2014年10月15日水曜日

基本に帰る

 熱海やグアムで泳いでいるビデオを分析した結果、遠い入水が疲れの原因になっている可能性があることが判明した。そこで2日間にわたりエンドレスプールで入水位置を調整し、本日25mプールで4kmを泳いで効果を確認した。

肘の位置の入水

正しいスイッチの型では、入水する手の指先は水中で伸ばした手の肘の横延長線上に置く。この効果は以下の通りである。
  • 肘の位置が高くなり、肘の自由落下を入水動作の初速に使うことができる。
  • 水中で伸ばす肘の距離が増えることで、体幹の回転と連動させることができる。
  • 肘を素早く伸ばすことで、加速を上げることができる。
 一方デメリットは以下の通りである。
  • 入水する手を伸ばしている間、水の抵抗を受ける。
  • 入水する手を伸ばすことに時間をかけるため、キャッチのタイミングが遅くなる。
  • リカバリー→手を伸ばす→キャッチとなりプロセスが一行程増える。

手首の位置の入水

  ロットネスト海峡横断を決めて以来、テンポの速い泳ぎやキャッチを確実に行うことを意識した結果、入水位置が伸ばした手の手首、あるいはさらに遠くになっていた。水抱え感(厳密には引っ掛け感)があがり、この引っ掛け感を力点にして入水の手を加速することができるので、上記の肘の自由落下の代替になると考えていた。

 5km、90分程度の練習では手が疲れることなく引っ掛け続けることができていたが、今回熱海やグアムで5時間、3時間、2時間と長時間泳ぐと、引っ掛け感が極端に弱くなり、手が疲労することがわかった。これは「足が棒になる」のと同じような状況であり、乳酸が溜まり(正確には乳酸発生に伴う水素イオン濃度の上昇)、筋肉が言うことをきかなくなるのが原因と思われる。


肘の位置で再び入水してみる

日本に来てからエンドレスプールで練習することができたので、鏡で入水位置を確認しながら肘の位置入水を試みたところ、手首の位置入水よりもラクに体を前に送ることができた。特に肘の自由落下による入水動作の初速づくりは、その加速を力点として水中の手を作用点にする「てこ」を導入することでキャッチもラクにできることがわかった。

 肘の横延長線は見えないので、感覚的には頭のてっぺんの隣に入水するようにした。入水直後に中指のスイッチを入れて方向を変え、スイッチを直ちに切って手を前に伸ばす。自由落下が十分得られない場合は、入水位置が遠くなっているとすぐにわかる。肘の位置入水は長距離に欠かせない道具である。


プールでテンポを変えて練習してみる

1.15秒でスタートして1.30秒まで落とし、1.05秒まで上げた。テンポ1.15秒でも肘の位置に問題なく入水することができ、自由落下による加速を感じることができた。当初懸念していたキャッチのタイミングやてこ入れのタイミングも問題なく、手首入水よりもラクであった。 

 テンポが1.10秒になると状況は一変する。肘を水中で伸ばす動作がテンポに合わせるときにネックになる。従来なら手首位置入水に変えてテンポに合わせるのであるが、プッシュの距離を短くしてタイミングを合わせた。ストローク数は18で1.15秒のときと変わらなかったので、力を使うプッシュの代替として入水後に手を伸ばす動作が機能したことになる。

 1.05秒でもさらにプッシュの位置を手前にすることで肘の位置入水を維持した。全体的にストロークが浅くなる感覚があり、ストローク数も20まで上がったがこれは今後の課題であろう。

 結果として肘の位置による入水は手首の位置による入水よりもラクであり、速いテンポでも対応することができた。見た目も美しくなるので今年いっぱいは肘の位置入水で技術を磨くことにする。その後臨戦態勢になったときには使い方について検討する。


○メニュー

・感覚を磨く400m(50ずつ7つの感覚)
・テンポピラミッド400×10(100入水位置と角度、100キャッチの型、100肘てこ、100入水てこ)

練習後の気分:8(外は冷え込んで寒かった)

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