スイム 2350m
効率的なペース練習として、様々なパターンを試しては運動強度(心拍数)と比べている。新しく組み立てた練習メニューを、ワークショップで使用する横浜の25mプールで試すことができた。
1)目標ペースの設定
目標ペースは目標タイムをラップ数(壁から壁まで泳ぐ回数)で割る。1500mの目標タイムが30分であれば、25mプールでは60ラップなので30×60÷60=30秒となる。従って1500mの場合の計算は簡単で、目標タイム(分)=目標ペース(秒)となる。ただし実際には泳ぎが劣化するため、5%程度は速いペースにする必要がある。
テンポトレーナーのモード2の設定上、ペースは切り捨てで整数にする。
2)ベースペースの設定
ベースペースは練習用のペースである。現時点で目標の距離を泳いだときの、最も速いペースを想定している。目標タイムが現在のベストタイムより10%速いとすれば、練習で最も速いタイムはベストタイムの5%落ちを想定して、目標タイムより15%遅いと考えることができる。そこでベースペースは目標ペースの15%落ちになる。目標ペースが30秒であれば、ベースペースは30秒×1.15=34秒となる。
ただしこれは下限と考えたい。実際には泳ぎながら貯金の状況を確認して、ベースペースを1~2秒修正する必要がある。
3)テンポの決定
ベースペースが決まったら、25mをベースペースで着くようにして(壁をタッチして1秒以内にビープ音が聞こえるようにして)ストローク数を数える。ベースペース÷(ストローク数+2)でそのときのテンポが算出できる。この2はプッシュオフとひとかきに要する時間である。何回かテストする。ベースペースは遅めなので、テンポもゆっくりになる。
今回のテストではベースペース26秒で16ストロークだったので、テンポは1.40秒になった。ベースペース25秒では1.35秒である。これでペース-ストローク数-テンポの関係が明らかになる。
4)テンポピラミッドの実施
速いテンポに適応するための技術を身につけるために、テンポピラミッドを行う。テンポは上記のテンポ+0.15秒からスタートして、ストローク数を増やさないようにして-0.10秒まで速くする。ゆっくりしたテンポで加速を上げる泳ぎを作ることで、ペース練習に入っても空回りしなくなり、ストローク数を変えることでペースに対応できるようになる。
5)ベースペースで長く泳ぐ
いよいよペース練習である。始める前に、ラップあたりのストローク数を決める。スタートは伸びるので他のラップよりもストローク数を1減らす。ベースペースはコントロールしながら泳げるので、ストローク数を決めたらそれを守るように徹底する。今回は16/17であった。
6)ペースを上げる
ペースを1秒上げるごとに、ストローク数がラップあたり1増えるようにする。25mプールであれば短いのでストローク数1増加=ペース1秒短縮を維持することができる。7)目標ペースで泳ぐ
今回は26秒でスタートしたが、貯金が多すぎた(ターン後壁を蹴って2ストロークでビープ音が鳴る)ので1秒減らして25秒にするとともにストローク数を1増やした。25秒:17/18さらに24秒で50、50、100、200を行った。このときは18/19である。
最後に目標ペースである23秒で50、50、100、200を行った。ストローク数は19/20である。あわてることなく貯金を1秒程度作ることができた。
あとは200mを3本、4本と増やす流れと、400m、500mと距離を伸ばす流れを日替わりで行えば良い。
このようにペース練習ではステップを作ることが大切である。単純にペースを1秒縮めただけでは、根性で速くしようとして成果が伴わなくなる。ペースを1秒縮めるときに、どのような形(ストローク数やテンポ)で実現するのかを明確にして、その通り泳ぐことでペースを保つ必要がある。
運動強度の考察
心拍数の推移が下のグラフである。基本的に時間とともに心拍数は上がっているが、30秒でそのセット開始前近くにまで下がることがわかる。運動強度の高い練習を行うことで、かろうじて右肩上がりを保っている。急激に下がっているのは1分休んだときで、心拍レベルで言えばウォームアップ終了直後まで低下している。心拍数が上がるのは100mや200mを泳いだときである。高い状態を維持したいのであれば200mを泳ぐことは必須となる。
心拍数を上げて練習することは、本番の状態に自分のからだを慣らすために重要である。効率的に心拍数を上げるためには、
- 休憩時間は30秒を最長とする。短い距離のセットほど休憩時間を短くする。
- ペース練習を、200mを最低距離としたセットで行う。
0 件のコメント:
コメントを投稿