2017年4月3日月曜日

うねりを使う

スイム 4000yds

  4月に入り4000ヤード(3.6km)を合計距離に設定する。気温も18度近くまで上がり、晴天の中屋外で泳ぐのは非常に気持ち良い。
 先日の道具箱講習会でうねりを使ってクロールを泳ぐお客様がいらした。自分の中ではうねりは最終兵器と考えていたので、まず文章にしておく。

○クロールのうねりとは

  うねりとは伝搬する波のことで、水泳では上下動が全身において伝搬することである。うねりを使う泳ぎとしては平泳ぎとバタフライが挙げられる(ただしTIスタイルではうねりを使わない)が、ここではクロールのうねりに注目する。
 クロールでは、頭の上下動を使ってうねりを作ってはならない。入水するときの肩からスタートする。肩が最も高い位置に達したら手を入水し、高い位置を後ろに伝搬しながら(背中をうねりながら)手を前に伸ばす。このうねりを支えにして、手を伸ばすスピードを上げる。

○プッシュとの組み合わせによる「てこ化」

  うねりはプッシュと組合せることで、さらに大きな推進力を生み出す。手の入水直後はうねりが始まった直後でもあるが、このときに水中の手は眉毛の下にある。ここで水中の手を「菱形」(顔と親指の距離が30cm、顔の中央線から中指まで7.5cmの距離、肘は直角)にしておけば、水中の手は最大の推進力を出すことができる状態になる。
 この状態でうねりを使って入水した手を素早く伸ばすことで、この手が力点として働き水中の手が作用点となり、水中の手でさらに多くの水を押すことができるようになる。タイミングとしては、入水→うねり→入水の手を伸ばす→水中の手で水を押すの順番になる。

○うねりのメリットとデメリット

  うねりは小さなからだの動きなので、エネルギー消費量も小さい。また大きな背中の筋肉を使うので、疲れることもない。毎ストロークうねろうとするとうまくいかないが、4ストローク毎の息継ぎで肩の位置が通常より高くなるときだけうねりを使えばほどよい間隔になる。
 デメリットは上下動によりテンポアップが難しくなることだろうか。これも4ストローク毎にすれば影響が小さくなる。

○うねりの作り方

  最初はドライランドでからだ全体のうねり方を練習する。鏡の前で横を向いて立ち、頭を前後に動かしてその動きを背中-腰-ひざまで伝える。動かし方がわかってきたら、頭の動きを最小限にする。
 水中ではボディドルフィンの練習が効果的である。両手をももの前に置いたまま、うねりだけで進む。最初は全く進まないので、フィンを使った方がからだの動かし方がわかりやすい。前に進むための上下振幅やうねりの周期を練習しながら理解する。
 このように両肩を均等に動かすボディドルフィンができるようになったら、クロール用に片方の肩だけを動かしてボディドルフィンする。ボディドルフィンで進むことではなく入水する手を加速することが主な目的になるので、下にいくほど振幅を小さくする。

○うねりに適したレベル

  タッセイレベルである。さらにツービートキックで吟醸レベル(足の大きさの60%×2の振幅)、水中動作でスカリングも使えるようになってから挑戦すべきであろう。
 手足のコントロールが不十分なままでうねりを取り入れると、入水前加速となり水しぶきが上がり格好悪い。また頭が上下動するとノッキングとなりこれも格好悪い。


 練習内容はプライベートワークショップに参加のお客様に提出しているメニューとほぼ同一であり、ステップ3を実践している。目標ペースは20秒/25ヤード、練習ペースは22秒である。距離合計は4000になるように調整している。


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