水と仲良くするとは、
・水から得られる反応を観察する。
・自分が得たい結果であったどうか判断する。
・得たい結果を得られるように姿勢や動作を修正する。
という一連の流れのことである。
これはコミュニケーションのまさに本質であり、「水と仲良くする」ことを言い換えれば「水とコミュニケーションする」「水と対話する」となる。
○水から得られる反応を観察する
水泳は自分の姿や手足をほとんど見ることができないので、観察する対象が限定される。
しかしそれでも次のようなものが観察できる。
- 水中の手(視覚):伸ばした手の形、入水する手との連動、キャッチとプル
- 水の表面(触覚):入水時の指先、頭頂部、かかとで感じる
- しぶきや泡(視覚/触覚/聴覚):手足が水と接触したときに発生する
- 水面からの深さ(触覚):頭の位置、伸ばす手の位置、腰、足の位置を水の圧力で感じる
- からだの表面で感じる水が押し返す力(触覚):体重を前にかけたとき、手で水を押すとき
- 座標系(主に平衡感覚):対水面、対進行方向、対垂直面
- 感覚:リラックス感、前のめり感、安定感、なめらか感、滑り感、加速感、水抱え感
水と仲良しになるためには、これら水から得られる反応を増やす必要がある。
これまでの指導経験によると、水と仲良しの人が得られる水からの情報量を10とすると、そうでない人が得られる情報量は2か3程度である。
○情報量を増やすためのカンタンなトレーニング
・鏡の前でドライランド・リハーサルを行う
水と仲良しの人は、自分のからだからも情報を得ようと努力している。
鏡の前に立って素振りをしてもらうと、チェックすべき箇所を自分で決めて確認しながら素振りをしている。
水と仲良しでない人は、鏡の前に立っているのに鏡を見ないで素振りをする。
まずは姿勢が動作を正しく行っているかを確認する必要がある。
・浮いて進んでみる
両手前グライドで、浮いて進んでみる。
浮いているというのは、水に上方向に押されていることだと感じる。
進んでいるというのは、水に前に押されていることだと感じる。
自分の力で浮いて進んでいるのではなく、水に浮かせてもらい、進ませてもらっていると感じる。
さらに進む力の元が、重力と自分の力を合わせたものであることがわかればさらに良い。
0 件のコメント:
コメントを投稿