2016年12月8日木曜日

速度を変えずに泳ぎをラクにする

日本滞在も2週間が過ぎ、エンドレスプールでの練習も慣れてきた。体感スピードアップレッスンで最大限の効果が出せるように、日々研究を重ねている。今回はエンドレスプールで泳ぐと、どのような技術が身につけられるのかをまとめる。

○遅く泳ぐ技術

エンドレスプールでは決められた速度で泳がなければならない。通常はお客様の泳ぐスピードに合わせてコーチが速度を調整するのであるが、私のレッスンの場合、カイゼンレベルのお客様には私の設定するスピードに合わせて泳いでいただく。

最初はお客様の泳ぐスピードに合わせるが、次第にスピードを遅くする。そうするとからだが前に動くので、ぶつからないように速度を調整しなくてはならない。このプロセスが泳ぎのコントロール力を飛躍的に高めることになる。

なぜか。最初に自分のスピードで泳いでいると、リズム感が出てくる。スピードが変わってもこのリズム感を維持したいという本能があるようで、ほとんどの方が遅くなってもテンポを維持しようとする。テンポを維持しながらスピードを落とすには、推進力を弱める必要がある。そこで水中、水上において推進力を弱める工夫をこらすのである。

この推進力を弱める工夫は、スピードアップのときに推進力を上げる道具に転じることができる。どこを意識すればスピードが落ちるかがわかれば、同じ場所を強く意識することでスピードを上げることができるのである。

○水を運ぶ技術

エンドレスプールでは、水の流れに逆らって泳ぐ。このとき水の流れを感じることができる。この流れのなかで手を動かすと、普通のプールに比べて手に当たる水の感覚が鋭敏になる。

そして正しいキャッチを行わないと、手を後ろに動かしたときに運べる水の量が少なくなることがわかる。また手の周りの水の流れの変化により、キャッチで集めた水が正しく運べているかどうかもわかる。

エンドレスプールで泳いだ翌日に普通のプールで泳ぐと、手に当たる水の感覚は減るものの、普通のプールでこれまで得られていた以上の感覚を得ることができた。水を運ぶ技術が上達したのであろう。

◯ラクに速く泳ぐ技術

エンドレスプールはスピードが一定なので、速いスピードにおいて使える道具をいろいろ試すことができる。

400ストローク(500m相当)ごとに15秒休憩し、スピードを段階的に上げる。最初の50ストローク程度はスピードに合わせることを最優先として、テンポを上げたり手に力を入れたりしてからだが何とか下がらないようにする。

次の50ストロークから、推進力を維持しながらよりラクに泳げる道具を探す。順番としては、

重力を使って入水する手の勢いを増やす。
入水して伸ばす手の勢いを、背中のひねりを使って増やす。
キャッチで水を押さえて、それをてこにして入水する手の速度を上げる。
フィニッシュの位置を後ろに下げて、水を押す距離を伸ばす。
キャッチとプル、プッシュで力を入れる。

これらの道具が使えるかどうかは以下のような手順で確認する。

意識をしながら20ストローク泳ぎ、意識したことで泳ぎが変わっているかを確認する。同時にからだが下がっていないか確認する。

次に同じ意識で80ストローク泳ぎ、長時間維持できるか確認する。
残りのストロークでは、同じことを意識しながらさらにリラックスできるか、関節ごとにストロークの各フェーズで確認する。特にリカバリーが重要である。

スピード維持の道具は、設定するスピードにより使えなくなるものも出てくる。ラクに泳げる道具をスピードに合わせていくつか持っておけば、レースでも状況に合わせて使い分けることができる。

ラクにスピードアップできる道具がレッスンでいくつか得られるように、今後も研究をつづける。

2016年11月18日金曜日

やっぱり「ストローク数を減らす」>「テンポを上げる」

スイム 3200yds


前日は急に冷え込んだせいか、暖房利用急増のため2時間近く停電した。気温が8度くらいでプールも停電が予想されたため練習をあきらめた。

今日も同じように冷え込んだが、もう慣れてきたので泳ぐことにした。気温5度、室温は15度だが暖房は入れていない。同様に気温38度、室温32度でも冷房を入れずに済むのだが、なぜそうなのかはわからない。

○10×100 テンポ練習

今回は、いずれかのラップにおいて、「テンポ1.40秒のときのストローク数+3になったら終了」というルールを設けた。

結果は以下の通り。14ストロークに転じるテンポが前回の1.25から1.20になった。
なおフリップターンを使っているので、第2/3ラップはオープンターンよりストローク数が1少ない。
第1ラップはプッシュオフにより距離が伸びるので、ストローク数は総じて第1ラップ<第2/3ラップ<第4ラップとなる。

テンポ0.95秒で17ストロークとなったので、終了した。テンポに合わせるだけで精一杯で、加速してストローク数を減らそうとすることができない。ストローク数が増え、タイムが遅くなっているので明らかに空回りしている。

目標は、テンポ0.95秒でテンポ1.00秒のときと同じストローク数で泳ぐことである。次回は力の入れどころや入れどきをコントロールしてみる。



ストローク数
11/18テンポ第1ラップ第2/3ラップ第4ラップタイム
11.401314141:34
21.351314141:32
31.301314141:31
41.251314151:30
51.201415151:26
61.151415151:25
71.101415161:22
81.051516161:21
91.001516161:20
100.951617171:21


○10×100 ペース練習

先ほどのテンポ練習ではテンポを上げて泳いでもストローク数が増えてしまい、結局速くならなかった。そこでペース練習では、テンポを上げて一旦貯金を作ったら、ストローク数をできるだけ減らすように泳いだ。

ストローク数を減らすためにはテンポを下げなければならず、こんなペースでは壁まで間に合わないのではないか(壁に到着する前にビープ音が3回鳴る)と思ったが、実際には貯金を維持し続けることができた。

さらに20秒(目標ペース)でも17ストロークを維持することができ、結果的にテンポ練習のテンポ0.95秒より100ヤードで4秒近く速くなった。


11/18ペースタイム実際のペースストローク数
1231:2621.718
2231:2721.918
3231:2922.317
4231:2822.016
5221:2421.218
6221:2421.216
7221:2421.116
8211:2320.717
9211:2120.417
10201:1719.517

○考察

速く泳ごうと思ってテンポを上げても、空回りすればかえって遅くなる。ストローク数を減らしながら力を加えることで加速を上げると、結果として速くなる。具体的にはテンポを速くしただけのストローク数よりも、-2~-3で泳げるようにすると速く泳げる。このためには水中での力の入れどころを磨く必要がある。

2016年11月16日水曜日

上達がわかる仕組みを作る

スイム 3000yds


外気温が15度を切り、屋外での練習も寒くなってきた。サンラモンの公営プール(50mプールを横に使う)はほぼ1人1コースで快適なのだが、更衣室まで50m以上歩く必要がある。行きはTシャツを着たまま行けばよいが、コースに着いてからもたもたしているとあっという間に冷えてしまう。帰りはもちろん濡れたままなので、限りなくランに近いウォークで更衣室までまっしぐらである。

このようにやる気がなくなる環境でプール練習を続けるには、上達がわかる仕組みを作る必要がある。そこで以下の練習をしばらく続けることにする。

○ウォームアップ:500

サンフランシスコ湾とは比べものにならないほど暖かい(26~27度)が、それでも水の中に入ると息が止まる。文字通りからだを温めるためにウォームアップは500に伸ばした。

500を100ずつに分け、以下のように意識した。(1)動作をなめらかに行う、(2)入水位置を近づける、(3)キャッチで水を手に当てる、(4)プルで肘を使って水を運ぶ、(5)プッシュでからだの回転を使って水を後ろに押しきる

○テンポ練習:100×12

限界テンポテストから派生した練習である。テンポ1.40秒からスタートして、0.05秒ずつ速くする。私の限界テンポである0.90秒まで上げる。ストローク数は1.40秒のときの+2までとする。以下が結果である。

ストローク数
2016/11/16テンポ第1ラップ第2/3ラップ第4ラップ
11.40131414
21.35131414
31.30131414
41.25141414
51.20141415
61.15141415
71.10141415
81.05151516
91.00151516
100.95161617
110.90161617

この練習から、上達したかどうかを2つの方法で測定することができる。

上達の測定方法(1):ストローク数が+1、+2となるテンポが速くなる

第1ラップを見ると、テンポ1.25秒、1.05秒のストローク数が、それぞれ1.40秒のストローク数に比べて+1、+2となっている。これがより速いテンポで達成できるようになれば、テンポの差×ストローク数だけ速くなっている。

上達の測定方法(2):あるテンポのラップ間のストローク数の差が縮まる

第1ラップと第4ラップのストローク数の差が2だったのが1になれば、そのときのテンポの時間分だけ速くなっている。

従って「速いテンポでストローク数が上がらないようになった」「ストローク数の変動が小さくなった」という2つの側面で、上達したことを確認することができる。

今日の練習結果に基づいて、今後「力の入れどころ」にメリハリを加えながら泳ぎを上達させることにする。

○ペース練習:100×10

上記のテンポ練習で限界テンポまで上げたので、速く泳ぐ意識が高まっている。この勢いを活用する方法として、ペース練習を以下のように行った。

目標ペース+3秒4本
目標ペース+2秒3本
目標ペース+1秒2本
目標ペース1本
これもラクに貯金ができるようになったら、全体的に1秒削って強度を上げる。


○バタフライ研究

ラクなバタフライのレベルを上げて、速いバタフライに変換する方法を研究している。以下がバタフライのスピードを変えるときの「道具」になる。
  • 入水する手の位置
  • 入水後の手のうごきを止めない
  • 許容できる上下動
  • 水中の手の経路
  • 第1キックと第2キックを変える

○コアトレと下半身トレの効果

コアトレと下半身トレを開始して1カ月が経過した。泳ぎにおいてはあまりわからないが、片足を上げたままドライヤーでその足を乾かして靴下をはく、といったことがふらつかずにできるようになった。

2016年11月9日水曜日

限界テンポのテスト結果

スイム 2250yds


日本から戻り天候も良かったので、リラックスと時差ボケ解消を兼ねてプールに行く。日本の30度の水温に慣れていたのでかなり冷たく感じた(おそらく27度程度)が、外気温も22度程度しかないので泳ぎ続けると気にならなくなる。


最近のワークショップなどで限界テンポのテストを行ってみたところ、意外と速いテンポで泳げることがわかり好評であった。自分のケースについても今回改めてテストすることにした。


  • テンポ1.40秒:2回泳ぎいずれも16ストローク
  • テンポ1.35~1.15秒:16ストローク
  • テンポ1.10~1.00秒:17ストローク
  • テンポ0.95~0.90秒:18ストローク
  • テンポ0.85秒:いずれも19ストロークでテスト終了
  • 以上より限界テンポは0.90秒と決定


限界テンポのテストは、「1.40秒のストローク数+3」または「前回のストローク数+2」のいずれかを2回繰り返した時点で終了する。10年近くテンポトレーナーを使って練習しているので、テンポを0.05秒変えて2ストローク増えることはなく、徐々に増えて終了した。

0.90秒まではテンポに動きを合わせながら加速を意識することができたが、0.85秒になるとテンポに動きを合わせるだけで精一杯で、ストローク数をコントロールすることができなかった。限界テンポが0.90秒というのは妥当であろう。

以上より限界テンポをピークとするテンポのコントロール幅は1.05秒±0.15秒になる。これまでは1.15秒±0.15秒だったので、新しいテンポ幅に慣れることができるように、ピラミッド練習でベーステンポ(中心のテンポ)を次第にスライドさせることにする。


2016年11月6日日曜日

空回りしない限界テンポを磨く

速く泳ぎたいときには、全ての人が普通よりも速いテンポで泳ごうとする。ところがテンポを速くすると、1ストロークで進む距離が短くなるのでストローク数が増える。速いテンポで極端にストローク数が増え、スピードが上がらない状態を「空回り」と呼んでいる。

効率良く速く泳ぐためには、この空回りをしないテンポである限界テンポを知ること、そして限界テンポを練習により引き上げることが大切である。


○空回りの実例

例えばテンポ1.20秒で泳いだときのストローク数が16の場合、壁を蹴ってひとかきする時間を2カウントとすると25mのタイムは21.6秒である。速く泳ごうと思ってテンポ1.00秒で泳ぐと、ストローク数によって結果は以下のように変わる。

  • テンポ1.00秒、ストローク数16でタイムは18秒:3.6秒(17%)短縮
  • テンポ1.00秒、ストローク数18でタイムは20秒:1.6秒(7.4%)短縮
  • テンポ1.00秒、ストローク数19でタイムは21秒:0.6秒(2.7%)短縮
  • テンポ1.00秒、ストローク数20でタイムは22秒:0.4秒(1.9%)遅くなる
実際に1.20秒から1.00秒に変えて泳いでみるとわかるが、テンポを速くするのはとても大変である。テンポを17%も速くしたにもかかわらず、結果であるタイムで17%短縮できるのはストローク数が同じ場合だけである。しかも4ストローク増えると、1.20秒のときより遅くなってしまうのである。

マスターズなどの水泳大会では、通常申告タイムで泳ぐ順番が決まる。最後のレースとその前のレースを比べると興味深い。1つ前のレースまでは、誰もが速いテンポでしぶきを上げて泳いでいる。ところが最後のレース(最も速い8人)は、全体的に静かでゆっくりとした印象を受ける。おそらく選手は自分が最も効率良く速く泳げるテンポを知っていて、そのテンポの中でストローク数を最大にしようとしているのであろう。

速く泳ぎたいのであれば、まず空回りしない限界テンポを知ることが必要である。そのテンポにおいて最も少ないストローク数で泳げる状態が、現時点で最も速く泳げる泳ぎ方になる。


○限界テンポの見つけ方

ゆっくりしたテンポから次第に速いテンポに変えて泳ぎ、ストローク数を数える。ストローク数の変わり方を観察して、限界テンポを見つける。
  1. テンポを1.40秒にして泳ぐ。ストローク数を数える。通常のプール(特にウォーキングレーンのあるプール)では行きと帰りでストローク数が異なるので、2回泳いで多い方を基準値とする。
  2. 以下の条件を満たす範囲で、テンポを0.05秒ずつ速くして2回泳ぐ。
    1の基準値+2ストローク
    前回泳いだストローク数+1ストローク
  3. ストローク数が2の条件のいずれも満たさなくなったときに、同じテンポでもう1回泳いで再検査する。
  4. 再検査において、条件を満たせばテンポを0.05秒速くして続ける。条件を満たさない場合はその時点で終了する。
  5. 終了したときのテンポ(条件を満たさないテンポ)から0.05秒を引いた数が、限界テンポである。
例えば18ストロークでスタートした場合、21ストロークになるか、18→20のように2増えた段階で再検査となり、同じ状態であればそのときのテンポ-0.05秒が限界テンポである。

○限界テンポの活用法

限界テンポは空回りしないぎりぎりのテンポなので、このテンポ-0.15秒をベーステンポとする。テンポピラミッドではベーステンポ±0.15秒の範囲でテンポを変えて泳ぐ。

練習による上達の方向は2つある。
  1. 限界テンポにおけるストローク数を1減らす。これにより限界テンポ分だけ速くなる。
  2. 限界テンポを0.05秒引き上げる。これにより0.05×ストローク数だけ速くなる。
1については加速を上げることで達成できる。ベーステンポ+0.5秒程度の非常にゆっくりしたテンポで泳ぐことで、安定性と加速の両方を磨くことができる。

2については速いテンポで加速を維持することで達成できる。回転角度を小さくしながら水中の手の移動距離を短くして速いテンポに合わせながら、手に当たる水の感覚を維持する。


スピードを上げたときの自分の泳ぎ方をデザインすることは、効率良く練習するために必要である。限界テンポを知り、それを磨くことで練習の質が向上する。


2016年9月16日金曜日

短時間で効率の良い練習のまとめ

スイム 4200ヤード


今年の本格的なスイム練習シーズンが終わりに近づいている。今年の最大の収穫は、心拍数に基づいて練習を高度化できたことである。以下にその変遷をまとめた。

○心拍数導入初期(5月17日)

  • 距離:4000ヤード
  • 練習時間:1時間29分(実質1時間8分)
  • 平均移動ペース:1分42秒
  • 平均心拍数:131bpm(毎分)、最大心拍数:151bpm
  • 練習内容:10×100のテンポピラミッド、10×100のストロークピラミッド、2×500のロング、5×100のスプリント
心拍数の推移を見ると、途中で上がらずに下がっている。また休憩時間が長いため心拍数の落ち込みが大きい。ロングではスピードを上げずに心拍数が上がっている。これは心拍数を上げるための運動としては理想的であるが、スピードを上げる練習では無駄なエネルギーの消費を意味する。スプリントをしているにもかかわらずペースは1分30秒前後で「やや速い」状態にとどまっている。

ゾーン分布(Z1:カルボーネン法による予備心拍数の60%未満、Z2:70%未満、Z3:80%未満、Z4:90%未満、Z5:90%以上)を見ると、ゾーン3と2で50%を占めており、完璧な有酸素運動になっていることがわかる。健康のための練習であればこれが理想的だが、スピードアップの練習としては物足りないことがわかる。


○心拍数導入中期(6月17日)

  • 距離:4200ヤード
  • 練習時間:1時間7分(実質1時間4分)
  • 平均移動ペース:1分32秒
  • 平均心拍数:152bpm(毎分)、最大心拍数:164bpm
  • 練習内容:4×1000のペーススイム(ペース25秒)
心拍数の推移を見ると、最初の9分で心拍数の上昇がゆるやかになり、その後は確実に上昇している。20秒の休憩で心拍数は10%程度下がる。ただし休憩時間が倍になっても20%下がることはなく、継続的な運動を行う上でのボトムライン(私の場合135~140)があるようだ。



ペース25秒はウォームアップよりも少し速い程度である。この段階では速いペースを維持することができなかったので、1000ヤード続けて泳いで確実にキープできるペースで泳いでみた。それでもゾーン分布の結果では6割がZ4(運動強度80~90%)、Z5と合わせて7割となった。練習後の感じでは「速く泳ぐ練習をした」満足感が高い。これ以降Z4が最低5割、Z4とZ5の合計が7割をスピードアップ練習の評価基準とした。




○心拍数導入後期(9月16日)

  • 距離:4200ヤード
  • 練習時間:1時間12分(実質1時間1分)
  • 平均移動ペース:1分28秒
  • 平均心拍数:151bpm(毎分)、最大心拍数:166bpm
  • 練習内容:10×100のテンポピラミッド、10×300のペーススイム(ペース22秒)
テンポピラミッドでフォームと力の入れどころを確認する。テンポピラミッドの休憩時間は15~20秒として心拍数の低下を最小限に抑えた。ペースは香港のリレーを意識して4~5回10分~20分を速く泳ぐペースとして22秒に設定した。21秒は現在のタイムトライアルペースである。

ペース練習の休憩時間は30~40秒として、この速いペースを300ヤード維持する回数を練習毎に増やした。今日が最多の10回である。この次のステップで連続で泳ぐ距離を400ヤードに増やし、ペース練習の回数を5に減らして練習毎に回数を増やしていく。


ゾーン分布はきれいな逆ピラミッド形になった。Z5で3割以上を占めた経験は水泳ではないが、泳いでいるときはこれまでに比べて格段にきついという印象はなかった。ウェイトトレーニングを行うことで、力の入れどころがわかったことが貢献している。Z5が最も長く、Z5とZ4で50%を越えているので、スピードアップ練習としては理想的な練習であったと評価できる。



○まとめ

これまでの心拍数を使った練習から、以下のような考察が得られた。
  1. 心拍数で練習の「質」を評価することができる。この3回の練習を比べても、泳ぐ時間は減ったにもかかわらず運動強度は非常に上がっていることがわかる。
  2. 運動強度を上げる練習を行えば、スピードの底上げが期待できる。
  3. どのような練習で運動強度(心拍数)が上がるかを理解しておく。漫然と泳ぐ<テンポ一定<ストローク数一定<ペースで、ペース練習が最も強度が高い。
  4. 心拍数を上げるだけならスプリント練習の方が上がるが、本数をこなすことができない。また休憩時間が増えると心拍数は急激に下がる。練習の主眼はあくまでゾーン分布で高いゾーンの時間を増やすことである。
  5. 運動停止直後に心拍数が上がる特性を利用したのが水泳のインターバルトレーニングである(と理解している)が、実際には心拍数は上がらず、15秒で10%程度下がる。従ってインターバルトレーニングの前提が成り立たないことがわかった。なお陸上ではランの直後に心拍数が上がることが確認できた。
  6. 自分を追い込みたいのであれば、リラックスして泳げるペースより1~2秒マイナスしたペースで泳ぎ、休憩時間を30秒以内にする。1回に200以上泳げばゾーン4にすぐ到達できる。ただし最低でもセット合計で1000を泳ぐ。
今後は1回に泳ぐ距離を500程度まで伸ばして現在のペースを維持して泳げるようにする。11月に入ったらいよいよペースを1秒上げて、本格的なスピードアップの練習に移行したい。このときにはスイムの回数を減らし、ウェイトとラン、バイクの複合練習に切り替える。



2016年9月8日木曜日

水中ウェイトトレーニング

スイム 4200ヤード

ウォームアップ 200
テンポピラミッド 10×100@1.15-1.30-1.00秒/0.05秒刻み
ペーススイム 10×250@22秒
ペーススイム 4×100@21秒
クールダウン 100

健康投資プロジェクトを開始するにあたり、米国疾病予防管理センター(CDC)が公表している運動ガイドラインに従い運動を始めた。


  • 1週間に150分の中強度の運動、または75分の高強度の運動
  • 1週間に2回以上のウェイトトレーニング(足、腰、背中、腹筋、肩および腕)
中強度は運動強度65%( CDCでは50-70%と指定)で、カルボーネン法によると私の場合目標心拍数は134となる。高強度は運動強度80%(CDCでは70-85%と指定)で、目標心拍数は147となる。

ウェイトトレーニングは16種類の器具を使う。いずれも10回ぎりぎりできる重さに設定し、10回を2セット行う。プロティンを補給した後で30分のランを続ける。心拍数が急激に上がり続けられなくならないように、最初の5分はゆっくりペース+傾斜5%、心拍数が135程度で落ち着いた段階でペースを上げ、さらに傾斜を10%にしてペースを少し落として145あたりを維持してトータル30分走る(ドラマを見ながらなので苦にならない)。

ウェイトトレーニングのメリットは、使う筋肉を決めて力を出す方法がわかることである。器具を動かすためには、普段出すことのない大きな力を瞬間的に出す必要がある。これを10回続けると、鍛えたい筋肉に加えて、周辺のどの筋肉を使うと持続できるかもわかってくる。

○ウェイトトレーニングの考え方を水泳に取り入れる

長時間負荷を上げるのに最適なのはペース練習である。ペースを維持するための「力の使い方」についていろいろ試してみたが、今ひとつ「これだ」というものがなかった。そこでウェイトトレーニングで学んだ筋肉の使い方を、水泳に適用してみた。

  • 筋肉を使う部位とタイミングをできるだけ小さく、短くする。
  • 力を出すときにはウェイトトレーニングのマシンを使っているときをイメージして、一気に大きな力を出す。
具体的には、以下のようにこれまで意識しなかった部分を使って、より大きな力を出す。
  • キャッチ:肘から先だけを動かすが、より大きな力を出すためにはわきの下から背中にかけての筋肉を使う。
  • プル:上腕の外側と肩の外側の筋肉を使うが、胸の筋肉を使うとさらに大きな力を出すことができる。
  • プッシュ:上腕の内側と前腕の筋肉を使うが、胸の筋肉と腹筋を使うとさらに大きな力が出せる。
10月の香港のリレーに備えて、リラックスペースより1秒速いペースで10セット泳いでいる(毎週距離を50ヤードずつ増やし、最後は10×400にする)が、これまで出したことのない力を瞬間的に出すことで、これまでよりかなりラクにペースをキープすることができるようになった。

さらにペースを1秒速くして4×100を行い、さらにウェイトトレーニング的な力を出すことにした。これまではほぼ全力で泳いでペースをかろうじて維持する状態であったが、今回はかなり貯金ができて、結局2秒速いペースとほぼ同じタイムで4本泳ぐことができた。ただし4本目の最後はウェイトトレーニングと同じ状態で、筋肉が疲れて動きにくくなることを感じた。


心拍数についてみると、通常は最も高くなる最後の4×100のペーススイムで、250のペーススイムよりも心拍数が下がった。これは今までになかった現象である。泳いでいてもあわてている感じはなく、ひたすらウェイトトレーニングを行っている意識であった。

なお全てのセットにおいて以下のようにフォーカル・ポイントを4種類用意し、25または50で変えて行った。
  1. 入水時加速と斜め入水
  2. ハイエルボーキャッチ
  3. 肘の角度を鋭角にしたプル
  4. ももに水の流れを感じるフィニッシュ

○水泳の力の入れどころ

ラクな泳ぎから速い泳ぎに変えるためには、まず動きを素早く行い加速を上げる。素早い動作による加速に限界が見えた段階で、力を加える。

このとき、ウェイトトレーニングと同じで、力を入れるタイミング、力をゆるめるタイミングがある。力を入れるタイミングは、キャッチ、プル、プッシュの3つであるが、全てに力を入れると入れっぱなしになってより大きな力を加えることができないだけでなく、持続することもできない。

そこでキャッチ、プル、プッシュのどのタイミングで力を入れるかをまず決め、そのタイミングで「かなり大きな力」を瞬間的に加えることで、ラクにスピードを維持することができる。

このときの力の入れ具合は、「ウェイトトレーニングで10回できる程度の重さを動かすときの力」が目安になる。水はそんなに重くないが、重いと考えて動かす初速の高さが重要である。





2016年9月4日日曜日

オリンピック男子1500m自由形決勝を分析する

ブラジルのリオデジャネイロで開催されたオリンピックが無事終了した。競泳では現役復帰したフェルプス選手が相変わらずの強さを見せる一方で、10代や20代前半の若手選手も数多く表彰台に立ち、世代交代を印象づけた。

○2016年の自由形のトレンド

2004年、2008年、2012年そして今年のオリンピック自由形を見直してみて、大きな特徴は次の2点である。

1)斜め入水の一般化

かつてのストレートアームは影を潜め、100m以上の距離ではほぼ全てのファイナリストが肘を曲げ、手を斜めにして入水している。このため距離にかかわらず水しぶきの少ない、ゆっくりしたきれいな動きに見える。

しかし実際には入水前に加速を上げている。これは日本選手権出場レベルの選手を直接観察したときにも感じていたのだが、水中の手のプルからプッシュにかけてを力強く行うために、同じタイミングで行われる入水動作をてこにしているであろう。

2)スイッチタイミングの左右の違い

正確には息継ぎをする側としない側で、スイッチタイミングがかなり異なる。息継ぎをするときにはできるだけ直線姿勢を保つために、スイッチのタイミングはフロントクワドラント(入水するときに水中の手は肩より前)である。

一方息継ぎをしないときにはリアクワドラントとなり、入水するときに反対の手はプッシュフェーズに入っている。この結果左右のリズムが異なる。これを「ローピングテクニック」と呼び、ローピングするスイマーとして代表的なのはフェルプス選手だが、現在では決勝に残るほぼ全ての選手がこの技術を取り入れている。


2008年頃までは泳ぎ方が個性的な選手が数多く存在したが、現在では泳ぎ方に大きな違いは見られない。平泳ぎもそうであるが、速く泳ぐための方法が収束に向かっている印象を受ける。バタフライ、背泳ぎはまだ個性が見受けられる点、今後の流れが楽しみである。


○1500m自由形決勝を分析する

今年の男子1500m自由形は、2012年の勝者で世界記録保持者の孫選手が予選で脱落する波乱があった。決勝では最近4年間の成長が著しいパルトリニエリ選手(伊)が優勝、ベテランのイェーガー選手(米)が2位、新星デッティ選手(伊)が3位となり、イタリアが金と銅を獲得する一方、かつての長距離王国オーストラリアは、ホートン選手が5位であった。

以下は上位3選手の結果である。最初のラップに対して平均のラップがどの程度落ちたかを示す劣化率を比べる(表の下から二段目)と、優勝したパルトリニエリ選手が6.2%で最も小さい。決勝で出場した全選手の中でも最小である。


最初のラップはスタートを含み速いため、次のラップと平均ラップを比較した結果が表の最下段である。いずれも非常に小さい数字であり、第2ラップのタイムを基本ペースとして泳いでいることがわかる。

1位と2位の違いについてみると、最初のラップでは0.07秒とほぼ同じであるが、第2ラップで0.36秒の差がついた。上記のように第2ラップは基本ペースとして考えられるので、このペースの差の積み重ねがタイムの差につながっている。表には掲載していないが、最後の200mではイェーガー選手はパルトリニエリ選手より1秒速く泳いでいるが、それまでの差が埋めることができなかった。

3選手のラップタイムの推移を示したものが下のグラフである。パルトリニエリ選手は前半ペースを守り後半乱れたが、一方のイェーガー選手は前半遅めで後半ペースを上げている。ペースの差は0.6秒程度であり1ストローク程度しか変わらないが、トップレベルでは戦略の立て方により勝負が決まることがわかる。



○孫選手の結果を分析する

孫選手は1500m自由形で予選落ちする一方、200mでは金、400mでは銀を獲得した。1500mについて、世界記録を樹立した2つのレース(2011年世界選手権と2012年ロンドンオリンピック)と今回の結果を比較する。


第1ラップの劣化率を見ると、これまでに比べて9.6%と非常に悪い。また第2ラップの劣化率も3.5%であり、これまでのマイナスや1%台に比べて見劣りする。また孫選手はラスト100mの爆発的な加速が印象に残っているが、今回は28.88秒と第1ラップよりも遅く、これもタイムが遅くなった原因と考えられる。

ラップごとの推移を見ると、過去2大会では一定しているが、今回は第4ラップから落ち始め、750mを境としてさらに1秒近く遅くなっている。この結果過去2大会に比べて1.2秒以上ペースが遅くなり、結果として30秒遅くなった。


200m、400mでは素晴らしい泳ぎをしているので、加速を生み出す力はこれまでと変わらないのであろう。ただしこれまで見たように1500mではペースを維持することが戦略上非常に重要であるので、伸び盛りのイタリア勢や底力のあるアメリカ勢に対抗して復活できるかどうかは、中距離と長距離のどちらに焦点を当てるべきかという決断にかかっている。


○我々一般スイマーが学べること

  • 長距離はペースが全てである。そしてペースは第2ラップで決まる。そのうえで第2ラップのタイムを設定する。
  • 第1ラップに対する劣化率は一桁台、第2ラップに対する劣化率は3%未満を目標にする。
  • 順番としては、まず効率の良い泳ぎを身につける。次に劣化率を下げるためにディセンディングの技術を身につける。次にペースを上げる(劣化率が上がってもよい)。そしてそのペースでの劣化率を下げる。

2016年8月5日金曜日

効率的で効果の出るスピードアップ練習

心拍計を用いて練習するようになり、練習内容と心拍数を比較することで様々な発見があった。今回は新しい知見を含めて、スピードアップを目指すためのステップと練習方法について整理する。

デザインのステップ1:現在位置を知ってから目標を定める。

このステップの目的は、達成可能な目標を決めることにある。シーズン(3~6カ月)のスパンで考えると、5%程度のスピードアップは実現可能性が高いが、10%は無理であろう。練習時間や練習環境(プールの混み具合、計時可能かなど)を考慮しながら、現在のタイムより3~5%速いタイムを目標として定める。

デザインのステップ2:目標のペースの泳ぎをデザインする。

このステップの目的は、目標を達成するためのペース(100mあたり、またはプールの長さあたりのタイム)を設定し、そのペースを実現するためのストローク数とテンポを決めることにある。

ペースの算出においては目標のタイムを単純にラップ数で割るのではなく、5%~15%の劣化率を見込む必要がある。例えば1500mを25mプールにおいて30分で泳ぎたい場合、25mあたりの目標ペースは30秒ではなく、劣化率10%とすると30÷1.1=27.2秒になる。初心者の劣化率は10%台後半であり、泳ぎが効率良くなるにつれて5%程度まで改善される。

目標のペースが決まったら、そのペースを実現するためのストローク数とテンポの組合せを決める。ターンとプッシュオフに要するカウントを5として、(ストローク数+5)×テンポ=目標のペースになるように組み合わせる。

このためにはまず現在の自分の泳ぎが何ストロークでテンポはどのくらいなのかを知る必要がある。ここでも現在位置が必要になる。概ねテンポは0.2秒速くすることは可能であり、ストローク数は1減らすことができる。それ以上テンポを速くしたり(空回りせずに)、ストローク数を継続的に減らすためには長期間の練習が必要である。

練習のステップ1:問題となる箇所を見つけてカイゼンする。

このステップの目的は、「目標のペースで泳ぎ続けることが可能な泳ぎ」を作ることである。目標のペースは現在泳げるペースよりも速いので、「テンポを速くする」か「ストローク数を減らす」のいずれかまたは両方を実現しなくてはならない。

従って今の泳ぎ方において、テンポを速くしたり、ストローク数を減らしたりして泳ぎ続けるための問題点を見つける必要がある。テンポを速くする場合、「空回りする(ストローク数が増える)」、「テンポにおいつかない」、「疲れる」などの問題が発生する。またストローク数を減らす場合、「ストローク数が減らない」「疲れる」などの問題が発生する。これらの問題を解決するために、手の水中の動き、スイッチのタイミング、体幹の回転のキレなどを確認して設定してストローク数とテンポでより長い距離を泳げるようにする。

練習としては道具箱やフォーカルポイントを使って泳ぎを観察し、基準値に達していないセンサーや感覚を上げることが中心となる。ドリル練習もここで行う。

練習のステップ2:ストローク数とテンポのコントロール力を増やす。

このステップの目的は、泳ぎを途中で変える技術を身につけることである。同じ意識で泳いでいると時間の経過と共に必ず遅くなるので、より速く泳ぐディセンディングを意識して、その意識を形に表すために泳ぎを変える必要がある。具体的にはストローク数とテンポを変えて泳げるようにする。

  • ストローク数を減らす/テンポを遅くする→加速を上げる
  • ストローク数を増やす/テンポを速くする→空回りを抑えてなめらかさを増やす
練習としてはストロークピラミッドやテンポピラミッドが中心となる。また持続力を高めるためにディスタンスやレストを変化させる練習も行う。

練習のステップ3:ペースを維持する。

練習の仕上げとして、ペースをコントロールする練習を取り入れる。目標のペースで目標の距離を泳ぐことができれば目標は達成できる。ここでは、

  • リラックスして泳ぐペース
  • 目標のペース
の2つを基準として、リラックスペースで泳ぐ距離を増やしながらペースを速くして、最終的には目標のペースでできるだけ長い距離を泳げるようにする。


以上のように、まず目標達成のための自分の泳ぎをデザインして、次に問題を解決し、さらにコントロール力を高めたうえで目標ペースをより長い距離維持できるようにすれば効率良く目標を達成することができる。

2016年7月2日土曜日

サンフランシスコでマラソンスイムを2回泳ぐ

スイム 10km

サンフランシスコ湾で開催されたマラソンスイムイベント、Bridge to Bridge Swimに参加した。2週間前に引き続いて参加したことで、いろいろ学習することができた。


Bridge to Bridge Swimイベントの概要

サンフランシスコのダウンタウンの北側に位置するGolden Gate Bridgeから、東側にあるBay Bridgeまでの6マイル(9.6km)を泳ぐ。船から飛び込んで水中からスタート、ゴールは船に係留されたブイにタッチする。

このマラソンスイムの特色は、ものすごく速い潮の流れである。平均速度は100m1分を切り、100mの世界記録46秒を上回る速度で泳ぐこともある。

水温は16度で、平年並み。ウェットスーツ着用者は50名のうち8割以上。私を含めて水着で泳ぐ人は意外と少なかった。

2回のイベントの比較1:コンディション

前回は晴れて穏やかな海の中をボートが進んでGolden Gate Bridgeに向かっていったが、今回は波が荒く、水しぶきで船上の人もびしょ濡れであった。うねりの高さは50cmはあった。天気も曇りで寒く(気温14度)、思いっきりやる気がなくなる。

この波は風が起こしたものだが、その風が追い風だったことがキャプテンからの説明でわかる。前回は後半追い潮だったものの向かい風でうねりが発生して、かなり混乱した。今回は泳いでいて「波に乗っている」感覚が得られるほど、後ろから前に動いていることがわかった。

スムーズな追い風のうねりだったが、これを横切る段階になってかなり苦労した。3分の1を過ぎて岸に近づいた頃には少し収まったが、残り3分の1でまたうねりが大きくなった。

自分のからだが縦に45度は傾くぐらいのうねりであったが、前回に比べてかなり冷静に対処できた。うねりの中で泳ぐには、以下のようなポイントが有効である。

  • うねりがどの方向から来ているか確認する。
  • うねりが後ろから来ている場合は、うねりのピークでサイティングできるようにタイミングを合わせる。それ以外のときは前を見ても何も見えないので首をゆるめて下を向く。
  • リカバリーの途中と手を入水するときで水面に対するからだの傾きが異なる。入水した手で水をひっかけることができるように、入水するときの水面の角度に合わせて手の入水角度を調整する。
  • うねりが真後ろから来ない限りは、うねりを越えると方向がぶれる。足を強めに打ち、伸ばした手に体重をかけてエッジをかけることで姿勢を安定させる。
前回はからだが立ったときに手を入水して、わけのわからないところに手が伸びてしまい水を抱えることができなかった。今回はどのような姿勢においても自分の座標に基づいて手を動かしていたので、前回よりも水を抱えて前に進む感覚が得られた。

2回のイベントの比較2:コース取り


前回と今回のコースを比較する(黄色が前回、赤が今回)。前回は沖に出すぎたので、今回はできるだけ岸に近い位置を泳ごうとした。

結果としては思い通りになっていない。この理由として、

  • 海洋公園に近づくにつれて内側に入ろうとしたが、外側に押される流れに乗ってしまった。
  • 右手に軍艦が見えたら岸ぎりぎりを泳ぐ計画だった。実際そのようにしたつもりだったが、やはり沖に流されていた。3点測量ができなかったので自分が外側に動いていることがわからなかった。
  • 最後の直線もかなり外側にふくらんだ。このときもゴールより100m以上手前のビルを目指して泳いでいたが、ここでも外側に押されてしまった。
今後コース取りを改善するには、一度かなり内側に入って泳ぎ、後ろの景色と前の景色を比較する必要がある。大きな目標を目指して泳いでいても、横に流されているとわからない。実際には泳いでコイトタワーが全く動かなかったで疑問に思っていたが、これは横にながされていたと推測される。真横の景色の動きで流されているかどうかチェックすることも大切である。

結果:13分速く泳ぐ(12.5%のスピードアップ)

潮の流れや風の向きもあるが、前回より110m長く泳いで13分速くなったので、実際に速く泳ぐことができたのであろう。

潮の流れや風向きが貢献したのは間違いないが、集中して泳ぎ続けることができたことが非常に大きい。息継ぎをしながらまわりの景色を冷静に観察することができただけでなく、前回よりも高いうねりの中を泳いでいてもパニックになることがなかった。最後の直線コースになったときは、「もう終わり?」と思ったぐらいである(実際にはそこから長かったが)。


何が起きるかわからず、同じように泳ごうとしてもそうならないのがオープンウォータースイムの醍醐味である。今回は心拍数を測ることもできたので、今後長距離泳における心拍数と泳ぎ方の変化についても観察して戦略に加える。





2016年6月20日月曜日

サンフランシスコでマラソンスイムを泳ぐ

スイム 約10km


サンフランシスコ湾で開催されたマラソンスイムイベントに参加した。2週間後に同じ距離をレース形式で泳ぐため、今回はテストスイムをメインの目的とした。

○イベント詳細

  • サンフランシスコ湾のゴールデンゲートブリッジを起点、ベイブリッジを終点とする。距離は6マイル(9.6km)
  • 強烈な潮の流れで、通常の倍のスピードで泳ぐことができる。
  • 水温は16.7度で、比較的暖かい。
  • 参加者は9名であった。2週間後のレースは50名が参加。
  • ウェットスーツは任意。私は着用しなかった。

○準備


水温16度で100分は泳ぎ続けなければならないので、体力、ペース維持力と温度抵抗力などが必要である。
  • 体力:1回の練習で泳ぐ距離を3000ヤードからスタートして、毎月1000ヤードずつ追加した。現在では5000ヤードを週4回プールで泳いでいる。1回の練習で実質泳ぐ時間は1時間10分(練習時間は1時間30~40分)。
  • ペース維持力:ペースによるインターバル練習を取り入れ、リラックスペースで4×1000まで泳げるようにした。完泳を目的としたフェーズではリラックスペースによる距離増が主目的になる。
  • 温度抵抗力:サンフランシスコ湾でのスイム練習を4月下旬から開始。最初は40分、海洋公園内1周+αからスタートして、周回数および滞在時間を増やし4周、1時間45分まで延長した。イベント前日も軽く1周+αで低温に慣れるようにした。

○最初の3分の1(フォートメイソンまで)

  • 船でゴールデンゲートブリッジの下まで行く。コース説明の後スタートだったが、貨物船通過のため20分近く待機することになる。通過と同時に海に飛び込んでスタート。
  • 9人だったのでバトルもなく、アルカトラズ島を目指して泳ぐ。天気は晴れ、うねりも小さく絶好のコンディションでスムーズに泳ぐ。からだが冷えるのを防ぐため一番最後に飛び込んだので、最後尾からスタート。
  • あるスイマーに追いついたが、キックの様子からTIコーチのスチュアート(本職はCGでアカデミー賞受賞履歴あり)とわかった。昨年は同時にゴールしたので、経験もありスピードも同じことからドラフティングすることに決めて少しペースを落としてついて行った。
  • スチュアートがときどき左右に動き、そのたびに私の手が彼の足やからだに当たってしまう。申し訳ないと思うと同時に、「なんでそんなにふらふらしているの?」と思ったが、こういうときは半分は自分がふらふらしているので考え直してエッジをかけたり、サイティングの頻度を上げたりした。

○次の3分の1(ピア39まで)

  • 船が通り過ぎたのか何なのかはわからないが、急に大きなうねりが発生した。リカバリーの手を大きくして入水場所を遠ざけてうねりに対応する。
  • またうねりを過ぎたときにからだが回っている可能性があるが、うねりの谷ではサイティングできない。そこで次のうねりの山で確実にサイティングして方向を確認した。
  • うねりの途中ではからだが斜めに立っているので水中動作ができない(手を動かすとからだが不安定になる)ことがわかった。このため手を入水してから伸ばすキャッチアップを使ってみたところ安定して手を動かすことができた。テンポが遅くなるので有効性については今後検証する。
  • 昨年はアクアティックパークの防波堤沿いに泳いでピア39まで進んだので、距離感がよくわかった。今年は100mは沖を泳いでいたので、場所の感覚がまったくつかめなかった。
  • 40分を過ぎた頃から震えだしたので、テンポを上げた。キックを強くすると足がつる可能性があったので、膝の曲げ伸ばしだけを意識して素早く行う。

○最後の3分の1

  • うねりが次第に大きくなり、立っているのか横になっているのかもわからない状態になってきた。おそらくロットネストではこのような状態で我を失ったのだろうと思い出しながら、エッジをかなり効かせて泳ぐようにした。
  • 入水直前に水中の手でキャッチして支えを作り、加速して入水する。水中で支えを作らないとてこが使えず入水前加速になる。かならずてこが使えることを確認する必要がある。
  • また入水後には伸ばした手に体重をかけて斜め姿勢に重みを加える。左右に振られても姿勢を維持してグライドするために重要な技術である。
  • しかし低温で奥歯がカチカチ言い出して、震えが止まらなくなると意識も集中できなくなる。船の位置を考えると本来はピア沿いのコースを取るべきであったが、そんなことも考えられなくなっていた。
  • 最後の300mは目標もわかり、ペースを上げてゴールした。タイムは1時間44分で昨年より4分遅かった。

○分析と今後の戦略

  • 心拍モニターを装着していたが、残念ながらデータを取得することができなかった。どこまで心拍数が上げられるのかは、次回チャレンジしたい。
  • 後半3分の1はもがきながら進んでいたが、スピード的には100m48秒でオリンピック選手並の速さで移動していた。意識と実態がこれだけ離れているは初めてである。
  • 大きな目標物を切り替えながら泳ぐ必要がある。最初はアルカトラズ島、博物館を越えたらコイトタワー、ツインタワーが見えたらアクアティックパークの防波堤、戦艦が見えたらピア39など、横に見えるものを確認しながら前の目標を切り替える。
  • 今回はライフガードが1人ずつ付いたが、私の担当の方がボードにカメラを装着して私の泳ぎをずっと撮影してくれた。この泳ぎを分析して、次回のレースに活かす。




2016年6月2日木曜日

インターバル練習の活用

スイム 5050yds

心拍モニターを導入してから様々な仮説を検証することができて、クロールの完成形練習の幅が大きく拡がっている。なかでも長い距離を速く泳ぐための練習方法については、かなり詳細に組み立てられるようになった。

効率の良い泳ぎをフォームで作ることは当然であるが、それに加えて高い運動強度(心拍数)をペースを損なわずに長時間維持することも、長い距離を速く泳ぐためには必要である。これまでわかったことは、


  • 続けて泳いだ場合、心拍数が上がるのに時間がかかる。速く泳ぐための練習帯である「最大心拍数の80%」に達するには500ヤード泳ぐ必要がある(初回セット。2回目からは半分)。
  • 陸上とは異なり、水泳の場合泳ぎを止めた瞬間から心拍数が下がり始める。下がる割合は30秒で10%、45秒で15%である。
これらの情報に基づいて、きつくない運動で心拍数を恒常的に上げる練習を考えるため、ペースの計測からゼロベースで見直した。

○2つのペースの計測

現時点の泳力や心肺機能を使いながら、劣化を最小限にするペースを「基本ペース」と呼ぶことにする。また目標の距離をラクに完泳することのできるペースを「リラックスペース」と呼ぶことにする。これに目標の距離を目標のタイムで泳ぐ「目標ペース」を加えた3種類のペースが、ペース練習において必要となる。

・基本ペースの計測

基本ペースを決めるにあたって、以下を検討した。
  • 目標の距離の50%以上を合計で泳ぐ。
  • できるだけ速い状態を作るために、何回かに分ける。
  • 心拍数が高い状態を維持するために、200yds以上泳ぐ必要がある。
  • 心拍数の低下を防ぎながら速いペースを維持するために、30秒の休憩は必要である。
  • 複数回を連続して泳いだときの変動幅は劣化率程度であるべき。
これらより泳ぐ距離は300ヤード×3として、休憩30秒、変動幅は15秒とした。劣化を考えたなかでは最も速いスピードの維持を意識しながら泳いだ。

測定の結果3本の変動幅は9秒(4%)、平均のラップペースは21.3秒となった。

・リラックスペースの計測

リラックスペースは、目標の距離をラクに泳ぐなかでは最も速いスピードである。テンポを速めに保ちながら水中動作をゆるめるか、テンポを遅くして加速は維持することでこのペースを実現する。

泳ぐ距離は200ヤード×2として、休憩30秒とした。ラクに泳ぐということで劣化はしないと考え、劣化率は考慮しなかった。

測定の結果平均のラップペースは22.5秒、切り上げて23秒とした。

計測結果より、ラップあたりのペースの違いは以下の通りとなる。

  1. 目標ペース:20秒
  2. 基本ペース:21秒
  3. リラックスペース:23秒

○インターバル練習へのペースの導入

水泳のインターバル練習は、泳ぐ時間+休憩時間を定めて複数回泳ぐ。1回あたりの強度を上げることで、全体の距離を続けて泳ぐときよりも強度を上がるとされる。

今回はまずリラックスペースでインターバル練習を行った。リラックスペースを少し上回るペースを考えて泳ぐ時間は3分、休憩時間は30秒として3分30秒のインターバルで10本泳いだ。以下のグラフの後半の山10個分が相当する。



各セットの平均心拍数は148で、運動強度は86%であった。これは1000ヤードを続けて泳いだときのテンポ1.15秒の心拍数より高く、17ストローク維持の心拍数より低い程度である。トータルで泳ぐ距離は倍でありながら、泳いでいるときのきつさは一番ラクであったことを考えると、リラックスペースで繰り返し泳ぐ効果は高い。

興味深いのがこの後に続けた5×100(基本ペース+30秒インターバル)である。ペースが2秒速くなったにもかかわらず、平均心拍数は148と同じであった。最高心拍数も153~157で200のインターバルとほとんど変わらない。

これまで21秒ペースで泳ぐときの平均心拍数は155を超え、最高心拍数は168まで達していた。これまでに比べると、きつくないのにスピードは速い印象であった。効率の良いスピードアップを実現することができた。

以下が考察である。

  • インターバル練習では劣化しないペースで泳ぐ。劣化しては心拍数も変わるため意味がない。
  • 心拍数が10%ダウンする程度の休憩時間(ラップペース程度)にする。
  • 1回に泳ぐ距離は心拍数が十分あがる200を最低単位とする。
  • 合計距離は目標距離を上回るようにする。
  • インターバル練習のあとに基本ペースの練習でラクにスピードアップできることを確認する。
基本ペースとリラックスペースを、今後の練習メニューの組み立てに導入する。


練習後の気分:10(得たい結果が得られた)

2016年5月25日水曜日

強度の高い運動を長距離続けるためには

OWS 3.7km(1時間13分) 水温17℃


サンフランシスコ湾の海洋公園内を3周する。前週は水温13℃で低温症になりかかったが、今回はとても暖かく感じた。

今回初めてOWSで心拍計を装着した。平均心拍数は152で運動強度のゾーンは4.1(最大5)と非常に高めであった。

心拍数の時間推移を見ると、最初にパニックモードに入るので心拍数の上がり方はプールスイムよりもランニングに似ている。161まで上がったところでフラッグの温度計確認のため10秒程度休憩して急激に下がり、あとは上がったり下がったりを繰り返している。ランニングにしてもプールスイムにしても一旦上がった心拍数は下がらない。OWSでは自然にペースが落ちて心拍数も下がるようである。

平均心拍数152はプールスイムではかなりきつい練習(ペース練習)を行っている状態である。ストロークレート(テンポ)は0.90秒で、プール練習では行わない非常に速いテンポで泳いでいる。10kmレースの想定所要時間は1時間40分なので、この強度で100分、できれば2時間続けて泳げるようにしなければならない。

練習のタイプによる運動強度の違いを見る

これまでテンポ一定、ストローク数一定、ペース一定で各1000ヤードを泳いで、それぞれの心拍数の推移を観察した。
なお条件を揃えるために、順序を変えて3パターン測定してみたが、いずれも同じ結果であった。以下運動強度の高低は心拍数の大小を意味する。

  • テンポ一定(1.15秒)が最も運動強度が低い。
  • 最も運動強度の高いのはペース一定(23秒)である。
  • ストローク数一定(17)はテンポ一定に比べて運動強度が高いものの、ペースはほとんど変わらない。
  • ペース一定のペースはテンポ一定に比べて6%速い。一方運動強度は2.6%高い。
次にテンポ3種類(1.15秒、1.10秒、1.05秒)で各1000ヤードを泳いだ。

  • 平均ペースは1秒ずつ速くなった。
  • 平均心拍数は2ずつ上がった。
  • 心拍数の高い状態に達するまでに最初は25ラップ、以降は10ラップかかった。
以上より、強度の高い運動を長時間続けるための練習方法は以下の方法が考えられる。
  1. 練習の始めでは心拍数を上げるのに時間がかかる。ピークに近い状態にするのに500ヤードは必要なので、短い練習時間であれば1500~2000をノンストップでテンポ一定で泳ぐのがよい。
  2. 徐々に強度を上げるのであればテンポ一定→ストローク数一定→ペース一定の順でセットを組む。10ラップ程度で心拍数はピークに近づくので、500または1000のセットを行う。500の場合には心拍数を上げるためにテンポを速くしたり、ストローク数を減らしたりする。
  3. 高い状態を最初から最後まで維持したい場合は、速いペース(通常より1秒または2秒)で200ヤードを複数セット泳ぐ。かなりきついので休み時間を多くとりたくなるが、45秒休むと30程度下がってしまうので30秒を上限とする。
追い込む練習の基本はペース一定スイムである。ペーススイムは貯金や借金の状況がラップごとに分かるため、ゴールするまで結果がわからないインターバル練習に比べて泳ぎを修正しやすい。またペースが落ちた原因もわかりやすい。

今後速いペースで短距離(最低200)を繰り返し泳ぐ練習と、少しゆっくりのペースで貯金を作りながら長距離(2000~3000)泳ぐ練習を行い、心拍数の推移を観察する。



2016年5月19日木曜日

心拍計の活用

スイム 4550 yds

心拍数をリアルタイムで捕捉できるようになったので、タスクやペースとの関係を見るための練習を行った。

●メニュー


  • 500: フォーカル・ポイントスイム
  • 1000: テンポ1.15秒一定、できるだけリラックス
  • 1000:ストローク数16一定、ストローク数維持
  • 1000:ペース維持(ラップ23秒)→かなりゆっくりの意識
  • 4×200:ペース22秒
  • 1×200:ペース21秒


●結果(ストローク数は片手のみ測定)


  • テンポ一定だとスピードのばらつきが大きい。
  • テンポ一定の平均ペース1:38 平均心拍数144 合計ストローク数356
  • ストローク数維持の平均ペース1:39 平均心拍数151 ストローク数358
  • ペース一定の平均ペース1:23 平均心拍数159 ストローク数357


●考察


  • テンポを一定にしてリラックスして泳いだ方が、ストローク数を維持して泳ぐよりも運動強度(心拍数)は約5%小さい。しかも平均ペースは速い。
    →ストローク数よりテンポを意識して泳ぐべき。
  • ペース一定におけるテンポトレーナー設定値は23秒×4=1:32だが、実際には貯金を作りながら泳いでいたのでペースは1:23、平均ラップタイムは21秒であった。23秒は16ストローク@1.15秒のターンとプッシュオフを含めた(+4カウント)計算値である。ストローク一定と比べてもストロークは変わってないので、タイムが速くなった=ストローク一定で速いテンポで泳げたことになる。
  • どのケースにしても、残り300あたりから心拍数は上がるがペースは落ちている。効率が悪化していることを意味する。このとき心拍数は3つのケースで絶対値は異なるがいずれも飽和状態になっている。上昇し続けるというよりも、
    疲れる→スピードが下がる→挽回しようとして心拍を上げる→スピード上がらない→負荷が増えないので心拍はそれ以上上がらない
    という流れが考えられる。
  • 残り3分の1で、負荷を上げてもよいから確実にスピードを上げる戦略が必要。ペース練習なら貯金の具合でスピードが上がったかどうか把握できるので練習に取り入れる必要がある。


全体に負荷の軽い順を想定して行ったが、ペーススイム先、ストローク維持先でも行うことで、疲労による心拍数の増加が要因に含まれるかを今後見る。

最後の5本は200を泳ぎ、貯金と借金の関係を逆転させてみた。心拍数の推移の面積がエネルギー投入量と考えると、貯金→0、借金→貯金→0に大きな差はなかった。

●心拍ゾーン分布

-ゾーン5:29%
-ゾーン4:36%
-ゾーン3:15%

ゾーン3は休憩時のみ。終了後はきつかったが体力の回復は早かったので、通常練習ならこの割合がよさそう。さらにきつくするならゾーン5を4割にする。練習内容としてはペース練習で200のセット@21秒か、1000ピラミッド@22秒でゾーン5を4割にできるか今後試してみる。

練習後の気分:8(たくさん練習した感じ)

2016年5月10日火曜日

ストローク数を減らして速く泳ぐ

スイム 4550yds

  • 500:フォーカルポイントスイム+究極抵抗水着
  • 10×200:テンポピラミッド@1.15-1.30-1.00秒+究極抵抗水着
  • 5×200:ペース@22秒
  • 1000:ペースピラミッド100+200+300+400
究極抵抗水着で泳ぐときに注意すること:
  • 前のめり感を上げる。→入水する手を加速して入水して、さらに前に伸ばすようにする。
  • さらに前のめり感を上げるために顔で水を押す。
  • からだの回転のキレを上げる。
  • 軽い6ビートで足の位置を上げる。
  • キャッチ-プル-プッシュの手の位置を浅くして確実に行えるようにする。
ペース練習では、抵抗が少なくなり加速が上がった。このためストローク数をいつもより少ない15~16で泳げるかテストしてみた。

これまではペースに合わせるためにテンポを速めにしてスピードを維持しようとしていたが、今回は16ストロークを維持してペースを守ることができた。ペース練習の前に究極抵抗水着を着て泳いだので、前のめり感や手の水中動作を意識して泳げるようになったためと考えられる。

最後のペースピラミッドでも少ないストローク数を維持することができた。最後の400の後半200はかなり疲れていたが、それでも前回のような借金まみれ(ペースが遅くなる)になることはなかった。抵抗水着の効果が出ていたのだろう。

今後もしばらくは全体の半分の距離で抵抗水着を着用して、丁寧な動作を意識する。

練習後の気分:7


5/8はサンフランシスコ湾で次男と一緒に泳いだ。水温14度は先週と変わらなかったが、パニックになる時間は2分30秒に抑えることができた。先に泳いでは少し待ちを繰り返した結果、44分のうち12分は泳がない時間がありものすごく震えた。泳ぎ続けないと水の中に居られない状態である。

2016年5月4日水曜日

速度維持力をテストする

スイム 3300yds

休息日の予定を変更して夕方泳ぐ。最初は混雑を予想して水との対話ドリル開発を予定していたが、誰もいなかったので速度維持力をテストした。

○ペースピラミッド 2250 yds@22 sec

テンポトレーナーをモード2にして22秒に設定して、50ヤードずつ増やしながら泳ぐ。
22秒はラクなペースで、通常であればターン後プッシュオフして4m程度進むとビープ音が聞こえるぐらいである。これまで100、200までの距離では全く問題がなかった。

そこで今回は50、100、150、200と50ヤードずつ距離を伸ばし、最終的に500までこのペースが維持できるかテストした。

50~300までは問題なく、各ラップでプッシュオフ後にビープ音が聞こえた。およそ21.5秒のペースを維持していた。

350の250あたりで、壁を蹴るときにビープ音が聞こえた。あきらかに中だるみが生じている。このため水中のキャッチとリカバリーの初動を合わせることで、テンポを速くしてペースを上げた。

400では最初にストローク数を減らして(15~16)伸びのある泳ぎを作ってみた。しかし150でペースが急に落ちたため、テンポを上げることにした。通算で1500以上スピードを意識して泳いでいることから、疲れやすくなっていたようだ。疲れた状況でペースを維持するためには、やはりテンポを上げていくしかない。

450では150あたりからターン前にビープ音が聞こえだしてきた。挽回しようとスピードを上げるが、タイムが変わらなかったため200のターンで一旦テンポトレーナーをリセットした。その後の200はターンしながらビープ音が聞こえる程度までペースを回復したが、結局タッチする前にビープ音が聞こえてしまいペースは維持できなかった。

500にトライする予定であったがペースの改善が望めないため、内容を変更した。

○ペース練習 100+150+150@21 sec, 100@20 sec

スピードを意識して長時間泳いだ後で、さらに速いペースで泳ぐことができるかどうかテストした。
泳ぐ距離が400から100に急減したため、1秒速いペースは問題なく維持できた。さらに1秒速いペースも、100であれば問題なく維持できた。


今回のテストにより、22秒というゆっくりペースでも1500以上泳いだ後の400では維持が難しいことがわかった。スピードを意識して距離を泳ぎ、さらにペースが維持できるかテストする練習は長距離を速く泳ぐためには非常に有効である。400までのピラミッド(トータル1800)をペース21秒で維持できるようにすることを今期の目標とする。


練習後の気分:8(1時間だけしか泳がなかったが内容は濃かった)


2016年5月1日日曜日

半年ぶりにサンフランシスコ湾で泳ぐ

オープンウォータースイム:2400m


6月下旬から7月にかけて2度10kmのスイム(ゴールデンゲートブリッジからベイブリッジまで)を行う。また8月にはアルカトラズスイム片道と往復+島一周もあり、冷たい海の水に慣れる必要がある。

昨年はウェットスーツ30分から始めて、時間をかけて水着だけにして泳ぐ時間も伸ばしていった。今年は昨年の経験もあるので、最初から水着+ネオプレンキャップで泳ぐことにした。

○気温17度、水温14度

自宅を出るときに気温が16度だったので、サンフランシスコに到着する頃には12度ぐらいだろうと思っていたら、予想外にサンフランシスコの方が暖かく17度に達していた。

これは海も暖かいのでは?と期待したのが大きな間違いであった。足を水の中に入れた途端、脳に突き刺さるような痛みが生じた。全身を水中に入れ、いつものようにあわてふためいて泳ぎ出すが、ものすごく苦しい。毎回呼吸しているのに、全然空気が入ってこない。

一番ブイまで到着する頃には、息継ぎなしで泳ぐような状態であった。これでは泳げないと思い、一旦上になって深呼吸を2回し、ようやく何が起きているかがわかってきた。


  • 入った瞬間に横隔膜がいっきに上がり、肺の容量が小さくなった。
  • 吸おうという意識が強く、吐いていないので過呼吸になった。
  • 息継ぎをしているのに空気が入ってこないので、パニックになった。
もうやめて引き返そうかと思ったぐらいであったが、上を向いて落ち着いたことで状況が把握でき、問題解決に向かって対応することができた。この後息苦しい状態は続いていたが、強く吐くことをひたすら意識することで、パニックは治まってきた。

結局通常の4回に1回呼吸に戻ったのはフラッグ地点(いつものコースの端)であった。水温計を見ると14度で、過去にはウェットスーツで1回泳いだときの水温程度しかないことがわかった。

今回のパニックに至る過程は、このような低温のスイムに限らずどこでも発生する可能性がある。泳ぎに慣れている人でもレースでは緊張することもあり、パニックにならないように注意する必要がある。


○泳ぎながら歯の当たる音が聞こえる

昨年は海洋公園の中を周回していたが、今回は今年初めてということもありまず直線距離を2往復して様子を見た。

問題がなさそうだったので周回を始めたが、途中でカチカチ音が聞こえてきた。なんだろうと思って観察すると、からだが震えていて上下の奥歯が当たっていた。手足は冷たさと痛みで麻痺していて震えていることがわからなかった。

いつも20分ほどすると1回目の震えが来ているのを思い出し、キックを強めにすることで運動量を増やした。そのうちに治まったようである。震えてもパニックになる必要はない。ただし1時間後に来る2回目の震えについては、やめるかどうかを判断する必要がある。

○水がとても重い

いつもの泳ぎにようやく戻って来たので、3月に泳いだグアムの海と比べてみた。
  • 当たり前ではあるが、水温が泳ぎにくさのほとんどの原因である。水温が半分もない。
  • 手の先までしか見えないので、観察できない。
  • 逆に手の先までしか見えないので、深くても怖くはない。
からだが意識せずに緊張するので、疲れやすくなる。また水が重く感じられるので、水中動作で手が疲れる。リラックスする技術をさらに高める必要がある。

○テンポが上げられないので終了

2周しようかと思ったが、フラッグ地点に達したときにテンポが上がっていないことに気づいた。動きが緩慢になるのが低温症の症状であることから、危険を感じて直線コースに切り替えて終了した。

シャワーでは鳥肌が治まらず、その後のサウナでも震えが止まるのに5分以上かかった。サウナから出た瞬間また大きな震えが15分ほど止まらなかった。


本日泳いだ時間は50分。10kmスイムでは1時間40分は泳ぐ必要があり、距離と違ってレバレッジが効かないのが冷水スイムである。毎週サンフランシスコ湾で泳ぎ、6月までに泳ぐ時間を倍にする必要がある。


練習後の気分:7(筋肉が相当緊張していたようですでに筋肉痛、でもやって良かった)


2016年4月29日金曜日

年齢の数だけ100ヤードを泳ぐ

スイム:5100yds

懸案であったバイクの100kmレースを完走したので、今後はスイム一本に絞る。
泳ぐ時間を100分程度まで増やすと同時にペースを上げる練習を取り入れることで、6月、7月のBtoB(ベイブリッジ→ゴールデンゲートブリッジ)10km、8月のアルカトラズ1周に備える。

○51×100yds

誕生日ということで、年齢の数だけ100を泳ぐことにした。
51本を単に泳ぐだけでは練習の意味がない。プールに行くまでの車の中で、上達につながる51本の構成を考えた。

51=3×17=3×(12+5)

このうちテンポピラミッドで12本なので、通常はベーステンポ+0.15~ベーステンポ-0.15秒だがこれをベーステンポ+0.20までにする。そうすると+0.20、+0.15の2本が増えて12本になる。

一方5本についてはラップ22秒と21秒のペース練習を組み合わせる。

3セット行うので、以下のように目標を設定した。
  1. 正しい動作を行う:入水場所、キャッチ、プル、プッシュ→テンポに合わせること優先
  2. 加速につなげる:力を入れる→ストローク数を維持すること優先
  3. 疲れる原因を探して対応する→疲れを抑えるポイントを探し代替手段を考える

・1セット目

泳ぎ始めると、久しぶりのスイムで水との対話が全くできていないことがわかる。トレッドミルやバイクを練習してきたが、そのような練習は水に入るといかにひとりよがりであったかを痛感する。最初の25を泳いだ段階でこれではまずいと判断して、次のようなステップで対話を行った。
  1. 水にからだを支えられていること=安定感を感覚的に理解する。
  2. 安定感の維持に必要のない筋肉の緊張を減らす。
  3. 前に進むことを阻害する抵抗を感じて、姿勢や動作で抵抗を減らすようにする。
    (水の中を「貫いて進む」イメージを作る)
  4. 手に当たる水の量を感じて、その量を増やしながら感じる時間を延ばす。
  5. 両手の動きをつなげて水中の動作を素早く行う。
対話を行ったことで、意識しないでも14ストロークを維持することができるようになった。

ペース練習では22秒3本、21秒2本行った。21秒ペースでも1m程度の貯金ができた。

・2セット目

スピードを意識するため、テンポが遅くなる局面では確実にストローク数を減らし、テンポを上げる局面では減らしたストローク数を維持した。1.10秒より空回り気味になり1.00では16ストロークになったので、次回の練習では力の入れどころでさらに力を入れることにする。

ペース練習では22秒2本、21秒3本行った。21秒ペースでぎりぎりまで劣化したため、最後のラップではエネルギーをかなり使ってつじつまを合わせる必要が生じた。

・3セット目

2セット目のペース練習でかなり疲れたので、どこがどのように疲れたのかを探しながら推進力の代替手段を見つけた。

疲れでプルからキャッチの動きが緩慢になっていることがわかったので、フィニッシュを意識した。特に遅いテンポでは水中の手の軌跡をからだに近づけて、フィニッシュでより大きな力を加えるようにした。

ペース練習ではかなり疲れてしまったので、22秒を4本にした。最後は22秒でも貯金ができないほど疲労していた。最後の1本はイージーとした。


5月は平均で5000泳ぐことを目標にしているので、今回の練習スタイルをベースに改良を加える。


練習後の気分:8(技術的な向上より達成感の方が大きい)



2016年4月8日金曜日

運動強度を変える練習の重要性

バイク 40km
スイム 2400yds


3週間後に開催される96kmバイクレースに親子で参加することになったが、週末(金~月)は全て東海岸に大学見学に行くため、週3日しか練習できない。1回の練習時間を延ばすには限界があるので、練習の質を変えることで4~5時間のレースに備える。

自転車の練習を積み重ねることで、私にとっての水泳との類似点、相違点が見えてきた。

○水泳と自転車の類似点

  • 心拍数を上げずに、長時間運動することができる。
    平らなところでは運動強度を最大心拍数の80%にして続けることができる。ランでは90%を下回ることが難しかったことを考えると、心拍数をモニターしながら運動強度を上げないようにすれば、長時間対応も可能であると推測できる。ちなみに水泳は65%程度である。
  • 推進力に係る本動作と逆の動作を意識することでラクに運動することができる。
    自転車はペダルを下に押すことでギアが回転し、それに伴いタイヤが動いて前に進む。しかしペダルを押し下げることを意識すると、筋肉を使って疲れやすくなる。逆にペダルを引き上げるように意識すると、足の筋肉ではなくコアが使えるようになってラクになる。
    水泳では入水して伸ばす手を意識することで、水中の手を素早く動かすことができ、結果としてラクに推進力を得ることができる。

○水泳と自転車の相違点

  • リラックスしながら姿勢を固定させるのが難しい。
    水泳では動かないものは締めて、動かすものは緩める。自転車では上半身を固定しながらも緩める部分を増やさないと、腕や肩、首が緊張してしまう。このため姿勢を少しずつ変えながら緩める部分を変える技術が必要である。
  • ケイデンスをコントロールすることで負荷を変える。水泳ではテンポ一定ならストローク数を減らすことで負荷を上げることができる。またテンポを上げたときでも、ストローク数が増えて空回りしないように注意する必要がある。
    一方自転車ではケイデンス(回転数:私の場合90)の維持を図るためにギアを選択する。ギアを変えるとスピードは変わるが、遅いケイデンスだと疲れるためケイデンスが一定になる範囲でギアを選択する。

これらは自転車に乗っている人であれば当たり前のことではあるが、水泳を究める身としては比較することで水泳に役立つものを探したい。自転車の練習スタイルとして参考になる部分は、運動強度を変えることであろう。

○運動強度を変える練習

  • 自転車の場合、道路の傾斜やギアの選択により運動強度を変えることができる。時間がない場合は上り坂を選べば良く、また同じ道ならケイデンスを変えずに重いギアにすれば運動強度が上がる。
  • 水泳の場合これまではストローク数を減らす練習で強度を上げていたが、上り坂や重いギアほどタスク自体にシビアさがない。すなわちストローク数が減らなくても妥協してしまう。
  • もっとシビアな練習方法として、テンポトレーナープロのモード2を使ったペース練習がある。設定ペースで泳げたかどうかをラップごとに評価されるので、結構なプレッシャーになる。
  • 速く泳いでどこまで休憩時間を作るかではなく、そのペースで泳ぐためにはどこまで力を抜けるかが練習のテーマとなるので、運動強度を上げながら緩める繰り返しにより最適な泳ぎ方を見つけることができる。
  • さらに距離を伸ばすことで、劣化を抑えるための泳ぎ方の変化も試すことができる。基本的にはより速く泳ぐことを意識しなければならないので、メンタルな運動強度が非常にきつい。

バイク練習を行った後にスイム練習を行うと、運動強度に対する意識が鋭敏になることもわかった。ランはただきついだけで知恵を働かせることができないので、バイク+スイムも今後積極的に練習することで、水泳における運動強度をさらに深く考えるきっかけにする。


練習後の気分:6(ももから先が全部つってTKO。漢方薬を飲んでおけばよかった)

2016年2月29日月曜日

テンポ・トレーナーの新しい活用法

ラン:5.8 km
スイム:2550 yds

いよいよテンポ・トレーナーを使う。これまでテンポ・トレーナーは、テンポのコントロールを目的として使っていた。さらに新しい使い方として、モード2によるペース練習を行う。

モード2では一定の間隔でビープを鳴らすことができる。目標のペースが100ヤードで90秒とした場合、1ラップ25ヤードでは22.5秒となる。モード2では秒単位で設定するため22秒とする。スタートする直前に上のボタンを押してタイミングをリセットして泳ぎ、ビープ音が鳴る前に壁に着けばよい。

速いテンポに慣れながら正しいペースを維持することで、第2段階の目標(90秒/100ヤードで1650を泳ぐ)を目指す。

○フォーカル・ポイント・スイム 500 yds

1)リラックス、2)入水位置、3)キャッチ、4)プル、5)プッシュの順番で意識しながら14ストロークの泳ぎを作る。毎日続けて泳いでいればこのプロセスはとても簡単でルーチン化できるが、プール練習を3日以上空けると感覚が鈍っているのが明らかにわかる。

このようなときはまず「まあな(前のめり感、安定感、なめらか感)」である。意識した動作を強調して行った結果、これらの感覚にどのような変化が起きるかを確認する。得たい感覚の変化が得られれば、動作が正しくできていることがわかる。

○テンポ・ピラミッド 10×100@1.15-1.30-1.00 sec

3カ月振りのテンポ練習である。毎年テンポ練習を始めるときは1.20や1.25秒から始めていたが、今年はすでに12月~2月にかけてそこそこ泳いでいるので、通常の練習テンポである1.15秒から始めた。

これまで14ストロークを維持していたので、テンポが非常にゆっくりであったことに気づく。1.15秒はとても忙しく感じたので、以下を行ってまずテンポに合わせた。

  • 手を前に伸ばす位置を上げる。
  • フィニッシュの位置を手前にする。
  • リカバリーの肘の高さを下げる。
テンポ優先にするとストローク数は16程度まで上がったが、テンポを遅くするに従ってストローク数を減らすことを意識して、1.30秒のときには13/14まで下げることができた。そこからテンポを上げる局面では、ストローク数を変えないようにして1.05秒まで維持することができた。1.00秒ではフィニッシュが甘くなりストローク数が増えたため、次回はこの点をカイゼンする。


○ペーススイム 5x25, 8x50, 5x100@22 sec/lap

速いテンポの感覚がつかめたので、ペースを維持する練習に切り替えた。100ヤード90秒のペースは1ラップあたり22.5秒である。そこで22秒として、ストローク数15でペースが維持できるようにした。休憩は30秒を目安とした。

25では壁に着いたときに頭を上げるため、ビープ音が聞こえにくい。50や100ではプッシュオフして伸びている間にビープ音を聞くことができたが、距離が伸びてもビープ音が聞こえる場所は変わらなかったので劣化していることになる。

最後の100はストローク数を16、ペースを20秒として泳いでみた。テンポは速くなっているがピラミッドのときのように忙しい感じはなく、16を刻んで20秒のペースを守ることができた。タイムは1分19秒であった。


テンポを変える練習はからだが慣れてしまうので負荷が少ない。モード2を使ったペース練習を加えることで、ラップごとに加速の状態を評価することができる。インターバル練習とは異なり劣化に注意することができるのがこのペース練習の大きなメリットである。


練習後の気分:7(距離は普段よりも短いが、筋肉痛と疲れがひどい)

2016年2月16日火曜日

ペースを磨いて目標達成

ラン 5.5km
スイム 4000 yds

長期間の練習では、目標や練習方針を1カ月または2週間単位で定めて、達成したかどうか評価する。今シーズンは以下のような目標および練習方針を定めた。
  • ステップ1目標:100ヤード90秒ペースで泳ぐ。
  • ~年末:バタフライの手の動きを取り入れてプッシュ~フィニッシュを強化する。
  • 1月:バタフライメインからクロールメインに練習の割合を変える。
  • 2月:ペース練習を始める。ステップ1目標達成。

○10×200:14ストローク維持、休憩30秒

50ずつ意識を変えて(入水位置、キャッチ、プル、プッシュ)14ストロークを維持する。2本ずつゆっくりペースと速いペースを切り替えて泳ぐ。

ゆっくりペースでは14ストロークを維持するためにグライド時間を増やし、姿勢の安定を意識する。速いペースでは14より増えないように気をつけながら、意識をするポイントにおいて力を加える。15になりそうであれば加速が弱いということでメリハリをつける。

スタート時点では3分16秒であったのが、速いペースではストローク数を維持しながら2分55秒まで上げることができた。ストローク数を変えずに20秒タイムを変えるということは、テンポが0.18秒速くなっていることになる。後半はラクに3分を切ることができるようになってきた。

○15×100:ストローク数一定、休憩30秒

最初の5本は13/14ストローク、次の5本は14/15ストローク、最後の5本は15/16ストロークで泳ぐ。この前の練習でラクに速く泳ぐ感覚が身についてきたので、テンポを速くすることを優先して、ストローク数の維持は二次的な目標にした。

最初は1分24秒であったが、力みが感じられたので1分30秒を切ればよい程度にラクに泳ぐようにして、1分26秒台を維持することができた。次にストローク数をラップあたり1増やしても、1分26秒台で変わらない。最後にストローク数をさらに1増やしたところ、ラクに泳ぎながら1分23~25秒で泳げるようになった。最後はかなりリラックスして泳いだが1分30秒を切ることができた。

今回の練習で100ヤード90秒で泳ぐペースを完成することができた。目標達成までのステップは以下の通りである。

  1. 水中の手の動かし方をバタフライで習得
  2. 反対の手との連動をクロールで確認
  3. 14ストロークを維持するための道具の取得
  4. 15ストローク、16ストロークでラクに泳いでペースを守る

次回は休憩時間を短くして90秒を切るペースが維持できるかを確認する。

練習後の気分:9(目標を達成して気分が良い)

2016年2月11日木曜日

ストローク数一定で劇的に速く泳ぐ

ラン 5.42 km

スイム 3550 yds


今月は「少ないストローク数の維持」を月間のテーマとして、クロール75%以上、テンポトレーナーを使わない練習を行っている。

当面の目標ペースは200ヤード3分であり、このペースを「最大16ストローク」で維持できるようにするための技術を磨く。

フォーカルポイントスイム:500

100はリラックス、次に100×4で(1)入水する場所、(2)アウトスィープによるキャッチと入水てこ、(3)インスィープの肘の角度と手の向き、(4)パワーフィニッシュの順番で意識する。

評価項目は、(1)については伸びしろを最大にして入水後に体重を前に乗せられればOK、(2)手に当たる水を支えにして反対の手の入水が素早く行えればOK、(3)肘が直角になっていて、からだの回転とともに後ろに動けばOK、(4)水面直下で手で水を押す動作に合わせてからだが前に動けばOKとした。

200×10、14ストローク維持

何回か同様の練習を行ってきたが、これまでは14ストロークを維持するためにペースを落としていた。今回は4セット消化した時点でストローク数を維持しながらテンポを上げた。

これまでと同じ泳ぎ方でテンポを上げると、ストローク数が増えてしまう。そこで力を入れる場所を強調し、力を入れる時間を長くすることで加速を上げ、ストローク数が増える前に壁に着くようにした。具体的には、
  1. キャッチで手のひらに力を入れて、入水する手の加速を上げる。
  2. プッシュ-プルで上腕に力を入れて引っ張るようにする。
  3. フィニッシュで力を入れて水を後ろに押す。
3セットを行い、この段階で17秒短縮できた。しかしこのように力んだ泳ぎ方では長い距離は泳げないので、一旦リラックスして伸びる時間を確保して、ラクに14ストロークで泳いだ。それでもタイムはテンポを上げる前よりも速くなっていた。

次にテンポを戻して、力を入れる場所や時間を最小化してみた。タイムは一気に16秒速くなり、力んで泳いだときよりも6秒速くなった。速いテンポにしながら力の入れどころを最小にすることで、ラクに速く泳げるようになった。

最後の10セット目はさらにラクに泳ぐことを意識したが、それでも最速セットとのタイム差は3秒足らずであった。このペースであれば劣化せずに25分は泳げそうという印象があるくらい、ラクな泳ぎで目標ペースを上回ることができた。

500ピラミッド、行き:バタフライ、帰り:クロール

水中の手の動作を確認するため、行きはバタフライ、帰りはクロールで50-100-150-200を泳ぐ。

肘を直角にしてからの水中の軌跡をからだの中央に近づけることで、発射するときの姿勢が水平になり抵抗が減る。

500ピラミッド、クロール15+16ストローク

スピード練習として、第一ラップ15ストローク、残りのラップを16ストロークを維持して50-100-150-200を泳ぐ。ストローク数を減らす練習を続けているとなめらか感が失われやすいので、2ストローク増やした泳ぎで動きを修正する必要がある。

力の入れ具合がわかったため、劣化率10%を考慮した目標ペースまで上げることができた。


泳ぎ終わったときに背中や腕に張りを感じた。ラクに泳ぎ続けるとスピードは上がらない。スピードを意識した練習は筋肉の緊張を伴うので、泳ぎ終わったときに張りを感じるということは加速ができているということである。さらに技術を磨いて疲れや張りを小さくしながら全体のスピードを底上げする。


練習後の気分:9(ひさびさにスピードアップの成果が出て気分がよい)






2016年1月8日金曜日

バタフライからクロールへの移行

スイム 3300yds

年も変わりスピードアップ練習を本格化させる。今月はバタフライからクロールへの移行月間とする。テンポトレーナーはまだ使わない。

10×100 片手-両手バタフライ-クロール

1ラップ目:右手片手-両手、2ラップ目:左手片手-両手、3ラップ目:両手、4ラップ目:クロールとして、クロールを最後のラップで泳ぐ。水をなでる感覚は右手の方が鋭敏である。左手は力を入れてかいているので、肘の角度と手のひらの向きだけを変えるようにする。

クロールでは目標の14ストロークが達成できた。

2×500(50+100+150+200) バタフライ-クロール

奇数ラップをバタフライ、偶数ラップをクロールで泳ぐ。バタフライではリカバリーや入水のタイミングの目安を探していたが、「呼吸をしたらすぐに着水準備」がよいようである。

呼吸時の下唇から水面までの距離をぎりぎり0にして、下唇が水面から出た瞬間に腰を折って上半身を沈める。この上半身の動きにつられるようにしてリカバリーと入水を行う。上半身が手の動きをリードする感覚である。

顔が水面から出たらすぐに着水準備に入るので、入水場所を意識しなくても自然に4時8時になる。また顔の前まで手を運ばないので、水面すれすれに手を動かすことができる。

これまでは手を前に運びながら頭の位置が下がり、着水と同時に下を向くようにしていたが、それではタイミング的に遅いことがわかった。唇が水面上に出たらすぐに着水準備をしても、その間に呼吸できる。

クロールは200の後半を除いて14ストロークをキープできた。

1×1000(100+200+300+400) クロール

いずれも最初のラップだけバタフライ、残りは全てクロール。バタフライの水中の手の動き、頭が飛び出すときの手の向きなどを参考にして、残りをクロールで再現する。

途中で集中できなくなり16ストロークになったが、水中の手とからだの回転を連動させることで軌跡を伸ばし、加速を上げて14ストロークに戻した。

今月のクロールの目標は、14ストロークで泳ぎ続けることである。来週よりクロールのみの練習項目も追加して、バタフライの水中の手の動きをクロールでも再現して14ストローク維持を目指す。


練習後の気分:6(半月ぶりのプールで慣れなかった)