2013年10月11日金曜日

研究開発:アクアスロンを楽しむには?

トータル:1750yd 90分

今週は道具箱の追加撮影で3日間を使ったので、練習は日曜日と今日だけであった。
新しいイベントのテストを行った。

・ディスタンスピラミッド 100+200+300+400:テンポ1.15秒

日曜日に消化不良となった1000のディスタンスピラミッドを1.15秒で実施した。ビデオ撮影でわかった以下の点について修正を加え、そのうえでテンポに合わせながら無劣化の泳ぎに変えていった。
  1. 左のリカバリー軌跡が狭い。弧を描くよりは直線に近く、 窮屈な印象を受ける。
  2. 左手の入水時に手の平が曲がっている。親指が進行方向になっている。
  3. 入水時にしぶきが大きく、泡を水中に持ち込んでいる。
  4. 体のうねりを使っている。個人として速く泳ぐにはあらゆる道具を使いたいが、教材の見本泳としてはふさわしくない。 
  5. 息継ぎの際にローピングしている。
修正方法は以下の通りである。
  1. 軌跡を10cm外側にする。
  2. スイング段階で中指を締める。親指が方向をリードしないように意識する。
  3. 手の入水時に前から見て(進行方向に対して垂直な断面)斜めに入水する。また横から見て(進行方向と平行な断面)も斜めに入水する。入水直前に手の締め具合を半減してリラックスさせる。
  4.  手の入水時に勢いをつけたり体重を乗せるとうねりが発生する。スイッチによる加速の割合を減らす。
  5. 体幹を使って入水を加速するとローピングしやすい。入水動作で体幹の回転との連動を抑える。

・ジグザグスイム 5×150:テンポ1.10秒

TIスイム主催でアクアスロン大会の実施を検討することにした。アクアスロンはランとスイムで構成される。トライアスロンではスイム、バイク、ランの順番であるが、これは命を失うリスクの大きい順で定まっている。ところがプールで実施するアクアスロンであればスイムのリスクは非常に小さい一方、トランジションなどオペレーションを考慮するとランが先の方がよい。そこでTIスイム主催のアクアスロンではラン→スイムの順番にする。

25mプールを使った周回カウントの問題を解決するために、プールをコース内一方通行でジグザグに泳ぐことを検討する。25m6コースであれば1周150mになる。1周泳ぎ終わったらプールサイドに上がり、反対側の端のコース(スタートしたコース)に戻り泳ぐようにする。今回このやり方をテストしてみた。

ポイントはターンである。左向きと右向き両方存在し、逆向きになると壁蹴りしてもけのびの間にコースロープをくぐれない可能性が出てくる。 そうなると一方通行を逆進することになり非常に危険なので、壁についたら水中を歩いて隣のコースに移動、端で休んでいる人以外は壁から5mは追い抜き禁止にしないとならない。

また次の周を泳ぐためにプール内に入るときに、飛び込まないようにする必要がある。床は水でかなり濡れるので、運営スタッフは滑り対策を行う必要がある。

ショートの半分を想定して750、5周泳いだ。段取りを考えながら忙しく泳いだのでフォームに集中できなかったが、普段の1000よりもプチ達成感が得られた。750mスイム+5kmランは一つの目標としておもしろいと思う。どちらも経験がなくても、それぞれ1カ月程度で達成できるので、3カ月もあればレースに出られる。




2013年10月6日日曜日

練習記録 10/6 無劣化の泳ぎの仕上げ

トータル:3100yd 54分 

○練習のテーマ

これまで練習してきた無劣化の仕上げとして、1000ピラミッド(100+200+300+400)を行い劣化しない泳ぎを確認する。

・ディスタンスピラミッド 3×(100+200+300+400):テンポ1.30, 1.20, 1.10秒

合計が1000となるディスタンスピラミッドは初めてである。スタートが1.30秒とゆっくりなので、ウォームアップなしでスタートする。意識した点は、
  • スイッチ前のスイッチをオンにするタイミングとオフにするタイミング
  • 入水して伸ばした手をゆるめて圧を加える
  • 水中の中指の軌跡
  • スイッチ後に水中の手を体幹の回転に合わせて動かす
無劣化を意識しすぎてゆるんだ泳ぎにならないように、ストローク数は13~14を維持した。400になってもペースを上げることができた。

1.20秒で泳いでいる途中から2名プールに入ってきて泳ぎ始めた。最初は気にならなかったが、小さな波が次第に大きくなりランダムに発生するようになった。波の高さは15cmに達し、かなり泳ぎにくい。これまでと同じ集中度で泳ぐことが難しくなったため、意識を変えてOWSの泳ぎを想定した。
  • 入水する場所が定まらない
  • 従って肘の伸びしろが定まらない
  • 従って体幹の回転が定まらない
  • 従って水中の手の軌跡が定まらない
上記のように客観的な観察ができたのでいくつか道具を試してみたが、効果のある道具がみつからなかった。大きなうねりであればフラットに泳ぐことが有効であるが、細かな波の場合は左右だけでなく前後にも動いているので加速ができない点が問題である。事実ストローク数は2~3増えた。

1.10秒で泳ぎだしてからは子供や大人もどんどんプールに入ってきて、真っ直ぐ泳ぐことも難しくなってきた。テンポも速くなり空回りしやすくなってきたので、ひとまずテンポを守ることだけを意識してピラミッドを終えた。

ピラミッドで3000を泳いだことの達成感が強く、技術的には消化不良であった。

・イージー:100

練習後の気分:3(最初は良かったが混雑して集中できなくなった)



2013年10月5日土曜日

練習記録 10/5 無劣化の泳ぎのテンポアップ

トータル:3000yd 58分 

○練習のテーマ

11月のフィリピンキャンプが中止となり、グアム個人キャンプに切り替えた。長水路で1500m22分30秒を実現するために、無劣化の泳ぎをテンポアップする必要がある。前日は1.15秒で型が崩れたので、1.00秒前後まで引き上げて型を維持しながら劣化を抑える。

・フォーカルポイントスイム 200

50ずつテンポアップしながら(TT使わず)、キャッチの型、スイッチのタイミング、水中の軌跡について確認する。


・テンポピラミッド 15×100(テンポ1.10秒-1.40秒-1.00秒)

本来は1.20秒からテンポアップダウンする予定だったが、どういうわけか設定を間違えて1.10秒でスタートした。最初はテンポに合わせることすらできなかったが、1.15秒からは次第に落ち着いて14ストローク→12ストロークまで落とすことができた。

テンポアップでは今回も無劣化の実現を目標にして、「かかない、押さない」を徹底した。 ただしテンポが1.10秒の段階で合わせるのに精一杯で完全に「かき」に入ってしまった。1.05秒、1.00秒では水中動作に力を入れている状態が顕著となり、力まかせになってきた。タイムは1分18秒となったが長距離で劣化するのは明らかなので急遽パラダイムを変えるためのテンポ練習を入れた。

・テンポピラミッド 6×50(テンポ1.20秒-0.95秒)

パラダイムを変えるためのテンポ練習。加速は意識せず、行きは手足をなめらかにテンポに合わせる、帰りはビープが聞こえるまでの行程を短縮して余裕をもたせることを目標とした。

ストローク数は4程度増えたが、なめらかに合わせることが目的なので気にしない。むしろ帰りにどの程度余裕が持てるのかが重要である。テンポ1.10秒以降はニューパラダイムの泳ぎに戻すことができた。


・ディスタンスピラミッド 3×(50+100+150):テンポ1.20, 1.15, 1.10秒

ニューパラダイムにしながら劣化の少ない泳ぎを実現するための練習。これまでの1.20秒の泳ぎとは異なり、リカバリー時間短縮(肩甲骨加速)による時間確保、入水後伸ばした手に圧をかけてキャッチの型をつくるなどキャッチ&プルにシフトしている。

速いテンポで型が崩れた理由としてスイッチのタイミングを前日取り上げたが、もう一つの理由が明らかになった。「スイッチを切るのが遅い」ということである。ここでのスイッチとは、スイッチ直前に入れるスイッチのことで(ややこしい)、筋肉の緊張を指す。スイッチを切るのが遅いと、筋肉が緊張したまま動くことになり劣化する。テンポが速くなるにつれてスイッチを切るのが遅れ、結果として力を入れたまま手を動かしてしまうのでテンポに合わなくなる。

このスイッチのタイミングを先のテンポピラミッドで発見し、試しに0.3秒早く切ってみたところ水中の手がスムーズに動くことが確認できた。このスイッチを切るタイミングが早すぎると、型が作れないまま手が動くので水を押す力が減る。切るタイミングが遅すぎると力を入れて手を動かすことになり劣化する。泳ぐテンポに合わせて最適なタイミングを体得する必要がある。

あと2回程度無劣化の方向で練習をしてから、いよいよ速いテンポでの加速の練習に入る。

・イージー:100
前日同様、水中の手の軌跡と体幹とのシンクロを意識してゆっくり泳ぐ。

練習後の気分:7(新しい発見があったが全体的にタイムが遅い)

2013年10月4日金曜日

練習記録 10/4 低ストロークの基盤づくり

トータル:3100yd 60分 

○練習のテーマ

劣化しない泳ぎは記録向上のうえで必須である。まずゆっくりしたテンポ、多めのストローク数で劣化しないフォームを覚え、テンポを速くしたり、ストローク数を減らして加速を加えたりすることで実戦的なフォームに仕上げる。

1カ月半のブランクはあったが、今シーズン練習してきたフォームはあらかた復元することができたので、 スピードアップに向けた練習に切り替える。今回は低ストローク数において無劣化のフォームを維持することをテーマにする。


・フォーカルポイントスイム 200

50を泳いだ段階で前のめり感、安定感、なめらか感それぞれ基準の7割得られたので、残りの150についてテンポを2割程度落とし、1)スイッチの型、2)体幹の回転と手の動きの連動、3)水中の手の中指の軌跡を意識して正しい形や動きを再現した。無劣化の泳ぎを目的としているため、加速感については問わない。

・テンポピラミッド 15×100(テンポ1.20秒-1.55秒-1.20秒)

前日のピラミッドを100に伸ばして実施。スタート時テンポ1.20秒のストローク数は14/15で前日より1少ない。前日はストロークを減らすことを意識して「手で水をかいて、押して」いたが、今日は無劣化を目指すために「かかない、押さない」を徹底的に意識した。ストローク数の減りは前日より緩やかで、1.55秒では12/13であり前日の12/12とあまり変わらない。ただし姿勢の安定性はかなり異なり、加速を加えないとかなりふらつく。

テンポを上げる局面でも「かかない、押さない」を徹底した。ただし1.25秒になってからは水中の手の動きも速くする必要があり、結果として前腕に水圧を強く感じるようになった。 最後のテンポ1.20秒のタイムは1分20秒8と加速を入れなくても目標値に達することができたのは興味深い。水中の素早い動きがスピードアップにつながるだけでなく、筋肉を緊張させないので泳ぎが劣化しない。

・ディスタンスピラミッド 2×(200+150+100+50), 150+100+50:テンポ1.25, 1.20, 1.15秒

前日のピラミッドの逆を実施。ストローク数は14または15を維持。長い距離からスタートするピラミッドでは、距離が短くなるにつれてスピードアップを意識する必要がある。「かかない、押さない」意識でどこまで加速できるか試してみたが、結果はおもわしくなかった。距離が短くなるにつれてペースアップはできたが、元の200のペースが目標タイムの10秒遅れであった。疲れてキャッチの型が甘くなったので、そのあとの水中動作もへなちょこになったものと考えられる。

なお最後のセットは1.15秒を試した。これまで無劣化の練習ではテンポ1.20秒までだったので、最初の150ではテンポに追いつこうと意識して型が崩れた。100では気を取り直して1分18秒で泳げたが、速くなった理由は水中の手を動かし始めるタイミングである。入水した手を前に伸ばし始めてから水中の手を動かし始めることで、より多くの水を抱えることができるのに加えて体幹の回転に手の動きを合わせやすくなる。テンポが速い局面ではこのタイミングに注意を払う必要がある。

来週の練習では1.15秒のウェイトを高め、毎週0.05秒ずつ引き上げて10月の最後は1.05秒で無劣化の泳ぎを目指すことにする。

・イージー100:水中の中指の軌跡を揃えること、体幹の回転に手の動きを合わせることを意識した。

練習後の気分:7(前半は悪かったが後半は盛り返した)

2013年10月3日木曜日

練習記録 10/3 劣化しない加速

トータル:3000yd 58分 

○練習のテーマ

劣化しない泳ぎに加速を加える。

道具箱練習の撮影は2日間で終了した。夏に比べてプールも空いているため、それぞれ90分近く時間をとることができた。今週の残りは11月に向けたスピードアップ練習を行う。練習の日数が少ないこと(週2日)や、速いスピードで劣化しない泳ぎを作るため1回の練習で泳ぐ距離を3000ヤードまで増やしてみる。

・フォーカルポイントスイム 200

200しか泳がない場合のフォーカルポイントは、1)体幹の回転、2)前のめり感、3)安定感、4)なめらか感である。これらの感覚をさらに高めるための道具を練習毎に変更する。今日は
1)体幹の回転:肩と腰の回転差=ひねりを加速に使う
2)前のめり感:入水直前の肘の高さを上げる
3)安定感:伸ばした手をゆるめて圧をかける
4)なめらか感:スイッチの型から回転動作と水中の手の動作につなげる

・テンポピラミッド 15×50(テンポ1.20秒-1.55秒-1.20秒)

直近の目標は無劣化の泳ぎからスピードアップして1650ydで90秒短縮することである。このアプローチとして、想定ストロークから4少ない12ストロークで加速を増やし、ストローク数を増やしながら無劣化にする方法をとる。

そこで12ストローク の泳ぎを作るため、テンポ1.20秒からスタートして0.05秒ずつ遅くした。テンポ1.20秒でスタート時のストローク数は行きが15で帰りが16であった。そこからまずスイッチ動作の時間短縮(素早い動作)、次にプッシュの強調、次にキャッチ位置の前方スライド、最後に水中軌跡での加速の割合増加によりテンポ1.55秒で12/12まで減らした。

ここからストローク数を維持するようにしてテンポを0.05秒ずつ速くした。1.30秒まで12/12で泳げ、1.20秒では13/14と開始時点に比べて行き帰り共に2ストローク(50ydで4.9秒)減らすことができた。

次に行うディスタンスピラミッドでは低ストローク数の維持が目標だったので、ここでテンポピラミッドを切り上げる。

・ディスタンスピラミッド 4×(50+100+150+200):テンポ1.35, 1.30, 1.25, 1.20秒

確実に12ストロークがキープできるように、テンポ1.35秒でスタートした。100までは調子良く、150まではなんとか12を維持できたが、200では泳ぎに劣化を感じて実際13になった。12を維持しようとして水中で水を押す意識が強かったこと、キャッチの型を作ろうとして入水前から手が緊張していたことなどが理由として考えられる。

そこでテンポ1.30秒では、キャッチの型を作ったら
・肘を高い位置に保つ
・前腕をゆるめる
・スイッチによる体の回転で水中の手を後ろに送り出す
 ようにしたところ、 劣化が改善した。加速を上げるためには、水中で動く手に力を加えるのではなく
1)水中の手の軌跡を長くする(さらに前から始めてさらに後ろまで動かす)
2)水中の手の軌跡を一定にする(ゆるやかな線)
3)肘の位置を高い状態にしたまま前腕をゆるめる
にすると成果が得られることがわかった。劣化しない泳ぎのときには、水中で中指が描く軌跡を感じることができる(=前腕や手首がリラックスしている)。テンポが上がるに従い上記の3点を忠実に守ることで、最後の1.20秒でも13/14ストローク、200を泳いだときの100ydペースを1分21秒、劣化率を2.5%にすることができた。

劣化しない泳ぎを作ったうえで、テンポを上げながらストローク数を維持すれば加速を加えることができる。ストローク数の維持には力を加えるのではなく、リラックスした状態で水中の軌跡を伸ばすことや、スイッチによる体幹の回転と水中の手の動作をつなげることを行えばよい。劣化しないスピードアップのアプローチが見えた。

・イージー100

練習後の気分:8(狙い通りの成果を得ることができた)