2015年3月17日火曜日

マラソンスイム分割案

OWSに詳しいコーチから聞いた内容について、備忘録代わりに今後本ブログ上にまとめる。

メルボルン在住のTIコーチであるピーター・ヘンドリックスは、オープンウォータースイムの実戦経験および指導経験豊富なスペシャリストである。

2月のロットネスト海峡横断はシステム上の問題でソロスイムに登録できず、ソロスイムのパドラーとして参加、悪環境のなか海酔いしたスイマーをコーチングしながら完泳させた。また自身は個人イベントとしてロットネスト大会の2週間後にソロスイムに挑戦し、クラゲに刺されながらも見事完泳した。
(ついでに言えば初のロットネストはパドラーに会えずに30分ロス、2回目の挑戦では17km地点で船が故障しテクニカルリタイアであった)

クラゲの痛みに耐えながらも20kmを完泳することができた理由として、ピーターは以下のような考え方で泳いだことを一番に挙げた。

1)最初の10km:1km×10本

補給の間隔を20分として、ボトルドリンクを飲んだらすぐに泳ぐ。休憩時間は長くて20秒。10回休憩すれば10kmに達する。

2)1km間隔できつくなってきたと感じたら:500m×2本

余裕のあるうちに1kmをさらに分割して500m×2本にする。1回に泳ぐ時間は約10分。休憩時間は1kmのときより短く15秒とする。疲れているが距離は短くなるのでペースを上げる意識を持つ。

3)さらにきつくなったと感じたら:200m×5本

15~18km地点の山場ではさらに分割して200m×5本にする。1回に泳ぐ時間は4~5分。休憩時間はさらに短く10秒とする。さらにつらい状況ではあるが5分で休憩が待っているので頑張ってペースを上げる。


ドーバー海峡横断を4回チャレンジした大貫さんやピーターが異口同音に話すのは、マラソンスイムはメンタルが6~7割だということである。ただし実際に泳いでわかったが、単なる精神論ではなく、このメンタルは「通常の泳ぎができる再現力」と捉えた方がよい。

20km、10kmと考えてうんざりすると、その時点で普段の泳ぎが再現できなくなる。まず1kmで区切り、普段の練習のように、500m×2本や200m×5本を1セットずつ積み重ねると、いつのまにか10km、20kmになるということである。

ポイントは疲れるに従い1回に泳ぐ距離が短くなるものの、普段の練習を考えればその分スピードアップする意識を持たなければならないということである。さらに休み時間を短くすることで、気持ちをスピードアップにつなげようとしていると考えることもできる。

従って普段の練習においても、400mや500m、1000mをブロック化してスピードと休憩時間をコントロールすることが必要になる。長い距離をブロック化する感覚を練習で身につけ、本番でもフォームの再現力を高めることが、マラソンスイムには必要である。

チームスイムでも同じような考え方が使えるかもしれない。ウルトラ速いチームは5分交替で全員がダッシュしているそうである。5分ダッシュ、13分休憩、2分準備の繰り返しである。

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