。

・ディスタンスピラミッド 2×(200+150+100+50), 150+100+50:テンポ1.25, 1.20, 1.15秒

前日のピラミッドの逆を実施。ストローク数は14または15を維持。長い距離からスタートするピラミッドでは、距離が短くなるにつれてスピードアップを意識する必要がある。「かかない、押さない」意識でどこまで加速できるか試してみたが、結果はおもわしくなかった。距離が短くなるにつれてペースアップはできたが、元の200のペースが目標タイムの10秒遅れであった。疲れてキャッチの型が甘くなったので、そのあとの水中動作もへなちょこになったものと考えられる。

なお最後のセットは1.15秒を試した。これまで無劣化の練習ではテンポ1.20秒までだったので、最初の150ではテンポに追いつこうと意識して型が崩れた。100では気を取り直して1分18秒で泳げたが、速くなった理由は水中の手を動かし始めるタイミングである。入水した手を前に伸ばし始めてから水中の手を動かし始めることで、より多くの水を抱えることができるのに加えて体幹の回転に手の動きを合わせやすくなる。テンポが速い局面ではこのタイミングに注意を払う必要がある。

来週の練習では1.15秒のウェイトを高め、毎週0.05秒ずつ引き上げて10月の最後は1.05秒で無劣化の泳ぎを目指すことにする。

・イージー100:水中の中指の軌跡を揃えること、体幹の回転に手の動きを合わせることを意識した。

練習後の気分:7(前半は悪かったが後半は盛り返した)

2013年10月3日木曜日

練習記録 10/3 劣化しない加速

トータル:3000yd 58分 

○練習のテーマ

劣化しない泳ぎに加速を加える。

道具箱練習の撮影は2日間で終了した。夏に比べてプールも空いているため、それぞれ90分近く時間をとることができた。今週の残りは11月に向けたスピードアップ練習を行う。練習の日数が少ないこと(週2日)や、速いスピードで劣化しない泳ぎを作るため1回の練習で泳ぐ距離を3000ヤードまで増やしてみる。

・フォーカルポイントスイム 200

200しか泳がない場合のフォーカルポイントは、1)体幹の回転、2)前のめり感、3)安定感、4)なめらか感である。これらの感覚をさらに高めるための道具を練習毎に変更する。今日は
1)体幹の回転:肩と腰の回転差=ひねりを加速に使う
2)前のめり感:入水直前の肘の高さを上げる
3)安定感:伸ばした手をゆるめて圧をかける
4)なめらか感:スイッチの型から回転動作と水中の手の動作につなげる

・テンポピラミッド 15×50(テンポ1.20秒-1.55秒-1.20秒)

直近の目標は無劣化の泳ぎからスピードアップして1650ydで90秒短縮することである。このアプローチとして、想定ストロークから4少ない12ストロークで加速を増やし、ストローク数を増やしながら無劣化にする方法をとる。

そこで12ストローク の泳ぎを作るため、テンポ1.20秒からスタートして0.05秒ずつ遅くした。テンポ1.20秒でスタート時のストローク数は行きが15で帰りが16であった。そこからまずスイッチ動作の時間短縮(素早い動作)、次にプッシュの強調、次にキャッチ位置の前方スライド、最後に水中軌跡での加速の割合増加によりテンポ1.55秒で12/12まで減らした。

ここからストローク数を維持するようにしてテンポを0.05秒ずつ速くした。1.30秒まで12/12で泳げ、1.20秒では13/14と開始時点に比べて行き帰り共に2ストローク(50ydで4.9秒)減らすことができた。

次に行うディスタンスピラミッドでは低ストローク数の維持が目標だったので、ここでテンポピラミッドを切り上げる。

・ディスタンスピラミッド 4×(50+100+150+200):テンポ1.35, 1.30, 1.25, 1.20秒

確実に12ストロークがキープできるように、テンポ1.35秒でスタートした。100までは調子良く、150まではなんとか12を維持できたが、200では泳ぎに劣化を感じて実際13になった。12を維持しようとして水中で水を押す意識が強かったこと、キャッチの型を作ろうとして入水前から手が緊張していたことなどが理由として考えられる。

そこでテンポ1.30秒では、キャッチの型を作ったら
・肘を高い位置に保つ
・前腕をゆるめる
・スイッチによる体の回転で水中の手を後ろに送り出す
 ようにしたところ、 劣化が改善した。加速を上げるためには、水中で動く手に力を加えるのではなく
1)水中の手の軌跡を長くする(さらに前から始めてさらに後ろまで動かす)
2)水中の手の軌跡を一定にする(ゆるやかな線)
3)肘の位置を高い状態にしたまま前腕をゆるめる
にすると成果が得られることがわかった。劣化しない泳ぎのときには、水中で中指が描く軌跡を感じることができる(=前腕や手首がリラックスしている)。テンポが上がるに従い上記の3点を忠実に守ることで、最後の1.20秒でも13/14ストローク、200を泳いだときの100ydペースを1分21秒、劣化率を2.5%にすることができた。

劣化しない泳ぎを作ったうえで、テンポを上げながらストローク数を維持すれば加速を加えることができる。ストローク数の維持には力を加えるのではなく、リラックスした状態で水中の軌跡を伸ばすことや、スイッチによる体幹の回転と水中の手の動作をつなげることを行えばよい。劣化しないスピードアップのアプローチが見えた。

・イージー100

練習後の気分:8(狙い通りの成果を得ることができた)

2013年9月30日月曜日

1650yd タイムトライアル

トータル:2100yd 33分 

○練習のテーマ

ビデオ撮影の予定が曇り空で中止。夕方近くになり晴れてきたので練習を行う。
11月のフィリピンのキャンプでは中日に1.5kmのレースに参加する。Sandra(香港のコーチ)に勝つ宣言をしたものの、まともな練習は8月12日までしかやっておらず、それ以降はビデオ撮影や単発的な練習であったので体力的に不安があった。そこで無劣化でどこまで泳げるかテストした。


・リペアスイム 200

速攻で修復するため、最初の50は体幹の回転とリラックス、残りは50ずつ使ってまあなの感覚基準を引き上げた。特に安定感では伸ばした手をリラックスさせながら圧をかける道具を使った。この道具を使うと姿勢が安定するだけでなく、水を抱える感覚も増える。

・タイムトライアル(無劣化テスト) 1650(テンポ=1.20秒)

開始前は200を5本程度泳ぐことを考えていたが、100を泳いでみていけそうな気がしてきたので1650を泳ぐことに決めた。無劣化のテストが目的であったので、これまで無劣化で泳げていた1.40から0.20秒引き上げて距離を泳ぐテンポである1.20秒に設定し、ストローク数は2番目のラップで計測した15ストロークを死守することにした。

結果は23分53秒で予想していた24分を切った。4月にテンポ1.15秒で計測したときは25分を切る程度だったので、リラックスした泳ぎで1分以上短縮することができた。

10月は道具箱の撮影、およびセルフラーニングツールの撮影があるため練習日数は合計で10日程度となる。それまで1650のベストタイムである22分20秒を出すためには、現在よりも1分30秒短縮する必要がある。最低でもテンポ1.05秒16ストロークで劣化しない泳ぎを実現する。アプローチとしては、
  1. 12ストロークを強化してテンポ1.20秒12ストロークで泳げるようにする。
  2. テンポ1.10秒14ストロークで泳げるようにする。
  3. テンポ1.05秒15ストロークで泳げるようにする。
  4. テンポ1.05秒15ストロークを基本として、16ストロークを最多ストロークとする。

・イージー 5x50

無劣化の泳ぎを構成する水中の手の軌跡に集中する。テンポ1.40秒程度のゆっくりしたテンポであれば安定した軌跡を通ることができるが、テンポ1.20秒だとまだ不安定である。ストロークを中心とした練習で水中の手の軌跡を安定化させる。

練習後の気分:7(1650泳いでも全く疲れなかった)

2013年9月28日土曜日

練習記録 9/28 道具箱練習+テンポ

トータル:2500yd 57分 

○練習のテーマ

道具箱練習にテンポを加えると練習しやすくなるのか、しにくくなるのかを確認する。

・リペアスイム 500

今日はストローク数をコントロールする感覚を修復する。最初はリラックスして16ストロークで泳いだ後、無劣化を意識しながら14ストロークを維持する。25mでは16ストロークに相当するので加速はほとんど入れていない。スピードアップするためには、まずリラックスした状態でコンスタントに同じストローク数で泳いで基盤を作る必要がある。

・道具箱練習 40x50

前日の道具箱練習の後でドリルアーキテクチャー(120種類のドリルを階層化)を参照しながら40の道具をリストアップした。いずれもリハーサルが可能な道具で、その成果を感覚で得て評価することができる。
  •  頭に注目した道具:立位3種類
  • 息継ぎに注目道具: 立位4種類、ドリル移行2種類
  • 肩に注目した道具:立位1種類、ドリル移行1種類
  • 入水して伸ばす手に注目した道具:立位8種類、ドリル移行3種類
  • 水中の手に注目した道具:立位6種類、ドリル移行4種類
  • 水上の手に注目した道具:立位7種類
  • 足に注目した道具:立位2種類、ドリル移行1種類
  • 型に関する道具:ドリル移行2種類
ここで立位は壁際で立ちながらリハーサルを行い、感覚をつかんだところでクロールを泳ぐ。またドリル移行はドリルからスタートして、感覚をつかんだところでクロールに切り替える。

整理してわかったのは、ドリルからの移行が予想より少なかった点である。今回はアンダースイッチや片手ドリルからの移行を除外したが、今後道具化できるか判断する。

・テンポトレーナーの併用

 今回はテンポトレーナーを1.20秒に設定した。これは普段のフォーカルポイントスイム練習で使用するテンポで、私が考えながら泳ぐときに適したテンポである(通常は1.40~1.50秒を推奨)。

テンポなしの昨日の練習に比べ、今日は道具に集中して感覚を得ることができた。テンポを聞きながら泳ぐことで雑念が消えるメリットを感じた。次回はストローク数固定をやってみるが、この場合ストローク数を合わせるために別の道具を使用する必要があり難しいと予想している。

・効果的な道具箱練習

 これまでの成果により、効果的に道具箱練習を行うためには、
  1. 1つの道具で泳ぐ距離は2ラップ、最長で4ラップ。
  2. 1回の練習で「道具箱練習」として使う道具は3~5。
  3. よって練習する距離としては200m~500m。
  4. テンポトレーナーを併用するときは考えながら泳げるテンポを使用。
  5. 道具箱練習の後に必ずスイムセットを取り入れ、道具箱を実際に使ってみる。
  6. スイムセットで1回に泳ぐ距離は最低道具箱練習で1回に泳いだ距離。できれば2倍、4倍泳いで疲れに対応して道具を使うのがよい。
  7. ラップの中で道具を使って明らかに泳ぎを変えるのも効果的である。この場合1回に続けて泳ぐ中で各ラップ毎に同じように泳ぎ方を変える。
今回整理したことで、私が泳いでいる中で使う道具は、道具箱練習として練習できる道具が50程度、現在泳いでいる状態からチューニングするポイント(センサーと連動)として20程度であることがわかった。それぞれの道具の精度や感度を上げることで効果を上げるとともに、新たな道具をあと30は作って100の道具を持ちたい。そのぐらいあればどんな問題でも自己解決できるであろう。

練習後の気分:6(立位で頭を横にした道具が多く、酔ってしまった)

2013年9月27日金曜日

練習記録 9/27 道具箱練習

トータル:2300yd 55分 

○練習のテーマ

米国に戻って最初の練習。翌週に撮影する道具箱のリハーサルを兼ねる。

日本(&グアム+香港)でレッスンをして感じるが、「人にものを教える」のは自ら持つノウハウを流出させることである。教えているお客様より多くTIスイムを練習し、過去8年間TIスイムの指導実績を持ち、さらに25年以上のコンサルティング経験を含めても、それらの蓄積が豊富にあるからいくらでも教えられるというようにはならない。

例えれば浴槽に張ったお湯である。教えることは栓を開けることである。お湯がたくさんあれば流れ出す量も多くなる。ただし流し続ければ浴槽のお湯は減り、流れ出す量も減ってくる。これが教える質に相当する。最高の質を維持するためには、常に浴槽をお湯で満たさなければならない。

お湯の満たし方には3つのアプローチがある。1)実際の指導に基づいて新たな教え方を蓄積する。2)教える内容は同じだが伝え方を工夫して学びやすくする。3)新たに学ぶ。

1)は放出したお湯を一部還流するイメージで、指導経験を積むほどこの蓄積が増える。2)はコーチングやコミュニケーションなど、現在の水泳指導のインフラとなるべき技術を磨くことで、より多くのお客様が理解して実践できるようになることである。3)は自ら学習・練習して新たな指導内容や指導方法を発見することである。

これまでのTIスイム指導を振り返ると、指導当初は1)5%(身内・友人対象)、2)30%(コンサルタントとしての経験)、3)65%(指導マニュアルによる指導学習を含む)であった。しかし3)の割合が次第に減っていき、昨年は2割程度であった。一方今年は3)が50%を越えている。日々の練習で得られた発見を体系化するプロセスはこのブログで開示しているので、この50%越えというのは客観的に理解することができる。

昨年と今年を比較したうえで浴槽のお湯論に戻ると、新たに入れるお湯の勢いが3)は圧倒的に強いということである。お湯の勢いについて数値化するならば、1)が3であるのに対して2)は7~8に達する。スピードを追究し、アプローチについて研究し、道具箱や方程式など新たな概念を導入することで自らの指導の質(=お湯の勢い)も高まったように感じる。

5月下旬から6月にかけての4ヶ国巡業、9月の2日間の1日8コマのプライベートレッスン、2日間の美クロワークショップ、そして1日の新しいカイゼンワークショップを連続して実施することができたのも、今年の豊富な湯量が貢献していたものと考えられる。

コーチは指導経験を積み指導技術を高めるのはもちろんであるが、自ら学ぶことを続けてそれを指導に活かす道筋を作ることがより大切である。自ら学ぶことのない指導者は、指導の質が低下し、いつかは枯渇することになると私は考える。

・リペアスイム 500

自分のための練習として泳ぐのは2週間ぶりであり、姿勢、動作やセンサーを磨き直す必要がある。これをリペア(修理)スイムと名付けた。

50:体幹を回転するという基本動作について、肩や腰のスイングを意識する。
50:前のめり感を高める道具:顔で水を押す、リカバリー肘の位置を前に
100:安定感を高める:伸ばした手に圧を加える、フラットに泳ぐ
100:なめらか感を高める:入水時の手の形、伸ばす手をレール上に、リカバリーにつなぐフィニッシュ
100:無劣化:型にはめる、体幹の回転と手の動きを連動する
100:キャッチとプル:キャッチ位置を上げる、肘を外側に動かす

・道具箱練習 30x50

美クロWSで実施した11の道具に加えて、これまで意識的・無意識に使ってきた道具19種類をリハーサル+スイムの練習形にする。リハーサルはその場で立ってできるものから、ミニドリル、さらにフルドリル形式でスイムにつなげるものまで多様である。30種類は初めての試みである。
  • リハーサルからスイムにスムーズにつなげられるものとそうでないものがあった。クロールから離れた形で行うドリルからクロールにつなげるのは難しい。クロールへのつなげ方について丁寧な説明が必要。
  • 動きの小さいものは感覚的に(体のセンサーが)理解しやすい。動きの大きいもの、見えないものは理解しにくい。
  • ワークショップではそれぞれの道具が終わると「ご破算にして」とお願いしたが、実際は少しずつ意識が残って次の道具に移るので、10種類も行うと頭の中が飽和する。練習としては4~5が推奨、多くても6に留めるべきである。
  • 今回は撮影準備のため1回ずつ行ったが、1回はまずセンサーを起動するため、次の1回はテンポに合わせて、次の1回はストロークを決めてなどタスクを変えながら同じ道具で複数回練習するのが望ましい。次回は複数回実施する。
  •  半年間の練習としては30程度が妥当。今後コーチの助言を得てさらに30の道具を開発する。
 

・瞑想バタフライ 200

Garmin Swimで300を示していたのは50mプールに設定されていたことが判明。ペースを見る限り250yd泳いだ模様。

練習後の気分:8(誰もいない透明なプールは非常に気分がよい)

2013年9月13日金曜日

練習記録 9/14 25mプールの活用2

トータル:1800m 35分 

○練習のテーマ

香港のプライベートレッスンの最後の枠がNo Showだったため、食事をしてから軽く練習。
前日松戸で行ったセッションと同じ内容で、テンポトレーナーを使ってみる。

・フォーカルポイントスイム 200

ワークショップで使っているRepulse Bayのプールは、これまでレッスンでは使っていたが練習では初めてである。そこでプールに慣れることを目的とする。テンポトレーナーは使わない。
  • 最初の50:回転角を次第に増やしてリカバリーをなめらかにすると同時に肘の落差を推進力に使う。
  • 次の50:テンポを上げながら回転角を次第に抑える。落差を使った泳ぎから手と足の連動にシフトする。
  • 次の50:キャッチの型にはめてから無劣化で泳ぐ。
  • 次の50:さらにテンポを上げて、キャッチの位置を上げながらプル優勢の泳ぎにシフトする。 
 

・ディスタンスピラミッド 3×(50+100+150+200)

テンポ1.15、1.10、1.05秒で休憩時間は15秒。
ストローク数は15/16で3種類のテンポともに維持できた。プールに横線がなかったので、ラップ内の泳ぎ方を前日とは変えて、
  • 最初の6ストローク:無劣化の泳ぎ(型にはめてから肘をゆるめる)+わきの下で滑る
  • 次の6ストローク:前のめり感を増やす
  • 残り:キャッチ&プル(3~5)
として無劣化の割合を減らして前のめり感を増やした。
結果としては劣化することもなく1.05秒で200を泳ぐことができたので、半分まで無劣化で泳ぐ必要はなさそうである。ターン後の姿勢の立て直しに2ストローク必要なので、6ストロークを当面の練習の基準とする。

前のめり感の泳ぎはプッシュ優勢の泳ぎでもある。この泳ぎからプル優勢の泳ぎに一気に変えているが、これがよいかどうかについては今後検証する必要がある。また25ヤードプールではさらに2ストローク減り13~14が基本になるので、1ラップで3種類の泳ぎを泳ぐことで忙しくなりすぎないかが懸案となる。

・瞑想バタフライ 100

日本時間の夜10時で就寝時刻となり、瞑想ではなく入眠バタフライになりかけたので中止して終了。泳ぎながら寝るとどうなるのかは興味がある。

練習後の気分:7(プールからの景色が良いので気分が良かった)

2013年9月12日木曜日

練習記録 9/12 25mプールの活用

トータル:2000m 45分 

○練習のテーマ

25mプールでの泳ぎの感覚を得る。特に今回グアムで得た技術である、異なる道具を1ラップで使ったときの変更の目安を知る。
またテンポトレーナーやGarmin Swimが使えないときの練習方法を試す。

・フォーカルポイントスイム 200

ストローク数の調整。伸びて12、なめらか感を加えて14。
最初の50:肩と体の回転角を大きくしてから肩の可動域に合わせて回転角を抑える。
次の50:キャッチの位置を調整。
次の100:無劣化の泳ぎ、特に水中で動かす手の形を変えずに肘から先をゆるめる。

・ストロークピラミッド 10×50

ストローク数(減らす):14/15, 13/14, 12/13, 11/12,
ストローク数(増やす):11/12, 12/13,  13/14, 14/15, 15/16, 16/17
ストローク数を減らす局面では無劣化の水中の手の動きをできるだけ残しながらプッシュで加速。
ストローク数を増やす局面ではキャッチ位置を上げてストロークのウェイトを前半(プル)にシフトさせる。
当初予定ではストローク数を18まで上げる予定であったが、ストローク数が増えるにつれてスピードが上がり、帰りの17ストロークで最大点に達したと判断してそこで終わりにする。
無劣化の泳ぎを意識しながら加速を増やすスムーズな流れができた。

・ディスタンスピラミッド 2×(50+100+150+200)

ストローク数14/15、休憩時間15秒でディセンディングの一連の道具を使う。プール半分の横線が見えるまでは無劣化の泳ぎ、残り5mの横線が見えるまでは前のめり感を増やす泳ぎ、残りはキャッチとプルの泳ぎで続ける。無劣化の泳ぎが6ストローク、前のめりが4、キャッチとプルが4の配分となるが、50mプールに比べて半分のストローク数だと効果が見えにくい。150と200では無劣化を4、前のめりとキャッチを5にしてようやく加速感が得られた。

次のセットは15/16ストロークを維持して無劣化で泳いだ。休憩時間は10秒とした。キャッチの型にはめたら前腕の形を維持したまま肘から先をゆるめ、体の回転とともに手が後ろに動く。ラクに200まで泳ぐことができた。

※プールの制約

1コース4人という混雑状況で泳ぐ練習は集中しづらい。1人の25m所要時間は25~35秒で、平均18秒で泳いでいると必ず追いついてしまう。特に100m以上続けて泳ぐときにはエアターンを覚悟する必要がある。エアオープンターン(OWSテクニックの180度ターン)は難しいので、エアフリップターン+平泳ぎキックがよい。壁に着かないとターンできないというパラダイムを捨てることが必要である。

また休憩時間は他の方の泳ぐ状況に大きく左右されることも実感した。次の方が到着してターンをする直前にスタートしなければならず、休憩時間が一定しない。

テンポトレーナーが使えない、ペースクロックがない点についてはメニューのカイゼンで対応できるが、1コース複数人使用時の練習の仕方については、意識の集中の持続力を高めることも含めて今後の課題とする。

・瞑想バタフライ 300

流れるプール3周をノンストップで泳ぐ。ほとんど避けることなく泳ぐことができたのはよかった。

練習後の気分:5(日本の混雑プールで上達する喜びを毎回感じるためには相当な工夫が必要である)

2013年9月11日水曜日

1500mタイムトライアル 4日で40秒スピードアップする方程式

グアムキャンプにおいて、1500mタイムトライアルを2回実施した。いずれも計時にはGarmin Swimを使用した。

○9月5日 タイム:23分58秒90 劣化率:7.6%

泳ぐ前に立てた戦略は以下の通りである。
 -5月に計測した23分52秒、劣化率11.1%を上回る。
 -テンポ1.05秒、ストローク数40を基本ペースする。
 -ウォームアップでテンポ1.20秒からスタートして無劣化の泳ぎの型を作り、テンポアップする。
 -最初のラップは慎重に泳ぎ、劣化を防ぐ。

最初のラップは軽い感覚で泳げたが、いきなり2ラップ目より劣化を感じるようになった。特に500m以降はストローク数も42~43となり、ひたすら泳ぐ感覚であった。明らかに1カ月近い練習不足が原因である。このような状況でココス島往復のため量も質も目指していた5月と同程度のスピードが得られ、しかも劣化率は上回っていることが驚きであった。

泳いだ後の反省点は以下の通りである。
  • 劣化率を抑えることを目的に、同じペースで泳いでいると泳ぎが劣化する。ラップ毎ではなく、ラップの中でも変化を加える必要がある。
  • 無劣化の泳ぎ、ディセンディングの泳ぎを区別して、大きく泳ぎを変える。
  • 泳ぎが劣化したと感じたらディセンディングに切り替える。無劣化を意識してもカイゼン効果は薄い。

○9月8-9日 練習(40分程度)

遅いテンポで無劣化の泳ぎを作ってテンポアップする方法でまず50m45秒を切るスピードを得る。
次にディスタンスピラミッドにおいて、次の実験を行う。
  1. 各ラップの最初の20ストローク:無劣化で泳ぐ。キャッチとスイッチの型にはめたら前腕の形を維持したまま肘から先をゆるめる。
  2. 次の10ストローク:前のめり感を上げる道具を使う。
    1) 頭を10cm沈める
    2) 顔で水を押す
    3) 入水する手を+20cm下げる
  3. 次の10ストローク+α(壁まで):キャッチ位置を水面下まで上げて型にはめる
1、2、3各フェーズにおけるテンポを0.05秒程度変えた。2が最も遅く、3が最も速い。
このサイクルを各ラップで忠実に守るようにして泳いだ。
8日はディスタンスピラミッド50+100+150+200をテンポ1.20、1.15、1.10秒で実施して距離が伸びてもタイムがほとんど劣化しないことを確認した。9日はテンポを1.10, 1.05, 1.00秒で行い、やはりほとんど劣化しなかった。ただしテンポ1.05秒からは無劣化の泳ぎにおいても手の入水後にわきの下を滑らせるようにして空回りを抑えた。

以上よりラップ毎のプランニングから、ラップ内の泳ぎ方の配分を変える方針に変更して11日のタイムトライアルに臨んだ。

○9月11日 タイム:23分18秒20 劣化率:3.2%

上記のラップ内配分を忠実に守った結果、ストローク数の変動幅は2以内に抑えることができ、非常に安定した泳ぎになった。1000mを越えたあたりより疲れが出てきたので無劣化のサイクルでも前のめり感を少し足し、さらにテンポを意識的に上げた。

タイムは5日よりも40秒短縮することができた。劣化率は最大で5%、最後は1%とほぼ最初のラップと同じスピードで泳げた。人生で最も速い状態を作ることに成功した。

2つのタイムトライアルの間は、2回のオープンウォータースイムセッションと2回のプール自主練習があっただけである。普段よりフォームをコントロールしておけば、戦略を変えるだけでタイム短縮が実現できることを示すことができた。なおオープンウォータースイムの1500mタイムトライアルでも25分という好成績を出すことができた。

9月までに長水路22分30秒という目標は達成できなかったが、6月から始めた練習によりスピードアップするための方程式は解くことができた。今後はさらにフォーム形成に磨きをかけることで、最小の練習量(11月~2月はオフ)で3月に長水路22分30秒、そして短水路での21分台、20分台に挑戦する。

 


2013年9月4日水曜日

練習記録 9/4 無劣化スイムの延伸

トータル:1800m 40分 

○練習のテーマ:無劣化スイムの距離を伸ばす

前日の練習で決めたテンポ1.20秒、34ストロークで泳ぐ距離を伸ばしたときに、ストローク数を一定にして劣化させないようにするための道具を磨く。

・ウォームアップ:300m

テンポ1.40秒で2×50m、以降は0.05秒ずつ速めて1.20秒のストロークを決める。前日と朝のジョギングで筋肉痛がひどく前日より2ストローク増やして36とした。ディスタンス・ラダーで使う道具箱を整理した。

☆無劣化の道具箱

  • スイッチ直前に型を作る。
  • スイッチ後は前腕の角度を維持することだけ意識する。
  • スイッチによる体幹の回転速度をプッシュの動きと一致させる。
  • プッシュで推進力を上げるのではなくキャッチ位置を前・上にすることで手の動線を伸ばす。これはテンポを速くしたときにも使える道具である。
  • 入水する手は、肘が伸びた後に肩を入れてさらに伸ばしながら前のめり感を増やす。
  • 肘の位置の落差ではなく入水後の伸びの加速に重点を置くので、入水時の角度は美クロの7割り程度。

・ディスタンス・ラダー:4×{50+100+150(+200)m}

テンポ1.20秒/ストローク数36でスタート。距離が伸びるにつれて水中の手の動きが重くなることを確認した。キャッチ位置を浅く遠くして動線を伸ばすと同時に肘から先を脱力して「抱え込まないようにする」意識で手を動かす。テンポ1.20秒における目標のペースは46秒/50mとして、距離が伸びてもこのペースを維持するようにした。

結果は200m(4ラップ)でストローク数は後半2増えたものの平均劣化率は-1.0%となり目標を達成した。3ラップ目で2ストローク増えて38になったため、最後のラップは38を維持して加速を加えて-4%のネガティブスプリットを実現した。

気をよくして1.15秒にテンポアップ。時間が少なかったため150mまでの3段階としてラダー練習を実施。38ストロークまでを許容範囲としたが、150mでは40ストロークまで増えて劣化した。50mプールの場合、最初のラップと以降のラップの疲れ方の差が大きい。1.05秒までテンポアップしてラダー練習を行ったが、ストローク数は3ラップ目で+3となり明らかに空回りした。

上記の無劣化のための道具は適正なテンポ(現在は1.20秒)で有効に機能するものであり、それよりテンポが速くなると効き目が一気に弱くなることがわかった。加速を上げてストローク数を維持するディセンディングの道具を磨く必要がある。

練習後の気分:6(テンポが上がると劣化がひどくなることは予想していたとはいえがっかり)

2013年9月2日月曜日

練習記録 9/3 無劣化スイム長水路版

トータル:1200m 35分 

○練習のテーマ:長水路の無劣化スイム

今回初めて深夜にグアムに入った。翌日はスコールが長引き、ランは日中、スイムは夕方行った。大阪で体験した無劣化スイムを長水路で確認して明日のタイムトライアルに備える。

・ウォームアップ:200m

リラックスしながら加速を次第に上げることで、次の練習に備える。

・テンポラダー:10×2×50(@1.40, 1.35, 1.30, 1.25, 1.20, 1.15, 1.10, 1.05, 1.00, 0.95)

今回よりピラミッド練習:増減の2つの方向、ラダー(はしご)練習:1つの方向として言葉を使い分ける。

最大の目的は無劣化状態をキープしながらどこまでテンポを上げることができるかを試すことである。大阪では1.40秒で無劣化の泳ぎができたので、1.40秒からスタートしてテンポを0.05秒ずつ速くする。同じテンポで2回続けて泳ぎ、2回目は1回目よりさらにリラックスして同じストローク数が達成できるか見る。

1.40秒のストローク数は32で51秒であった。ここから1.20秒で34ストローク、45秒までは同じ道具で速度を上げることができた。テンポが上がるにつれて手が動く速度を体の移動速度に合わせることが難しくなってきたので、1.10秒からは水中の手の位置を15cm体に近づけ、肘先を完全にゆるめて「なでる」ように動かした。タイムは速くなったがストローク数も増えてしまったので、プル直後までは型を維持するために力を入れるようにしたところ、ストローク数が安定した。

最後のテンポ0.95秒では38ストローク、39秒とこれまでになく速い結果が得られた。ただし力を入れる意識を加えずにスピードが出せるフォームとしては1.20秒、34ストロークが良かったので、翌日はこのフォームで無劣化の泳ぎができるかどうか確認する。

練習後の気分:6(スコールのため泳ぎ始めが遅くなって日没コールド)



2013年9月1日日曜日

練習記録 9/1 無劣化の泳ぎ

トータル:50分 

○練習のテーマ:無劣化の泳ぎ

大阪の長水路スイムイベントに招待され、なみはやドームで見本泳とTIスイムのウェルカムレッスンを行った。電光掲示板横のオーロラビジョンに私のTIスイム前と後の泳ぎを映し出して、その後にナマシンジを見て頂いた。観客席から遠いのと、オーロラビジョンに私の姿が映されていてクールに対応していたのでお客様の反応はよくわからなかったが、プール中央からスタートしたスーパーマングライド20mはアイキャッチしたようである。

ウェルカムレッスンでは60~70名のお客様を2回に分けて行った。1つのポイントについてドリル的な動きを1ラップ、クロールを1ラップで3つのポイント、合計150m泳いだ。アップを含めて200mという短い距離であったが、多くの方が3つのポイントによる泳ぎの効果を感じて頂き、見た目もかなり変わった。いつもながらTIを体験するにはこの3つは鉄板であると感じた。

世界選手権の決勝の結果を分析してわかったことは、「全く劣化しない」ということである。飛び込みを含む最初のラップタイムと平均ラップタイムを比べると、同じか平均が上回ることがある。ラップ毎の変動幅も1%程度である。この「劣化しない泳ぎ」がスピードアップには必須の要件であることがわかった。目標となるペースを劣化しないで泳ぐことができれば目標は必ず達成できる。そこで劣化する原因を分析しながら無劣化の泳ぎを目指すことにする。

○劣化しない泳ぎ方を調べる

先週イベントで滞在した大阪のホテルでは、イベント向けの泳ぎと並行して劣化しない泳ぎについても練習した。

・劣化する泳ぎの仮説

我々素人は、最初のラップで意気込んでものすごく速く泳ぐが、「このままではもたない」という恐怖心からか急激にブレーキをかけて2ラップ目を泳ぐ。300~400mは同じペースで泳いでいるつもりであるが次第に劣化していることに気づき、500m頃にあわててペースを上げる。失敗する人はここで空回りが発生し、テンポは上がるがタイムは伸びずにいっきに疲れてさらに泳ぎが劣化する。これまでグアムキャンプで1500mタイムトライアルを行うと、ほぼ9割の方がこのような泳ぎ方をしている。

つまり劣化の原因としては、
  • ブレーキをかける:ペースを維持しようとして遅く泳ぐ→精神的な要因
  • 空回りする: 1ストロークあたりの推進力が落ちる→フォームが劣化する
の2つがあり、空回りする状態とは、
  • テンポは変わらないがストローク数が増える:テンポトレーナーを装着してテンポ一定で泳ぐとわかる事象
  • テンポを速くするがストローク長が極端に減り(ストローク数が増え)、結果としてテンポを速くする前よりも移動速度が遅くなる→疲れてからスピードアップしようとするときによく見られる事象
  • ストローク数は変わらないがテンポが遅くなる:ストローク数一定で泳ぐときに見られる事象
の3つが考えられる。

このため劣化しない泳ぎを実現するためには、
  • ディセンディングの意識:スピードを維持するのではなく最初のラップから加速し続ける
  • 無劣化フォームの形成:劣化しないテンポとストローク数を見つける
  • 無劣化フォームの延長:劣化しないフォームで泳げる距離を伸ばす
  • 目標ペースのフォームを無劣化フォームに近づける
が必要である。

・無劣化フォームを実現するテンポとストローク数の発見

これまでの練習で非常によい感覚が得られときの道具は、
  • キャッチで型にはめた後は、肘から先の形を維持することで意識する。
  • プルが終わったら、体幹の回転に合わせて手が動く。
  • 手の移動速度を体の移動速度に近づける。プルまでは2倍程度、プッシュでは1.2倍程度に抑える。
これらの道具を全て使えるテンポを測定したところ1.40秒、20mプールで10ストロークであった。30秒程度の十分な休憩を入れることで10本連続して10ストロークを達成できた。

これらの道具は片手のドリルで意識を高めることができる。3~4回片手で行ってから両手で泳ぐと、力の入れ加減やタイミング、手の軌跡がよくわかる。

・無劣化フォームの距離を伸ばす

翌日の朝練では、1.40秒10ストロークで泳ぐ距離を伸ばした。1ラップ20mからスタートして8ラップ160mまでピラミッドで行い、帰りはストローク数を1減らすために加速を入れた。無劣化フォームでは手にほとんど力を入れていないので、加速したいときには手に瞬間的に力を入れるだけでよい。非常にラクに加速できる。

グアムではこの感覚を維持しながらスピードを引き上げて、1500mタイムトライアルに臨む。

練習後の気分:8(新しいことを発見したので)






2013年8月25日日曜日

練習記録 8/25

トータル:3150yd 63分 

○練習のテーマ:大阪イベント対応

土曜日は今シーズン唯一の家族スイムであった。キャッチ&プルのカリキュラムをテストしたところ、概ね良い結果が得られた。うまくいかないところは表現やアプローチを変えることで9月のワークショップに備える。

今日は大阪イベント(コスパ長距離泳大会)前の最後の練習となるので、ストローク数の少ないクロールとバタフライに焦点を当てる。
 

・ウォームアップ:200yd

リラックスしながら加速を次第に上げることで、次の練習に備える。

・ストロークピラミッド:12×100(14, 13, 12, 11, 10, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15)

12ストロークまでは入水後の伸びを意識、10ストロークまではリズムをゆっくりにしながら加速を上げる意識、9ストロークでは水中の手が空回りしない意識を使う。

最初の14ストロークに比べて後の14ストロークは13秒短縮できた。また15ストロークで1分12秒まで上げることができた。 1分15秒を切るペースが持続できれば20分切りも見えてくる。

・バタフライ:1650ヤード@1.10秒

瞑想せずにフォームをチェックする。各ラップ毎に半分までの距離の間1つだけ道具を意識して、後半はリラックスして泳ぐ。
-手の動きを止めない。
-最小限のキック(水を押すだけ)。
-低いリカバリー。
-肩甲骨をゆるめてリカバリーの手を前に送る。
-骨盤をクランチして腰の位置を高く保つ。
-フィニッシュの手の平の向きを下にする。
-息継ぎした後の頭の動きを最小限にしながら素早くする。
タイムは33分25秒で、前回2012年10月のタイム34分10秒より45秒短縮することができた。

・イージー100

 練習後の気分:8(出張の準備ができた感じ)

2013年8月23日金曜日

練習記録 8/23

トータル:2700yd 70分 

○練習のテーマ:復旧作業

2週間のビデオ撮影(カイゼンキャッチ&プルDVD)が終わり、スピードアップ練習に戻る。まずスピードアップするために必要な技術や感覚を再現する必要がある。

・フォーカルポイントスイム:200yd

-最初の100:リラックスして泳ぐ。ビデオ撮影では正しい形を連続させることを意識して泳ぐため、長い距離を泳げない。まずビデオ撮影で意識してきたことを抑えて、リラックスしながらリズムを作る。
-次の100:ストローク数14で固定。キャッチ&プルやプッシュで14をラクに達成する。

・ディスタンスピラミッド:500yd(50-100-150-200, SPL:14)

劣化率を抑えるために14ストロークをより長い距離維持できるように泳ぐ。ここでも加速は意識せず、ラクに14ストロークを維持するための道具を使う。
-スイッチ直前の型
-スイッチ直後のかく手の前腕の形と肘のゆるみ
-体幹と連動させて水中の動線を伸ばす

・ストロークピラミッド:20×50yd(SPL:14-10-15)

ディスタンスピラミッドで良い感じが得られたので、ストローク数を下げて上げることで加速を増やす。14ストロークからスタートして50ヤードを2回泳ぎ、次にストローク数を1減らす。

ストローク数を減らす局面では
-フィニッシュからリカバリーの減速
-水中動線の延長
-プッシュ割合の増加

ストローク数を増やす局面では、水中動作を一定にしながら水上の動作の所要時間を短くした。この結果スタート時の14ストロークより後の14ストロークが8秒短縮した。

・ドリル練習:1000yd

新しいカリキュラムのためのドリル練習を実施。このカリキュラムがTIクロールの集大成となる。撮影は9月下旬~10月上旬に実施する。


練習後の気分:8(思っていたほど泳ぎが劣化していなかった)

2013年8月12日月曜日

練習記録 8/12

トータル:1450yd 25分 

○練習のテーマ:550yd タイムトライアル

今シーズンの練習はこれで中盤が終了した。6月下旬からの1500m22分30秒を切るための練習は、すでに25ヤードプールでは達成し、次の目標は50mプールでの達成である。これまでの練習の成果を確認するために、3分の1の距離でタイムトライアルを行う。

・フォーカルポイントスイム:200yd

-最初の50:リラックスしながら14ストロークで泳ぐ
-次の100:できる限り加速を加える。13ストロークになる。
-次の50:ストローク数を維持しながらリラックスする部分を増やし、リラックスする時間を延ばす。

・テンポピラミッド:12x50、1.20-1.45-1.0, SPL:14-12-14

今回のタイムトライアルはテンポ1.05秒、14ストロークで劣化率(1-平均のラップタイム/最初のラップタイム)を最小限にすることを目標にしている。しかしいきなり1.05秒で泳ぐと16ストロークになるので、ゆっくりしたテンポで加速力をつけ、次第にテンポを1.05秒に近づけながら加速力を維持することでフォームを作る。

意識のポイントは「スイッチ直前の両手の型」と「スイッチ直後のかきの手の動き」である。この2つがうまくいくと、前腕で水を抱える感覚が続くと同時に、手を水中で押す距離が最も長くなる。また水中でかきの手が動くときは、肘から下はゆるんでいる必要がある。力が入ると空回りしてストローク数を12にすることができない。

・550ヤード タイムトライアル:テンポ=1.05秒

テンポ1.05秒を守りながら14ストロークをどこまで維持できるか試した。
-スイッチ直前の型を作るために、水中の手のわきの下を前に伸ばす。
-手首と肘を折り水を抱える。
-型を作ったら前腕から先は形を変えずに後ろに動かす。このとき体幹の回転とつなげる。
-プッシュとフィニッシュも確実に行う。手首をゆるめて素早く動かす。
-前のめり感を常に増やす(ディセンディングの意識)。

17ラップまでは14ストロークを維持することができた。タイムは7分13秒で、1650ヤード換算で21分39秒であった。平均ペースは1分19秒である。22分を切るためには、550毎の劣化を2.5%に抑える必要がある。5%の劣化として余裕度を上げるためには1分15秒ペースで泳ぐ必要があり、25ヤードあたり1秒短縮する必要がある。これは
-テンポ1.05秒で13ストロークで泳ぐ
-テンポ0.98秒で14ストロークで泳ぐ
の組み合わせで実現できる。テンポ1.05秒、13ストロークで長距離を泳ぐのは現実的でないので後者に取り組む必要がある。

・イージー100

練習後の気分:7(期待していたほどはタイムは縮まなかった。フォームに改善の余地がある)。

2013年8月7日水曜日

練習記録 8/7

トータル:2300yd 42分 

○練習のテーマ:低ストロークスイムの加速持続力強化

前日のテンポピラミッドでは、12ストロークで1.40, 1.35, 1.30, 1.25の4つのテンポパターンに対応することができた。テンポに対する柔軟性が得られた結果、1.05秒でも14ストロークに抑えることができた。

今日は距離に対する柔軟性を高めるため、ディスタンスピラミッドをストローク数を変えて行う。特に12ストロークと13ストロークでは、ストローク数を維持するための加速の道具を確認する。

・フォーカルポイントスイム:200yd

-最初の50:リラックスしながら14ストロークで泳ぐ-次の100:できる限り加速を加える。12ストロークになる。
-次の50:ストローク数を維持しながらリラックスする部分を増やし、リラックスする時間を延ばす。


・ディスタンスピラミッド:4x50+4x100+4x150+4x200、14-13-12-13ストローク

それぞれの距離を4本泳ぎ、ストローク数を14-13-12-13と変える。13の次は距離を伸ばして14ストロークで泳ぐことになるので、ストローク数を徐々に減らす方向と増やす方向の両方、そして距離を伸ばす方向の練習が行える。

最近のストロークカウント練習同様、ストローク数が決めた数に達したらそれ以上は手を動かさない。このため慎重に泳ぐことになり、普段よりもタイムは遅くなった。

・ストローク数を減らす局面:水中動線の延長、腰の回転とフィニッシュの連動、リカバリーを止めない
・ストローク数を増やす局面:回転角を抑えながら肘の自由落下を推進力に変える、肩甲骨によるリカバリー加速

特に最初の13ストローク(「行きの13ストローク」と呼ぶ)と、一旦12で泳いでからの13ストローク(「帰りの13ストローク」と呼ぶ)では、後者を圧倒的にラクにするために何をすればよいかを考えて動作を調整した。

新しい水中動作の感覚
帰りの13ストロークをラクに泳ぐために、前腕の軌跡に注目した。前腕が「一様に」動いていると、非常にラクでありながら余裕で13ストロークを維持できた。
a)プルの開始からプッシュまで、一直線に動く感じ
(実際には体幹の回転でカーブを描くが、意識としては一直線)
b)途中で止まったりタメを作らず、等速で動く感じ
c)肘と手首がゆるんでいる。上腕でコントロールする感じ。
d)体が前に進む動きと正反対の方向で、同じスピードで動く感じ。
この4つの感覚が得られるときに、ラクな加速が得られる。これは今までにない感覚であった。

ただしキャッチの段階からゆるめているとd)が得られない。手首の返しとわきの下の上方伸展による水の引っかかりは最大にする必要がある。

しばらくはテンポも入れながら、12、13ストロークの泳ぎを伸ばすことにする。

・イージー:100

練習後の気分:7(新しい発見はプラス、思ったより遅かったのはマイナス)

2013年8月6日火曜日

練習記録 8/6

トータル:2200yd 55分 

○練習のテーマ:テンポ1.05秒で14ストロークにする

最終的な目標である1650ヤードを19分以内で泳ぐためには、テンポ0.95秒で25ヤードを14ストロークで泳ぎ、それを66回繰り返す必要がある。

目標達成のための最初のプロセスとして、「ターゲットストローク数14でテンポを維持して泳ぐための技術を身につける」ことを選び、前日に1650ヤードを続けて14ストロークで泳いだところ、平均のテンポが1.3秒であることがわかった。

最終的にはこれを0.95秒まで引き上げる必要があるが、その最適なステップを見つけるためにアプローチを変えながら練習する。

まず現在14ストロークで継続可能なテンポ1.30秒を1.05秒に引き上げるために、14ストロークでテンポ1.05秒の泳ぎ方を作る。

・フォーカルポイントスイム:200yd

-最初の50:リラックスしながら16ストロークで泳ぐ-次の100:できる限り加速を加える。13ストロークになる。
-次の50:ストローク数を維持しながらリラックスする部分を増やし、リラックスする時間を延ばす。
 

・テンポピラミッド:18x(2x50)@1.20-1.50-0.95秒、14-11-15ストローク

これまで1.05秒では16ストロークが持続する泳ぎの基本形であった。これを2ストローク減らすためには、手の水中動作や体幹の回転、スイッチのタイミングなどで「加速を積み重ねる」必要がある。

このような練習に最適なのはテンポピラミッドである。テンポを遅くする局面では加速を上げてストローク数を減らし、速くする局面ではさらに加速を上げてストローク数を維持する。

今回はテンポの変更幅やストローク数の変化を調べて、今後の持続力を上げる練習の基準にする。

・50ヤードラップの結果(右側はテンポ)
14ストローク:1.20, 1.25
13ストローク:1.30, 1.35
12ストローク:1.40, 1.45
11ストローク:1.50, 1.45
12ストローク:1.40, 1.35, 1.30, 1.25
13ストローク:1.20, 1.15
14ストローク:1.10, 1.05(34.0秒), 1.00(33.3秒)
15ストローク:0.95(タイム32.4秒)

・最初のテンポ1.20秒のタイム:40.1秒
・テンポを遅くして速くした後のテンポ1.20秒のタイム:35.9秒(-4.2秒)
・テンポを遅くして早くした後のストローク数14の最速タイム:33.7秒(-6.4秒)

スタート時のボタンを押すタイミングやターンのカウントなどにより、同じストローク数で泳いだとしても、必ずしもテンポの差の分タイム短縮につながるわけではない。

結果として、テンポ1.05秒で14ストロークを達成することができた。
またテンポ0.95秒を15ストロークで泳ぐことができ、練習における50ヤードの記録を更新した。

○考察

今回はテンポの変化幅として下限0.3秒、上限0.25秒を選び、上限で0.95秒になるように1.20秒からスタートした。また泳ぎ方を確認するため各テンポ2本ずつ泳いだ。

与えられた時間の中で加速を最大にするための道具:
  • 加速のタイミングをビープ音に合わせるため、ビープ音でスイッチする。
  • ビープ音に合わせて手を動かすのではなく、ビープ音を先回りして動作しなければならない。
    (肩甲骨を使ったリカバリーの加速、肘の落下運動)
  • ビープ音が聞こえる前に両手を型にはめておく。
  • 入水した手を水中で少しでも長く伸ばせるように、体幹の回転とプッシュをつなげる。
  • 遅いテンポ(1.40以下)では、腰の回転にプラスαしてフィニッシュの位置をさらに下げる。
  • テンポが速くなるにつれてキャッチの位置を高くしてわきの下の上方伸展意識を上げる。
  • 1.10秒より速いテンポではプルの割合がプッシュの割合を上回る。
テンポが速くなる局面では、12ストロークのテンポ柔軟性が4段階で最も高かった。テンポが速くなっても加速をコントロールすることでストローク数が維持できている。このため、14ストロークで最大のパフォーマンスを得るようにするためには、12ストロークのコントロール力が鍵になりそうである。

12ストローク固定で泳いだときに、テンポを0.2秒変えることができた。今度は距離がどの程度変えられるのか実験してみる。

なおテンポピラミッドにおいては、0.95秒を上限として1.45秒までの0.5秒間を使い、1.35秒で最初から12ストロークが泳げるようになった段階で0.95秒から1.35秒までの0.4秒間に切り替える。

・イージー:100@0.95秒
テンポ0.95秒でラクに泳ぐと何秒かかるか実験してみた。 1分30秒、平均18ストロークでそれほど遅い感じはしない。テンポに合わせるだけでも「ある程度は」速く泳げることがわかる。ストローク数を維持するのは非常にエネルギーを使うので、長距離を泳ぐこと自体が目標であればテンポを優先させてもよいのではないか。

・SAイージー:100(平泳ぎ50+バタフライ50)

練習後の気分:9(自分で計画した通りの成果を出すことができた。またいろいろなインプットが得られた)

2013年8月5日月曜日

練習記録 8/5

トータル:2150yd 31分 

○練習のテーマ:14ストロークを維持して1650ヤードを泳ぐ

気がつくとこの3週間、毎日休みなく14時間以上働いている。TIジャパンで出版したDVDタイトルを英語化して販売する準備である。日本語の文章を見ながら英語の文章を確認したり、日本語を聞きながら英語を日本語と同じ時間に収まるように訳したり、英語を聞きながら口語としてふさわしくない文章を変えたり、英語の合成音声がスムーズに聞こえるように波形をいじったりと、朝5時から夜11時まで続けていたらすっかりストレスがたまってしまった。

土日なく働いてほぼ限界に近づいてきたので、今日はシンプルに、「14ストロークを維持して1650ヤードを泳ぐ」ということを試した。14ストロークはテンポ1.05秒における目標である。これが劣化率5%で維持できれば20分30秒になる。

・フォーカルポイントスイム:200yd

ストローク・コントロールが主体の練習においては、このウォームアップの段階でストロークを16から14に調整する。
-最初の50:リラックスして回転角を大きくとる
-次の50:ストローク数を数える。16ストロークであることを確認する。
-次の100:1ストロークずつ減らして最後は14ストロークにする。

・1650ヤードスイム:14ストローク

ストローク数を限定して泳ぐ場合、それ以上は手を動かさないことにする。フリップターンなので右手で入水してからひとかきできるが、それでも足らない場合はアプローチしたまま壁に近づくしかない。
今日は午前中にTIコーチにバタフライと平泳ぎを教えたので(英語のレッスンは香港以来)、午後2時から泳いだ。高校生3人が横に泳いで非常に邪魔だけでなく、危険であった。

結果:24分28秒(平均ペース1分29秒、平均ラップ22.2秒)

ターンとプッシュオフで3カウントとすると、平均のテンポは22.2/17=1.30秒である。キャッチ位置は浅く、水中の軌跡を長くとり、体幹の回転と合わせて脇を締めながらプッシュすることができたので、感覚的なテンポもそんな感じであった。

ストローク数が未達なのはGaminで見る限り5回/66ラップである。後半の方がタイムは若干速くなっているが、これは疲れてきたことにより未達にならないよう加速を上げたことが理由となっている。加速は主にプッシュの速度の増加とキャッチのひっかけ感の増加で実現した。

おもしろいのは4月12日に計測した1650ヤードとの比較である。このときはテンポ一定、1.15秒で泳いだ。結果は24分58秒で、今回より30秒遅い。計算上はストローク数は15~16である。
つまり速いテンポを維持することを意識して泳ぐよりも、普段より1~2少ないストローク数を維持して泳いだ方が速いということである。これはスピードアップキャンプでも実施して同じ結果を得ている。問題は少ないストローク数を維持できるかどうかである。今回はテンポを落として加速を上げることでストローク数を維持することができた。

テンポに合わせて泳ぐときは、ビープ音に追いつかなくても何も起きないが、ストローク数を固定して泳ぐ場合、決めたストロークより多くは泳げない。このため意識の集中が持続できるというメリットも今回得ることができた。

今後は14ストロークでの航続可能なテンポを1.30秒から1.05秒に引き上げるための練習方法について考え、実行する。

・バタフライと平泳ぎ 3x(2x50):リラックスしながら泳ぎ、水面からの上下の移動距離を最少化する

練習後の気分:8(精神的にリラックスできたわりには、いろいろ発見できてよかった)

2013年8月3日土曜日

スピードアップのアプローチ 1

次男のスイムチームのシーズンが昨日で終わり、約1カ月の休みに入った。
本日より午前中に彼が泳げるときに限り合同練習とする。

○本日のメニュー

-ウォームアップ:200
-ドリル(スーパーマングライド~スイングスイッチ):500
-のびーるスイム(片手/両手/両手+クロール):150
-ストロークピラミッド 6x(2x25):0,-1,-2,-1,0,+1
-ストロークピラミッド 6x50:0,-1,-2,-1,0,+1

4種類のストローク数で泳ぐためには、抵抗を減らす技術だけでなく加速する技術、テンポを変える技術を身につける必要がある。これらは速く泳ぐための練習の土台になるため、2%以上のスピードアップを望む場合にまず身につける技術となる。

スピードアップのアプローチ

今年3月下旬から始めた練習により、「速く泳ぎたい」ときに、何をどのようにすればよいのかがわかってきた。今後体系化するために断片的にメモを作成する。

■ステップ1:「心構え」

  • 「根性」や「気力」、「長時間の練習」で実現するのではないと決意する。
  • 「速く泳ぐ」ことを「目標」にする。目標にすれば「達成する行為」が必要になり練習の意味づけができる。
  • 「速く泳ぐという目標」が、「水泳の目的」を実現するのに貢献することを確認する。本来の目的から離れて目標を定めても、やる気を維持することが難しくなる。目標達成のために泳ぐことが、自分が本来定めている水泳の目的に合致していれば、練習を正当化することになる。
 

■ステップ2:「具体化」

  • 「速く泳ぐ」の「速く」が何かを明確にする。通常は一定距離における所要時間を指す。
  • 従って「距離」と「時間」の2つが最低必要になる。
  • 連続して泳ぐことは必須ではない。ただし休憩しながら泳ぐときに速度目標を立てる場合は、休憩時間という第三の数字を考慮する必要がある。
  • 「○○さんより速く」「プールで一番速く」など比較対象を目標にしたい場合も、自分の現在位置を知るために距離と時間に置き換える必要がある。
  • この他に条件を加えることができる。例:ストローク数、劣化率、平均テンポ
 

■ステップ3:「現在位置と目標までの差の確認」

  • ステップ2において定めた「距離」において、現在の所要時間を計測する。
  • ストローク数や劣化率などこの他に条件があれば、それも計測・算出する。
  • それぞれの計測値や計算値が、目標とどの程度違うのかを算出する。現在の値を分母、現在の値と目標値の差を分子とすると、目標達成に必要な変化の割合を知ることができる。
  • この変化の割合により、目標達成の可能性、および達成に必要な日数を予測することができる。
(次回に続く)
 

2013年8月2日金曜日

練習記録 8/2

トータル:2750yd 55分 

○練習のテーマ:最加速ストローク数の引き下げ

20分を切る泳ぎを実現するためには、これまでの基準を大幅に引き上げる必要がある。最終目標は現在よりも15%速く泳ぐことなので、単純には
a)テンポを15%速くして現在のストローク数を維持する
b)ストローク数を15%減らして現在のテンポを維持する
c)15%以上の速度劣化があれば15ポイント引き上げる
の3つのアプローチがある。c)については現在の速度劣化が6%以下なので除外し、a)とb)をミックスするアプローチにする。ただしテンポを上げると美しさが損なわれる可能性が高いため、b)のストローク数を減らすことを優先的に取り組む。

ターゲットストローク数は14とする。これまではスピードを意識した練習では、テンポ1.0秒では16ストロークで泳いでいる。これを14にするために、加速力をつける練習を行う。テンポ1.0秒で14ストロークが実現できれば12%のスピードアップとなり、20分を切る泳ぎが見えてくる。そこから先でテンポアップを導入する。

・フォーカルポイントスイム:200yd

ラクに14ストロークで泳ぐように、次の順番で意識して感覚を評価した。
-肩の回転角を増やす
-リカバリーはリラックス、後半は肩甲骨で加速
-スイッチの型
-フィニッシュの型
-水中の手の軌跡の幅を広げて安定させる

・ストロークピラミッド:7x200:14, 13, 12, 13, 14, 15, 16ストローク

ストローク数をリラックスしながら長距離維持する。今回はストローク数を絶対に維持するため、予定ストローク数に達したらそれ以上は手を動かさないことにした。
・ストローク数を減らす方向:キャッチ位置を前に、フィニッシュ位置を後に移動する。リカバリーに時間をかけるためにキャッチの肘位置を広げて横方向の安定感を上げる、回転角を増やす。ストローク数を減らしてもタイムを変えないようディセンディングを意識する。
 -結果:2分58秒→2分57秒でペースを維持できた。
・ストローク数を増やす方向:単に手の動作を早めるのではなく、肩甲骨を使ってリカバリーを加速しながらテンポを上げた。12ストロークのときの水のひっかかり感をできるだけ維持した。
 -結果:14ストローク 2分58秒→2分43秒
 さらに15ストローク、16ストロークでは100ペースで1分20秒を切る(1分19秒と1分18秒)ことができた。

・ドリルシーケンス:キャッチ&プル(15分)

-スケーティング+高さチェック
-キャッチの形
-プルの方向、手が肘のラインにきた時の形
-スイッチ型からのスイッチ(アンダースイッチ)
-スイッチ型からのスイッチ(スイングスイッチ)
-片手アンダースイッチ
-手を添えた片手アンダースイッチ
-ゆるやかな両手アンダースイッチ
-ゆるやかな両手スイングスイッチ
望ましい手の位置からプルを行うためには、わきの下から上腕にかけて上に伸びる感覚を得ることが必要。手を添えた片手アンダースイッチにより、伸びた感覚と方向を記憶することができる。

またゆるやかな両手スイッチは、片手の動作だけにフォーカスして行う。もう片方の手は型にはめるときだけ意識する。

ここで得られたわきの下から肘にかけての感覚を実践で再現するために、ストロークピラミッドを距離を変えて再度実施する。

・ストロークピラミッド:6x100:14, 13, 12, 13, 14, 15ストローク

距離を短くしてできる限り加速を上げて泳ぐ。ドリルの効果は絶大で、わきの下から上腕にかけての方向を上向きにすることで水のひっかかり感が増え、加速も実感できた。
ストローク数が減るに従い加速を大きくすることができ、テンポが遅くなる以上にスピードが上がった。増やす局面ではその加速を維持したままテンポを上げることができた。

14ストローク:開始時は1分22秒、戻りで1分11秒6で過去最速ペースを記録した。この泳ぎが劣化率5%で維持できれば20分30秒で泳げる。
15ストロークでは1分10秒切りを意識して完全に空回りし、 16ストロークになってしまったが1分11秒2で記録を更新した。これ以上はストロークを維持することができないと判断してここで終了した。

・考察

今回初めてメインセットを分けて間にドリル練習を加えたが、非常によい結果を得ることができた。ドリルで正しい形や動作を得てから、スピードや距離に取り組む練習を今後も導入する。

・イージー100

練習後の気分:8(思った通りの展開でペースの記録が更新できた)

 

2013年8月1日木曜日

全米全年齢区分百傑への道 -1500m19分を切る-

1650ヤードを22分30秒で泳ぐ目標は、6月に定めたアプローチに従って地道に練習することで達成できた。その次の段階として長水路50mプールで1500mを22分30秒で泳ぐことを目標として設定して昨日練習したが、小規模なカイゼンの積み重ねになるのでモチベーションの維持が難しい。よくお客様に「木を見て森を見ず」ということを話しているが、自分が木ばかりを見ているような木がしてならない。

そこで現在の自分のタイムが、全米マスターズでどの程度に位置するのか調べてみた。
http://www.usms.org/comp/meets/toptimes.php
USMS(マスターズ協会)は2003年より公認大会の記録が全てデータベース化されていて結果は一般に公開されている。非常にありがたい仕組みである。
-自分のタイム 距離:1650ヤード、タイム:22分28秒
-45~49歳男子:62位と63位の間/総数108名
-全年齢区分: 421位と422位の間/総数不明(500名以上)

北カリフォルニアは最も競争が激しい地域なので、現在のタイムだとレースでは下から数えた方が早い順位になるであろう。

全年齢区分で100位以内に入ろうとするためには、過去数年の結果によると18分台を出す必要がある。45~49歳の年齢区分では15~20位、50~54歳では十傑に入る。

果たしてこんなことが可能なのだろうか。よくわからないが、自分自身を究めるための目標としてはピッタリなので、実現可能性についてあまり考えずに行けるところまでやってみることにする。

1650ヤード19分とはどのような泳ぎなのか

これまでと同じアプローチで考えてみる。

◯目標達成のためのプロセス:(1)100ヤードペースの設定

400m以上の距離でタイムを縮めるには、まず100mのペースを考えることが重要である。マイプールはヤードなので以降は全てヤード換算となる。
今回の場合1140/16.5=69秒となるが、長距離を泳ぐ時の劣化幅として5%を考慮すると、69*0.95=65.6秒が目標のペースになる。

テンポを0.95秒とすると、65.6/0.95=69カウントになる。ターンとプッシュオフで12カウント使うためストローク数は(69-12)/4=14.25である。テンポを0.90秒とすると、同様に (65.6/0.90-12)/4=15である。

つまりテンポ0.95秒で14ストロークとなる泳ぎ方を続ければ目標が達成できる。
またはテンポ0.90秒で15ストロークである。

◯目標達成のためのプロセス:(2)アプローチの決定

すでにテンポ1.00秒や0.95秒で距離を泳ぐことはできている。そこで今回はストローク数を重視し、ターゲットストロークである14を中心にテンポを上げて持続力を高めることにする。なおストローク数をコントロールする場合、定めたストローク数で泳げている限りは空回りは発生しない。テンポが極端に遅くなることが問題になる。

1)ターゲットストローク数14でテンポを維持して泳ぐための技術を身につける。
2)ターゲットストローク数14、ターゲットテンポ0.95秒で泳げるようにする。
3)ターゲットストローク数14、ターゲットテンポ0.95秒を維持して泳ぐ距離を伸ばす。
4)ターゲットストローク数を変えずにターゲットテンポを0.05秒速くして3)と同じ持続力を得る。

現時点での練習におけるテンポ0.95秒のストローク数は17である。これを定常的に3減らすことになるが、これは加速を17.6%上げることになる。手や足、体幹、姿勢、動作、タイミングなど道具を総動員して実現する。


トータル:2300yd 41分

○練習のテーマ:ストローク数の変化によるラクな加速

前日のピラミッド練習において、11ストロークのセットから14ストロークのセットに切り替わった瞬間、非常にラクに感じながら加速を加えることができた。

そこで今回は前日と全く逆の流れでディスタンスピラミッドを行い、どのような効果が得られるのかを確認する。

・フォーカルポイントスイム:200yd

ストローク数を調整する。14ストロークまで下げる。

・ディスタンスピラミッド:4x200+4x150+4x100+4x50:12, 13, 14, 15ストローク

前日11ストロークでは無理があったので、12ストロークからスタートする。
距離を短くするに従い、加速を上げる。

12:200では気持ちのよいテンポ+0.2程度遅くして確実に12で泳げるようにした。以降は前の15ストロークのテンポをできるだけ引き継ぎ、加速を上げることで 12ストロークを達成した。
12→13:肩の回転角を抑えて安定感を高める。キャッチやフィニッシュの場所は12と同じ。
13→14:入水後に手を伸ばす速度を上げることでテンポを上げる。
14→15:ニューパラダイムにシフトする。

低ストローク数のときの加速を活かすことができたため、 最初の200のセットでは100ペースで14秒短縮した。次の150では9秒、100では11秒短縮して過去最速の1分12秒を出した。また50でも15秒短縮して1分7秒(ペース、タイムは33秒)となった。いわゆるダッシュではなく、ストローク数をコントロールして冷静に泳いでおり、かなりハードな2000を泳いだ最後にこのスピードを出すことができた点は評価できる。このペースで33ラップを泳げば、新しい目標が達成できることになる。

今回のように12から13ストロークの加速を確実に上げて、テンポアップに従い加速を失わずに14ストロークを持続することが、基本的なカイゼンの方向になる。従ってしばらくの間はテンポトレーナーを使わず、ドリルとストローク数のコントロールで練習してみる。

なお休み時間は20秒とれると回復できる。ストローク数をコントロールする練習では20~30秒の休憩を入れ、各ラップにおけるストローク数の達成に集中する。

・イージー:100

練習後の気分:10(新しい目標設定ができ、泳ぎの中でも達成のための断片が見えた)

 

2013年7月31日水曜日

練習記録 7/31

トータル:2300yd 39分

○練習のテーマ:加速の維持

気分を新たに新しい目標に取り組む。これまで速いテンポ(1.00~0.95秒)への適応と、その中で加速を維持するための技術を磨いてきた。

8月は新カリキュラム作成のためのビデオ撮影の日数が増え、練習時間が大幅に減少することから、今回は30秒のタイム短縮を実現するためのアプローチとして、
1)加速を上げる(ラップあたり0.5ストローク、100ヤードペースで2秒短縮)
2)劣化を抑える=加速の持続力を上げる
の2つに絞り集中的に練習する。

また練習する距離については、長水路対策としてメインセットを2000ヤードに増やす一方、フォーカル・ポイントスイムの距離を200ヤードに限定して全体の練習時間・距離の増加を最小限に抑える。

・フォーカルポイントスイム:200yd

最初の50:回転角を次第に増やして肩の可動域を増やす。
次の50:ストローク数を数える。
次の50:ストローク数を1減らすために必要な道具を確認して使う。
次の50:同じストローク数でよりラクに泳ぐための動作の短縮、リラックス時間の延長を試みる。

・ディスタンスピラミッド:4x50+4x100+4x150+4x200:14, 13, 12, 11ストローク

同じ距離をストローク数を変えて泳ぐことで、加速を上げるための道具を磨く。ストローク数は最初の50の後半で決めたが、前の練習でストローク数を意識済みだったので14からのスタートになった。テンポは気にせず、ストローク数の維持に集中する。また休憩時間は20~30秒とした。

今回の発見は、11ストロークで泳いだ後、より長い距離を14で泳ぐと非常にラクに感じられたことである。入水する手を自由落下させ、それに合わせて体幹を回転させるだけで前に進む感覚が得られた。ターゲットストロークである16ストロークで泳ぐときも、13~14ストロークの加速を最大化させることで16ストロークの持続力の増加が期待できる。

14→13:リズムはほぼ同じ。キャッチのポイントを10cm前にして水を抱える感覚を増やす。
13→12:骨盤をクランチしてヒップポイントを上げる。フィニッシュを15cm後ろにずらす。
12→11:プルからフィニッシュまでの軌跡を同じにする。横方向の安定性確保のためにキャッチのときの肘の位置を10cm外側にする。

150のセットまではストローク数を維持することができたが、200の12ストロークと11ストロークはあらゆる道具を使っても3ラップ目以降は未達であった。テンポを遅くすればストローク数も減らせるが、速いテンポに慣れているためテンポを遅くすることは非常に難しい。

200のセットではペースが82秒~85秒であった。ストローク数を維持しながらテンポを0.10秒速くすることで5秒の短縮が可能になる。このアプローチが正しいことを確認するため、加速を上げる練習の仕上げの段階でテンポコントロールを導入する。

・イージー:100

練習後の気分:8(テンポに追われず新たな気分で練習できた)


2013年7月30日火曜日

目標達成 1650ヤード1347.5秒

1650ヤードタイムトライアル

この1カ月間の練習の成果を確認するために、1650ヤードのタイムトライアルを行った。
ちなみにGarmin Swim導入後のタイムトライアル結果は以下の通りである。

2013/4/12 24分59秒(テンポトレーナー装着、テンポ1.15秒)
2013/5/10 23分08秒(テンポトレーナーなし):3.5%スピードアップ

そして本日、22分27秒50で1350秒を切るという目標を達成した。
ちなみに5/10の結果に比べて2.2%のスピードアップである。

  • 様々な道具を1往復単位で使った。道具を使うときには、定められた形やタイミング(=型)にはまっているかどうかを確認し、はまっていない場合はその原因を速やかに取り除くようにした。ただし調整(徐々に変化させて最適な場所を探す)は大幅なスピードダウンを招くので行わなかった。
  • 800を越えたあたりで軽い空回りが発生した。まずストローク数を1減らすことを目的にキャッチの形や水のひっかけ感を意識し、体幹の回転を手を前に伸ばす力につなげた。
  • 入水した手を前に送り出すときに使う前のめり感は、疲れたときに最適な道具である。
  • 1200を越えた頃に道具を使い果たした。世の中こんなもんだろうと思った瞬間瞑想に入り半分程度泳いだが、これではスピードが維持できないと思い直してあとはNLPしながら基準を上げていって最後の50を迎えた。

○5/10の結果との比較

  • 平均ペースでは2.5秒速くなっている。
  • 距離を3分割して100ヤードのペースを出すと、前半は84.8秒→80.8秒、中盤は84.3秒→82.2秒、後半は83.3秒→82.0秒である。前半はスピードアップできたが、中盤から後半にかけてスピードが維持できていない。
  • 平均ペースを最初の100のペースで割った劣化率は5/10が1.3%、7/30が5.2%である。2回目の100のペースで割ると5/10が-1.1%、7/30が1.2%である。今回最初のラップでかなり飛ばしていたことがわかる。また巡航速度に移る2回目の100のペースと全体平均がほぼ同じであるということは、最初のラップからは落ちているもののその後は安定していることがわかる。
  • 5/10の方が速度が落ちていないのは、ココス島往復のために長い距離を泳いで練習していたことが考えられる。1500m28分ペースを2時間維持することが当時の目標であった。従ってスピードよりも持続力を重視していた。

○考察

  • 目標設定においては、1カ月の練習で2~3%のスピードアップというのが現実的であることが実証できた。
  • ターゲットテンポにおけるストローク数(0.95秒または1.00秒で17~18ストローク)を設定して、その泳ぎを持続するための技術を身につけるアプローチで成果が出た。
  •  1カ月のうち後半はメインセットの距離を1500mとして、総練習時間や距離を減らしながらどの程度成果が出るのか調べた。4月・5月の2カ月の1回あたり練習量と6月の練習量を比べると3~4割は減っているが、巡航速度になってからの劣化は最小限に抑えることができた。
  • 長水路50mで22分30秒を切るためには、単純な換算表によると25ヤードプールで 21分56秒で泳ぐ必要がある。これは100ヤード平均ペースで80秒を切ることになる。現在のストローク数17を維持する場合テンポ1.0秒、5%劣化を考慮すると0.95秒になる。
  • 従って今後の練習方針は、「0.95秒でストローク17の泳ぎ」を定着させることになる。
  •  50mプールでは壁を蹴るチャンスが半減するので、より高い持続力が求められる。メインセットの距離も2000程度に増やす必要がある。

・イージー100
トータル2000ヤード

練習後の気分:10(いろいろ課題は見つかったが、目標は達成できたので今は素直に喜ぶ)



2013年7月29日月曜日

練習記録 7/29

トータル:2100yd 33分

○練習のテーマ:これまでのおさらい:テンポと加速

翌日のタイムトライアルに備えて、これまで練習したテンポおよび加速のコントロールをおさらいした。

・フォーカルポイントスイム:500yd

最初の100:リラックスしたうえでまあなの感覚を引き上げるための道具を使う。
次の100:ストローク数15で一定にする。後半はスイッチの型、プッシュの型を意識する。
次の100:ストローク数14で一定にする。加速の道具を使う。
次の100:テンポを上げる。ストローク数は意識せず、なめらか感を優先する。
最後の100:加速を上げる。プルの水引っかかり感、プッシュのてこの感覚を高める。

・ディスタンスピラミッド:3x(50+100+150+200)@1.15, 1.10, 1.05秒(14/15, 14/15, 15/16)

ピラミッドの最終練習形として、距離、テンポ、ストローク数、ビープ音の有無のいずれも変える練習を行う。
1)同じテンポ、同じストローク数で泳ぐ距離を変化させる。(50-200@1.15秒:14/15ストローク)
2)テンポを変えて同じストローク数で泳ぐ距離を変化させる。(50-200@1.10秒:14/15ストローク)
3)テンポを変えてストローク数を増やして泳ぐ距離を変化させる。(50-200@1.05秒:15/16ストローク)
いずれも50、150ではテンポトレーナーを装着、100、200ではエアテンポ(TTなし)で行った。
各距離の間の休憩は10秒、テンポを変えるときの休憩は30秒とした(練習の強度を上げないようにするため)。

バリエーションとしてはこれが最大の練習となるので、目的と得たい結果を明らかにしてからセットを組む必要がある。今回の場合、以下が目的となる。
・技術の復習が目的なので、運動強度は中程度にする(=休憩時間を変える)。
・翌日のタイムトライアルに備え、テンポトレーナーなしで決めたテンポで泳げるようにしたい。
・ゆっくりテンポで確実に加速を上げておき、速いテンポでもその加速をできるだけ維持したい。
・さらにテンポを上げたときに、ストローク数が増えてもラクに泳げ、結果として速くしたい。

得たい結果は各テンポのセット、または全体のセットを通じた平均ペースである。
ターゲットペース:テンポ1.15秒:1分22秒、テンポ1.10秒:1分21秒、テンポ1.05秒:1分20秒、全体:1分21秒

結果は、これまで練習してきた様々な道具を各場面において使用することで、上記のターゲットペース通りの泳ぎとなった。最後の200は上り坂感覚になったが、型に伴う水のひっかけ感を増やし、リカバリーを加速してテンポを早めにすることでなんとか1分21秒ペースになった。

なおテンポとエアテンポを組み合わせ泳ぐ場合、エアテンポのときにはテンポよりも速めのテンポを意識してまず泳ぎ、次第に加速を上げながらテンポを落とすようにするとディセンディングの道具になった。特に疲れてきたときには、まずテンポを上げてなめらか感や前のめり感を高めてから、型やひっかかり感、プッシュにより加速を上げると効果がある。

・イージー:100

練習後の気分:8(コンテンツ英訳の仕事が山を迎えているので、軽めの練習で気分良く終えて仕事にとりかかれた)

2013年7月27日土曜日

練習記録 7/27

トータル:3000yd 45分

○練習のテーマ:ペースを維持して長く泳ぐ

目標の距離の約2倍である3000ヤードを泳ぎ、発生する問題を確認し問題解決のための道具を試す。

・ロング:3000yd@1.0秒

目標の距離は1650ヤードであるが、疲労したときに加速を持続するための道具をいろいろ試すために倍の3000を泳ぐ。長時間泳ぐことで足がつらないようにアンクルストラップを膝上に着ける。

ウォームアップを行わなかったので、1.0秒になかなか動作が合わない。フォーカルポイントスイムを練習の最初に行う場合、スタート時の想定テンポは1.30~1.40秒で、500ヤード泳ぎながら1.20秒まで上げる。今回のロングでは1.0秒に動作が合うまで300ヤード以上を泳ぐ必要があった。

テンポトレーナーを装着したロングのタスクは、(1)最初にテンポに合わせる、(2)ストローク数を数えて一定にする、(3)加速を上げてストローク数を減らす、である。今回は(2)のストローク数が16で一定になるまでに1000ヤードに達し、非常に効率が悪かった。

また1500あたりから空回り感が発生した。横波がひどく、また横方向に泳ぐ人(衝突の危険あり)が気になり泳ぎに集中できない。 この結果17や18ストロークにも振れて1650の経過タイムは24分と想定より30秒遅くなっていた。

2000を過ぎてからはプールで泳ぐ人もいなくなり、横波もおさまってきて再び集中できるようになった。そこで型にはめて水中軌跡を伸ばすことを意識した結果、17ストロークを維持することができた。

最後の300は完全に疲れて18ストロークキープであった。17ストロークにするために道具を使ったが、17.5ストロークが限界であった。後半のペースは1分31秒で、想定より3秒遅かった。

タイムトライアルではなく問題解決のための調整を含むため、タイム自体は遅くなっても構わない。
今回の結果を来週のトライアルに活かす。

練習後の気分:7(久しぶりに続けて泳ぐと、後の疲労が大きい)

2013年7月26日金曜日

練習記録 7/26

トータル:2500yd 48分

○練習のテーマ:これまで身につけた技術の復習

これまで1カ月にわたり、1500mを1350秒で泳ぐことを目標に練習した。具体的には100ヤード1分18秒のペースを劣化率5%で維持できる泳ぎを1500m(または1650ヤード)持続することである。
月末のタイムトライアルに向けておさらいをした。

・フォーカルポイントスイム:500yd

最初の100:リラックスしながら基本姿勢と基本動作を固める。泳ぎ初めに最も気をつけるのは回転角と肩の動作である。斜め姿勢に慣れるまでの50ヤードは、意識的に片側に体重をかけて斜め姿勢を作り、リカバリーの肩の動作をなめらかにする。

次の100:リカバリーを固める。手を水上で動かしながら前のめり感を増やし、入水して伸ばすときに最大にする。入水位置は反対の手の手首。入水後の深さは15cm。

次の100:水中動作を固める。キャッチの型、プルの始点と終点、プッシュの始点と終点、フィニッシュの位置。水のひっかけ感を得て前に伸ばす手の加速が増えるようにする。

次の100:テンポアップ。型にはめながらテンポを上げる。動作が甘くならないように注意する。

最後の100:加速。動作の所要時間の短縮と水中動作の軌跡の増加。

・ドリル練習:15分間

ニューパラダイム・スイムに必要な技術を身につけるためのドリルシーケンス。
-スーパーマングライド
-グライドからスケート
-アンダースケート
-片手アンダースイッチ
-両手アンダースイッチ
-スイングスイッチ(型にはめてからスイッチ)

・テンポピラミッド:15x100

2x@1.10, 1.15, 1.20, 1.30秒 1x@1.25, 1.20, 1.15, 1.10, 1.05, 1.00, 0.95秒
今週後半に練習したストローク数のコントロールによる加速を意識する。ストローク数は最初14/15でスタートして13/14まで下げ、15/16まで上げる。テンポを遅くするフェーズでは同じテンポで2回泳いで技術を確認し、速くするフェーズは1回ずつでストローク数の維持を徹底した。

 スタートのテンポ1.10秒のタイムに比べて遅いテンポから戻したときのテンポ1.10秒のタイムは3秒60速くなっており(=ラップあたり1ストローク)1分20秒ペースを切っていた。最終的には1分15秒まで上げることができた。

このようにピラミッド練習では、遅くなるフェーズと速くなるフェーズを作り、元に戻したときにカイゼンされていることを練習の成果にしなくてはならない。これが実現できないときは練習内容を見直す必要がある。

・イージー100

練習後の気分:7(最初はのんびりドリルだけやろうと思っていたが、いつもの練習をやってしまった)

2013年7月25日木曜日

練習記録 7/25

トータル:2300yd 38分

○練習のテーマ:加速を維持するための道具磨き2

前日に続き、長い距離において使える加速の道具を、ストローク数をコントロールすることで磨いた。前日とは真逆のアプローチを使いながら、水中の手の動作に重点を置いた。

・フォーカルポイントスイム:200yd

まず水中に関わるストロークフェーズ毎に、正しい型を作る。
-入水:反対の手の手首の横延長線上、肩より10cm外側、45度
-伸ばす手:水面と平行、水深20cm未満
-キャッチ:手首を折る、両中指で逆ハの字
-プル: 肘を残す、逆ハの字
-プッシュとフィニッシュ:手の向き、フィニッシュの位置(腰骨横延長線)

次にストローク数15および16において、リラックスした型を作る。
最後に同じストローク数で型の維持を意識しながら加速を入れる。 

・ディスタンスピラミッド:4x(200+150+100+50)、14/15, 13/14, 14/15, 15/16

前日とは逆に、長距離を泳いで距離を減らすアプローチでディスタンスピラミッドを行った。2日間の比較でわかったこと;
-距離にかかわらず、100ydのペースは次第に速くなる。
-水中の動作を丁寧に行って加速を上げることを意識したので、今回の方がタイムが遅くなって当然であったが結果は速かった。
-2セット1000ydを終えたときの疲労は、今回の方がかなり少なかった。グロス休憩時間(Garmin Swimを一時停止してから再びスイッチを入れるまでの時間、自分でカウントした時間より長い)は200を泳いだ直後で半分以下(30~40秒→16~19秒)で、疲労が少ないことが明らかである。
-従って道具も上記の水中ストロークにおける型の意識だけでストローク数を達成することができた。特に効き目があったのはキャッチの型である。最適なキャッチの型を作るために入水位置を安定させる必要がある(特に右手)。
-ストローク数達成割合は、前日が80%程度であったが今日は97.5%(全80ラップに対して2ラップ未達)であった。このうち1回はスピードアップを意識したものだったので、空回りゼロで2000を泳げたことになる。

体幹を使うことや水中動作の型にはめることで、テンポを意識せずに長距離を短い休憩で泳ぎ続ける技術を身につけることができた。次回よりテンポをベースにした練習に戻って成果を確認する。

・イージー100

練習後の気分:8(前日とは比較にならないくらい爽快な気分で終了)

2013年7月24日水曜日

練習記録 7/24

トータル:2300yd 38分

○練習のテーマ:加速を維持するための道具磨き

ここしばらくテンポを基本にスピードを維持する泳ぎを練習してきた。休憩時間を10秒程度と短くすると(通常の2~3分の1)、1000ydを越える頃からテンポによって泳がされることによりスピードが落ちることがわかった。1回に泳ぐ距離が長くなるほどこの状況は顕著であり、目標達成の最大の支障になっている。

そこで長い距離でも加速が維持できるようにするため、ストローク数をコントロールする練習を取り入れることにする。

・フォーカルポイントスイム:200yd

メインセットの準備として、ストローク数を13から16の範囲で変化させながら泳ぐ。ニューパラダイムの泳ぎではテンポを0.95~1.00で最適化しているため、テンポトレーナーなしでリラックスして泳ぐとストローク数は16となった。メインセットで加速の意識を持ち続けるために1減らして15からスタートすることに決定。各ストローク数での泳ぎ方を以下のように決めた。
-15:型にはめた後、水を抱える意識をより長く持つ。手を前に伸ばすときに顔と胸で前のめり感を強める。
-14:フィニッシュの開始タイミングと終了タイミングを手の軌跡で15cmずつ広げる。前に手を伸ばすときに肩甲骨を使って素早く送り出す。
-13:リカバリーを加速してキャッチの場所を10cm前にする。キャッチの型(手首折り、手の平逆ハの字)を作ってからプルで最大の水の抵抗が得られるように前に伸ばす手を加速する。腰骨を前に送り出す。回転角を小さくして素早く回す。

・ディスタンスピラミッド:4x(50+100+150+200)、14/15, 13/14, 14/15, 15/16

ピラミッドの複合形として、固定したストローク数を維持しながら距離を伸ばしていき、それを複数のストローク数で行う。ストローク数と距離という2つのパラメータのうち、距離を変えてもストローク数を変えないようにすることが目的であるので、固定ストローク数における距離のバリエーションを優先させている。もしストローク数を変えること(泳ぎ方のコントロール力)を磨くことが目的であれば、固定した距離でストローク数を変えて泳ぎ、距離を伸ばす練習メニューになる。

ストローク数は15、14、15、16として最初のラップはそれより1マイナスとした。テンポを落とせばストローク数を減らすのは簡単であるが、これまで1カ月の練習でテンポは落とせない体になっているのでテンポは意識的に変えずに加速だけ上げるアプローチをとった。加速についての道具は上記FPスイムで取り上げたものを中心に使い、疲れるにつれて肩甲骨や腰骨、回転角など体幹関連の道具にシフトさせた。

結果として最初の15ストロークセットよりも次の14ストロークセットが100のペースで3秒速くなった。さらに次の15ストロークセットでは100のペースで5秒速くなった。ストローク数を減らすことで一旦加速を上げて、再び増やすことで加速を維持しながらテンポを上げることができた。

最後の16ストロークセットは、疲れもあり150の後半50、200の後半100は17~18ストロークにとどまった。テンポを落とせば16にできたが、加速感は維持したかったのでテンポはあえて落とさずに泳いでストローク数がいくつになるかを観察した。

・考察

最後の16ストロークのセット:疲れてくると体内テンポ自体が遅くなるので、その遅くなったテンポでも16ストロークで泳げなかったことは、 1ストロークあたりの加速が5%以上劣化したことを意味する。

最初と同じことをやっていても、動作で得られる加速が自然劣化する以上何かで補強する必要がある。今回は体幹に付随する道具を駆使したが望んだ成果が得られなかった。次回はプルやプッシュの劣化を最小限にするアプローチで体幹の動きやタイミングを調整する。

・イージー100

練習後の気分:6(望んだ成果が得られない。距離は短いのにかなりハード)



2013年7月23日火曜日

練習記録 7/23

トータル:2200yd 33分

○練習のテーマ:アクティブ・テンポコントロール

本日は1回に泳ぐ距離を200ydに伸ばして、合計1600ydのテンポ・ピラミッドを行う。
テンポトレーナーを入れるセットと入れないセットを組み合わせることで、テンポを加速に使うための道具を身につける。ストロークが増える空回りの状態をモニターして未然に防ぐ。

・フォーカルポイントスイム:500yd

スイッチの型を意識して泳ぐ。
-型に至るまでの動作:入水角度、入水位置、手を伸ばす深さ、キャッチ動作
-型:伸ばした手の手首の位置で入水
-型の後の動作:肘の位置を変えずにゆるめる、中指は内側

型にはめられるようになったところで、水の抱えはじめとプッシュの割合を増やして伸びを加える。

・テンポピラミッド:4x(2x200)@1.15, 1.10, 1.05, 1.00秒

定めたテンポで加速をコントロールすることを目的としてテンポピラミッドを行う。同じテンポで2回続けて泳ぐが、1回目はリラックスしながら最小ストロークで、2回目はエアーテンポ(テンポトレーナーを切る)で泳ぐ。休み時間は10カウント。

ストローク数は最初14/15だったが、残りは15/16となった。平均ペースは1分22秒でテンポを上げても速くならなかった。全体の時間は21分47秒で、1650ペースで22分25秒程度である。目標は1分21秒だった。


疲れ方の感覚は150のときより小さかったが、これは全般的にペースが遅くなって強度が下がったことが理由として考えられる。テンポにコントロールされないように早めのリカバリー、型にはめるなどを意識したが、1回に泳ぐ距離が長く休憩時間が短いとそれぞれの効果が薄くなることがわかった。

次回は250に伸ばす予定であったが、ストローク数を一定にしたピラミッドを実施して長い距離の加速維持の道具を磨くことにする。

・イージー100

練習後の気分:6(目標が達成できなかったので練習のアプローチを変えてみる)

2013年7月22日月曜日

練習記録 7/22

トータル:2100yd 32分

○練習のテーマ:アクティブ・テンポコントロール

本日は1回に泳ぐ距離を150ydに伸ばして、合計1500ydのテンポ・ピラミッドを行う。
テンポトレーナーを入れるセットと入れないセットを組み合わせることで、テンポを加速に使うための道具を身につける。


・フォーカルポイントスイム:500yd

前日のテンポピラミッドの結果をふまえ、疲れてきたときの加速の道具として「腰の回転」に注目する。

テンポが1.20秒までであれば左右の腰位置の落差を加速に使うことができる。これが「ヒップドライブ」である。 しかしテンポが1.15秒より速いと肩の回転角より腰の回転角が小さくなり、落差を使ったヒップドライブの効果が小さくなる。

そこで骨盤の片側を前方にスライドさせる「ひねり」の力を加速に使う。タイミングとしては、
  1. 手を入水する。ニューパラダイムでは入水位置を反対の手の手首としており入水の位置が遠いので、腰の角度もほぼフラットになる。
  2. 肘を水中で伸ばす。このときに同じ側の腰骨をゆるめる。
  3. ゆるめた腰骨を前方に素早く送り出す。
  4. 送り出すと同時に伸ばした手をさらに遠くに伸ばす。
腰を送り出す前と後の型を作る。送り出す前はスイッチの型、送り出す後はスケーティングの型になり、腰を送り出すことで素早く動作ができるようにする。

・テンポピラミッド:5x(2x150)@1.15, 1.10, 1.05, 1.00, 0.95秒

定めたテンポで加速をコントロールすることを目的としてテンポピラミッドを行う。同じテンポで2回続けて泳ぐが、1回目はリラックスしながら最小ストロークで、2回目はエアーテンポ(テンポトレーナーを切る)で泳ぐ。休み時間は10カウント。

ストローク数は最初14/15だったが、1.05秒で15/16、0.95秒で16/17となった。

疲れ方は前回実施した15x100よりも激しい。最後の3セットは乳酸がたまり肩甲骨によるリカバリーの加速が使えなかった。そこで先に練習した腰の回転と入水した手の前への加速を連動させた。これにより「テンポに泳がされる感」はなくなった。

結果は平均1分21秒ペースで、1.00秒まではディセンディングできた。総時間は20分13秒で、1650で22分13秒で予想通りであった。しかし100yd15本と比べるとペースで2.5%劣化している。200を越える距離で同じペースを守るためには、150では1分20秒かそれを切る程度にはしておきたい。

このためには疲れてきたときにもストローク数を増やさないための道具が必要である。今回は「やることをやって」も2ストローク増える局面があった。疲れてくると、やることをやっていても、テンポを守っていても加速が落ちる場合がある。そのような状態を泳ぎながら察知して素早く対応しないとならない。1ラップ泳いでストローク数が増えていることに気づいてから対応するのでは遅い。

次回は8x200として同様のアプローチで道具を磨く。

 ・イージー100
1500のメインセットで疲労困憊。かろうじて泳ぐ程度。

練習後の気分:6(何しろ疲れる。泳ぐ時間も距離もこれまでより短くなったがすごくハード)

2013年7月20日土曜日

練習記録 7/20

トータル:2300yd 38分

○練習のテーマ:アクティブ・テンポコントロール

前日のピラミッド練習で、テンポに合わせて泳ぐことはできたものの想定した加速は得られなかった。
テンポコントロールの方法を見直して、疲れていても加速を維持することのできるテンポのコントロール技術を身につける。

・テンポのコントロール技術

これまでテンポに合わせて泳ぐ技術は、リズムを一定にすることに主眼を置いていた。
これは左右のリズム差を解消することや、疲れたときにリズムを変えずにスピードを維持することを目的としている。

手の動かし方にムラがある、フィニッシュや入水で手の動きが止まる、左右の手の軌跡が異なるなどの問題を解決するためには、「テンポに合わせて泳ぐ」というアプローチは効果的である。

しかし速く泳ごうとするときには、決めたテンポで泳ぐだけでは不十分である。同じリズムで手足を動かしながら、いかに加速を増やすかを考えて取り入れなければならない。

そこでテンポコントロール技術を二分化し、「パッシブ・テンポコントロール」と「アクティブ・テンポコントロール」とする。従来のテンポに合わせて泳ぐ技術は前者のパッシブ・テンポコントロールである。テンポを通じて加速を生み出しスピードアップする技術がアクティブ・テンポコントロールである。

「テンポに合わせる」フェーズから、「テンポで加速を生み出す」フェーズにシフトするために必要な道具箱を整備する。


・フォーカルポイントスイム:500yd

スピードやテンポを気にせず、「正しい姿勢」「正しい動作」を意識した。具体的には
-スイッチの姿勢:伸ばした手のキャッチ形状、入水する手の角度、肩の回転角、骨盤の角度
-プル動作:入水して伸ばす手との連動、 軌跡
-プッシュからフィニッシュ動作:軌跡、フィニッシュ位置、リカバリー初動の向き
-リカバリー動作:肩甲骨の使い方
スタイルはニューパラダイム(プル優勢)の泳ぎとした。最後の100は型にはめながらリラックスさせた。
 

・ドリル+スイム:4x50

「正しい姿勢」「正しい動作」をさらに追究するため、4スイッチドリル-残りはスイムでアンダースイッチ2本、スイングスイッチ2本を行った。スイッチポイントで一旦停止して、形や動作の方向を確認してからゆっくりスイッチを行う。スイムではドリルで作った型を維持することを意識した。

 

・テンポピラミッド:5x(3x100)@1.15, 1.10, 1.05, 1.00, 0.95秒

テンポにコントロールされるのではなく、定めたテンポで加速をコントロールすることを目的としてテンポピラミッドを行う。同じテンポで3回続けて泳ぐが、1回目はリラックスしながら最小ストロークで、2回目はエアーテンポ(テンポトレーナーを切る)で、3回目は再びテンポトレーナーを入れて加速を最大にした。休み時間は10カウント。

2回目のエアーテンポのときは、加速を意識しながらわずか(0.1秒程度)にテンポを上げるようにして、ストローク数を1回目と同じにした。その結果テンポ0.95秒を除いてディセンディング(2回目が1回目よりも速い)できた。

同じテンポで加速を加えるために、以下の道具を使用した。
-肩甲骨を使ってリカバリーを加速し、1回目よりも入水時点までの余裕をもたせる。
-キャッチの形を正確に作り、水の引っ掛け感を1回目より増やす。
-スイッチにおける伸ばした手の加速を上げる。
-肩の回転角を10%小さく、20%速く。
-遅いテンポ(1.05秒まで)はプッシュの割合も最大化する。それより速いテンポではプッシュの意識は減らす。

結果は平均ペースが1分19秒で、目標の1分20秒をクリアすることができた。また1000ヤードを越えてからもテンポにコントロールされることなく、主体的に加速を作って最後まで泳ぐことができた。各テンポ毎の平均ペースも最後まで速くなっていった。総時間は19分44秒で、1650泳いだとしても22分を切ることができる。

・考察

決めたテンポで泳ぐだけなく、そのテンポの中で加速できる要素を作って実行することは長距離を速く泳ぐために重要な技術である。特に疲れてきたときに有効である。

次回からは1回に泳ぐ距離を伸ばし、主体的にテンポをコントロールする意識で劣化を抑えるようにする。

なお10秒休憩に切り替えてから練習する距離は短くなったが、練習の「きつさ」自体は上がっている。短時間で効率良くスピードアップ練習を行うためには、休憩時間を短くしながら成果を出せばよいことがわかった。

イージー:100(何も考える余裕がないほど疲労しているので、乳酸をとる目的だけで泳ぐ)

練習後の気分:8(新しいテンポコントロールのコンセプトを考えることができた)

2013年7月19日金曜日

練習記録 7/19

トータル:2100yd 30分

○練習のテーマ:ディセンディングの究極練習

ディスタンスピラミッドを100、200、300、400、500の組み合わせで泳ぎ、問題点を発見する。

・フォーカルポイントスイム:500yd@1.15秒

メインセットが1.00秒で固定のため、フォーカルポイントスイムで速いテンポに慣れる必要がある。そこで1.15秒で前半はリラックスして泳ぎ、中盤は型にはめるようにし、後半はディセンディングを意識した。
-リラックスする道具:前のめり感を加えてから下半身をゆるめる、安定感を加えてから伸ばした側をゆるめる、なめらか感を加えてから肩回りや肩甲骨をゆるめる、加速を加えてからメリハリをつける。
-型にはめる道具:水中で伸ばした後に手首を折る、中指を内側にする、スイッチ前に水のひっかけ感をつかむ、体幹を使って入水する手を伸ばす
-ディセンディングの道具:回転角を抑える、足のスナップの幅を小さくしてタイミングを遅らせる、肘ののびしろを増やす
 

・ディスタンスピラミッド:100+200+300+400+500yd@1.00秒

これまで短い距離の繰り返しでは成果を出してきた。1650ヤードのタイムトライアルを月末に設定しており、あと10回程度の練習しか残されていないために本番に近い形の負荷を加えることにした。
休憩時間は10秒とし、最初のラップで計測した15/16をキープするようにした。

○結果(平均ペース)
100:1分16秒
200:1分19秒
300:1分20秒
400:1分22秒
500:1分25秒
全体のタイム:20分26秒

100~300までは想定内。ストローク数も16をほぼキープすることができた。水をひっかけることや型にはめてから伸ばす手を加速することもできた。

400に入ってから急速に上り坂感が出る。 特に最初の25で加速感が全く得られない。今年の練習では初めての感覚であった。10秒の休憩では全く休憩できてないことがわかった。肩甲骨を使ってリカバリーを加速することでまず勢いをつけてから、キャッチのひっかけ感を復元しようとしたが昨日までの練習の50%程度しか復元できなかった。400の後半で意識が飛びそうになる。

最大の問題は500で、集中力が完全に切れてしまった。いろいろ道具を使おうとするが成果を確認することができない。型にはめることも忘れてしまった。とりあえず本能的にテンポに合わせて泳ぐだけとなったが、最も避けたいパターンである。テンポに合わせて泳ぐだけでは完泳できても絶対に速く泳げない。自分で意識して加速を加えなければならない。きつい感覚だけで意識が集中できず、結果として100に比べて12%も劣化した。

・考察

 1500mのスピードアップを目的として、今回初めて100から500のディスタンスピラミッドを実施した。泳ぐ距離が伸びるにつれて表れる現象や疲労の度合いは、実際の1500m泳よりも大きい印象を受けた。

特にトータルで500を超えたあたりからの、200~300のブロックで劣化を防ぐことが重要である。次回からしばらく同じ長距離(150~300)を繰り返し泳ぎながら、劣化を防ぐためのディセンディングの道具を磨くことにする。

・イージー100

練習後の気分:5(結果は悪いが問題点と練習の方針がわかった点は評価)

 


2013年7月18日木曜日

練習記録 7/18

トータル:2400yd 40分

○練習のテーマ:休みの少ないディスタンスピラミッドの実験

ディスタンスピラミッドは速いスピードを長い距離維持する練習である。今回は短い距離のピラミッドを短い休み時間で行い、スピードを維持するための道具について考察する。

・フォーカルポイントスイム:500yd

速い速度を維持するためには、大きい筋肉を道具としてディセンディングを実現する必要がある。体幹の使い方について、次のように細分化して意識した。
-肩の回転角:回転角を抑える
-腰の回転角:回転ではなく、骨盤の側を前に送る動きにする
-背中:胸を閉じて下半身を持ち上げる
-肩甲骨:入水した手を伸ばすとき伸ばす側の肩を前に送る
全体として回転運動から、前方に片側ずつ送り出す動きに変えることでテンポアップに対応させる。

・ディスタンスピラミッド:4×(50+100+50)@1.15, 1.10, 1.05, 1.00秒

最小ストローク数を常に意識して泳ぐ。休み時間は10ビープとした。
-最初の50:最小ストローク数を目指す
-次の100:最初の50+ディセンディング道具でペースを維持(100ペースで+2秒まで)
-次の50:最初の50と同じタイムを目指してディセンディングを意識する

昨日の疲れがあるのか、テンポを上げても思うようにタイムが上がらない。100を泳いだ後の回復の時間が不足しているのか、50しか泳がないのに加速感を戻すことができない。テンポ1.00秒の100でテンポ1.05秒のタイムを上回ることができなかったので、予定では2サイクル行うところであったが中断してドリル練習する。

・アンダースイッチドリル:4×50

4回スイッチ後にクロールを泳ぐ。スイッチ直前の型の見直し、スイッチのときのプルの方向、水のひっかけ感と伸ばす手の加速感を一体化させることなどをアンダースイッチで確認してから、同じようにクロールで泳ぐ。

・テンポピラミッド:4x(2x100)yd@1.15, 1.10, 1.05, 1.00秒

ドリルで動作を磨いた結果をテンポピラミッドで確認する。休み時間は10ビープ。
テンポ1.15秒でいきなり1分15秒となって、ドリルの成果が出た。以降は17秒台後半をキープすることができた。従来であればタイムが上がっているのだが、10秒程度の休みでは体力・集中力が回復しきれておらず、50%程度でスタートするのでこんなものであろう。

最初のフォーカル・ポイント練習で行った体幹の使い方は、持続力を維持するうえで重要であることがわかった。手のかきを意識するのに比べて、遙かにラクな状態で同じタイムを維持できる。特に体幹の回転を前方に送り出す動きに変える意識が効果的であった。

今後は10秒の休憩で8割まで集中力が回復できるような練習を行う。

・瞑想バタフライ:100

練習後の気分:6(最初のメイン練習で思った成果が得られなかったが、後半は納得できた)

2013年7月17日水曜日

練習記録 7/17

トータル:2150yd 42分

○練習のテーマ:もう一つの繰り返し練習

1500の組み合わせとして30×50がある。スピードアップの負荷をかけながら、休憩時間を短くすることでどのような効果が得られるかを観察する。

・フォーカルポイントスイム:500yd

今回は問題が発生していないか確認し、発生していれば道具を使って解決することで500を泳いだ。発生した問題と使った道具は以下の通り。
  • ストローク数が多い→キャッチの型を意識してひっかけ感を増やす
  • テンポを上げられない→肩甲骨を使ってリカバリーを加速
  • 前のめり感が少ない→顔で水を押す、入水後に加速
  • プルが弱い→肘をゆるめて素早く動かす

・テンポピラミッド:31×50@1.15-1.80-0.95秒

最小ストローク数を常に意識して泳ぐ。休み時間は10ビープ(10~18秒)とした。
ストローク数は最初14/15で、その後10/11まで減らして最後は15/16だった。
ディセンディングの道具として水中の軌跡をテンポに合わせて伸ばし、加速する距離および時間を増やした。その結果テンポが遅くなってもタイムは39秒後半~40秒前半をコンスタントにキープできた。

しかしテンポが1.70秒になると、姿勢を維持する時間の方が加速する時間よりも圧倒的に長くなるため加速の効きが弱くなり、ストローク数も増えて3秒遅くなった。その後は加速によりバランスを安定させることを強く意識した結果、テンポを戻したときに3秒速くすることができた。

休憩時間はこれまで最短の10ビープであったが、50と泳ぐ距離が短いのでそれほどきつくは感じなかった。また疲れによる空回りも発生しなかった。50では10ビープの休憩で回すことができることがわかった。

50という短い距離で速いスピードを目指したが、1500の平均ペースは100を15本泳いだときと変わらなかった。最も速いペースを出せる組み合わせも今後検討する。

これまでの練習では、500のディスタンスピラミッド>15×100>30×50の順できついことがわかった。ディスタンスピラミッドでは休憩を十分にとっていても100を超えると空回りが始まる。250のディスタンスピラミッドを休憩時間を短縮して行い、さらに距離とスピード、休憩時間の関係について調査する。

100:瞑想バタフライ

練習後の気分:5( 平均ペースがカイゼンされなかった点を考慮して)

2013年7月15日月曜日

練習記録 7/15

トータル:2100yd 33分

前週末は家族旅行でハイキングとレイクスイムを楽しんだ。これまで地元のデルバレ湖で泳いでいたが、ガラガラヘビが出没する(泳いでいる)というこ とでレイクスイムはあきらめていた。 今回はサンフランシスコから車で4時間弱、 シャスタ山国立公園内の湖で40分程度練習した。

湖 でのスイムは開放感がある点は海と同じだが、うねりや波がないので泳ぎやすい。ただし淡水なので浮力はプールと変わらない。息継ぎやテンポコントロールは プールと同じ感覚である。今回泳いだ湖は底が見えるほど透明度が高かったので、頭を上げることもなく前のめり感を維持できた。

○練習のテーマ:インターバルコントロール

1500mを速く泳ぐことが目標なので、練習においてもメインセットを1500~2000ヤードに制限することにした。練習の質を高めるために以下を念頭に置く。
  • 目標となるペース、テンポ、ストローク数を常に上回ることを意識する。
  • ディセンディング(意識としては速く、実際は同じペース)の道具箱を強化する。
  • 休み時間を減らす。(続けて泳ぐよりは意識を高め成果を出しながら)
 今回は休み時間の短縮を図ることでどのように疲れが発生するか、またその疲れの中でディセンディングを意識するには何が効果的かを把握する。

・フォーカルポイントスイム:500yd

準備運動後に背中を痛めたため、練習できるかどうか確認しながら泳ぐ。オープンターンので上半身をひねるとき以外は特に痛みがなかったので、練習を続けることにした。
前週に泳いでから日が経っているので、以下の点を意識した。→は得たい感覚
  • 入水位置と入水角度:浅く、遠く→腋の下が伸びる
  • キャッチの型:中指を意識して手首を折り曲げる→引っ掛け感
  • スイッチで伸ばした手を加速:加速感

・テンポピラミッド:15x100yd

目標となるペースよりも速いペースで100を泳ぎ、休みを通常の半分程度にしたときの疲れ具合や、疲れたときにディセンディングを維持するための道具を確認する。休み時間は15カウント(約15~17秒)とする。

同じテンポで3回泳ぎ、1回目はリラックスして泳ぎストローク数を数える。2回目と3回目はストローク数を減らす。テンポは1.15秒からスタートして0.05秒刻みで0.95秒まで上げる(5段階)。1.15秒では14/15(最初のラップは14、以降は15)がキープできた。 また1.10秒では1回目は15/16であったが、入水を浅くして水中の手の移動距離を増やすことで2回目は14/15にすることができた。

休み時間の短縮による影響は1000を超えた頃に表れた。ディスタンスピラミッドと同様の坂登り感(空回り感)である。以下を意識した。
  • 肩甲骨を使ってリカバリーを加速
  • 水中の推進力よりも動作のなめらか感にウェイトを置く
ディセンディングのためには水中で「しっかり」水を抱えて押し出すことが必要であるが、「疲れている」ときには逆効果であることがわかった。むしろ水中の推進力を3割程度減らしても、なめらかで素早い側の切り替えを意識した方がディセンディングできた。

1500のラップスイムの組み合わせとしては、次の2つのアプローチがある。
  • 同じ距離×本数:30x50, 15x100, 10x150, 5x300
  • 距離を変える:3x(50+100+150+200)、5x(100+200)、10x(50+100)
    →同じ距離で繰り返すか、同じテンポで繰り返す
今後は練習の目的に合わせて組み合わせの最適化を行う。

100:イージースイム

練習後の気分:6(背中の痛みを気にしながらで集中しにくかった)

2013年7月10日水曜日

練習記録 7/10

トータル:2400yd 42分

○練習のテーマ:持続力の道具箱づくり

目標達成のための基本的なペース作りが完了した。次のステップはより長い距離を泳いでもタイムの劣化を最小限にするための、持続力の道具箱づくりである。いくつかの道具を用意し、実際に疲れる局面を作り出してその道具を使って効果を確認する。

・フォーカルポイントスイム:500yd

持続力の道具として使えるものをピックアップした。道具の選定基準は、(1)疲れてきた時に使えて、(2)ディセンディングを実現するものである。なお足の余計な動きを減らすためにアンクルストラップを膝上に着用した。
-入水位置と入水角度:浅く、遠く
-キャッチの型:中指を意識して手首を折り曲げる
-プルの肘ゆるめのタイミングと前腕の軌跡:前に伸ばす手を加速するとき
-手前にかかずに伸ばす手を前に送る:空回りを避ける
-広背筋を使ったリカバリーの加速:リラックスして素早く送る
-骨盤のクランチ:腰が浮く感じを作る
-手の水中動作:締めゆる締め(ゆるめる瞬間を作る)

・ディスタンスピラミッド:3x(100+200+300)@1.10, 1.05, 1.00秒

持続力の道具を磨く練習としては、(1)長距離のピラミッド、(2)休憩時間の短い単位距離の反復がある。今日は(1)を行った。通常のディスタンスピラミッドの2倍の距離を泳ぎながら、ストローク数を一定にすることを評価基準として道具を使った。またディセンディングの評価としては、200のタイムは100の2倍×1.05の範囲、300は100の3倍×1.05の範囲で収まることとした。

テンポ1.10秒:最初のラップは14ストローク、以降は15ストロークを基準とした。300になって16ストロークまで落ちたので広背筋を使ったリカバリーの加速を適用した。100のタイムは1分22秒、200は2分44秒で劣化0、300は4分1秒で100のペースよりも速くすることができた。このテンポであればディセンディングを目的として次を持続力の道具として使うことができる。
 -入水した手を素早く前に伸ばす。
 -水中の手の軌跡を長くとり、締めゆる締めでアクセントをつける。
 -広背筋を使ってリカバリーを加速する。

テンポ1.05秒:最初のラップは15ストローク、以降は16ストロークを基準とした。100のタイムは1分17秒で前のセットよりかなり速くなったが、200は2分36秒で劣化1%、300は3分59秒で劣化3.5%に収まった。以下の道具を使ってディセンディングを意識した。
 -キャッチの手の型
 -広背筋を使ったリカバリーの加速
 -スイッチのときのプルのひっかけ感

テンポ1.00秒:最初のラップは15ストローク、以降は16-17ストロークを基準とした。100のタイムは1分16秒、200は2分36秒で劣化2.6%、300は4分で劣化5.2%であった。200、さらに300になるにつれて最初の100を終わってから上り坂を登っている感覚(=強烈な空回り感)になった。これまでの疲れもあり、水中系の道具は手に力が入らないで効き目がなくなることがわかった。この状態で最も効き目が合ったのは広背筋を使ったリカバリーの加速である。残り50ではストローク数を16で維持して上記の結果となった。

・考察

 昨日と比べて、泳ぎのフォームの劣化が大きいと感じた。一気に500を泳ぐのに比べて、ディスタンスピラミッドの方が疲れる環境を繰り返し作ることができるので、劣化を抑えるための道具の選び方、使い方の練習に向いている。

次回は単位距離として100を選び、短い休み時間(15秒以内)で100を15回繰り返すことでどのような疲れや劣化が発生するかを観察し、道具選びを行う。

・フォーカルポイント平泳ぎ:100yd

アンクルストラップを装着して、ひきつけのときの膝の回転角と回転のタイミングを意識する。手を前方に伸ばす直前に素早くひきつけて蹴り出し、ストリームラインを加速することを得たい成果とする。

練習後の気分:7(距離、時間とも短かったが非常にきつく感じた)

2013年7月9日火曜日

練習記録 7/9

日本では猛暑が続いているようであるが、北カリフォルニアも私が帰国した翌日から気温の高い日が続き、先週初めには42度を越えた。今日も40度に達しそうな気温だが、室内は冷房が必要ないくらい涼しい。今日はタイムトライアルのため久しぶりに公営プールに行って泳いだ。コミュニティプールに比べて水温が摂氏2度は低く非常に冷たいが、速く泳ぐには適していた。

トータル:1750yd 35分

○練習のテーマ:500ヤードタイムトライアル

これまで10日間の練習の成果を確認するために、500ヤードの時間を計測する。結果に基づき次ぎの2週間の練習の方針を決める。

・ウォームアップ+テンポ練習:500yd

200はリラックスして泳ぐ。タイムトライアルで加速を上げるために、各テンポで最小ストロークで泳ぐ。
テンポ1.20秒:13ストローク
テンポ1.15秒:14ストローク
テンポ1.10秒:14ストローク
テンポ1.05秒:14ストローク
テンポ1.00秒:15ストローク
テンポ0.95秒:15ストローク
コースロープで仕切られて横波がないため、非常に伸びがよい。これまでよりも1ストローク減らす(=ラップあたり1秒の短縮)ことができた。

今日の経験から、オープンウォータースイムでタイムが伸びない理由が理解できた。潮の流れは大きな要因であるが、単純な横波もスピードダウンの原因になる。横波だけで5~8%の影響となる。

・タイムトライアル:500yd

○これまでのおさらい

  1. 1650ヤードを22分30秒で泳ぐ目標を立てた。これは100ヤードあたり81.82秒のペースである。
  2. 5%の劣化を考慮すると、100ヤードあたり1分17秒70のペースで泳げれば目標は達成できる。
  3. ターンとプッシュオフで4カウント使う場合、テンポ0.95秒で16ストローク以内で泳ぐ必要がある。テンポ1.00秒では15ストロークである。
  4. 練習では、まずテンポ0.95秒で空回りしないで泳ぐ技術を身につけた。
  5. 次に16ストロークで泳ぐ技術を身につけ、ストローク数を変えずにテンポを0.95秒まで上げた。
  6. 次にディスタンスピラミッドを多用して、テンポ0.95秒、ストローク数16の泳ぎで距離を伸ばすようにした。

そして今日ストローク数を1減らせるかどうか試した。ストローク数が減らせることがわかったので、速いテンポにおける伸びの確保を意識しながら0.95秒15ストロークを基準として500を泳ぐことにした。

結果:6分27秒(100ヤードペース:77秒、1650ヤード換算:1275秒)

  • 平均ペース80秒を目標としていたので、目標を達成することができた。
  • 最初の100ヤードラップタイムは73秒で、平均ラップの劣化率(最初のラップタイムとの比較)は5.48%とこれも目標通りである。
  • 500ヤードで77秒ペースが維持できれば、1650ヤードにおいて5%のペースダウンが許容できるので、持続力を確保すれば1350秒は達成できる。
  • ストローク数は15~17の範囲であった。300あたりから中だるみが発生して17になったので、その後は16を死守した。350で82秒ペース(14%劣化)までペースダウンしたが、これはストローク数を減らそうとしたためテンポが遅くなったものと考えられる。その後は加速がついてテンポが上がり、タイムも速くなった。

○今後の方針

  1. これまでの目標設定とアプローチ、そしてそれに合わせた練習内容はいずれも正しい方向を示しており、成果も出すことができた。
  2. 1650ヤードで22分30秒は射程距離に入った。500を3倍の距離にしてもペースを5%劣化に抑えれば目標は設定できる。
  3. このためには現在のペースを延長するための持続力を身につける必要がある。
  4. 一方で50mプールでの1500m22分30秒は、25ヤードプール換算で21分56秒25、1316秒である。さらに目標を2.5%引き上げる必要がある。
  5. この新しい目標を達成するにはテンポ0.95秒で50ヤードあたり1ストローク減らす必要がある。これまでの16ストローク平均を15ストローク平均(つまり今日の泳ぎ)に引き上げるためのアプローチを考えて練習を行う。

・イージー 200

たまった乳酸を減らすために空気の交換を意識して泳ぐ。

・テンポピラミッド:9x2x25@1.20-0.80秒

速いテンポでストローク数を減らすために今日使った道具の確認。同じテンポで25ヤードを2回行い定着させる。

テンポ1.20秒:12ストローク
テンポ1.15秒:12ストローク
テンポ1.10秒:13ストローク
テンポ1.05秒:13ストローク
テンポ1.00秒:14ストローク
テンポ0.95秒:14ストローク
テンポ0.90秒:15ストローク
テンポ0.85秒:15ストローク(タイム15秒)
テンポ0.80秒:16ストローク(タイム15秒)

 これまでターゲットストローク数15でテンポ1.00秒であったのが、テンポ0.85秒まで上げることができた。また0.80秒まで空回りせずに上げて、15秒台を出すことができた。

1.00秒、0.95秒のテンポでも、これまでよりも遙かにゆっくりに感じ、しかも加速することができた(タイムは16秒台)。これが0.80秒までテンポを上げられた理由である。

今日得られた感覚は、50mプールでの目標達成、さらにその先を目指すのに非常に重要である。また新しい次元の加速感である。ゆっくりに感じるので水中動作を確実に行うことができる。その結果さらに速くなるという循環が生まれている。あとは持続力を高めればよい。

練習後の気分:10(小目標が達成でき、次の方向も見えた)


2013年7月7日日曜日

練習記録 7/8

トータル:1500yd 50分

○練習のテーマ:平泳ぎとバタフライのフォーム形成

本日は休息日扱い。長男の平泳ぎとバタフライのフォームを確認すると同時に、昨日異様に疲れた平泳ぎのキックをカイゼンする。

・ペーススイム:500yd

目標ペースの泳ぎができてきたので、近々500のタイムトライアルを行う。今日はタイムトライアルに備えて、テンポ1.0秒(感覚的)、16ストロークで500維持するようにした。オープンターンを使っているので実際よりも加速度は上がっている(フリップターンでは手前で16ストロークになるので)。その分ターンの際に瞬間休憩した。

・バタフライドリル&スイム:10x50

アンクルストラップを装着して余計な足の動きを抑えた。
-片手横息継ぎ(のびーる)
-片手前息継ぎ(のびーる)
-片手横息継ぎ(のびーる半分)
-片手前息継ぎ(のびーる半分)
-片手横息継ぎ
-片手前息継ぎ
-片手前息継ぎ-両手
-片手-両手息継ぎ×3(うち2はアンクルストラップはずす)

息継ぎのときに上がりすぎているので、立位リハーサルであごがついたままの息継ぎ姿勢と顔の向きを確認。両手息継ぎ後のリカバリーではあごをひいて頭頂部で水を受ける(水面に対してフラット)ようにすると、リカバリーに勢いがついて次のダイブにつながる。

・平泳ぎドリル&スイム:10x50

アンクルストラップを装着、キックのひざの動きを最小限にしてスナップをきかせる。
-のびーる×2
インスイープのスピードアップを目的にのびーるを使ったが、もともとできていたので特に違いがわからず、以降はのびーるなしで行う。
インスイープからリカバリーの動作が足のひきつけに影響されて遅くなっていた。そこでキックなしで数ストローク泳いでからキックを入れる方法に変更した。
-キックなし3ストローク×2アンクルストラップ外す
-キックなし2ストローク×2
-キックなし1ストローク×2
-全てキック×2
手と足の動きを分断するには有効な方法であった。またアンクルストラップにより小さな動作となるので、「がまんの足」にしやすいメリットもあった。

アンクルストラップで「小さく瞬発力のあるキック」を作ることができたので、昨日のようにキックで異様に疲れることはなかった。次回は続けて距離を泳いで様子を見ることにする。


2013年7月6日土曜日

練習記録 7/7

トータル:2500yd 55分

○練習のテーマ:1分20秒のテンポとストローク数の組み合わせ

100ヤード1分20秒を実現するテンポとストローク数の組み合わせを決める。

・フォーカルポイントスイム:500yd

今回は速いテンポで加速を得るための周辺技術を意識した。また左手首に軽い痛みがあったため、痛みの原因となる動作を見つけて修正を加えた。丁寧に行ったため通常よりも100ydあたり10秒遅くなっていた。

-100:キャッチの始まる位置を水面下15cmに
-100:プルが始まったら手首をゆるめる
-100:広背筋を使ってリカバリーを加速
-100:足のスナップによるヒップドライブ(腰骨を前に送り出す)
-100:入水して手を伸ばす動作で肩を前に送る

・ドリル&スイム:10x50

手首の痛みを軽減することと、速いテンポでも加速を得ることを目的として、スイッチ直前のキャッチの手の型とプルの初動を確認する。動作や姿勢の確認に最も適しているのはドリルなので、ドリルをプールの半分まで泳ぎ、その後スイムに切り替えた。

5x50 アンダースイッチ:スイッチポイントを手首の位置まで移動する。動かす手がスイッチポイントに達したとき、伸ばしている手はキャッチを終えてプルの初動、すなわち内側に運ぶようにする。スイムでは入水する場所を手首の位置で固定して、なめらかにスイッチできるようにする。

5x50 スイングスイッチ:伸ばした手がスイッチ前に下がらないように、上腕や腋の下を意識して肘の位置を固定する。スイッチ直前の最も不安定な状態で一旦静止して、プルの初動の型をチェックする。スイムでは水のひっかけ感を最大にするタイミングでスイッチする。

・テンポピラミッド:10x100@1.15-1.30-1.00/0.05秒, 15/16-13/14-14/15

これまでのテンポコントロール練習とストロークコントロール練習の仕上げとして、ストローク数をコントロールしながらテンポを上下させて最も速いスピードの状態を作り出した。

テンポは1.15秒からスタートして0.05秒ずつ遅くした。テンポが遅くなる局面では水中で水を後ろに押す時間を長くとることでストローク数を減らした。 三回は同じタイムを維持できたので、ストローク数を減らすことができている。ただし4回目(1.30秒)ではプルで肘のゆるめのみを行ったので、3秒近くタイムが落ちた。次の1.25秒では高い位置からのプルを加えることで5秒短縮に成功している。

 テンポを上げる局面ではストローク数を13/14で維持することを最大のテーマとした。広背筋を使ってリカバリー動作を加速し、スイッチで高い位置のプルと入水動作をつなげるようにした。また全般的に動作を素早く行い、余った時間をプッシュに回した。

この結果1.00秒でもストローク数は14/15となり、 今年の練習では最も速い1分12秒を記録した。このペースで続けて泳ぐ(1500m20分)ことはまだできないが、速いテンポでの加速の増やし方は理解できた。

このピラミッドは常に最速を目指すため、非常にきつい練習になった。 手や足も一部が張った感じがしたが、速さを目指すときにはラクに泳ぐときに比べて筋肉の使い方を変える必要があることが実感できた。

練習としてはこれで終わり(2000ヤード45分)。残りは研究開発に使う。

・平泳ぎ:500(50または100で休憩を入れる)

平泳ぎを続けて泳ぐのはTIジャパンを始めて依頼なので9年振り。その前は平泳ぎだけで2000は泳いでいたので、瞑想でもできるかと思い100を続けて泳いだところ、あまりのきつさに瞑想どころではなかった。特に足の疲れが著しい。引きつけて水を押すこと自体負荷が非常に大きく、レバレッジの効いたクロールになれた体には非常にきつかった。

リカバリーの手の方向を変えるだけで非常にスムーズにリカバリーができたことは発見であった。今後は平泳ぎのフォームをカイゼンして、バタフライのように瞑想して泳ぐことや、続けて500泳ぐことを目指す(今年のシーズンの目標)。

練習後の気分:7(クロールは狙い通り練習ができたが、平泳ぎが不満であった)

2013年7月5日金曜日

練習記録 7/6

トータル:3100yd 55分

○練習のテーマ:1分20秒ペースの持続力強化:ストロークアプローチ

100ヤード1分20秒を維持するために、ストローク数によるディセンディング技術を身につける。

・フォーカルポイントスイム:500yd

前回の練習に基づき、プルにかけるエネルギーの割合を調整した。

-100:入水の位置と角度(浅く、しかも肘の伸びしろを確保)
-100:キャッチからプルへの動き(肘の脇に手が来るまで)→ひっかけ感の確保
-100:ひっかけ感が得られたらすぐに肘をゆるめる
-100:入水した手とプッシュの連動(前の肘を伸ばしきってから後ろの肘も伸びる)
-100:キャッチから始まる一連の水中動作をリラックスして行う
最後の100でなめらかに泳いだときのストローク数が16(25ydあたり)だったので、これを次の練習のベースストローク数とした。

・ディスタンスピラミッド:5x50+5x100+5x150+5x200@n,n-1,n-2,n-1,n:15/16

ストローク数を減らして加速を上げ、ストローク数を増やして加速を維持しながらなめらかさを上げる練習。持続力をつけるために次第に距離を伸ばしながら、ディセンディングの意識を加えていった。

なおストローク数は通常nからn-2とn+2の両方向に展開するが、今回は加速だけに注目したこと、1650yd1350秒を達成するためのターゲットストローク数が16.5であり、17ストローク以上の泳ぎは必要ないこと、1セット500ydでバリエーションを増やす余裕がないことからn+1やn+2は行わなかった。

結果は以下の通り。
50yd:42.1秒→40.2秒
100yd:1分21秒→1分15秒
150yd:1分58秒→1分56秒
200yd:2分40秒→2分38秒

テンポを変えたときと比べてもそれほど変わりない。500yd余計に泳いでいることを考えるとよいペースを維持することができた。50、100ではストローク数を減らす局面でもディセンディングが実現できた。意識したポイントは次の通りである。

ストローク数を減らす局面
・リカバリーのスピードは変えない。
・入水場所を遠ざけ、入水角度を浅くすることで体の前からキャッチできるようにする。
・スイッチのタメをつくり、ひっかけ感を最大にして入水した手を素早く前に伸ばす。
・水中の手の軌跡を増やす。一旦ゆるめてから最後にプッシュで締める。

ストローク数を増やす局面
・入水-伸ばす-キャッチまでの時間を短縮する。
・スイッチ直前のひっかけ感をできるだけ維持する。
・プッシュは入れるが切り上げてフィニッシュに変える。

※目標達成のためのストローク数
  • 1650ydを1350秒で泳ぐためには、100ydあたり81.82秒のペースになる。
  • 劣化5%を考慮して77.7秒ペース。
  • テンポ0.95秒で81.8カウント。
  • ターンとプッシュオフで4カウント(余裕をみて)、100ydで16カウントになる。
  • (81.8-16)/4=16.5ストロークになる。
  • テンポ1.00秒では15.4ストロークになる。
  • 従って0.95-1.00秒のテンポで15-16ストロークを維持すれば目標が達成できる。
  • ターゲットペースは1分18秒。このペースで22分持続できればよい。

・瞑想バタフライ:100yd

ピラミッド練習がかなりハードだったので、軽く100を泳いで瞑想して終わりとした。

練習後の気分:9(泳いだ量の割には疲れが少なく、また成果も得られた)


2013年7月3日水曜日

練習記録 7/4

トータル:3000yd 55分

○練習のテーマ:1分20秒ペースの持続力強化:テンポアプローチ

100ヤード1分20秒を16回維持すれば目標が達成できる。ただし同じペースで長距離を泳ごうとすると、必ず遅くなる。決まったペースを長い距離維持するためには、距離が伸びるほどより速く泳ぐディセンディングの意識を持つことが必要である。

持続力はテンポの持続力(主になめらかさ)、ストローク長(または数)の持続力(主に加速)で構成される。今回はテンポピラミッドを実施することで、テンポをより長い距離維持するために意識すべきことを把握する。

・フォーカルポイントスイム:500yd

100ydごとに意識をする点を変えて、正しい姿勢や動作を確認する。ニューパラダイムのフォームづくり。

-100:入水の位置と角度(浅く、しかも肘の伸びしろを確保)
-100:水中で伸ばしたらすぐにキャッチ(中指を意識して手首を折る)
-100:スイッチに合わせて肘をゆるめる(前腕は体の内側を通す)
-100:入水した手とプッシュの連動(前の肘を伸ばしきってから後ろの肘も伸びる)
-100:キャッチから始まる一連の水中動作をリラックスして行う

・ディスタンスピラミッド:4x50+4x100+4x150+4x200@1.15, 1.10, 1.05, 1.00sec

ゆっくりしたテンポにより得られる加速を維持しながら、テンポアップしてなめらかさを上げる練習。短い距離でスタートして、次第に距離を伸ばす。ストローク数は数えない。

結果は以下の通り。
50yd:41.9秒→37.4秒
100yd:1分23秒→1分18秒
150yd:2分4秒→1分57秒
200yd:2分49秒→2分37秒

目標の100yd1分18秒ペースは、テンポ1.00秒で実現できることがわかった。テンポを上げる練習としては0.95秒をターゲットテンポとして、実際は0.95~1.00秒の間で泳げばよい。あとはストローク数を維持すればタイムも安定する。

ディセンディングとして次を意識した。
1)キャッチの型:入水して伸ばした手は直ちに手首を折ってキャッチする。
2)プルの方向:テンポを上げる毎に前腕を内側にして動かしやすくした。
3)水中動作を意識する距離:遅いテンポでへそ脇まで意識していたのをできるだけ維持した。
4)リカバリーの加速:距離が伸びるにつれて広背筋を使ってリカバリーを加速した。

なおプルにおいて、上腕を固定して肘をゆるめながら素早く前腕を内側に動かす「逆のびーる(ちぢーむ)」動作を行っていたが、思うようにディセンディングできないことがわかった。プルの最初の局面においてはキャッチの動作の流れで前腕を「返す」動作を加えた方がタイムを縮めることができた。この動作はエネルギーを使い持続力と相反するので、どの段階(距離)でどの程度まで返し動作を加えるべきかを今後決定する。

・瞑想バタフライ:500yd


ハードな練習の後でどこまで瞑想が続くか実験してみた。300を越えたところで雑念が出てきて、400を越えたところで疲れが出てきた。練習の後に瞑想目的で泳ぐのであれば、200程度に抑えるべきであろう。

この後気管支炎が再発。完全には回復していなかったので今後の練習はしばらく抑え気味にする。

練習後の気分:6(久しぶりに内容の濃い練習で3000を泳いだので、単純に疲れた)

練習記録 7/3

トータル:1100yd 40分

通常のローテーションでは休息日だが、長男と練習。バタフライを集中的に行った。


・フォーカルポイントスイム:500

入水の位置、伸ばす手の方向、スイッチの型、プル軌跡、プッシュまでの肘のゆるしめを意識する。

・バタフライドリル

片手ドリルを中心に行う。
-片手のみ(のびーる):リカバリーのスピードと水面から軌跡
-片手+横息継ぎ(のびーる):息継ぎするためのプッシュ方向とキックの連動
-片手+前息継ぎ(のびーる):息継ぎした後にあごを引く
-片手+横息継ぎ(半分のびーる):のびーるで得られるリカバリースピードを維持
-片手+前息継ぎ(半分のびーる): のびーるで得られるリカバリースピードを維持
-片手横息継ぎ+両手:両手も片手と同じ水上軌跡
-片手前息継ぎ+両手:息継ぎで頭の位置を前にせりだすように
-両手:キックとプッシュを連動させて低い位置で息継ぎ
-両手(シンクロスイム):水中と水上の時間バランス、水中の手の動かし方
-両手(シンクロスイム):水中で休み、水上で素早くリカバリー

最後にバタフライ100で終わり。昨年はリカバリースピードが遅いことでリズムが崩れやすくなっていたが、のびーるの効果により素早いリカバリーができるようになった。あとは息継ぎ直前のプッシュの強化(肘をひかない)とキックとの連動が課題。

長男との練習では、来週から2000yd程度に距離を伸ばす。7月で次男のスイミングチームの朝練(6時15分~8時)が終わるので、8月は親子でかなり高度な練習ができそう。

2013年7月1日月曜日

練習記録 7/2

トータル:2100yd 48分

○練習のテーマ:1分20秒ペースの感覚的理解

1650ヤードを22分30秒で泳ぐためには、100ヤードのペースが1分21秒になる。ストローク数のコントロールは今月後半に行うこととし、まずテンポだけで1分20秒の感覚を理解する。

・フォーカルポイントスイム:500

100ydごとに意識をする点を変えて、正しい姿勢や動作を確認する。

-100:キャッチの形(手首を折って中指を内側に)
-100:スイッチの型にはめる(入水する手が水面に達したときの両手の形)
-100:体幹の回転に合わせたプル(スイッチとプルの連動)
-100:水中の手の軌跡(腋の下を前に伸ばしながら肘をゆるめる)
-100:入水した手をさらに伸ばす動作とプッシュの連動(なめらかなフィニッシュにつなげる)

これまでは左右の重心移動を重視していたため、水中では手を肘の下で動かし、反対側への重心移動で支点に使っていた。ニューパラダイムではプルとして素早く動かす必要があるので、「かく」という意識よりも「肘をゆるめて素早く内側に動かす」ようにした。これはのびーるによる練習を反映している。

このプル動作のデメリットとして、左右のふらつき感が挙げられる。これまで水中で支点にしていた前腕がプル動作で素早く動いてしまうので、左右の重心移動が安定しない。下半身も左右に振れている感じがする。次回よりプルする手の肘の位置をこれまでより5cm程度外側に置くと同時に、体幹を使って左右のふらつきが軽減できないか取り組む。

・テンポピラミッド:5×(2X100)@1.20,1.15,1.10,1.05,1.00秒

それぞれのテンポでリラックスした泳ぎと伸びる泳ぎ(テンポは同じなので結果的に速くなる)を比較する。ニューパラダイムのフォームをテンポに合わせて組み込む。

結果は以下の通り。
-テンポ1.20秒(新パラダイム20%):1分23秒6、1分21秒8
-テンポ1.15秒(新パラダイム40%):1分20秒2、1分19秒4
-テンポ1.10秒(新パラダイム60%):1分17秒9、1分15秒8
-テンポ1.05秒(新パラダイム80%):1分17秒8、1分14秒1
-テンポ1.00秒(新パラダイム100%):1分17秒6、1分13秒7

テンポ1.10秒であればリラックスしても1分18秒を切るペースが実現できる。まずはこのペースで200、さらに500まで泳げるようにすることを短期的な目標とする。

ターンとプッシュオフで3カウントが難しい場合は、入水後に十分なアプローチ速度を作り、次のカウントで足をスナップさせて回るのが結果として速い。従って確実に速い4カウントをめざす。

腋の下を使った加速リカバリーは、テンポ1.10秒以下で効果を発揮する。加速リカバリーと浅い入水により、キャッチとプルの推進力を最大にする。

プルは「かき」を意識するとすぐに疲れる。素早い動作でプッシュまで運ぶ方が、全体的なスピードは上がる。プルとプッシュをなめらかにつなぎながら、素早い動作だけに集中することを次回は意識する。

・テンポピラミッド:5×(2X50)@1.00,0.97,0.94,0.90,0.87秒


速いテンポに慣れる練習も並行する。ストローク数は気にせず、ラクに、なめらかにテンポに合わせるための入水の位置、方向、スイッチのタイミングを変化させる。

加速リカバリーや浅い入水を行うことで、0.90秒以下という速いテンポでもフロントクワドラントのタイミングを維持することができた。フロントクワドラントになれば、スイッチのときにプルと体幹の回転を連動させることができる。持続力向上のためにも、速いテンポでのスイッチ動作を磨く必要がある。

練習後の気分:7(スピードは良かったが瞑想バタフライができなかった)

2013年6月30日日曜日

練習記録 7/1

トータル:1000yd 17分

長男と一緒に練習。ほぼ一年ぶりに泳ぐので、どの程度泳げるのか様子を見ながら実施。

・フォーカルポイントスイム 10x100

いずれも最も良い気分が得られるように修正する。具体的な修正方法をヒントとして提供する。
以下括弧内はヒント
-入水する場所(肩の外側、頭の先)
-伸ばす手の方向(水面から15cm下)
-入水直前の水中の手の形(肘を外側に)
-水中の手を支点にして体を前に滑らせる(水中の手の形を維持)
-より大きなリカバリー(わきの下を伸ばす)
-肘の高さを入水前に最大にする
-テンポを上げることでスピードを上げる×3

お腹が痛いということでこれで切り上げる。


一年のブランクがあったので期待はしていなかったが、フォーム自体は崩れていなかった。
ただしフォームはゆっくり泳ぐためのモードになっているので、スピードアップのモードに変える。
具体的には、
-重力を使った推進力から、体幹を使った推進力に
-プッシュ重視からプル重視に
-瞬発的な加速をさらに磨く

 またバタフライと平泳ぎを競泳用のフォームに変えることも、この夏の目標とする。

2013年6月29日土曜日

練習記録 6/29

トータル:2700yd 48分

○練習のテーマ:持続力の確認

一ヶ月の練習ブランクで大きく損なわれたと考えるのが「効率のよいフォームで泳ぎ続ける持続力」である。そこでディスタンスピラミッドを行い、どの程度持続力が維持できているかを確認する。

・フォーカルポイントスイム:500

100ydごとに意識をする点を変えて、正しい姿勢や動作を確認する。基本は「まあな」感覚基準で、残り200については日替わりでポイントを決める。

-100:前のめり感(顔で水を押す、足のホームポジションを上げる)
-100:安定感(最大にする入水位置と入水角度)
-100:なめらか感(スイッチとプルの連動)
-100:プルの形(キャッチで型をはめたらゆるめて素早く動かす)
-100:2ビートキックのタイミング(レバレッジを最大にする)

・ディスタンスピラミッド:4×500(50+100+150+200)@1.20,1.15,1.10,1.05秒

ストローク数やスピードは気にせず、そのテンポにあった正しいフォームを50で作り、そのフォームを100、150、200と延長することを意識した。

またターンとプッシュオフの総カウント数を3で維持するための最終ストロークのタイミングや動作、プッシュオフの深さを調整した。

テンポ1.15秒までは入水して伸ばした手で素早くプルを行うアプローチで、ターンのカウントを1にすることができた。またフリップした後、壁に足が着く瞬間に蹴り出し動作を行うことでプッシュオフのカウントもラクに2にすることができた。

ただし1.10秒になると、まず回転動作がテンポに間に合わなくなる。壁に足が着く前にビープ音が聞こえてしまう。また浅い方向に蹴り出さないと、プッシュオフ後の2カウントで第1ストロークにならない。

全体的にタイムが縮んだと同時に、非常にきつく感じた。フォーム自体はスピードを意識していないので、これまでよりターンでの休み時間が1~2秒減ったことが理由である。今後も3カウントによるターンとプッシュオフを意識し、より長い距離で実現することで、100ydペースで4~6秒の短縮を図る。

・瞑想バタフライ:200

瞑想への入り方を明確にすることで、3ストローク目には瞑想状態に入ることが確認できた。

1)プッシュオフから最初のストローク:手の軌跡を意識
2)最初の息継ぎ:頭の向きを意識
3)リカバリーしてダイブ:体の方向(水面に対する角度)を意識
4)2回目の息継ぎ:呼吸の量を意識

呼吸の量は肺全体の4割程度に抑えると、吸おうとする意識が消えて自然な呼吸になる。2回目の息継ぎが終わった後はほぼオートクルーズ状態になり、3ストローク目には目を閉じて瞑想することができた。あとは息継ぎによる呼吸をリズムとして、体が自動的に動作する状態になる。

練習後の気分:7(子供が横に泳ぐので危ない。コースロープがないと横波が激しい。)


2013年6月28日金曜日

練習記録 6/28

トータル:2200yd 40分

○練習のテーマ:速く泳ぐためのフォームの確認

ココス島往復泳の準備のためグアムで練習して以来、一カ月全く練習していなかったのでまずフォームを確認した。具体的には加速やなめらかさなどがテンポに応じて変えられるかどうかで、テンポピラミッドをメイン練習とした。

・フォーカルポイントスイム:500

100ydごとに意識をする点を変えて、正しい姿勢や動作を確認する。
-100:前のめり感(頭の位置、入水の位置、入水時の肘の高さ)
-100:安定感(スケーティング姿勢の伸ばした手の方向、腋の下の伸ばし具合、骨盤の向き)
-100:なめらか感(フィニッシュからリカバリーのリラックス、スイッチタイミング)
-100:キャッチとプル(キャッチで手首が折れるタイミングと方向、スイッチとプルの連動)
-100:2ビートキックのタイミング(レバレッジを最大にする)

・テンポピラミッド:30×50@1.20-1.80-0.95秒/0.05秒

1.20秒からスタートして0.05秒刻みで1.80秒まで遅くし、その後0.95秒まで速くする。
テンポを変えて劣化する感覚を決め、その感覚についてはディセンディング(さらに意識を高める)することで結果として前の回並みの感覚を得るようにする。

-1.20秒から1.50秒まで:安定感を増やすことでなめらか感を維持する(意識上は高める)。
-1.50秒から1.80秒まで:加速感を増やすことで安定感を維持する(意識上は高める)。
-1.80秒から1.50秒まで:加速感を増やしながらなめらか感を維持する(意識上は高める)。
-1.50秒から1.20秒まで:加速感を増やしながら前のめり感を維持する(意識上は高める)。
-1.20秒から0.95秒まで:スイッチのタイミングを維持して加速感を増やす。

キャッチやプル主体の泳ぎを「ニューパラダイム・スイム」と名付けた。この泳ぎにおいて推進力を最大にするために、スイッチ動作と連動させ、体幹を使ってプルができるようにすることを7月前半までの技術課題とする。

これまでの泳ぎではスイッチとプッシュ動作を連動させているので、直後のグライドでは最大の加速を得ることができ、姿勢も安定する。従ってテンポが遅くてもなめらか感を維持することができる。しかしスイッチとプル動作を連動させる場合、 最大の加速はストロークの前半に得られることになり、グライド姿勢の安定性への貢献が小さくなる。結果としてテンポが遅くなるほど安定感を維持することが難しくなる。またプッシュを「手押し」にしてしまうと、その方向により体が左右にふらつきやすくなることもわかった。

テンポを遅くする局面ではプッシュした手のリリースのタイミング(=フィニッシュ)や方向に特に注意を払い、ふらつきやグライド時の安定感不足を解消するよう努めた。テンポを速くする局面ではこれらの動作を「型」にはめられるように、どのタイミングで型にすることができるかを観察しながら実施した。

・瞑想バタフライ:200

キャンプで一部のお客様に好評であった「瞑想スイム」を、「結果として瞑想状態になる」ことから「意識して瞑想状態にする」技術にするためにはどうすればよいかを研究する。ここで瞑想状態とは「意識を飛ばして無意識が出ている状態」と定義する。あれこれ考えるのではなく、頭の中を真っ白にして一種のフロー状態、あるいはゾーンに入った状態にするのである。

この状態はバタフライで1500mを泳ぐ練習過程で得られるようになった。瞑想状態になると目を閉じ、手足を動かしていることも、時間が経過することも意識しなくなる。その結果いつまでも泳げるようになる。

キャンプのお客様によると、私が瞑想バタフライを泳ぐときには「笑っている」そうである。普通バタフライは苦しさか、一生懸命さが伝わるような表情で泳ぐものと考えられるが、私の場合はレッスンでも見せたことのない笑顔で泳ぐということで、新たな発見であった。

これまでの体験では自動車のオートドライブのように、一定の状況を作ると意識が飛びやすくなり、瞑想状態になることまではわかっていた。最初の練習ではまず瞑想状態に入ることを確認するだけにとどめた。

練習後の気分:8(この一カ月間の体調不良を考えると、このように泳げたことは大変ありがたい)










2013年6月25日火曜日

1500m1350秒への道

◯1500m1350秒という新しい目標

新しい目標として、1500mを22分30秒で泳ぐことにする。最初は1650ヤードの短水路で達成し、次に50mプールで達成する。

短水路(25m)において22分30秒とはOWS検定一級の合格ラインであり、一級の検定種目の中で最もハードルが高い。過去に水泳の選手だったか、トライアスロンの大会で活躍するレベルでないとクリアできない。ちなみに日本水泳連盟の年齢別マスターズ資格級では10級(一番上が20級)に相当する。

◯目標達成のためのプロセス:(1)100mペースの設定

400m以上の距離でタイムを縮めるには、まず100mのペースを考えることが重要である。
今回の場合1350/15=90秒となるが、長距離を泳ぐ時の劣化幅として5%を考慮すると、90*0.95=85.5秒が目標のペースになる。

目標のテンポ(ターゲットテンポ)を0.95秒とすると、85.5/0.95=90カウントとなる。25mプールの場合、ターンで1カウント、プッシュオフで2カウントとして25mあたり3カウント、100mで12カウントになる。そこで(90-12)/4=19.5となり、ターンまたはプッシュオフで0.5カウントの余裕をもたせると19ストロークとなる。このストローク数をターゲットストローク数とする。

つまりテンポ0.95秒で19ストロークとなるような泳ぎ方で、1500mを続けて泳げば目標が達成できる。

なおテンポを1.00秒にした時には18ストローク以下で泳ぐ必要がある。

◯目標達成のためのプロセス:(2)アプローチの決定

速いスピードで泳ぐためには、次のステップで練習して成果を出す。

1)ターゲットテンポで空回りせず泳ぐための技術を身につける。
2)ターゲットテンポ、ターゲットストローク数で泳げるようにする。
3)ターゲットテンポ、ターゲットストローク数を維持して泳ぐ距離を伸ばす。
4)ターゲットテンポ、ターゲットストローク数-1で維持して泳ぐ距離を伸ばす。

なおこれと並行して、ターンとプッシュオフを3カウントで完了する技術も身につける必要がある。ゆっくり泳ぐ場合にはターンで2カウント、プッシュオフで3カウント要する。合わせて2カウント、約2秒動作を短縮するだけでなく、長距離でも休みなく泳げるようにすることが必要である。

今後の練習では上記のアプローチに沿ってターゲットテンポの泳ぎを作り、ターゲットストローク数で泳げる加速と持続力を身につける。


2013年5月26日日曜日

ココスクロッシング 5マイルスイム

ココスクロッシング 5マイルスイム


3日前からの風邪が本格化し、前日に発熱したので一日寝込む。過去1年間で最悪のコンディションでレース当日を迎えることになった。
 

レーススタート直前に決めたこと

  • ブイの間隔が200m~400mあったので、ブイに到着したときに次のブイを平泳ぎで確認する。
  • 行きを時間内に泳げばカットオフされる可能性はないので、帰りはコースアウトしないことを最優先とする。
  • テンポトレーナーの使用が認められたので、テンポを0.90秒に設定する。この音は基本として扱い、必要に応じてゆっくりなテンポ、速いテンポを使用する。
  • ペースについてはまずハイペースで泳ぎ、疲れてくる様子を観察したうえでペースを切り替える。

レーススタート直後

  • スタートは16人で、体験したかったバトルもあまり体験できなかった。手足が多少ぶつかった程度。ぶつかりそうなときはリカバリーの肘と手首をいつもよりさらに脱力して、小振りにすればよい。
  • 最初のブイ直後にばらける。速そうな人の後についていこうと思ったが、割り込みを受けるうちに見失う。速い人に追いつけるだけの瞬間的な加速力が必要である。これはペースライン練習で身につけることができる。
  • 最初はクロコダイルサイティングしていたが、うねりが大きくブイが小さく見にくかったので、両手を前にしたスカリングのサイティングに切り替える。 両手を前にして顔を上げるとつい口が水面上に出て息を吸いたくなるが、4割程度の確率で水が口に入るので我慢して横向きで息継ぎをする。 

1km~2km

  • コースアウトしているつもりはないが左側に入りがちになる。コースはほぼ一直線なので、後ろのブイ、あるいはもう一つ先のブイを見ることでコース上にいるか確認できる。タモンビーチの練習のクセで後ろを振り返りブイを確認していたが、一つ先を確認する方が時間が短縮できる。
  • 動作が緩慢になってきた感じがするので、ビープ音に合わせて型にはめることを意識する。うねりのある海の中で、加速感を感じることは非常に難しい。海の底が見えるときは海の底を見て、海の底が見えないときは浮遊物を見ながら自分の体の進み具合を確認する。
  • 手や肩の動きは非常によい。 足は思っていたよりも沈んでいたので腰の位置を調整してキックなしでも浮くようにした。
  • 途中片道組が大量コースアウトして往復組のコースに乱入してきた。最初は避けながら前に進んでいたが(アクション映画で高速を逆進する感じ) 、あまりにもぶつかってくるので右側に逃げた。

3km~折り返し

  • 折り返し地点が見えるにつれてテンポを上げ、次に加速した。リカバリーにおいて肩甲骨を使って素早く手を前に送り出して、ビープ音が聞こえるタイミングに余裕を持たせた。
  • また透明度が高く手の形は水中で確認できるので、確実にキャッチとプルを行うようにスイッチのタイミングを遅らせた。
  •  折り返し地点までのタイムが57分52秒で、1時間15分のカットオフタイムを余裕でクリアした。後半はコースアウトしないことを目標にした。
  • ここでパンツにはさんでいた口臭防止スプレーを使う。予想以上にリフレッシュできた。

4km~6km

  •  時間が経過したことによりうねりが2倍以上の高さとなる。またこのうねりが右側から来るので右側の息継ぎが難しくなる。左側息継ぎに切り替えるが、直進性に不安があるのでサイティング頻度を上げる。
  • うねりがさらに大きくなったこと、またクロールを継続して泳ぐ疲れを考慮して、この先から40ストローククロール(加速大)、2ストローク平泳ぎによるサイティングに切り替える。中途半端な姿勢でサイティングをするよりも、平泳ぎのキックで推進力を得ながらサイティングする方がよいと判断した。
  • その代わりにクロールを泳ぐときは目線を完全にして首を休めるとともに、前のめり感と安定感を増やしてうねりに対応した。
  • うねりの角度によってはリカバリーが空を切ることがある。この場合勢いをつけてリカバリーするとエネルギーロスにつながる。フィニッシュ直後にうねりの状況を確認して、空を切るようであればソフトで近い入水を意識した。
  • 左足をつったため、途中で10秒程度の休憩を3回入れた。また2ビートキックだと左足のスナップが強く再びつる可能性があったので、ゆるい6ビートに切り替えた。

ゴールと考察

  • 最後のブイが意外と小さく、ブイを目指してよいのかゴールを目指してよいのかがわからなかった。
  • 最後の1kmは平泳ぎサイティングする必要はなかったが、休みグセが抜けず最後まで平泳ぎを使ったことが悔やまれる。 
  • 結果は2時間9分29秒で全体15人中8位、男性年齢区分別で2位であった。
  • マイルペースは25分54秒で、キロペースで16分、100mでは1分48秒とほぼ予想通りのペースで泳ぐことができた。
  • 泳ぎ終わった直後はアドレナリンが出ているせいか、あと2km程度は問題なく泳げると感じるほどラクに泳ぐことができた。後半はスピードを意識しなかったせいもある。

ブログをご覧のみなさまへ

過去2カ月にわたり記録してきた「ココスクロッシングへの道」も無事完了することができました。
ブログをご覧のみなさまの暖かいご声援に対して深く感謝致します。
今後はこれまでの成果を様々な形でカリキュラム化して、みなさまのお役に立てるようにしていきます。
このブログは目的を変えて6月下旬から再スタートしますので、引き継ぎご支援よろしくお願い致します。

2013年5月24日金曜日

練習記録 5/24

オープンウォータースイム 30分

練習のテーマ

  • 最終調整(テンポなし)
  • 潮位を確認し、通常のブイ位置にブイが設置できる午後4時頃を練習時間とした。
  • レース前にあれこれやることは可能だが、成果が伴わないときに不安となり問題である。これまでやってきた練習を信じて、レース中に思い出さなければならない内容を「非常にシンプルなメッセージ」にして体に浸み込ませる。

練習内容と結果

  • 周回コースで練習。最初にテンポトレーナーを0.90秒にセットして軽く10ストローク泳いだ後でテンポトレーナーをOFFにして1周を計測。速さはレースペースとした。
  • 結果は7分45秒で非常に速かった。平均ペースは1分44秒/100mでこれまでより10%以上速い。あまり気にならなかったが潮の流れにより結果がかなり異なるようである。
  • 次に確実に型にはめるようにして泳いだ。おそらくテンポは1.15秒程度に落ちたが、加速感は確実に得られた。時間は8分21秒だった。
  • 逆の見方をすれば、加速感が得られてもテンポがゆっくりであればスピードは10%近く落ちる。OWSのレースでは、速いテンポで泳ぐことが前提となる。

これでココスクロッシングへの道は終わりである。あとは本番のみである。
  • 練習は2カ月間、週3~4回、1回45~60分と制約がある中での準備
  • ベーステンポは1.20秒からスタートして0.90秒まで上げた
  • 様々な練習方法を取り入れたが1回あたりの練習はシンプルにした
  • 新たな次元の加速感が得られ、キャッチ&プルのカリキュラムに導くことができた
などいろいろな成果を上げることができた。

2013年5月22日水曜日

練習記録 5/23


オープンウォータースイム 40分

練習のテーマ

  • 最終調整(0.90秒テンポとテンポなし)
  • 干潮時刻と重なったため1,4番ブイ位置を通常より沖に移動した。

練習内容と結果

  • 周回コースでブイ位置によりテンポを変更
  • 1-2-3@1.00sec, 3-4-1@0.95sec, 1-2-3-4-1@0.90sec、TTなしで1周
  • どちらもキロ20分ペースを下回ることができなかった。翌日の練習で潮の流れが原因であることはわかった。レースでは時計を装着してペースを確認しながら泳ぐ予定であるが、ペースが上がらない状況では無理に上げようとするとかえって疲れる恐れがあるのでキロ20分を最低ラインとして考える。
  • TTなしのタイムは0.90秒テンポのときより4秒速かった。TTなしでも0.90秒のテンポで泳げるようになったことを成果とする。

スイム 40分

練習のテーマ

  • 最終調整(0.95秒テンポ)

練習内容と結果

  • テンポピラミッド4x50@1.10, 1.05, 1.00, 0.95
  • ディスタンスピラミッド50+100+150+200+150+100+50@0.95
  • 0.95秒の動きを調整。海では0.90秒に等しい。
  • ディセンディングを意識した結果最後の50mは40秒を切ることができた。 開始時の50mに比べて10秒以上短縮した。
  • アンダースイッチとスイングスイッチを組み合わせることで、スイッチのタイミングとプルの型について最終確認を行う。


2013年5月20日月曜日

練習記録 5/21

プールスイム 40分

練習のテーマ

  • 1500mタイムトライアル
  • 速さと距離を追究したこれまでの練習の仕上げとして、1500mタイムトライアルを行う。

結果

  • 23分52秒
  • 昨年計測時よりも6秒の時間短縮
  • レースでは41歳のときの23分15秒がベスト記録
  • 午前中に泳いだものの疲労による中だるみが発生していた。ストローク数では最初のラップに比べて6ストローク増え、ラップタイムも20%増加している。水温が30度を越えていて、型にはめる意識が薄れていたのが最大の原因である。
  • ただし25ヤードプールとの条件調整をすると、2週前に計測した1650ヤードの記録とほぼ同じである。泳げばタイムが縮むという期待はするべきではない。タイムを縮める具体的な手段を用いる必要がある。
  • 次回のグアムキャンプでは23分30秒を切ることを目標に、大会後の2週間の練習内容を定めることにする。また9月のキャンプ前には23分15秒を切って自己ベストを出したい。
  • ドリル練習
  • アンダースイッチを中心に200m程度:スイッチの型の見直しと記憶

オープンウォータースイム 40分

練習のテーマ

  • テンポとスピード(タイム)の関係把握

練習内容と結果

  • 周回コースでブイ位置によりテンポを変更
  • 1-2-3@1.05sec, 3-4-1@1.00sec, 1-2-3-4-1@0.95sec
  • 1周目はテンポに合わせて加速を上げていった。時間は9:11で平均ペースは1:55とプールよりも30秒近く遅い。100m2分ペースだと途中棄権になるのでこのペースは問題である。
  • 2周目はブイ毎に休憩を入れて0.95秒の最も速い状態を意識したが、ペースは上げることができなかった。
  • ランやプールスイムによる疲れの影響もあると判断して、翌日は完全休養とした。あまりにも結果が想定外に悪い場合は、深刻に考えずに忘れる。


2013年5月19日日曜日

練習記録 5/20

スイム 35分

練習のテーマ

  • 50mプールでのストロークコントロール

練習内容と結果

  • テンポスイム2x50@1.10, 1.05秒
  • グアム到着日でホテル到着が遅かった。プールが閉まる時点で練習終了となるため、ターゲットテンポである0.95秒に動作を合わせることを目的として2本のテンポスイムを実施した。
  • 50mプールでは30-40m付近で中だるみが発生しやすい。4ストローク1回呼吸なので、呼吸する毎に回数を数えて7~8回目あたり(30~34ストローク)で型にはめることを意識する。
  • 型とはスイッチ時点での両手の形、体の回転角、キックの状態を示す。
  • ディスタンスピラミッド50+100+150+200+150+100+50@0.95sec
  • 0.95秒のテンポを空回りなく維持するためにディスタンスのフルピラミッド(増やして減らす)を行う。型にはめる意識を優先させ、ストロークは数えない。
  • 距離を伸ばす局面では加速感をより長い距離で維持する。距離を短くする局面ではさらに加速を上げるようにする。
  • 速度の指標である100mペースでは、1:36,1:35,1:34,1:33,1:29,1:20とディセンディングに成功している。

2013年5月16日木曜日

練習記録 5/16

スイム 45分

練習のテーマ

  • 25mプールでのストロークコントロール
  • テンポトレーナーなしでの速いテンポ維持
  • 型の絞り込み

練習内容と結果

  • FPスイム30分(約1500m)
  • しばらく練習間隔が空いてしまったので、最初の200mは体のゆる締めを意識。ゆる締めはまず全体的にリラックスした姿勢や動作で泳ぎ、次第に締めるところを締めていく。締めるポイントは関節なので、背骨から骨盤、股関節、肩、肘、手首などをタイミングをみながら意識する。
  • 次にプル終了時点の型に注意した。米国出発の朝に撮影したところ、キャッチのときに手の平が下がるときに肘も一緒に下がっていた。これまでよりは初動で水を抱えることはできているが、イメージした動きとはかけ離れていて満足できなかった。このため水中のキャッチからプルにかけての動きを目視で確認しながらスイッチを行った。
  • 加速感づくり。動きだけを確認していたので18ストロークを超えて空回りしていた。15~16ストロークで泳げるように、主にキャッチの推進力を使って加速をコントロールする。
  • テンポアップ。米国のプールに比べて人数が圧倒的に多く(それでもコース3人程度だが)、またプールも小さいので波が非常に荒い。このためうっかりしているとテンポが遅くなる。入水した手を伸ばしたらすぐ手首を折るようにしてキャッチを始めて、テンポを最低1.10秒程度(感覚的に)を維持した。
  • 美クロエッセンス ドリルシーケンス 10分
  • 日曜日に実施する美クロエッセンスのドリルの流れを実際に確認する。作成するタイムテーブルに掲載されている項目を全て行い、進捗に応じて削る項目も決める。美クロでは予定の半分程度のドリルやフォーカルポイントで仕上がるので、今回もシンプルで奥が深いアプローチでデザインしている。
  • 片手ストローク,両手プル 5分
  • キャッチで肘が落ちないことだけを意識して実施。片手のみのストローク、両手のプル、クロールを組み合わせる。手の平で押す水の方向を後ろ向き8割の分布にするためのキャッチの動かし方を注意深く練習する。

ここ5年は自分のイメージした通り体を動かすと、ビデオで撮影してもその通りになっていた。しかしこのキャッチとプルについては、10年間のTIスイムが体に浸み込んでいるのでイメージと実態にギャップがある。このギャップを埋めるプロセスを組み立てることが大切である。またイメージと実態の違いについて悩むことも、お客様の気持ちを考えるよい機会である。違いがあることを客観的に伝えるだけでなく、そのギャップを主観的に捉えたときにどのようなコミュニケーションを行うべきなのか考えることは大切である。

 練習後の気分:7(午前1時30分起床で眠たかったが、泳ぎながら寝ないで済んだ)

2013年5月11日土曜日

研究開発 5/12

研究開発のテーマ

  • プルとプッシュの統合(integration)

片手プル-プッシュドリル(片側の手を前に残す)

  • スーパーマングライド姿勢、キックは軽いバタ足またはなし
  • 手の位置:人差し指を立てた分の深さ=15cm/6inch→肩より肘や手の位置が上になるのを防ぐ=インピンジメント症候群を防ぐ。
  • 片方の手を前に伸ばしたまま、もう片方の手を手首から先を75度曲げる。
  • 手首から先の角度を「水面に対して」維持したまま(水面に対して60~70度)、肘を支点にして90度曲げる。
  • 肘から先を維持したまま肘を後方に動かす。
  • 肘がこれ以上後ろに動かない位置にきたら肘を支点にして前腕を90度回転させて後ろに手を伸ばした状態にする。

両手プル-プッシュドリル

  • 片手ドリルと最初の姿勢は同じ。
  • ゆっくりと両手を動かす。動かし方は片手と同じ。
  • まずプッシュを加える。手が胸の横まできたら水を「押し出す」。押し出した直後は完全にゆるんだ状態を作る。
  • 水の固まりが腿の横を通り過ぎることを感覚として得る。
  • 次にプルを加える。手首の折りを素早く行い、手の平と前腕を素早く動かして水を抵抗を得る。これが「水抱え感」である。この感覚は手が肩の下を通り過ぎるまでに得る。感覚が得られないときはプルによる加速ができていない。
  •  プルにより水を運ぶことができれば、プッシュのタイミングは「胸→へそ」あたりまでずれるので遅くなる。従って手が肩の脇からへそに動く間は加速せず等速運動を心がける(水の抵抗はあるので等速でもエネルギーは消費する)。
  • 最後にキャッチを加える。75度回転を加速することで水の抱え始めの感覚をつかむ。スカリング効果により体が15cm程度「乗り出す」ようになれば正しくできている。
  • 2回繰り返したら続けてクロールを泳ぎ、水を抱える感覚と押す感覚を維持する。


両手プルドリル(水中リカバリー)

  • 上記両手プル-プッシュドリルで、手が肘の下まできたら肘をゆるめて「前習え」のように手を戻すとプルだけ練習できる。
  • 肘と腋の下のengageの仕方がわかる。
  • 手を戻す位置を水面下15cmに常に来るようにすれば、キャッチの練習もできる。手首の返しだけで体が乗り出すようにする。

プル-プッシュ軌跡の確認

  • 片手プル-プッシュドリルでゆっくり片手を肘下まで運ぶ。
  • 伸ばしているもう片方の手を腿の前まで運び、斜め姿勢にする。このときプル途中の手と体の角度を維持しながら体を回転する。
  • 体が水面と水平(フラット)なときは、前腕は水面に垂直で手の平は肘の下にある。体を回転させて斜め姿勢になると、前腕も一緒に45度回転するので手の平は肩の下に来る。
  • スケーティング姿勢では手の平は肩の外側である。キャッチおよびプルで肩の方向に動かすことになる。肘を斜め外側(前+外)に出すようにすればスムーズにこの軌跡に手の平を動かすことができる。(あいまい表記では「やや内側にかく」)
  •  フィニッシュでは少なくとも体はフラットになる(あるいは逆の斜め姿勢)。従ってキャッチからスタートする手の平の軌跡は、「キャッチ-プル:体のやや内側(肩の手の平一つ外側から肩の下まで)」「プッシュ:体の外側(腰から15cm離れた位置)」という折れ線になる。グライドを含むと2点の折れ線となり、実際には体の回転により無段階に手の座標が変化するのでゆるやかな曲線になる。手の平だけを絶対座標で動かすわけではないので、SにもIにもならない。
  • またドリルで手を動かすときも、以下の3つの点のみ意識してその間は意識しない。
    -キャッチ開始位置:肩の15cm外側、手は水面下15cm
    -プル終了位置:肘位置はキャッチ開始位置とかわらず、手は肩の真下
    -プッシュ終了位置:手は腰から15cm離れた位置
  • 反対の手との関係は以下の通り。
    -キャッチ開始時点:入水直線
    -プル終了時点:肘が伸びた直後(このタイミングがスイッチ)
    -プッシュ終了時点:伸びた手をさらに伸ばす

カヤックドリルの評価

  • 手をかくタイミングでリカバリーするカヤックドリルは、素早くリカバリーしようとしたときには早めのキャッチとプルで水をひっかける必要があり、「かいた」感じを得ることができる。
  • しかし水中で水を最も押したタイミングで側を切り替えることに慣れていると、手で水をかいたときにはスイッチ動作にまだ入ることができないので非常に違和感を覚えた。
  • 水を抱えて、てこの支点に使うのであれば作用点でも最速になる入水のタイミングをつかむ方がよい。
  • 1.0秒程度ではメリットが実感できない。0.8秒ぐらいなら効果があるかもしれない。
  

完成形目視練習

  • プルを加えて限界に遅いテンポ(本日は1.20秒)で、途中まで息継ぎをしないで目視で手の最初の位置、スイッチのタイミング、スイッチのときの型をチェックした。
  • キャッチやプルは全て目に見える範囲で動作することができるので、目視練習は非常に効果的である。
  • 確認する場面が生じたら動きを止めてそれぞれの位置を確認する。
  • テンポを速くする場合、水中で伸ばした手が動き始めるタイミングが早くなる。ただしプル終了直後に入水動作が終わるように調整する。