2013年8月25日日曜日

練習記録 8/25

トータル:3150yd 63分 

○練習のテーマ:大阪イベント対応

土曜日は今シーズン唯一の家族スイムであった。キャッチ&プルのカリキュラムをテストしたところ、概ね良い結果が得られた。うまくいかないところは表現やアプローチを変えることで9月のワークショップに備える。

今日は大阪イベント(コスパ長距離泳大会)前の最後の練習となるので、ストローク数の少ないクロールとバタフライに焦点を当てる。
 

・ウォームアップ:200yd

リラックスしながら加速を次第に上げることで、次の練習に備える。

・ストロークピラミッド:12×100(14, 13, 12, 11, 10, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15)

12ストロークまでは入水後の伸びを意識、10ストロークまではリズムをゆっくりにしながら加速を上げる意識、9ストロークでは水中の手が空回りしない意識を使う。

最初の14ストロークに比べて後の14ストロークは13秒短縮できた。また15ストロークで1分12秒まで上げることができた。 1分15秒を切るペースが持続できれば20分切りも見えてくる。

・バタフライ:1650ヤード@1.10秒

瞑想せずにフォームをチェックする。各ラップ毎に半分までの距離の間1つだけ道具を意識して、後半はリラックスして泳ぐ。
-手の動きを止めない。
-最小限のキック(水を押すだけ)。
-低いリカバリー。
-肩甲骨をゆるめてリカバリーの手を前に送る。
-骨盤をクランチして腰の位置を高く保つ。
-フィニッシュの手の平の向きを下にする。
-息継ぎした後の頭の動きを最小限にしながら素早くする。
タイムは33分25秒で、前回2012年10月のタイム34分10秒より45秒短縮することができた。

・イージー100

 練習後の気分:8(出張の準備ができた感じ)

2013年8月23日金曜日

練習記録 8/23

トータル:2700yd 70分 

○練習のテーマ:復旧作業

2週間のビデオ撮影(カイゼンキャッチ&プルDVD)が終わり、スピードアップ練習に戻る。まずスピードアップするために必要な技術や感覚を再現する必要がある。

・フォーカルポイントスイム:200yd

-最初の100:リラックスして泳ぐ。ビデオ撮影では正しい形を連続させることを意識して泳ぐため、長い距離を泳げない。まずビデオ撮影で意識してきたことを抑えて、リラックスしながらリズムを作る。
-次の100:ストローク数14で固定。キャッチ&プルやプッシュで14をラクに達成する。

・ディスタンスピラミッド:500yd(50-100-150-200, SPL:14)

劣化率を抑えるために14ストロークをより長い距離維持できるように泳ぐ。ここでも加速は意識せず、ラクに14ストロークを維持するための道具を使う。
-スイッチ直前の型
-スイッチ直後のかく手の前腕の形と肘のゆるみ
-体幹と連動させて水中の動線を伸ばす

・ストロークピラミッド:20×50yd(SPL:14-10-15)

ディスタンスピラミッドで良い感じが得られたので、ストローク数を下げて上げることで加速を増やす。14ストロークからスタートして50ヤードを2回泳ぎ、次にストローク数を1減らす。

ストローク数を減らす局面では
-フィニッシュからリカバリーの減速
-水中動線の延長
-プッシュ割合の増加

ストローク数を増やす局面では、水中動作を一定にしながら水上の動作の所要時間を短くした。この結果スタート時の14ストロークより後の14ストロークが8秒短縮した。

・ドリル練習:1000yd

新しいカリキュラムのためのドリル練習を実施。このカリキュラムがTIクロールの集大成となる。撮影は9月下旬~10月上旬に実施する。


練習後の気分:8(思っていたほど泳ぎが劣化していなかった)

2013年8月12日月曜日

練習記録 8/12

トータル:1450yd 25分 

○練習のテーマ:550yd タイムトライアル

今シーズンの練習はこれで中盤が終了した。6月下旬からの1500m22分30秒を切るための練習は、すでに25ヤードプールでは達成し、次の目標は50mプールでの達成である。これまでの練習の成果を確認するために、3分の1の距離でタイムトライアルを行う。

・フォーカルポイントスイム:200yd

-最初の50:リラックスしながら14ストロークで泳ぐ
-次の100:できる限り加速を加える。13ストロークになる。
-次の50:ストローク数を維持しながらリラックスする部分を増やし、リラックスする時間を延ばす。

・テンポピラミッド:12x50、1.20-1.45-1.0, SPL:14-12-14

今回のタイムトライアルはテンポ1.05秒、14ストロークで劣化率(1-平均のラップタイム/最初のラップタイム)を最小限にすることを目標にしている。しかしいきなり1.05秒で泳ぐと16ストロークになるので、ゆっくりしたテンポで加速力をつけ、次第にテンポを1.05秒に近づけながら加速力を維持することでフォームを作る。

意識のポイントは「スイッチ直前の両手の型」と「スイッチ直後のかきの手の動き」である。この2つがうまくいくと、前腕で水を抱える感覚が続くと同時に、手を水中で押す距離が最も長くなる。また水中でかきの手が動くときは、肘から下はゆるんでいる必要がある。力が入ると空回りしてストローク数を12にすることができない。

・550ヤード タイムトライアル:テンポ=1.05秒

テンポ1.05秒を守りながら14ストロークをどこまで維持できるか試した。
-スイッチ直前の型を作るために、水中の手のわきの下を前に伸ばす。
-手首と肘を折り水を抱える。
-型を作ったら前腕から先は形を変えずに後ろに動かす。このとき体幹の回転とつなげる。
-プッシュとフィニッシュも確実に行う。手首をゆるめて素早く動かす。
-前のめり感を常に増やす(ディセンディングの意識)。

17ラップまでは14ストロークを維持することができた。タイムは7分13秒で、1650ヤード換算で21分39秒であった。平均ペースは1分19秒である。22分を切るためには、550毎の劣化を2.5%に抑える必要がある。5%の劣化として余裕度を上げるためには1分15秒ペースで泳ぐ必要があり、25ヤードあたり1秒短縮する必要がある。これは
-テンポ1.05秒で13ストロークで泳ぐ
-テンポ0.98秒で14ストロークで泳ぐ
の組み合わせで実現できる。テンポ1.05秒、13ストロークで長距離を泳ぐのは現実的でないので後者に取り組む必要がある。

・イージー100

練習後の気分:7(期待していたほどはタイムは縮まなかった。フォームに改善の余地がある)。

2013年8月7日水曜日

練習記録 8/7

トータル:2300yd 42分 

○練習のテーマ:低ストロークスイムの加速持続力強化

前日のテンポピラミッドでは、12ストロークで1.40, 1.35, 1.30, 1.25の4つのテンポパターンに対応することができた。テンポに対する柔軟性が得られた結果、1.05秒でも14ストロークに抑えることができた。

今日は距離に対する柔軟性を高めるため、ディスタンスピラミッドをストローク数を変えて行う。特に12ストロークと13ストロークでは、ストローク数を維持するための加速の道具を確認する。

・フォーカルポイントスイム:200yd

-最初の50:リラックスしながら14ストロークで泳ぐ-次の100:できる限り加速を加える。12ストロークになる。
-次の50:ストローク数を維持しながらリラックスする部分を増やし、リラックスする時間を延ばす。


・ディスタンスピラミッド:4x50+4x100+4x150+4x200、14-13-12-13ストローク

それぞれの距離を4本泳ぎ、ストローク数を14-13-12-13と変える。13の次は距離を伸ばして14ストロークで泳ぐことになるので、ストローク数を徐々に減らす方向と増やす方向の両方、そして距離を伸ばす方向の練習が行える。

最近のストロークカウント練習同様、ストローク数が決めた数に達したらそれ以上は手を動かさない。このため慎重に泳ぐことになり、普段よりもタイムは遅くなった。

・ストローク数を減らす局面:水中動線の延長、腰の回転とフィニッシュの連動、リカバリーを止めない
・ストローク数を増やす局面:回転角を抑えながら肘の自由落下を推進力に変える、肩甲骨によるリカバリー加速

特に最初の13ストローク(「行きの13ストローク」と呼ぶ)と、一旦12で泳いでからの13ストローク(「帰りの13ストローク」と呼ぶ)では、後者を圧倒的にラクにするために何をすればよいかを考えて動作を調整した。

新しい水中動作の感覚
帰りの13ストロークをラクに泳ぐために、前腕の軌跡に注目した。前腕が「一様に」動いていると、非常にラクでありながら余裕で13ストロークを維持できた。
a)プルの開始からプッシュまで、一直線に動く感じ
(実際には体幹の回転でカーブを描くが、意識としては一直線)
b)途中で止まったりタメを作らず、等速で動く感じ
c)肘と手首がゆるんでいる。上腕でコントロールする感じ。
d)体が前に進む動きと正反対の方向で、同じスピードで動く感じ。
この4つの感覚が得られるときに、ラクな加速が得られる。これは今までにない感覚であった。

ただしキャッチの段階からゆるめているとd)が得られない。手首の返しとわきの下の上方伸展による水の引っかかりは最大にする必要がある。

しばらくはテンポも入れながら、12、13ストロークの泳ぎを伸ばすことにする。

・イージー:100

練習後の気分:7(新しい発見はプラス、思ったより遅かったのはマイナス)

2013年8月6日火曜日

練習記録 8/6

トータル:2200yd 55分 

○練習のテーマ:テンポ1.05秒で14ストロークにする

最終的な目標である1650ヤードを19分以内で泳ぐためには、テンポ0.95秒で25ヤードを14ストロークで泳ぎ、それを66回繰り返す必要がある。

目標達成のための最初のプロセスとして、「ターゲットストローク数14でテンポを維持して泳ぐための技術を身につける」ことを選び、前日に1650ヤードを続けて14ストロークで泳いだところ、平均のテンポが1.3秒であることがわかった。

最終的にはこれを0.95秒まで引き上げる必要があるが、その最適なステップを見つけるためにアプローチを変えながら練習する。

まず現在14ストロークで継続可能なテンポ1.30秒を1.05秒に引き上げるために、14ストロークでテンポ1.05秒の泳ぎ方を作る。

・フォーカルポイントスイム:200yd

-最初の50:リラックスしながら16ストロークで泳ぐ-次の100:できる限り加速を加える。13ストロークになる。
-次の50:ストローク数を維持しながらリラックスする部分を増やし、リラックスする時間を延ばす。
 

・テンポピラミッド:18x(2x50)@1.20-1.50-0.95秒、14-11-15ストローク

これまで1.05秒では16ストロークが持続する泳ぎの基本形であった。これを2ストローク減らすためには、手の水中動作や体幹の回転、スイッチのタイミングなどで「加速を積み重ねる」必要がある。

このような練習に最適なのはテンポピラミッドである。テンポを遅くする局面では加速を上げてストローク数を減らし、速くする局面ではさらに加速を上げてストローク数を維持する。

今回はテンポの変更幅やストローク数の変化を調べて、今後の持続力を上げる練習の基準にする。

・50ヤードラップの結果(右側はテンポ)
14ストローク:1.20, 1.25
13ストローク:1.30, 1.35
12ストローク:1.40, 1.45
11ストローク:1.50, 1.45
12ストローク:1.40, 1.35, 1.30, 1.25
13ストローク:1.20, 1.15
14ストローク:1.10, 1.05(34.0秒), 1.00(33.3秒)
15ストローク:0.95(タイム32.4秒)

・最初のテンポ1.20秒のタイム:40.1秒
・テンポを遅くして速くした後のテンポ1.20秒のタイム:35.9秒(-4.2秒)
・テンポを遅くして早くした後のストローク数14の最速タイム:33.7秒(-6.4秒)

スタート時のボタンを押すタイミングやターンのカウントなどにより、同じストローク数で泳いだとしても、必ずしもテンポの差の分タイム短縮につながるわけではない。

結果として、テンポ1.05秒で14ストロークを達成することができた。
またテンポ0.95秒を15ストロークで泳ぐことができ、練習における50ヤードの記録を更新した。

○考察

今回はテンポの変化幅として下限0.3秒、上限0.25秒を選び、上限で0.95秒になるように1.20秒からスタートした。また泳ぎ方を確認するため各テンポ2本ずつ泳いだ。

与えられた時間の中で加速を最大にするための道具:
  • 加速のタイミングをビープ音に合わせるため、ビープ音でスイッチする。
  • ビープ音に合わせて手を動かすのではなく、ビープ音を先回りして動作しなければならない。
    (肩甲骨を使ったリカバリーの加速、肘の落下運動)
  • ビープ音が聞こえる前に両手を型にはめておく。
  • 入水した手を水中で少しでも長く伸ばせるように、体幹の回転とプッシュをつなげる。
  • 遅いテンポ(1.40以下)では、腰の回転にプラスαしてフィニッシュの位置をさらに下げる。
  • テンポが速くなるにつれてキャッチの位置を高くしてわきの下の上方伸展意識を上げる。
  • 1.10秒より速いテンポではプルの割合がプッシュの割合を上回る。
テンポが速くなる局面では、12ストロークのテンポ柔軟性が4段階で最も高かった。テンポが速くなっても加速をコントロールすることでストローク数が維持できている。このため、14ストロークで最大のパフォーマンスを得るようにするためには、12ストロークのコントロール力が鍵になりそうである。

12ストローク固定で泳いだときに、テンポを0.2秒変えることができた。今度は距離がどの程度変えられるのか実験してみる。

なおテンポピラミッドにおいては、0.95秒を上限として1.45秒までの0.5秒間を使い、1.35秒で最初から12ストロークが泳げるようになった段階で0.95秒から1.35秒までの0.4秒間に切り替える。

・イージー:100@0.95秒
テンポ0.95秒でラクに泳ぐと何秒かかるか実験してみた。 1分30秒、平均18ストロークでそれほど遅い感じはしない。テンポに合わせるだけでも「ある程度は」速く泳げることがわかる。ストローク数を維持するのは非常にエネルギーを使うので、長距離を泳ぐこと自体が目標であればテンポを優先させてもよいのではないか。

・SAイージー:100(平泳ぎ50+バタフライ50)

練習後の気分:9(自分で計画した通りの成果を出すことができた。またいろいろなインプットが得られた)

2013年8月5日月曜日

練習記録 8/5

トータル:2150yd 31分 

○練習のテーマ:14ストロークを維持して1650ヤードを泳ぐ

気がつくとこの3週間、毎日休みなく14時間以上働いている。TIジャパンで出版したDVDタイトルを英語化して販売する準備である。日本語の文章を見ながら英語の文章を確認したり、日本語を聞きながら英語を日本語と同じ時間に収まるように訳したり、英語を聞きながら口語としてふさわしくない文章を変えたり、英語の合成音声がスムーズに聞こえるように波形をいじったりと、朝5時から夜11時まで続けていたらすっかりストレスがたまってしまった。

土日なく働いてほぼ限界に近づいてきたので、今日はシンプルに、「14ストロークを維持して1650ヤードを泳ぐ」ということを試した。14ストロークはテンポ1.05秒における目標である。これが劣化率5%で維持できれば20分30秒になる。

・フォーカルポイントスイム:200yd

ストローク・コントロールが主体の練習においては、このウォームアップの段階でストロークを16から14に調整する。
-最初の50:リラックスして回転角を大きくとる
-次の50:ストローク数を数える。16ストロークであることを確認する。
-次の100:1ストロークずつ減らして最後は14ストロークにする。

・1650ヤードスイム:14ストローク

ストローク数を限定して泳ぐ場合、それ以上は手を動かさないことにする。フリップターンなので右手で入水してからひとかきできるが、それでも足らない場合はアプローチしたまま壁に近づくしかない。
今日は午前中にTIコーチにバタフライと平泳ぎを教えたので(英語のレッスンは香港以来)、午後2時から泳いだ。高校生3人が横に泳いで非常に邪魔だけでなく、危険であった。

結果:24分28秒(平均ペース1分29秒、平均ラップ22.2秒)

ターンとプッシュオフで3カウントとすると、平均のテンポは22.2/17=1.30秒である。キャッチ位置は浅く、水中の軌跡を長くとり、体幹の回転と合わせて脇を締めながらプッシュすることができたので、感覚的なテンポもそんな感じであった。

ストローク数が未達なのはGaminで見る限り5回/66ラップである。後半の方がタイムは若干速くなっているが、これは疲れてきたことにより未達にならないよう加速を上げたことが理由となっている。加速は主にプッシュの速度の増加とキャッチのひっかけ感の増加で実現した。

おもしろいのは4月12日に計測した1650ヤードとの比較である。このときはテンポ一定、1.15秒で泳いだ。結果は24分58秒で、今回より30秒遅い。計算上はストローク数は15~16である。
つまり速いテンポを維持することを意識して泳ぐよりも、普段より1~2少ないストローク数を維持して泳いだ方が速いということである。これはスピードアップキャンプでも実施して同じ結果を得ている。問題は少ないストローク数を維持できるかどうかである。今回はテンポを落として加速を上げることでストローク数を維持することができた。

テンポに合わせて泳ぐときは、ビープ音に追いつかなくても何も起きないが、ストローク数を固定して泳ぐ場合、決めたストロークより多くは泳げない。このため意識の集中が持続できるというメリットも今回得ることができた。

今後は14ストロークでの航続可能なテンポを1.30秒から1.05秒に引き上げるための練習方法について考え、実行する。

・バタフライと平泳ぎ 3x(2x50):リラックスしながら泳ぎ、水面からの上下の移動距離を最少化する

練習後の気分:8(精神的にリラックスできたわりには、いろいろ発見できてよかった)

2013年8月3日土曜日

スピードアップのアプローチ 1

次男のスイムチームのシーズンが昨日で終わり、約1カ月の休みに入った。
本日より午前中に彼が泳げるときに限り合同練習とする。

○本日のメニュー

-ウォームアップ:200
-ドリル(スーパーマングライド~スイングスイッチ):500
-のびーるスイム(片手/両手/両手+クロール):150
-ストロークピラミッド 6x(2x25):0,-1,-2,-1,0,+1
-ストロークピラミッド 6x50:0,-1,-2,-1,0,+1

4種類のストローク数で泳ぐためには、抵抗を減らす技術だけでなく加速する技術、テンポを変える技術を身につける必要がある。これらは速く泳ぐための練習の土台になるため、2%以上のスピードアップを望む場合にまず身につける技術となる。

スピードアップのアプローチ

今年3月下旬から始めた練習により、「速く泳ぎたい」ときに、何をどのようにすればよいのかがわかってきた。今後体系化するために断片的にメモを作成する。

■ステップ1:「心構え」

  • 「根性」や「気力」、「長時間の練習」で実現するのではないと決意する。
  • 「速く泳ぐ」ことを「目標」にする。目標にすれば「達成する行為」が必要になり練習の意味づけができる。
  • 「速く泳ぐという目標」が、「水泳の目的」を実現するのに貢献することを確認する。本来の目的から離れて目標を定めても、やる気を維持することが難しくなる。目標達成のために泳ぐことが、自分が本来定めている水泳の目的に合致していれば、練習を正当化することになる。
 

■ステップ2:「具体化」

  • 「速く泳ぐ」の「速く」が何かを明確にする。通常は一定距離における所要時間を指す。
  • 従って「距離」と「時間」の2つが最低必要になる。
  • 連続して泳ぐことは必須ではない。ただし休憩しながら泳ぐときに速度目標を立てる場合は、休憩時間という第三の数字を考慮する必要がある。
  • 「○○さんより速く」「プールで一番速く」など比較対象を目標にしたい場合も、自分の現在位置を知るために距離と時間に置き換える必要がある。
  • この他に条件を加えることができる。例:ストローク数、劣化率、平均テンポ
 

■ステップ3:「現在位置と目標までの差の確認」

  • ステップ2において定めた「距離」において、現在の所要時間を計測する。
  • ストローク数や劣化率などこの他に条件があれば、それも計測・算出する。
  • それぞれの計測値や計算値が、目標とどの程度違うのかを算出する。現在の値を分母、現在の値と目標値の差を分子とすると、目標達成に必要な変化の割合を知ることができる。
  • この変化の割合により、目標達成の可能性、および達成に必要な日数を予測することができる。
(次回に続く)
 

2013年8月2日金曜日

練習記録 8/2

トータル:2750yd 55分 

○練習のテーマ:最加速ストローク数の引き下げ

20分を切る泳ぎを実現するためには、これまでの基準を大幅に引き上げる必要がある。最終目標は現在よりも15%速く泳ぐことなので、単純には
a)テンポを15%速くして現在のストローク数を維持する
b)ストローク数を15%減らして現在のテンポを維持する
c)15%以上の速度劣化があれば15ポイント引き上げる
の3つのアプローチがある。c)については現在の速度劣化が6%以下なので除外し、a)とb)をミックスするアプローチにする。ただしテンポを上げると美しさが損なわれる可能性が高いため、b)のストローク数を減らすことを優先的に取り組む。

ターゲットストローク数は14とする。これまではスピードを意識した練習では、テンポ1.0秒では16ストロークで泳いでいる。これを14にするために、加速力をつける練習を行う。テンポ1.0秒で14ストロークが実現できれば12%のスピードアップとなり、20分を切る泳ぎが見えてくる。そこから先でテンポアップを導入する。

・フォーカルポイントスイム:200yd

ラクに14ストロークで泳ぐように、次の順番で意識して感覚を評価した。
-肩の回転角を増やす
-リカバリーはリラックス、後半は肩甲骨で加速
-スイッチの型
-フィニッシュの型
-水中の手の軌跡の幅を広げて安定させる

・ストロークピラミッド:7x200:14, 13, 12, 13, 14, 15, 16ストローク

ストローク数をリラックスしながら長距離維持する。今回はストローク数を絶対に維持するため、予定ストローク数に達したらそれ以上は手を動かさないことにした。
・ストローク数を減らす方向:キャッチ位置を前に、フィニッシュ位置を後に移動する。リカバリーに時間をかけるためにキャッチの肘位置を広げて横方向の安定感を上げる、回転角を増やす。ストローク数を減らしてもタイムを変えないようディセンディングを意識する。
 -結果:2分58秒→2分57秒でペースを維持できた。
・ストローク数を増やす方向:単に手の動作を早めるのではなく、肩甲骨を使ってリカバリーを加速しながらテンポを上げた。12ストロークのときの水のひっかかり感をできるだけ維持した。
 -結果:14ストローク 2分58秒→2分43秒
 さらに15ストローク、16ストロークでは100ペースで1分20秒を切る(1分19秒と1分18秒)ことができた。

・ドリルシーケンス:キャッチ&プル(15分)

-スケーティング+高さチェック
-キャッチの形
-プルの方向、手が肘のラインにきた時の形
-スイッチ型からのスイッチ(アンダースイッチ)
-スイッチ型からのスイッチ(スイングスイッチ)
-片手アンダースイッチ
-手を添えた片手アンダースイッチ
-ゆるやかな両手アンダースイッチ
-ゆるやかな両手スイングスイッチ
望ましい手の位置からプルを行うためには、わきの下から上腕にかけて上に伸びる感覚を得ることが必要。手を添えた片手アンダースイッチにより、伸びた感覚と方向を記憶することができる。

またゆるやかな両手スイッチは、片手の動作だけにフォーカスして行う。もう片方の手は型にはめるときだけ意識する。

ここで得られたわきの下から肘にかけての感覚を実践で再現するために、ストロークピラミッドを距離を変えて再度実施する。

・ストロークピラミッド:6x100:14, 13, 12, 13, 14, 15ストローク

距離を短くしてできる限り加速を上げて泳ぐ。ドリルの効果は絶大で、わきの下から上腕にかけての方向を上向きにすることで水のひっかかり感が増え、加速も実感できた。
ストローク数が減るに従い加速を大きくすることができ、テンポが遅くなる以上にスピードが上がった。増やす局面ではその加速を維持したままテンポを上げることができた。

14ストローク:開始時は1分22秒、戻りで1分11秒6で過去最速ペースを記録した。この泳ぎが劣化率5%で維持できれば20分30秒で泳げる。
15ストロークでは1分10秒切りを意識して完全に空回りし、 16ストロークになってしまったが1分11秒2で記録を更新した。これ以上はストロークを維持することができないと判断してここで終了した。

・考察

今回初めてメインセットを分けて間にドリル練習を加えたが、非常によい結果を得ることができた。ドリルで正しい形や動作を得てから、スピードや距離に取り組む練習を今後も導入する。

・イージー100

練習後の気分:8(思った通りの展開でペースの記録が更新できた)

 

2013年8月1日木曜日

全米全年齢区分百傑への道 -1500m19分を切る-

1650ヤードを22分30秒で泳ぐ目標は、6月に定めたアプローチに従って地道に練習することで達成できた。その次の段階として長水路50mプールで1500mを22分30秒で泳ぐことを目標として設定して昨日練習したが、小規模なカイゼンの積み重ねになるのでモチベーションの維持が難しい。よくお客様に「木を見て森を見ず」ということを話しているが、自分が木ばかりを見ているような木がしてならない。

そこで現在の自分のタイムが、全米マスターズでどの程度に位置するのか調べてみた。
http://www.usms.org/comp/meets/toptimes.php
USMS(マスターズ協会)は2003年より公認大会の記録が全てデータベース化されていて結果は一般に公開されている。非常にありがたい仕組みである。
-自分のタイム 距離:1650ヤード、タイム:22分28秒
-45~49歳男子:62位と63位の間/総数108名
-全年齢区分: 421位と422位の間/総数不明(500名以上)

北カリフォルニアは最も競争が激しい地域なので、現在のタイムだとレースでは下から数えた方が早い順位になるであろう。

全年齢区分で100位以内に入ろうとするためには、過去数年の結果によると18分台を出す必要がある。45~49歳の年齢区分では15~20位、50~54歳では十傑に入る。

果たしてこんなことが可能なのだろうか。よくわからないが、自分自身を究めるための目標としてはピッタリなので、実現可能性についてあまり考えずに行けるところまでやってみることにする。

1650ヤード19分とはどのような泳ぎなのか

これまでと同じアプローチで考えてみる。

◯目標達成のためのプロセス:(1)100ヤードペースの設定

400m以上の距離でタイムを縮めるには、まず100mのペースを考えることが重要である。マイプールはヤードなので以降は全てヤード換算となる。
今回の場合1140/16.5=69秒となるが、長距離を泳ぐ時の劣化幅として5%を考慮すると、69*0.95=65.6秒が目標のペースになる。

テンポを0.95秒とすると、65.6/0.95=69カウントになる。ターンとプッシュオフで12カウント使うためストローク数は(69-12)/4=14.25である。テンポを0.90秒とすると、同様に (65.6/0.90-12)/4=15である。

つまりテンポ0.95秒で14ストロークとなる泳ぎ方を続ければ目標が達成できる。
またはテンポ0.90秒で15ストロークである。

◯目標達成のためのプロセス:(2)アプローチの決定

すでにテンポ1.00秒や0.95秒で距離を泳ぐことはできている。そこで今回はストローク数を重視し、ターゲットストロークである14を中心にテンポを上げて持続力を高めることにする。なおストローク数をコントロールする場合、定めたストローク数で泳げている限りは空回りは発生しない。テンポが極端に遅くなることが問題になる。

1)ターゲットストローク数14でテンポを維持して泳ぐための技術を身につける。
2)ターゲットストローク数14、ターゲットテンポ0.95秒で泳げるようにする。
3)ターゲットストローク数14、ターゲットテンポ0.95秒を維持して泳ぐ距離を伸ばす。
4)ターゲットストローク数を変えずにターゲットテンポを0.05秒速くして3)と同じ持続力を得る。

現時点での練習におけるテンポ0.95秒のストローク数は17である。これを定常的に3減らすことになるが、これは加速を17.6%上げることになる。手や足、体幹、姿勢、動作、タイミングなど道具を総動員して実現する。


トータル:2300yd 41分

○練習のテーマ:ストローク数の変化によるラクな加速

前日のピラミッド練習において、11ストロークのセットから14ストロークのセットに切り替わった瞬間、非常にラクに感じながら加速を加えることができた。

そこで今回は前日と全く逆の流れでディスタンスピラミッドを行い、どのような効果が得られるのかを確認する。

・フォーカルポイントスイム:200yd

ストローク数を調整する。14ストロークまで下げる。

・ディスタンスピラミッド:4x200+4x150+4x100+4x50:12, 13, 14, 15ストローク

前日11ストロークでは無理があったので、12ストロークからスタートする。
距離を短くするに従い、加速を上げる。

12:200では気持ちのよいテンポ+0.2程度遅くして確実に12で泳げるようにした。以降は前の15ストロークのテンポをできるだけ引き継ぎ、加速を上げることで 12ストロークを達成した。
12→13:肩の回転角を抑えて安定感を高める。キャッチやフィニッシュの場所は12と同じ。
13→14:入水後に手を伸ばす速度を上げることでテンポを上げる。
14→15:ニューパラダイムにシフトする。

低ストローク数のときの加速を活かすことができたため、 最初の200のセットでは100ペースで14秒短縮した。次の150では9秒、100では11秒短縮して過去最速の1分12秒を出した。また50でも15秒短縮して1分7秒(ペース、タイムは33秒)となった。いわゆるダッシュではなく、ストローク数をコントロールして冷静に泳いでおり、かなりハードな2000を泳いだ最後にこのスピードを出すことができた点は評価できる。このペースで33ラップを泳げば、新しい目標が達成できることになる。

今回のように12から13ストロークの加速を確実に上げて、テンポアップに従い加速を失わずに14ストロークを持続することが、基本的なカイゼンの方向になる。従ってしばらくの間はテンポトレーナーを使わず、ドリルとストローク数のコントロールで練習してみる。

なお休み時間は20秒とれると回復できる。ストローク数をコントロールする練習では20~30秒の休憩を入れ、各ラップにおけるストローク数の達成に集中する。

・イージー:100

練習後の気分:10(新しい目標設定ができ、泳ぎの中でも達成のための断片が見えた)