2018年4月27日金曜日

[NMP]暗記のためのラベル化

ラベル化の必要性

動作それぞれがアルゴリズム化されれば、あとはアルゴリズムを覚えれば上手に運動できるようになる。ただし1つのアルゴリズムは20~30のステップ(現段階の分析による)により構成されるので、それらを全部覚えるのは大変である。

そこでこれまでの人生経験において組み込み関数化された動きを活用する。これらの組み込み関数は名前がついており、その名前を見ればからだが何をすればよいかがわかるようになっている。

例:「歩く」

歩くという動作のアルゴリズムは以下の通りである。
  1. 前傾して重心を移動する
  2. 片足が前に出やすいように反対側の足に重心をかける
  3. (インプット)重心がどの程度移動しているか
  4. (条件判断)からだが前に倒れる直前の重心の移動状態を前のめり感100%とすると、30%に達したとき(目標速度による)に片足を前に出す
  5. (インプット)動かした足の移動距離
  6. (条件判断)歩く速さに合わせて移動距離を決めて着地する
  7. 着地した足に重心をかける
  8. 3~7を繰り返す
なおここではどこを支えにしてどの筋肉を使うかまでは記述していない。それらを加えるとステップ数は倍増、三倍増することになる。
速く歩きたいときは4の前のめり感を50%に上げたり、6の移動距離を大きくしたり、3~7をより早く繰り返したりする。

このように複雑なステップを、「歩く」という文字を使えば(歩ける人ならば)誰でもできるようになる。「速く歩く」「ゆっくり歩く」というバリエーションも条件判断基準(パラメータ)を変更することで対応できる。

「泳ぐ」ためのラベル化

それでは「泳ぐ」はどうか。歩くほどシンプルではないからこそ、多くの人が困っているのである。「速く泳ぐ」「ゆっくり泳ぐ」も何をパラメータとして変化させてよいかわからない。
つまり「泳ぐ」を複数のラベル=アルゴリズムに分解する必要がある。一つのラベルはさらに複数のラベル=アルゴリズムに分解することができる。
以下が「泳ぐ」をラベル化する例である。
  • 泳ぐ=滑る+押す
  • 滑る=乗る+支える
  • 乗る=押す+動く
  • 押す=当てる+伸ばす
  • 押す=放つ
  • 伸ばす=縮める
  • 呼吸する=回す+ひねる
  • 回す=伸ばす+つなげる
  • 運ぶ=放つ+抜く
このように「泳ぐ」という複雑な動作を、既知の動作の名称の組み合せにすることで、短時間で暗記して動作できるようにするのがNMPの目的である。



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