2013年9月27日金曜日

練習記録 9/27 道具箱練習

トータル:2300yd 55分 

○練習のテーマ

米国に戻って最初の練習。翌週に撮影する道具箱のリハーサルを兼ねる。

日本(&グアム+香港)でレッスンをして感じるが、「人にものを教える」のは自ら持つノウハウを流出させることである。教えているお客様より多くTIスイムを練習し、過去8年間TIスイムの指導実績を持ち、さらに25年以上のコンサルティング経験を含めても、それらの蓄積が豊富にあるからいくらでも教えられるというようにはならない。

例えれば浴槽に張ったお湯である。教えることは栓を開けることである。お湯がたくさんあれば流れ出す量も多くなる。ただし流し続ければ浴槽のお湯は減り、流れ出す量も減ってくる。これが教える質に相当する。最高の質を維持するためには、常に浴槽をお湯で満たさなければならない。

お湯の満たし方には3つのアプローチがある。1)実際の指導に基づいて新たな教え方を蓄積する。2)教える内容は同じだが伝え方を工夫して学びやすくする。3)新たに学ぶ。

1)は放出したお湯を一部還流するイメージで、指導経験を積むほどこの蓄積が増える。2)はコーチングやコミュニケーションなど、現在の水泳指導のインフラとなるべき技術を磨くことで、より多くのお客様が理解して実践できるようになることである。3)は自ら学習・練習して新たな指導内容や指導方法を発見することである。

これまでのTIスイム指導を振り返ると、指導当初は1)5%(身内・友人対象)、2)30%(コンサルタントとしての経験)、3)65%(指導マニュアルによる指導学習を含む)であった。しかし3)の割合が次第に減っていき、昨年は2割程度であった。一方今年は3)が50%を越えている。日々の練習で得られた発見を体系化するプロセスはこのブログで開示しているので、この50%越えというのは客観的に理解することができる。

昨年と今年を比較したうえで浴槽のお湯論に戻ると、新たに入れるお湯の勢いが3)は圧倒的に強いということである。お湯の勢いについて数値化するならば、1)が3であるのに対して2)は7~8に達する。スピードを追究し、アプローチについて研究し、道具箱や方程式など新たな概念を導入することで自らの指導の質(=お湯の勢い)も高まったように感じる。

5月下旬から6月にかけての4ヶ国巡業、9月の2日間の1日8コマのプライベートレッスン、2日間の美クロワークショップ、そして1日の新しいカイゼンワークショップを連続して実施することができたのも、今年の豊富な湯量が貢献していたものと考えられる。

コーチは指導経験を積み指導技術を高めるのはもちろんであるが、自ら学ぶことを続けてそれを指導に活かす道筋を作ることがより大切である。自ら学ぶことのない指導者は、指導の質が低下し、いつかは枯渇することになると私は考える。

・リペアスイム 500

自分のための練習として泳ぐのは2週間ぶりであり、姿勢、動作やセンサーを磨き直す必要がある。これをリペア(修理)スイムと名付けた。

50:体幹を回転するという基本動作について、肩や腰のスイングを意識する。
50:前のめり感を高める道具:顔で水を押す、リカバリー肘の位置を前に
100:安定感を高める:伸ばした手に圧を加える、フラットに泳ぐ
100:なめらか感を高める:入水時の手の形、伸ばす手をレール上に、リカバリーにつなぐフィニッシュ
100:無劣化:型にはめる、体幹の回転と手の動きを連動する
100:キャッチとプル:キャッチ位置を上げる、肘を外側に動かす

・道具箱練習 30x50

美クロWSで実施した11の道具に加えて、これまで意識的・無意識に使ってきた道具19種類をリハーサル+スイムの練習形にする。リハーサルはその場で立ってできるものから、ミニドリル、さらにフルドリル形式でスイムにつなげるものまで多様である。30種類は初めての試みである。
  • リハーサルからスイムにスムーズにつなげられるものとそうでないものがあった。クロールから離れた形で行うドリルからクロールにつなげるのは難しい。クロールへのつなげ方について丁寧な説明が必要。
  • 動きの小さいものは感覚的に(体のセンサーが)理解しやすい。動きの大きいもの、見えないものは理解しにくい。
  • ワークショップではそれぞれの道具が終わると「ご破算にして」とお願いしたが、実際は少しずつ意識が残って次の道具に移るので、10種類も行うと頭の中が飽和する。練習としては4~5が推奨、多くても6に留めるべきである。
  • 今回は撮影準備のため1回ずつ行ったが、1回はまずセンサーを起動するため、次の1回はテンポに合わせて、次の1回はストロークを決めてなどタスクを変えながら同じ道具で複数回練習するのが望ましい。次回は複数回実施する。
  •  半年間の練習としては30程度が妥当。今後コーチの助言を得てさらに30の道具を開発する。
 

・瞑想バタフライ 200

Garmin Swimで300を示していたのは50mプールに設定されていたことが判明。ペースを見る限り250yd泳いだ模様。

練習後の気分:8(誰もいない透明なプールは非常に気分がよい)

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