2013年11月11日月曜日

ひとりタモン湾往復横断4.2kmスイム

タモン湾往復横断4.2kmスイム

今年のスイムシーズンの締めくくりとして、ひとりでタモン湾を横断した。ウェスティンホテルのビーチからマリオットホテルのビーチまでは約2kmである。ざっくりとした目標を目指して泳ぐと何が起きるのか、また横断泳で何が起きるのかを観察した。

○ジョギング 3kmラン+2kmウォーク

朝7時からのジョギングは、いつものように下り坂2.5kmを5分30秒ペースでラン(テンポ180)、上り坂2kmをウォーク(テンポ125)、残り500mを6分30秒ペースでランとした。

○4.2kmオープンウォータースイム

 行きは2番ブイ(沖合100m地点)からマリオットを目指して泳いだ。しかしちょうど珊瑚礁の群生地域の上を通ることになり危険であったため、数十メートル毎に立って方向を決める必要が生じた。できるだけビーチの近くを泳げば珊瑚礁がなくなると考えたが、50m程度沖合に流されてしまった。

帰りは最初建造中のビルを目標にしたが、また流されてしまった。このため200m程度先の建造物を目標にして、近づいたら別の建造物を目標にするように変えることでビーチ沿いに泳ぐことができるようになった。以下考察である。

・遠くの目標は役に立たない

遠くの建造物を目標に設定すると、横に流されたことがわからなくなる。通常後ろと前、前とさらに前など2点を決めて方向を確認するが、前も後ろも大きな建造物だとコースの精度が極端に落ちる。近くの建造物とすぐそばの砂浜までの距離の2つを目安にすることでコースを外れることがなくなった。

・潮の流れは刻々と変わる

片道2kmの中で、少なくとも4回は潮の流れの大きな変化を経験した。これまでは周回コースで4通りの潮の流れを体験していたが、直線コースでも潮の流れが大きく変わる。潮の流れを確認するためのサイティングの回数が多くなり、首が疲れた。サイティングを減らすために方向感覚を磨く必要がある。

・体感する潮の流れが本当の流れとは限らない

潮の流れと風向きが異なる場合が要注意である。帰りの最初の500mは、風向きが逆のためチョップを大きく受けて水の抵抗を感じたが、スピードは行きより15%速かった。このような場合水の表面は抵抗が大きいが、水中では抵抗が少ないので泳ぎ方もそのような状態を考慮する必要がある。

・方向修正に3段階目、4段階目を用意する

潮の流れにより1)入水する場所、2)伸ばす手の方向で方向を修正することができる。1)で3m程度、2)で5~10mは修正が可能であるが、今回はそれでも流されてしまった。そこで3)として反対の手の入水位置を内側にして内側に伸ばす、4)として頭を使って体重を乗せる、を使ってみた。4)までやって始めてまっすぐ泳げるようになる場所があった。

・テンポが遅いとラクなわけではない

この2カ月はドリル撮影用の練習ばかりしており、テンポ練習を一切していなかったので行きは1.05秒で1ストロークの精度を上げて泳いだ。途中で立ち止まったり迂回したりしたこともあるが、折り返し地点で非常に疲れを感じたので後半は1.0秒に上げた。パラダイムシフトしたのでテンポに追いつかなくなることもなく、ラクに40分泳ぐことができた。プールに比べて海ではバランスがカイゼンされるので、テンポを上げることによる推進力の低下をカバーすることができる。ただしそのテンポで空回りをしないこと、劣化しないことが適用条件となる。

・マウススプレーは必携である

ココスで効果を発揮したマウススプレーはここでも大活躍した。ただ海水が必ず入ってしまうので、2~3日で捨てないと中身が腐る可能性がある。キャンプのときはお客様と共用して使い切ってしまう必要がある。

○プール練習:1500m

せっかく50mプールが目の前にあるので、疲れてはいたが最後に泳ぐことにした。
200mの無劣化フォーム練習の後、テンポ1.15秒と1.10秒で500mのディスタンスピラミッド(50-100-150-200m) を実施した。各ラップとも最初の15ストロークはリラックス、次の10ストロークは前のめり、残りはキャッチと体幹の連動を意識した。テンポ1.15秒では50mに比べてそれぞれ1~2秒短縮することができディセンディングが達成できた。1.10秒ではキャッチを意識するストローク数を増やしたが、かえって劣化してしまい50mあたり1秒~2秒遅れとなった。最後にもう一度入水場所や劣化しない手の動きを意識して50mを1分ペースで6本泳ぎ、今年の練習を終了した。

グアムのココス島往復に向けて始めた今年の練習は、やはりグアムのタモン湾横断往復で終了した。長距離を速く泳ぐための研究開発の足跡を残すためにこのブログを始めたが、開始前に予想したよりも非常に得るものが多かった。これらは今後のカリキュラムに活かすことになる。


 練習後の気分:10(達成感いっぱい、疲労困憊)


ブログをご覧のみなさまへ

長い期間にわたりブログをご覧頂きまして誠にありがとうございます。ブログを自分の記録帳として公開していたので、わかりにくい表現や不可解な表現が多数あったことをお詫びします。ブログに掲載した内容は、今後レッスンカリキュラムやDVDの形で発表しますのでご期待ください。

来年のスイムシーズンにまたお会いしましょう。


 


2013年11月10日日曜日

アクアスロンに初挑戦

ひとりアクアスロン:ラン2km+スイム750m

グアム単独キャンプの4日目に、アクアスロンに初めて挑戦した。距離は来年4月に実施予定のイベントと同じラン2km→スイム750mである。走ってから泳ぐことで、泳ぎにどのような変化が生じるのかを観察した。

・ラン2km(トラック5周)

スコールがおさまるのを待ったため、開始時刻が12時半になった。気温と湿度の急激な変化は10分少しのランでも感じることができ、3周目からきつくなった。最初はジョギング-1分のペース(1kmあたり5分30秒)で維持しようとしたが、最後は6分15秒まで下がってしまった。

・トランジション

当初はプールサイドに荷物を置く予定であったが、プールサイドはランニングシューズだと滑りやすく危険であったので屋外レストランにキャップとゴーグルを置いて着替えた。トラックを走り終わってから移動して泳ぎ始めるまで約3分かかった。

・スイム(50mプール750m)

非常に興味深い結果が得られた。
  • かなり息が荒い状態でプールに入ったが、泳いでいて苦しさはあまり感じられなかった。むしろ泳ぎ始めてからの方が呼吸はラクになった。
  • 最初の100mは足をひきずるような感覚であった。血液やリンパが足に集中することで、いつもより足が重くなっているのであろう。さらに足が張った状態で泳ぐので、動かしにくいということも考えられる。
  • テンポアップが非常に難しい。最初は1.2秒程度に上げるのがやっとである。陸上で運動してから水中に入ると、水の抵抗を体全体で感じる。手の動きや体幹の回転も水の抵抗で鈍くなる感覚がある。400mを過ぎてから1.1秒程度に上げたが、結局1.05秒までは上げることができなかった。
  • 体全体に意識を行き渡らせる必要がある。前述のように、陸上で運動した直後に泳ぐと水の抵抗は通常の1.3~1.5倍に感じる。通常よりさらに抵抗を減らす意識を持ち、前のめり感を上げる道具を使う必要がある。
  • 全体では30分弱で終えることができた。スイムは13分であった。

○考察

 ランからスイムのアクアスロンは、トライアスロンの短縮版というよりは、長距離を速く泳ぐためのクロストレーニングとして位置づけることができる。2kmを走ることで、1500mを泳ぐときの前半の750mの泳ぎと代替させることができる。走ることにより足が疲れ、水の抵抗を大きく感じる状態で750mを泳ぐことで、 脳が泳ぎ疲れていない状態で体が疲れたときの泳ぎ方を磨くことができる。

またスイム自体の時間を15分程度にしながら、負荷をかけることができるのも魅力である。スイムの練習時間を45分としても、この後1000m程度は余裕で練習できる。

スピードアップキャンプでもこのトレーニングを取り入れることができるかどうか、カリキュラムを練ってみたい。


○スイム練習(600m)

今シーズンのおさらいとしてフォームをチェックした。
  • 上記750m泳のときのストローク数:42~44
  • 入水位置を肘の延長線上にして中指をまっすぐ前に伸ばす:34ストローク、1分4秒
  • キャッチの型を維持:36ストローク、57秒
  • 体幹の回転に合わせてプルとプッシュの軌跡を伸ばす:37ストローク、50秒
  • キャッチで強く抱える:38ストローク、47秒
劣化しない泳ぎを念頭に、どこまでタイムを縮めることができるかテストした。上記手順により17秒短縮することができた。100mに距離を伸ばしても1分35秒で劣化しないことが確認できた。

1500m22分30秒が泳げるかどうか、試しに劣化を気にせず泳いでみたところ42秒であった。次に筋肉を緊張させる時間を短縮したところ同じ42秒で泳げたが、100m程度で劣化することが確信できたので翌日のタイムトライアルはあきらめて練習自体も終わりにした。。

練習後の気分:8(新しいことに挑戦するのは楽しい)