○講義内容
- ベイエリアの水温は50~60F(10~15C)。冬には46度、夏には67度になることもある。
- 最初の数分は必ず「痛い」!何十年泳ぎ慣れていても、この感覚は変わらない。
- 冷たいと思った瞬間、体内の血液がからだの中心(コア)に集まる。このため手足の血流が下がり、手足が麻痺したり、しびれたりする。手足がしびれるのはからだの防御反応であり自然なことである。手足が冷たく感じるからといってコアが冷えているわけではない。
- 冷たい水に入ると呼吸が止まったり、浅くなったりする。「吐くこと」に集中する。冷たい水に手を入れてどのくらい我慢できるかという実験があったが、話したり歌ったりしたグループの方がだまっていたグループよりも長い間水中に手を入れることができたそうである。
- 自分のコアの温度に常に注意を払う。Suzieの場合「体の中に暖炉があり、燃えている」イメージがあり、暖炉の火が弱くなるとコアの温度が下がっている。コアの温度に注意して、下がってきたら「テンポを上げて泳いで体温を上げる」「栄養を補給する」「終わりにする」のいずれかを選ぶ。
- 長時間泳ぐときはキャップにGuを入れ、暖炉の火が弱くなったら摂取している。
- 低温に慣れるためには、少ない頻度で長時間泳ぐよりも、短い時間で多くの頻度を泳ぐ方がよい。もし遠方から来る場合には、1日2回入ることを推奨する。2回目は海の状況もかなり変わるので、様々な環境に対応できる(to get climatized)。
- 海から上がると、震えが始まる。陸上に上がると血流量が上昇するが、冷たい血液が体中を回り体温が下がる。震えることによってからだが動いて体温が上がる。
- 熱い湯のシャワーを冷えた手足に当てると、末端の冷たい血液が急激に循環するので危険である(追加調査:心臓に入ると心室細動を起こすこともある)。タオルをサウナにかけておき、海から上がったら軽くシャワーを浴びてからサウナで暖まるのがよい。シャワーで暖まろうとはしない。
○アクアティック・パークについて
- 地元の人たちが水泳を楽しむことができるように造成されたのが1930年代(!)
- コースは1周1マイル、ざっくり四角に泳ぐと1辺が400m。
- パークからアルカトラズ島は2000ヤード(1.8km)。流れが非常に強い。
- 上げ潮(flood tide)は西から東(GBからBB)への強い流れが発生する。
- 下げ潮(ebb tide)は東から西(BBからGB)への強い流れが発生する。
- 岸辺に近いほど流れは緩やか。従って沖に出るほどかなり強くなる。
- 満潮時刻と潮位、干潮時刻と潮位が書き出されているので確認する。干満の潮位の差が大きいほど流れが急になる。
- 係留されているボートの舳先の向きで、湾の中の流れが概ねわかる。舳先が左に向いていれば右に流れている。
- 干潮、満潮は1日合計4回発生する。データを確認して上げ潮か下げ潮か、その速さはどのくらいかを把握しておくことが重要。
- Tideや潮の流れのデータを表示するアプリを活用する。
○水着で泳ぐ
- 参加者23名のうち、ウェット持参は私を含めて4~5名。
- 水の中に入ったらすぐに繰り返しジャンプして息を吐く。
- 次に頭を沈めて冷たさに慣れる。
- その後に1km程度グループで泳ぐ。ブイ毎に休憩を入れる。
- 1周して終わりかと思ったら、Suzieが「Shinji、Take off your suit!」と言ってきた。
- 事前のメールのやりとりで、ウェットスーツで水に慣れてきたら、一旦上がって脱いだらどうかと提案を受けていたが、気温14度で冷たい風の吹くところで一旦上がったらもう入れないと思って話題にしなかった。しかしSuzieはしっかり覚えていて、最後に声をかけられてしまった。
- 自己紹介で「彼は有名なTIのコーチ」と紹介されてしまった手前、「できませーん」と言うわけにもいかず、一旦上がってウェットスーツを脱いで再び海の中に入った。先週は袖だけ取ってものすごく痛い思いをしたが、今回は見栄もあってかそれほど感じず泳ぐことができた。
- 手足は確かに冷たいが、胴体はそれほど冷たく感じない。講義にあったように、コアに血液が集まって保温力が高まっていることが実感できた。
- 次回も1回ウェット、1回水着でチャレンジする予定である。
あの寒く冷たい中を、ウェットなしでたくさんの素人が泳ごうとするという無謀さも、さすがアメリカと実感した。CROSに必要な「胆力」である。
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