2014年7月29日火曜日

魚が42.195kmを走った日

サンフランシスコのマラソンレースに出場し、初めて臨んだフルマラソンを完走することができた。時間は6:10である。

○レース四週間前:20km走で致命的な欠点を発見


足が棒になる状態を過去2回経験していたが、これが乳酸の蓄積によるものであり、その原因が高い心拍数で走ることがわかった。このときには150平均(強度90%)で走っていたが、18kmあたりで足が棒になり、結局歩けなくもなりリタイヤした(迎えに来てもらった)。フルマラソン完走が遠のいた。

○レース三週間前:26km走で完走できず


前週のリタイアを反省して、7割程度の強度に落として走ったものの、24km地点で足が棒になり残りは結局歩いたり少し走ったりの繰り返しになった。

○レース二週間前:20kmようやく完走


感覚に依存しても結果が出なかったので、心拍計に基づいて最初は130台前半、中盤で130台後半、後半で140台後半に落としてようやく完走することができた。ペースはそれぞれ8分30秒、8分、7分30秒である。

従って足が棒にならず完走できるペースはkmあたり8分程度であることがわかった。このペースで続けて5時間36分、トイレや給水のロスを入れると制限時間の6時間を切れるかどうかという状況であった。

運動強度90%でキロ7分ペースであることは、走ることがその人の本来持つ運動機能に依存することを意味する。簡単に言えば速い人は速いし、遅い人は遅いのである。遅い人が誰でも速くなれるわけではない。1kmなら強度90%で走ることができるが、42kmは不可能である。

今回マラソンに関する書籍を30冊以上通読したが、この程度の運動機能を持つ人に対してマラソンの戦略を提案している本は一冊もなかった。完全に除外されているのである。違和感(疎外感)を感じた。

○レース本番:大きな誤算


レースでは5kmずつ心拍数やペース、時刻を想定し、給水場所で摂取するサプリメントもすべて決めたうえで本番に臨んだ。

スタートしてすぐわかったのは、緊張状態にあるため普段より心拍数が10~15上がっていることだった。最初は歩いても135を下回ることがないぐらいであった。仕方なくペースを優先して走っていたが心拍数は常時155近辺であった。

25km地点までは想定ペースを守ったものの、足の疲れが出ただけでなく、足がけいれんし始めた。さらに上り下りが多くひざの痛みも出てきたので、後半は給水近辺だけでなく上り坂も歩くようにした。

それでも40.5km地点までは何とか走ることができたが、それ以降は両足がつった状態になった。無理するにはリスクが大きすぎたのと、実走距離に基づいた残りの距離と、ゴールまでの実際の距離に500mの差があり制限時間内には到底到着できないと判断して、残りはゴールまで歩くことにした。

○ランニングで得られたこと


  • ラクに走ることだけでは20km超の距離を走りきることはできない。筋力を上げることで乳酸の蓄積を抑え、乳酸の耐性を高める必要がある。
  • 心拍数により運動強度が決まり、運動強度により速度が決まる。運動強度一定で速度を上げるためには練習をデザインする必要がある。
  • 速く走ることは、速く走ることだけが目的になるのではなく、筋力を上げることを目的とする場合がある。運動機能的に遅い人ほどこの練習を取り入れる必要がある。
  • 6時間の運動を続けるだけの心肺機能はあった。

特に最後の心肺機能は重要であり、マラソンスイムに挑戦できる基礎となる。

これまでの8ヶ月のラン練習を通じて、スイムに使えること、使えないこと、ランにおける自分のポジションや今後のランの取り組み方など多くのことがわかった。1500mスイムで自己ベストを出し、フルマラソンを完走したことで水陸両用ボディは完成した。今後はマラソンスイムを完泳するだけでなく、速く泳げるようにすることを目標に練習する。

新しい問いかけ:「6時間走るのと7時間泳ぐのはどっちがラクか?」







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