2014年9月25日木曜日

非常に長く泳ぐときに欠かせないことはフルマラソンと同じ

熱海で泳いで翌日にグアムに移動。最初は出がけに蚊に刺されたか?と思っていた手のひらの湿疹が、飛行機に乗っている間に次第に拡がり、一晩で全身がじんましん状態になった。こんなことはバハマのキャンプに参加して以来である。

最初は疥癬かと思った(バハマのときは医師がそのように判断)ので、シーツを変えて着替えをしたがかゆみは収まらず、人生で初めて旅行先でクリニックを訪れた。先生が皮膚を詳細に観察した結果、ダニが体内にいる状態ではなく、何らかのアレルギー反応であるという結果であった。最初は寝具のダニを想定していたが、この1週間で5種類ベッドを変えているので特定できない。

最後に思いついたのが、泳ぎながらチクチクしていた「ちんくい」(甲殻類の幼生)である。くらげよけローションは吉田コーチのアドバイスに従い二度塗りしていたが、このローションはちんくいには効かない。小さいためウェットスーツや水着の中にも入り込むので、サーファー泣かせでもあるらしい。

かゆみにもんどりうちながら朝8時にヒルトンにあるクリニックに電話したところ、9時でOKとのことで速攻で行き、ステロイド内服薬と抗ヒスタミン剤スプレー、かゆみを抑える入浴剤をもらった。クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険が適用され、しかもカード会社への確認や申請書の作成など全てクリニックが手続きしてくれ、支払いも行わないでよい。海外旅行して30年、クレジットカード使って25年になるが、こんなすごい世界があるとは知らなかった。今後お客様にもこのクリニックを推奨医療機関として紹介することにした。

ステロイドを1回飲んで午後には新規の発疹がなくなり、夜にはかゆみもほぼ収まった。行かなかったときのことを考えると恐ろしい。


海外旅行傷害保険対応医療機関利用時の注意

カード付帯保険であればクレジットカードは必須。医療機関がカード会社に保険適用可能かどうかを問い合わせるので、日本の営業時間がベター。パスポートは必須。自動化ゲートを使用した場合は出国歴が残らないので、チケットの半券を持って行くべき。そこまで医療機関から知らされていなかったので半券は持参しなかったが、たまたまあったクレームタグでOKが出た。

海外旅行傷害保険の手続きや詳細はカード発行時の冊子に含まれているが、そんなものをいちいち持ち歩く訳はないので、カード会社のWebサイトから説明のPDFファイルを入手してスマートフォンやクラウドに入れておいた方がよい。傷害の事由により必要な書類が異なるので受診前に書類作成の可否や費用を確認すべき。

以上備忘録を兼ねる。

スタートは速いテンポにするが心拍数は上げない

今回の初島熱海横断泳はチームと同伴水泳ということで、私がみなさんのペースに合わせておよいだ。みなさんの1500mプール泳のベストタイムは男性が1500m30分台前半、女性が30分台後半である。

最初のうちはエネルギー配分が読めず慎重な出だしとなり、みなさん普段よりもテンポが遅かった。私は普段の練習で1.15秒を中心値として±0.15秒で泳いでいるのだが、1.30秒のときよりもかなり遅く感じたので、1.50~1.60秒ではないか。

このため伴泳が交替する度に、泳ぎ終わった人に技術アドバイスをしながら、全体的にテンポを上げるようにお願いした。これは減速-加速を繰り返すとそれが疲労や劣化の原因になるためである。

入水して伸ばす手に体重を乗せると、確かに滑って気持ちがよい。ただし滑る状態を作るためにより大きなエネルギーを必要とする。大股で走ると滞空時間が長くなるので気持ち良いが、滞空時間を長くするために足で地面を蹴らなければならないのと同じ論理である。

最初心拍数を上げてしまうと、緊張による上昇要因もあるため下げることがほとんど不可能になる。そうすると高い心拍数のままとなり、持久力勝負になってしまう。速いテンポで軽く泳ぐことで、体を慣らす必要があるのはランと同じである。そうすれば持久力に依存せず、劣化を防ぐことができる。

どこまで強度を上げられるのかを知る

今回は過去最強の潮の流れから脱出する必要があり、途中私一人で30分強泳いだ。体が大分冷えてきたこともあり、サンタクルーズの水温16度の中で3.2km泳いだときのペースを思い出して泳いだ。

最初の一巡のときを思い出し、同伴泳のときに休めばよいと思っていたが、ソロ泳のあと3巡もすると男性陣に追いつかなくなってきた。シンクロはあきらめ、追いつくために自分のテンポで泳ぎ出す。

さらに4巡目ではドラフティングもおぼつかない状況になってきた。これはマラソンの30kmの壁に相当する。壁の原因としていくつかの書籍では
  1. 糖分不足
  2. 乳酸過多
  3. 筋力低下(心肺機能の低下よりも著しい劣化)
を挙げている。1の糖分不足については、今回はフルマラソン並の運動時間である5時間を想定していたので、フルマラソンの準備と同じように手製のやわらか餅(加工せず常温で食べられる)を作成して熱海に持参し、朝食の前後に食べていた。泳いでいる間空腹感はほとんどなく、また60分おきにGUを摂取していたので脳もブドウ糖不足にはならなかった。

2については、私の普段の泳ぎであれば心拍数は120を越えないので乳酸も過剰にならない。
しかし今回はソロ泳のときに心拍数がかなりい上がった感覚があった(130近く)ので、後半の失速の原因になったかもしれない。

3についてはマラソンのときに痛切に感じた。2を避けるため低心拍の走りばかりを練習していたので(棄権を避けるためにやむを得なかった)、筋力を上げるトレーニングは行わず、それが30km以降影響を及ぼした。スイムも現在は距離を伸ばす練習が中心で、筋力を上げる加速練習はほとんど行わなかった。

今後2月の本番に向けては、距離の練習を維持しながら、筋力を上げる加速練習を積極的に行うことが必要である。

環境に合わせて泳ぎを変える

グアムでは流れが逆、順、横のときにそれぞれ泳ぎ方をどのように変えるかを練習する。ところが横断泳では、「潮」や「うねり」への対策が必須となる。マクロ的視点が必要な潮の流れ、ミクロ的視点が必要なうねりは、マラソンで言えば大きな上りや下りと小さな上下の組合せである。OWSでは大きな上りや下りが全く見えないか、15分ぐらい泳いで前後を確認してショックを受けるかのいずれかになるので、船上のコーチや監督、さらに船長のアドバイスにより早めに判断すべきである。

一方うねりは予測可能であるため、サイティングや息継ぎのタイミングをうねりに合わせて決める場面が出てくる。うねりのピークでサイティングしても下りたときには体が回っているときが多いので、ピークとボトムの両方でサイティングすることが大切である。

何を見るのか

ブイではなく船について泳ぐ、あるいはライフガードの方について泳ぐというは別の技術が必要になる。船の右側、直径10m圏内に留まるためには、サイティングで何を見るかが重要である。

水上で舳先を見る、水中ではしごを見る、ライフガードのボードを見るなどいくつかのバリエーションを持つ必要性を感じた。

一方で船は泳ぎ手を阻むことができないので、泳ぎ手が我が道を行きやすい。泳ぐときは前方の何を目安にするのか、見えるときには決めるべきである。今回は常に熱海側が見えていたので、前方に目安を作って基本的な方向とした。

以下続く。

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